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【血盟】百年旅~故郷からの呼び声

マスター:深夜真世

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/05/15 19:00
リプレイ完成予定
2017/05/29 19:00

オープニング


 同盟領は農業推進地「ジェオルジ」のとある村で。
 ――どさっ、びちびちっ。
「え?」
 晴れ渡った空の下、水汲みから戻った娘が誰もいないはずの背後から突然聞こえた異音に振り返っていた。
見ると道のわだちに一匹の魚が跳ねているではないか。
 彼女が通った時にはいなかった。もちろん、彼女が重そうに両手で提げて運んでいた水桶に入っていたわけでもない。
 突然現れたのだ。
 しかもこの魚、虹色に輝いている。
「な、何?」
「おおい、無事かぁ?」
 面妖な事態にたじろいだところ、近くで農作業をしていた男が慌てて近寄った。
「無事……ですけど」
「いや、さっき空の上にいた鳥があんた目掛けて何かを落としたから」
 狙ってこの魚を離したように見えたらしい。もうその鳥は森の方へ飛び去った後だが。
「ああ、それで……え?」
 一応、理由が分かって安心した娘だが再び目を見開いた。
 魚の輝きが増したのだ。
 そしてとんでもないことが起こる!
『里を助けてほしい』
 びちびちっ、と魚は激しく乾いた地面で跳ねながらそんなことを言った。これには駆けつけた男も一瞬身を引く。ただ、とても清らかな声だったので逃げ出すことはなかった。
『里を助けてやってくれ』
 びちびち、と魚は変わらず繰り返す。
 ただ、ぱくぱくする魚の口と発音が合わない。魚がしゃべっているわけではないかもしれない。
「里と言われても……」
『それと、この魚に水を』
「あ。はい、ただいま」
 娘、慌てて自らの持つ水桶に魚を入れてやる。魚はすいと元気に泳ぎだした。
 そしてまた言葉が響いてくる。
『里を、助けてほしい……』
 これを最後に魚は虹色の光を失い、二度としゃべらなかった。
 はっきりしているのは、娘はもう一度水汲みに行かねばならないということくらいだろうか。

 その後、同じ事件が相次いだ。
 村長宅の池には村人から持ち寄られた、空から降ってきた魚が増えていくばかりだ。
「精霊の仕業に違いない」
「鳥は森の奥から来とる。人里はないが、例の闇商人がたまに取引に行くエルフの隠れ里じゃろう」
「二年前じゃったか、あの森に隠遁しとった隠者がエルフの娘を連れてきたことがあったはず」
 村長ら村の顔役たちの出した結論である。
「すぐにベンド商会とジル・コバルトに連絡せにゃあ!」



 というわけで、ジル・コバルトの耳に入る。
「やれやれ、ずっと不安ではあったがの……」
 ジル、観念したように天を仰いで息を吐いた。伝えに来たジルの資金管理などをする青年はすでに辞している。
 そんな、ジルが佇み紅茶だけが冷えゆく居間にフラ・キャンディ(kz0121)が入って来た
「ジルさん、その……いつもボクのこと見守ってくれて、ありがとう。これまで二年間の感謝の印だよ」
 フラ、もじもじと背後に隠していた両手を差し出し、リボンで飾ったパイプを手渡した。
「おお、気にせんでも……いや、フラは優しいの。そういえば最近こっそり何かしてたようじゃから、もしかしてこのパイプは……」
「うんっ。ボクが作ったんだ♪」
 得意そうなフラ。
 ジルが受け取りリボンを外して隅々までじっくり確認するとボウルの下に「♭」のマークがついていた。
「ボクの故郷で造ってる人から教わったんだ。たまに闇の商人さんが来てたくさん買い込んでいくから、きっとお金になるってみっちり教え込まれたんだよ」
「ありがとう、今日から早速使わせてもらおうかの。それにしても……もうあれから二年か」
 しみじみとつぶやいた後、口調を変えた。
「フラ、実はな?」
 ジル、先に聞いたばかりの情報をゆっくりと話し出した。

