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【CF】クリスマス・エトセトラ

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 3~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
プレイング締切
2017/12/28 19:00
リプレイ完成予定
2018/01/06 19:00

オープニング


 聖輝節。リゼリオの広場にあるのは、クリスマスデコレーションを施された大きな木。
 てっぺんにある立体ステンドグラスの星が、冷えきった空気にきらきらした光を投げかけている。
 枝の各所に吊り下げられているのは幻獣、精霊、人形、お菓子などのオーナメント。 
 めっき玉に周囲の景色が映り混んでいる。
 飾り立てられた商店のショ-ウィンドウ、その前を行き過ぎる人、又は立ち止まる人――エルフの女と人間の少年。




「――あのさ、マリーおねえさん。次に姉さんが招集かけようとしてきた時さ、私は一緒に船には乗らないって言って欲しいんだ」

 マリーはナルシスの言葉にはっとし、ついで伏し目がちに言った。

「……迷惑だった?」

 ナルシスはしばし口をつぐんだ。こめかみあたりの髪を掻き、思案している。

「いや、迷惑って言うか……困るんだ。おねえさんに何かあったらさ。だから」

 マリーがさっと顔を上げた。緑色の瞳が正面から青い瞳を見据える。

「私だってナルシス君に何かあったら困るの。ナルシス君が私の知らないところで事故に遭ったり、まして死んじゃったりなんかしたら……困るの」

 青い瞳の方が負けた。圧に押されるようにしてそらされた。
 口ごもって、またこめかみを掻く。動揺したのだ。あまりに真っすぐ思いをぶつけられたもので。

「そう思ってくれるのはうれしいんだけど、でも……僕さ、今度姉さんが操舵手やれって言ってきた時こそは断りたいんだよ。だからまずマリーおねえさんから、船には乗らないって言って欲しいんだ。そしたら僕も船には乗らないって言いやすくなるから」

 マリーは再び目を伏せた。言いにくそうに次の言葉を漏らす。

「……ナルシス君、本当にそう出来る?」

「え?」

「……本当にお姉さんを前にして頼みを断れる?」

 自分でもそれが出来るかどうか疑わしいと思っているからだろう、ナルシスは膨れ面になった。

「出来るよ、その位。大体姉さんのあれは頼みなんてものじゃなくて命令……」

「あ、マリーさん! ナルシスさーん!」

 唐突な呼び声がかかってきた。2人が顔を向けた先には、カチャ、そして八橋杏子がいた。
 両者とも赤い帽子赤いコート赤いズボンそして革靴――サンタの姿。
 ケーキ箱が1つ置かれた台を前にハンドベルを鳴らしている。
 杏子が言った。

「よかったらこの最後の1つ買っていってくれない? それでちょうど私たちのノルマ分がはけるんだけど」





 東方式焼肉屋『黄金の味』。
 二階座敷ではハンターたちが談笑していた。彼らは今、飲み会をしているところである。

「今年も色々ありましたねー」

「まだ終わってないけどな」

「それにしてもカチャさんと杏子さん遅いですね」

「バイト入れてるんだって」

 噂をすればなんとやら、階段を上ってくる音が聞こえてきた。襖が開く。
 入ってきたのはカチャと杏子。

「遅くなりましたー」

 そそくさと席につき駆けつけ三杯を飲んだカチャは一息ついた。

「そうそう、さっきマリーさんとナルシスさんに会いまして――」

 と言いかけ、長い座卓の一角を二度見する。
 この場にいるはずのない人物がそこに座っていた。カチャより少し肌の色が濃くて、瞳も髪も黒い女性。堅そうなジャーキーを肴にビールを飲んでいる。

「おおおおおおお母さん!? 何でここにいるの!?」

「あなたを待ってたのよ」

「何で!? 今年は私のうち、年末祭礼の総代でも何でもないでしょ!」

「ええ、もちろんそうよ。だけど別のイベントがあるのよ」

「ふぁ?」

「ほら、うちの部族人間相手の首狩り止めて今年で40年目でしょう。それを記念して何かやろうってことになったのよ。総会で相談した結果、ちょうど聖輝節だから、コラボしてツリーを作ろうかってことになって」

 前段はともかく後段は穏便だ。と思っていたらとんでもなかった。

「その飾り付けに使う獣の首を、今、郷の大人が総出で刈ってるところなのよ。あなたもそれに協力しなさいね。成人してるわけだから、部族の一員として。というわけでさあ帰りましょう」

「いや」

「またそういうわがままを言ってこの子は」

「やだ。帰らない。かえらなぃぃいい!」

 畳と廊下に爪跡を残し引きずられていくカチャ。
 彼女は今年も落ち着いた年末を過ごせそうになかった。





「うーわしわっし。わしわっしー」

 コボルドコボちゃんはジェオルジの田舎道を歩いていく。その手には白くて四角い箱。中に入っているのは、犬用のケーキ。
 お休みで鍵がかかっているハンターオフィス・ジェオルジ支局の横を通りすぎ、コボちゃんハウスに入る。
 ストーブに薪を入れ火をつけて、ケーキの箱を開く。

「わふーし、わしーしー♪」

 ひとしきり唸り歌ってから、ケーキをがつがつ食べ始める。
 目下コボルドが一番、クリスマスらしいことをしていた。

 
 

解説

補足説明

これは聖輝節の夜を思い思いに楽しむシナリオです。
そのまま焼肉屋で宴会をするもよし、カチャの古里、辺境のタホ郷へ移動してみるもよし。
ちなみに杏子はタホ郷に行きません。

タホ郷のクリスマスツリーを飾るオーナメントは動物の首(体の方は郷の人と参加者全員で宴会の肴として、いただくことになっております)。ツリーは祭りの最後、盛大にお焚き上げいたします。
行動は自由。NPCへの絡みも自由。
マリーとナルシスは多分まだその辺にいるはずですから、店を出て探せば接触出来ます。


マスターより

KINUTAです。

1人でいるかカップルでいるかは問題ではありません。とにかく楽しめればいいのです。楽しんだ者が勝ちです。それがクリスマスなのです。


関連NPC

  • 荷を運ぶ者
    カチャ・タホ(kz0150
    人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
  • ジェオルジ支局のお姉さん
    マリー・スラーイン(kz0222
    エルフ|23才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/01/03 23:38

参加者一覧

  • 征夷大将軍の正室
    天竜寺 詩(ka0396
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
  • タホ郷に新たな血を
    メイム(ka2290
    エルフ|15才|女性|霊闘士
  • ルル大学魔術師学部教授
    エルバッハ・リオン(ka2434
    エルフ|12才|女性|魔術師
  • ジルボ伝道師
    マルカ・アニチキン(ka2542
    人間(紅)|20才|女性|魔術師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • また、あなたと
    リナリス・リーカノア(ka5126
    人間(紅)|14才|女性|魔術師
  • 一生を貴方と共に
    雪継・紅葉(ka5188
    人間(紅)|14才|女性|舞刀士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 【質問卓】?
メイム(ka2290
エルフ|15才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2017/12/28 14:50:15
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/12/28 16:56:16
アイコン 相談卓だよ
天竜寺 詩(ka0396
人間(リアルブルー)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/12/27 20:01:02