ゲスト
(ka0000)
【碧剣】残影に沈め
マスター:ムジカ・トラス
- シナリオ形態
- シリーズ(続編)
関連ユニオン
アム・シェリタ―揺籃館―- 難易度
- 不明
- オプション
-
- 参加費
- 1,300
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- サポート
- 現在1人 / 0~4人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 不明
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2017/05/19 19:00
- リプレイ完成予定
- 2017/05/28 19:00
オープニング
●
嫌だ。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!!
●
「――――ッ!」
胸を引き裂かれたような錯覚を抱いて、少年――"ロシュ・フェイランド"は目を覚ました。
荒くなる呼吸をどうすることもできない。それでも、強引な呼吸で痛む傷口よりも、脈打つ動悸がロシュの心を乱す。汗で濡れそぼった髪も、ただただ不快だった。
「…………、今の、は……」
それよりも、今の"声"が、気がかりだった。
絶叫だった。絶望だった。塗り込められた感情に、ロシュの奥底がかき乱される。
その声は、ロシュも良く知る誰かのもので……。
「………………シュリ?」
●
独り、雪原を歩く。雪解けの気配は未だ遠く、肌寒い大気が少年の頬を叩く。
何ものも、少年の足取りを止めることはない。獣の気配も無く、雪道をただ往くばかりの道のりである。時折足元が雪に取られ、バランスを損ないはするが――それだけだ。すぐに、少年は歩みだす。
「………………」
向う先を見据える茶色の瞳は――ただただ、ひたむきで。少年は歩みを止めることなく、歩き続けた。
そこに、救いに足る何かが在るとは感じさせぬ、悲壮な目をしていた。
●
結論から言えば、騎士団が派遣した調査団の結果は振るわなかった。
ハンターたちが戻り、彼らの報告を受けて緊急的に出撃した彼らであったが、"敵"は、それよりも迅速だった。
白髪の青年の証言によると、獣たちだけでなく、"人型"の何かが多数、村の中で行動していた姿が目撃されている。
伝達のために村を発ったハンスが歪虚と化したことを踏まえると、その村に残っていた百名が――それが全てとは限らないが――辿った運命は、想像に難くない。
であるから、調査の目的は、"彼ら"の行く末になった。
寒村を滅ぼした歪虚と、歪虚と化した村人たちの動向調査は、限られた人員とはいえ徹底的に行われた。
たしかに、騎士団は散在化していた歪虚の群れ――そのいくらかを滅ぼしはした。
――だが、それだけだ。
"まるで我々の調査を見越していたかのような"動きであったと、調査報告書は結ばれている。
人々の遺体は、ただの一つも見受けられなかった。
それが、全てだった。
●
月光の中、ゆらぁり、ゆらぁりと、数多の影が揺れた。
「――あれだけの用意が、ハンターの助力があったとはいえ非戦闘員に損なわれるとは思いませんでしたが……」
暗がりの中、言葉が落ちた。声色には何の感慨もこもってはいない。雪の降り積もった岩石に腰掛けたその人物はただ、月を見上げているだけだ。
「……いずれにしても、準備はできました」
うめき声が聞こえる。数多にも重なった苦鳴は掠れ、ひび割れ切っている。非業と悲憤、絶望の塗り込められた声に、人影はただの一つもゆるぎはしなかった。ただ、茫洋と月を見上げている。
その人影を囲むように、ゆらぁり、ゆらぁりと、連なる影が、揺れていた。
●
村にたどり着いたシュリは、真っ直ぐに村の中央――当日避難所として利用されていた建物へと向かった。
その道程で、僅か数日の間で荒廃した村の姿が胸に刺さる。かつての王都のように、"敗北"と"死"を予感させる光景だった。
消化しきれない醜い思いに、揺さぶられ続けながら――ようやくたどり着き、震える手で扉を開く。
騎士団の説明を聞いて、どうしても、確認したいことがあったのだ。
ぐるりと見渡してシュリはへたり込んだ。からり、と。剣の柄が軽い音を立てる。
呆然と、呟くしか、なかった。
「…………無い」
血痕も、何も。
人の影も、気配も、ありはしなかった。
●
「シュリ・エルキンズを探している」
ハンターを集めたロシュ・フェイランドは、開口一番にそう言った。治療の成果か、負傷の影響はさほど大きくないのだろうか。心身ともに、以前と変わらぬように見える姿で、ハンターたちの前に立っている。
場所は、"歪虚対策会議"が所有する建物の会議室であった。別の部屋では、戦術研究や兵器開発のための試作など、慌ただしい気配が滲む中、ロシュは続けた。
「――遺憾ながら、数日前からシュリの動向がつかめない。今後の我々の"作戦"において、シュリは必要不可欠だ。しかし、我々自身も、そこに人手を差し向ける余裕はない。故に――」
探してくれ、と。ロシュは言ったのち、苛立たしげに舌打ちを零した後、皮肉げな表情でこう結んだ。
「……どのみち、私が行ったところで意味はないだろうしな。貴様らに頼むのが良いのだろうさ」
嫌だ。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!!
