このクリムゾンウェストには、異世界とのつながりが強い場所がある。
　中でも特に地脈に恵まれ、豊富なマテリアルで魔法的な儀式を施した場所には、“世界と世界をつなぐ門”が存在した。
「我々はこれを“ゲート”と呼んでおる。これまでの調査で、世界にはいくつかのゲートが存在する事が判明したのじゃ」
　北方王国リグ・サンガマの青龍に力を借り、ハンターズソサエティは世界各地に散らばるゲートにあたりをつけた。
　大渓谷、暗黒海域、竜の巣、憤怒本陣……。
　この四か所に本当にゲートが存在するのか。そして歪虚に制圧され“ヴォイドゲート”となっていないか。
　龍奏作戦で異世界の歪虚の攻撃を受けたソサエティが次に目標に掲げたのは、このゲートの探索であった。
「どの場所も人類が長年足を踏み入れておらぬ、未踏の地。どのような危険が待っておるかもわからぬのじゃ。くれぐれも注意して、ゲートの探索に当たってほしい！」


　王国領と帝国領は、大渓谷と呼ばれる天然の境界線によって隔たれている。
　何百キロも広がる絶壁は、王国と帝国の流通を妨げ、両国の“国境”の象徴として機能してきた。
　その二つを結ぶ架け橋となるのが、崖上都市ピースホライズンである。
　この町はいずれの国家にも属さない独立した都市として、様々な文化を取り入れた祭事の町として知られる。
　観光地として多くの人々が足を運ぶこの町だが、実際のところどのようにして崖の上に都市機能を維持しているのかは謎も多かった。
「ええ。もともと、この大渓谷にはピースホライズンのベースとなる橋があったそうですよ。もちろん、この町の神秘を紐解こうとい動きもありました」
　ピースホライズン市長、レオーナ・マンティエロ（kz0069）はそう語る。
「しかし、この大渓谷は深く降りてゆくと、高濃度のマテリアルに満たされているのです。ええ。負のではなく、正のマテリアルです。けれども、生身の人間にとっては、それも過ぎれば毒となりますから」
　この大渓谷の特性は、リグ・サンガマの聖地である“星の傷跡”に酷似している。
　言わば、大渓谷は西方の“星の傷跡”と言えるだろう。
　北方から得たイニシャライザーがあれば、探索が可能となる。星の傷跡によく似た場所なら、ゲートがあっても不思議ではない。
　グリフォンやワイバーンの力も借りて、ハンターらは大渓谷を下る。そこには無数の出入口、そしてその奥に広がる遺跡の姿があった。
　ただし、この遺跡はこれまでハンターが目にしてきたものとはわけがちがう。
　得体の知れない機械装置、そしてそれを守ろうとする自動人形たちが侵入者を阻むのだ。
　あなたがリアルブルー人ならば、ピンと来たかもしれない。
　この遺跡は、クリムゾンウェスト人が作ったものではない、と――。
　広大なる大渓谷に広がる広大な遺跡は、まっとうな文明の規模で作り上げられるものではない。
　このマテリアルに覆われた遺跡はまだ生きている。
　遺跡を調査し、謎を解き明かすためにも、まずは前に進むのだ。
　この遺跡のどこかに、異世界へと通じるゲートがあると信じて――。

※当シナリオはハントシステムとなります。ＧＭによるリプレイの執筆は行われません。
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