• 戦闘

昏迷のかわりに

マスター:鷹羽柊架

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 3~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/11/07 12:00
リプレイ完成予定
2017/11/16 12:00

オープニング

 ハンターが帰った後、初名は現在世話になっている刀匠白賀時光に話を聞こうとしていた。
 その内容は初名の師匠である亀田藤五郎へ贈るはずだった刀が初名が訪れる数日前に盗難された話。
 弟子も同席しており、話を聞こうとしている。
「師匠……そもそも、そんな刀、見たことがねぇだが……」
 弟子の一人である三吉が首を捻りながら訪ねた。
 他の弟子たちも同様に時光の刀の話は聞いたことがなかったようであった。
「盗賊達が荒らした蔵の奥にガラクタなんかを置いている場所があっただろう、そこの奥に刀一本隠せる隙間があってな、その中に隠していたんだ」
「確かに随分と荒らしてなぁっと思ってたんだが……そんなところまで……」
 呆れる弟子達に対し、初名はじっと時光の様子を見ている。
「何故、そんなところに隠していらっしゃったのですか……?」
 初名の問いに時光は肩を落とす。
「一度盗まれた後、そこに隠していたのです」
 そういえばと、初名は思い出す。ハンターがいた席でそう言っていた。
「最初の時はもう、何十年と前の話……藤五郎が医師の道を目指し、刀が出来上がって間もないころでした」
 白賀の邸宅は時光の師匠の持ち家であり、時光は子供のいない師匠の養子に入っていた。
 旅流れの盗賊に奪われ、当時の時光は盗賊を追い、同時に旅の覚醒者の力を借りることが出来、盗賊を追ったという。
 追いついた時、その盗賊は人とは思えない様子であり、刀を振り回して時光と覚醒者を襲った。
 覚醒者の機転もあり、近くに歪虚がいた事に気づく。盗賊は歪虚を庇ったことから、歪虚の力の影響と判断し、歪虚を退治したという。 
「その歪虚はどのような……」
 初名が言葉を挟むと、二股の頭をした蛇の歪虚だと時光が返した。
 覚醒者が二股の蛇の片方の頭を斬り落とすと、動かなくなり、盗賊は気を失った。気が付いた頃には、盗賊が恐慌状態となっており、落ち着いた頃には自白をしてお縄になったという。
「二度も奪われたとなれば、私の手から離れたのはもう、天命か何かと思っていたんだが……」
 ハンターの誠実な働きを見て、諦めきれない思いがこみ上げたようだった。
「お話は分かりました。とりあえず、依頼を出してきます」
 そう言って、初名は街道を越えた街へと向かう。

 街道で大きな顔をしていた盗賊達が大人しくしていても、心配だという事で三吉が付き添ってくれた。
 その際に三吉が以前、西方の国に行っていた際の話をしてくれて、初名を楽しませてくれる。
 飛脚屋にて手紙を書いていたところ、恰幅の良い壮年の女性が声をかけてきた。
「あんた、この間、ハンターを呼んだ人だよねぇ」
「ええ」
 あの時の啖呵でも聞かれていたのだろうかと思い出せば、初名は恥ずかしそうに頬を染める。
「ちょっと、来てくれないかい……」
 そう言ってきた女性に初名と三吉は顔を見合わせた。

 壮年の女性に連れられると、小料理屋に入った。そこには老人が一人おり、疲れた様子を見せている。
 見たところ、着物は質素であるが、身なりもきちんとしており、どこかの店の主のようであった。
「お前さんに教えてほしいことがあるのだ」
 そう言った老人の知りたいことはハンターの依頼の仕方。
「どうかされたのですか?」
「嫁に行った娘の店が、盗賊のような連中に張り込みをされているようでな……」
 どうやら、盗賊たちは街道以外で盗みを働くようになったようで、老人の娘の嫁入り先の店の周囲を見ている影があるという。
「娘の心配だけじゃない、のちに他の店も狙われることになるだろう。元は、仕事がない者達とはいえ、もう目を瞑ることはできん……」
 唸るように呟く老人の言葉に初名はわかりましたと頷いた。

