※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

「そろそろ春めいてきたね～」
　同盟領ヴァリオスのとある通りに構える街角屋台「Pクレープ」で南那初華(kz0135)が開店の準備をする手を止め呟いた。
「……まあ、そうだねぇ。初華は何かそう感じるところはあるのかい？」
　Pクレープの横で自転車修理屋台をしている自称「戦場詩人」のおっさん、ダイン・グラマンが聞いてみる。
「街行く女の子たちの服装がだんだん軽やかで華やかになってきたから」
「ああ。さすがヴァリっ娘、ってところだな。少々肌寒くてもおしゃれを取りやがる」
　やや乱暴にこたえたのはこの界隈のチンピラをまとめ上げる禿頭のならず者兄ィちゃん。ならず者だが縄張りの秩序も護っているため、ハンターながら見るからにトラブルに巻き込まれそうな初華をマークしている。
「ヴァリっ娘……でも、リアルブルーの女子高生もそんなもんかも？」
「そういえばお前のメイド服の丈もかなり短いよな……」
「今はまだ長いもん！」
「ま、あまり短くするとまた助平親父さんたちに絡まれるからほどほどがいいと思うねぇ」
　そんなこんなでにぎやかなところ、一人の男性客が近寄ってきた。
「あ、おはようございます。いらっしゃいませ」
「ええと、今日は買い物じゃなくて……」
　その男性客は常連のようだ。小脇にイーゼルを抱えている。
「ほへ？　ああ、不在の時の画材とかいつもの通り見ててあげればいいのね？」
「そうでもなくて……実は数日、この辺りでたくさんの女の子がスケッチをするから……ええと、うるさくしてご迷惑を掛けるかもだけど大目に見てほしくて」
「ああ、ご挨拶ね。うん。大丈夫♪」
「絵描きのお仲間さんかい？」
　初華の横からダインに聞かれ、少し照れた。
「画塾の生徒……その、少し前から指導もするようになったから」
「あは。レインさん、先生になったんですね。おめでとうございます」
　笑顔で喜ぶ初華。
　若者の名は、レイン。
　レイン魔法美術塾の講師である。
「んじゃ、俺の手下にもこの辺りで騒ぎを起こさないよう釘を刺しとくか」
　立ち去る禿頭のチンピラ。レインは一礼して見送った。

　一方、レイン魔法美術塾の生徒たち。
「わーい、お出掛けお出掛け～」
「……お出掛けじゃなく野外スケッチだと思う」
　はしゃぐヌリエにぽそりと突っ込むクレシェンテ。
「人に見られちゃうわけですよね？」
「えーっ、楽しいじゃない。お洒落して描いたら絵になるよ！」
　自分の服装を気にするハーティア。ララはまったく気にしてないが。
「絵になるって……描きに行くのに」
　テイル、くすくす笑っていたがはっと気付く。
「あ。でも先生たちにも見られちゃうのよね？」
　お洒落、したほうがいいかな～とか思い直す。
　ここへレインがやって来た。
「まあ、画家の前に女の子なんだから自分磨きも忘れないように」
「はぁい」
　レインの言葉に素直に従う少女たち。
「あれ？　レインセンセって、普段そないなこというとったかいな？」
　ハルカ、首をひねる。
「出資者から『魅力的なレディの画家』を育てるよう言われてるからね」
「ああ、スポンサーからの要望じゃしかたないね～」
　ハルカは気軽に納得したが、何人かの生徒は「スポンサー、いたんだ……」、「しかも変なこだわりが……」と初めて知る事実に心の引っ掛かりを覚えるのだった。
　
　というわけで、レイン魔法美術塾の臨時講師となり八人の生徒の内一人のスケッチに付き合い絵の指導をしてもらえる男性ハンター、求ム。

　「レイン魔法美術塾」の講師として、野外スケッチに同行して困ったところなどアドバイスしてください。

　後述の「登場ヒロイン８人」の生徒については、「一人だけ」直接指導ができます。
　場所は街角屋台「Ｐクレープ」のある通り界隈となります。
　クレープを買い食いする料金は依頼料からすでに引かれているので、買って食べても問題ありません。というか少女たちは食べたがってそわそわ（
　本日のクレープは「イチゴ生クリーム」と「チーズラムレーズン」です。

◆登場ヒロイン８人（全員１３歳で覚醒者、クラスは魔術師。（）内は一人称）
・テイル（わたし）…茶色のセミロング。少し引っ込み思案。黄色いふわふわ衣装。衣類店の店頭を描こうとする。細かく描こうとして苦戦中。
・ミリンダ（僕）…元気爆発っ娘。蜂蜜色ポニテ。スポーティなミニスカ姿。噴水を描こうとするが周りの人を描いてない。
・クレシェンテ（私）…物静かで孤独。黒髪ストレート。タイトで長い黒ワンピに白帽子。路地裏の黒猫を描く。影が黒すぎないか悩み中。
・サンディ（うち）…長身のおっとりさん。薄茶髪三つ編み。茶色いエプロンドレス。Ｐクレープを描こうとする。ややデフォルメしすぎて失敗したと思っている。
・ヌリエ（ボク）…すばしっこい小さな娘。赤毛のショート。ニーハイソックスに短パン。近くの花売り屋台を描こうとするが蝶を発見して追い掛けだした！
・ハーティア（わたし）…うつむき加減の金髪ロングさん。ゆったりドレープした舞台衣装のような服。街ゆく人々を描こうとしているが下を向くうちにいなくなるため苦戦中。
・イブ（私）…銀髪ショートの神経質っ娘。ロングブーツにタイトで短い緑のワンピ。自転車修理屋台を描く。細かすぎてこんがらがり気味。
・ララ（ララ）…こげ茶髪のウエイブする明るい娘。Ｖ字ネックニットに白ブラウス、プリーツスカート。通り全体を描こうとしている。遠近法がちょっとアレ。

　ふらっと、深夜です。

　お待たせしました。レイン画塾の続きです。
　うららかな日に少女たちとのんびり過ごしてください。
　画材は水彩です。
　ＯＰに登場している「ハルカ」は攻略外ヒロインとなります。

※注意事項
・男性ＰＣ推奨。理由は塾の求人条件。
・先生にあるまじき行為は失敗判定寄り。

　指導する少女が被らないよう参加者で話し合ってください。
　恋人同士になるのが目的ではないので好感度を上げまくる必要はありません。
　今回少し、画塾の秘密が出ました。好感度がある程度上がっていれば今後、少女たちから悩みを聞くことができるでしょう。

　では、よろしくお願いします。