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「――――ッ!」
胸を引き裂かれたような錯覚を抱いて、少年――"ロシュ・フェイランド"は目を覚ました。
荒くなる呼吸をどうすることもできない。それでも、強引な呼吸で痛む傷口よりも、脈打つ動悸がロシュの心を乱す。汗で濡れそぼった髪も、ただただ不快だった。
「…………、今の、は……」
それよりも、今の"声"が、気がかりだった。
絶叫だった。絶望だった。塗り込められた感情に、ロシュの奥底がかき乱される。
その声は、ロシュも良く知る誰かのもので……。
「………………シュリ?」
●
独り、雪原を歩く。雪解けの気配は未だ遠く、肌寒い大気が少年の頬を叩く。
何ものも、少年の足取りを止めることはない。獣の気配も無く、雪道をただ往くばかりの道のりである。時折足元が雪に取られ、バランスを損ないはするが――それだけだ。すぐに、少年は歩みだす。
「………………」
向う先を見据える茶色の瞳は――ただただ、ひたむきで。少年は歩みを止めることなく、歩き続けた。
そこに、救いに足る何かが在るとは感じさせぬ、悲壮な目をしていた。
●
結論から言えば、騎士団が派遣した調査団の結果は振るわなかった。
ハンターたちが戻り、彼らの報告を受けて緊急的に出撃した彼らであったが、"敵"は、それよりも迅速だった。
白髪の青年の証言によると、獣たちだけでなく、"人型"の何かが多数、村の中で行動していた姿が目撃されている。
伝達のために村を発ったハンスが歪虚と化したことを踏まえると、その村に残っていた百名が――それが全てとは限らないが――辿った運命は、想像に難くない。
であるから、調査の目的は、"彼ら"の行く末になった。
寒村を滅ぼした歪虚と、歪虚と化した村人たちの動向調査は、限られた人員とはいえ徹底的に行われた。
たしかに、騎士団は散在化していた歪虚の群れ――そのいくらかを滅ぼしはした。
――だが、それだけだ。
"まるで我々の調査を見越していたかのような"動きであったと、調査報告書は結ばれている。
人々の遺体は、ただの一つも見受けられなかった。
それが、全てだった。
●
月光の中、ゆらぁり、ゆらぁりと、数多の影が揺れた。
「――あれだけの用意が、ハンターの助力があったとはいえ非戦闘員に損なわれるとは思いませんでしたが……」
暗がりの中、言葉が落ちた。声色には何の感慨もこもってはいない。雪の降り積もった岩石に腰掛けたその人物はただ、月を見上げているだけだ。
「……いずれにしても、準備はできました」
うめき声が聞こえる。数多にも重なった苦鳴は掠れ、ひび割れ切っている。非業と悲憤、絶望の塗り込められた声に、人影はただの一つもゆるぎはしなかった。ただ、茫洋と月を見上げている。
その人影を囲むように、ゆらぁり、ゆらぁりと、連なる影が、揺れていた。
●
村にたどり着いたシュリは、真っ直ぐに村の中央――当日避難所として利用されていた建物へと向かった。
その道程で、僅か数日の間で荒廃した村の姿が胸に刺さる。かつての王都のように、"敗北"と"死"を予感させる光景だった。
消化しきれない醜い思いに、揺さぶられ続けながら――ようやくたどり着き、震える手で扉を開く。
騎士団の説明を聞いて、どうしても、確認したいことがあったのだ。
ぐるりと見渡してシュリはへたり込んだ。からり、と。剣の柄が軽い音を立てる。
呆然と、呟くしか、なかった。
「…………無い」
血痕も、何も。
人の影も、気配も、ありはしなかった。
●
「シュリ・エルキンズを探している」
ハンターを集めたロシュ・フェイランドは、開口一番にそう言った。治療の成果か、負傷の影響はさほど大きくないのだろうか。心身ともに、以前と変わらぬように見える姿で、ハンターたちの前に立っている。
場所は、"歪虚対策会議"が所有する建物の会議室であった。別の部屋では、戦術研究や兵器開発のための試作など、慌ただしい気配が滲む中、ロシュは続けた。
「――遺憾ながら、数日前からシュリの動向がつかめない。今後の我々の"作戦"において、シュリは必要不可欠だ。しかし、我々自身も、そこに人手を差し向ける余裕はない。故に――」
探してくれ、と。ロシュは言ったのち、苛立たしげに舌打ちを零した後、皮肉げな表情でこう結んだ。
「……どのみち、私が行ったところで意味はないだろうしな。貴様らに頼むのが良いのだろうさ」
解説
●目的
・ご自由に行動ください。
(依頼としてはシュリを見つけろ、というものになりますが、必須ではありません)
●解説
前回の依頼から、1週間が経ちました。
それぞれに傷も癒え、王国騎士団による調査内容の概略は関係者各位には伝えられております。