「ボクの里だよ!」
 ジルから話を聞いたフラ・キャンディが、がたと立ち上がる。
「残念ながら、間違いないじゃろう。フラのやってきた方向と、ルモーレの骸骨歪虚の侵攻してきた方向がほぼ一緒じゃったからの」
 ジル、フラからもらったばかりのパイプをくゆらせながらため息を吐く。
「すぐ助けに行こう! ううん、ボク一人でも……」
「待て。『百年目のエルフ』としての掟を破るのか?」
「う……」
 フラ、青い顔をして立ち尽くす。
 それにほっとするジル。
「ほれ、キャンディをなめて落ち着くといい。……みんなを呼ぼう。みんなに助けてもらうんじゃ。フラは……村には入れんかもしれんが近くまでなら掟破りにはなるまい?」
「う、うん。うん……お願い。ボクの里を守って!」
 キャンディで頬を膨らせ落ち着いたところに優しい言葉。フラ、ジルに抱きついて顔を見上げ泣きじゃくるのだった。

 というわけでフラの故郷、エルフの小さな隠れ里「♭(フラット)」に向かい、おそらくいるであろう堕落者「ルモーレ」の軍勢と戦ってくれる人、求ム。

解説

 エルフの小さな隠れ里「♭」に赴き、里の危機を救ってください。

 実際には、堕落者「ルモーレ」の率いる軍勢が里を襲っている想定で現地に行きます。

※実は一年半くらい前にすでに襲われ、全滅の憂き目にあっています。ルモーレはその後再び、元ジルの隠れ家の位置まで侵攻しそこに砦を築いたものと思われます。

 よって、フラの案内で里の入り口たる洞窟入り口まで行った時点で、ルモーレの新たな手勢と戦うことになります。
 これまでルモーレは古戦場から骸骨や鎧などをよみがえらせ戦力にしていましたが、今回現地を守っているのは以下の歪虚となります。

「粘土人形」…身体の粘土を堅くして飛ばしたり打撃武器にして戦う。
「壁粘土」…いわゆる妖怪「ぬりかべ」。自力移動力あり。
「岩人形」…粘土人形より耐久力高く戦闘力も高い。

 「宵闇蒸気街」の騒ぎで街に注目させておいて、森の中で新たな手勢をせっせと整えていた様子。人形系は人の大きさで、ぬりかべは二メートル強四方で短い手足あり。いずれも、これまで使役していた骸骨などより強いです。
 詳細は不明。
 敵総数は三種類合計20体程度。遠目で確認し、木々に隠れているところから戦闘開始。10スクエア四方の広場で、便宜上、西に岩壁。真ん中にある岩壁付近に敵が密集。自軍は南の一番東よりから広場到達。東と北には森があるだけで、北東一番隅に獣道。

 今回はここで撤退という流れとなります。
 理由は、地形。
 フラの説明により、隠れ里「♭」が滝壺を利用した垂直の村で、そこには洞窟を抜けていくしか道がない(隠れ里ですし)と分かります。
 つまり、戦闘で圧勝すると洞窟を潰される可能性が高くなります。自軍劣勢ならそのまま撤退でしょうし。
 ルモーレの動きは流動的です。撤退する理由になる可能性が高いです。

 フラもウォーハンマー(レベル10)など装備を固め積極的に戦います。
 ただ、作戦にはちゃんと従います。

マスターより

 ふらっと、深夜です。

 宵闇蒸気街の3連作、ご参加ありがとうございました。お話はスムーズに進み、フラの故郷編に突入です。
 ルモーレのやってたこと、どうやら時間稼ぎの陽動だったようですね。大火のあった場所とは違うところでの騒ぎ(したがって、大火で実際に焼けた「チョコレート・ハウス」あたりでルモーレの騒ぎはなかった)で、こちらも陽動になっていたようで。
 物語は、フラの隠れ里にいた妖精(姿は見せず、存在も認知されていませんでした)の教えで危機を察知。助けに行きます。すでに敵の手に落ちてますが。

 では、よろしくお願いします。

関連NPC

  • 百年目のエルフ
    フラ・キャンディ(kz0121
    エルフ|11才|女性|疾影士(ストライダー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/05/26 02:42

参加者一覧

  • 皇帝を口説いた男
    ラン・ヴィンダールヴ(ka0109
    人間(紅)|20才|男性|霊闘士
  • Commander
    柊 恭也(ka0711
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 感謝のうた
    霧雨 悠月(ka4130
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • メテオクイーン
    キーリ(ka4642
    エルフ|13才|女性|魔術師
  • 百年目の運命の人
    弓月・小太(ka4679
    人間(紅)|10才|男性|猟撃士
  • 飢力
    不動 シオン(ka5395
    人間(蒼)|27才|女性|闘狩人
  • 想いと記憶を護りし旅巫女
    夜桜 奏音(ka5754
    エルフ|19才|女性|符術師
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
柊 恭也(ka0711
人間(リアルブルー)|18才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/05/13 22:46:51
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/05/15 12:20:29