「初名さん、いいんですかい?」
 三吉は店を出てから初名に小声で問いかける。
「まぁ、街の人たちも動きたがっているようですし」
「お人が良すぎるだ。依頼したいなら、自分達でやればええだ」
 どうやら、三吉が怒っている理由は街の人達が初名が動くのを待っているような素振りを感じていたからだろう。
「人情で目を瞑りなんとかしてきて、これ以上何とか出来ないこともあります。それが誰かにすがるだけでも違います」
 初名が言えば三吉は口をつぐんでしまう。
「三吉さんは優しいですね。私のしている事は、彼らにいずれありえるだろうツケをつけているのに」
「おらァ、面倒でも、怖くても、ちゃんとやるべきだと思うだ」
 そう言った三吉に初名はそうですねと微笑む。

解説

依頼内容
街道沿いの山の上に塒を構えている盗賊団の捕縛。

盗賊団の捕縛に入っていただきます。
狙われている店は大通り一本向こうの道に構える木綿問屋です。
その問屋がOPで初名が話していた老人の娘の嫁入り先です。
物陰にて交代で見張りをしているそうです。
人数が足りない場合、交渉次第で自警団(非覚醒者の若い男性が十人ほど。覚醒者はいません)の人達も加勢してくれそうです。

PL情報となりますが、皆さんが行動開始時の夜に盗賊団は盗みに入ります。

盗賊団は現時点で頭含めて十人。
覚醒者は内三人。闘狩人(刀所持)二人(頭は闘狩人です)。格闘士一人。
二人は見張りに出ているので、六人から八人が塒にいる状態となります。
タイミング次第では木綿問屋の方に交代役が行きますので、四人になると思いますが、非覚醒者が担当してます。

同行NPC
初名:越乃初名(こしの・はつな)。故亀田医師の弟子。
年齢は二十の女性。詩天は若峰で知る人ぞ知る可愛らしい容姿のお医者さん。
若峰の守護部隊即疾隊の主治医。
即疾隊一番隊隊長の壬生和彦は兄のように頼れる存在。
現三条家派の武家の娘。九代目詩天の争いの時に家族を亡くし、途方に暮れていた頃に亀田医師に助けられて弟子となった。
基本、か弱い女性だが、医療に携わる時は別人となる模様。
非覚醒者です。
今回は師匠とその娘の形見を故郷へ眠らせるために詩天を出て旅をしてます。
お墓参りは無事に済みました。

三吉:二十代半ばの刀鍛冶師。刀匠白賀時光の弟子。気の良い性格。
憤怒が暴れていた時、非覚醒者であるのにもかかわらずに戦いに加わろうとしたところ、通称ドワーフ王ヨアキムと出会い、西方との縁を持つ。

マスターより

お世話になっております。
鷹羽柊架(たかば・しゅうか)です。
なんだかんだで三話目となり、一度ここで連作ショートが区切り、相当なことがない限り初名は詩天へ戻ります。
よろしくお願いします。

続編は来年一月よりのんびりやっていきます。
十二月は…まったりしたのをやりたいなと。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/11/14 20:26

参加者一覧

  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラー(ka6148
    エルフ|27才|女性|格闘士
  • 即疾隊一番隊士
    和音・空(ka6228
    人間(紅)|19才|女性|符術師
  • 戦場に疾る銀黒
    ルイトガルト・レーデル(ka6356
    人間(紅)|21才|女性|舞刀士
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 好奇心の化物
    龍宮 アキノ(ka6831
    人間(蒼)|26才|女性|機導師
  • 虹彩の奏者
    木綿花(ka6927
    ドラグーン|21才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/11/04 12:42:19
アイコン 相談卓
アルスレーテ・フュラー(ka6148
エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2017/11/06 22:27:21