調査内容についてはOP内をご参照ください。これ以上の情報は捻っても出ません。
この依頼では、自由に行動することができます。
それぞれに心情に浸るもよし、関係者各位のNPCと語るも、よし。
といっても、関係者となるNPCは、二名だけではあるのですが――。
●NPCについて
・シュリ・エルキンズ
かつての戦場である【村】に居る。滞在二日目。
その心情は――。
・ロシュ・フェイランド
王国、王立学校内に居る。傷は癒え、前回の戦闘のことについては呑み込んでいる様子。
歪虚憎しは変わらないが、精神的には落ち着いている。
べ、別に誘われ待ちじゃないんだからね。
●その他
・村の中については、無人となっています。
・荒れ果ててはいますが、特に大きなトラブルは起りません。
・シュリは当時"避難所"として用いられていた場所にいますが、リプレイの描写自体はプレイングを参照しながら適宜行います。
そのため、描写の舞台としては、
1.個人ごとに何処か
2.村内部とその周辺
3.帰路である王都周辺 と様々です。
・黒幕の何某かについては、探すことは可能ですが、見つかることはありません
・なお、明確には記載していないとある"事実"が二つあります。
この二点両方についてシュリは気づいていますが、ロシュは気づいていません。
・ご自由に行動ください。
(依頼としてはシュリを見つけろ、というものになりますが、必須ではありません)
●解説
前回の依頼から、1週間が経ちました。
それぞれに傷も癒え、王国騎士団による調査内容の概略は関係者各位には伝えられております。
調査内容についてはOP内をご参照ください。これ以上の情報は捻っても出ません。
この依頼では、自由に行動することができます。
それぞれに心情に浸るもよし、関係者各位のNPCと語るも、よし。
といっても、関係者となるNPCは、二名だけではあるのですが――。
●NPCについて
・シュリ・エルキンズ
かつての戦場である【村】に居る。滞在二日目。
その心情は――。
・ロシュ・フェイランド
王国、王立学校内に居る。傷は癒え、前回の戦闘のことについては呑み込んでいる様子。
歪虚憎しは変わらないが、精神的には落ち着いている。
べ、別に誘われ待ちじゃないんだからね。
●その他
・村の中については、無人となっています。
・荒れ果ててはいますが、特に大きなトラブルは起りません。
・シュリは当時"避難所"として用いられていた場所にいますが、リプレイの描写自体はプレイングを参照しながら適宜行います。
そのため、描写の舞台としては、
1.個人ごとに何処か
2.村内部とその周辺
3.帰路である王都周辺 と様々です。
・黒幕の何某かについては、探すことは可能ですが、見つかることはありません
・なお、明確には記載していないとある"事実"が二つあります。
この二点両方についてシュリは気づいていますが、ロシュは気づいていません。
マスターより
お世話になっております、ムジカ・トラスです。
シリーズを通しての、エピソード的位置づけのシナリオになります。
(そういう意味で、シリーズシナリオとしてリリースさせていただきました)
キャラクターとしてでも、誰としてでも。やりたいことをなさって下さい。
ただし、お一人あたりに使える字数は最大で1000文字前後と内容次第では苦しいところはありますが……。
恐らく、次回以降は皆様にとって急展開になると思われますので、布石とするもよし、ここで精算するもよし、です。
お楽しみいただけたら幸いです。
シリーズを通しての、エピソード的位置づけのシナリオになります。
(そういう意味で、シリーズシナリオとしてリリースさせていただきました)
キャラクターとしてでも、誰としてでも。やりたいことをなさって下さい。
ただし、お一人あたりに使える字数は最大で1000文字前後と内容次第では苦しいところはありますが……。
恐らく、次回以降は皆様にとって急展開になると思われますので、布石とするもよし、ここで精算するもよし、です。
お楽しみいただけたら幸いです。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2017/05/29 03:25
参加者一覧
サポート一覧
- クレール・ディンセルフ(ka0586)
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/05/17 18:37:57 |
||
相談卓 柏木 千春(ka3061) 人間(リアルブルー)|17才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2017/05/18 22:07:10 |