盗賊ゴブリンライダーズ

マスター:蒼かなた

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2014/07/27 19:00
完成日
2014/07/31 18:52

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●盗賊参上
 冒険都市リゼリオ――海岸近くの平地と幾つもの島々を含む都市である。
 サルヴァトーレ・ロッソと言われる宇宙戦艦が現れたことにより元々活気付いていた都市は多くのリアルブルーやクリムゾンウェストの人達で溢れていた。
 そこに集まるのは物珍しさからか、それとも新たな冒険を求めてか、はたまたこの景気に一旗上げて一儲けしようとしているのか。
 何にせよ理由は様々だが多くの人々が集まろうとしていた。

 そんなリゼリオへ向かう為の林道を行く二人の男。一頭の馬に荷台を引かせてゆっくりと優雅になだらかな坂道を下っている。
「あと半日もすればリゼリオだな」
「ああ、冒険都市リゼリオ……くぅー、どんな面白いことがあるんだろうな」
 男二人は年若く、ひょろっとした体躯で貧弱とは言わないがどうみても一般人な風体だ。
 実はこの二人は行商人で、活気に満ちているリゼリオで一商売してみようと遠方からはるばるやってきたらしい。
 がたごと揺れる後ろの荷台には昨日立ち寄った村で手に入れた日持ちする柑橘系の果物や、二人が作った工芸品や細工品が乗っている。
 まだ見ぬ夢見る都市リゼリオに思いを馳せながら男達はのんきに鼻歌を歌いながら進んでいく。
「……んっ? なあ、今何か聞こえなかったか?」
「え? いや、分からないが」
 その時、男の一人が何かが聞こえた気がして立ち止まる。
 つられて立ち止まったもう一人の男には何も聞こえていないようで不思議そうな顔をする。
「ただの空耳だろ? ほら早く――」
「オオォォーン!」
 先を急ごうと声をかけようとした瞬間だった。
 突如左右の森の中から獣の遠吠えが響き渡る。さらにがさがさと周囲の草むらが揺れ、それは明らかにそこに何かが居ることを示していた。
「ひいっ、なんだ。狼か?」
「まさか。こんな街道近くに狼なんて……」
 男がそこまで言った瞬間、草むらから黒い影が躍り出てきた。
 影の正体はまさしくいるはずのないと思っていた狼であった。
 しかもそれだけではない。その狼の背に何かもう一つの影があった。
「えっ、何で狼の背中にゴブリンが?」
「馬鹿っ、呆けてないで逃げるぞ!」
 そうしている間に狼とゴブリンはまず真っ先に荷台に繋がれた馬に襲い掛かっている。
 何故人を襲わないかは不明だがこれはチャンスだ。
 呆けている男の背中を叩き、男はリゼリオへと続く道をひた走る。
「ちくしょう、ちくしょう! なんだっていうんだよ!」
 混乱と恐怖と悔しさに満ちた叫びを上げながら男達は命からがらリゼリオの入り口まで走り続けた。

●ハンターオフィス
 リゼリオの町のハンターオフィスで一人のオフィス職員がとある報告書を読みながら溜息をつく。
「また犠牲者が出てしまったか」
 その報告書には最近リゼリオに続く道で旅人達が襲われているという事件の詳細が記されていた。
 狼に乗ったゴブリンによる強盗事件。既に8件の事件が確認されている。
 狙われるのはどれも少人数で旅をしていた人達だけで、今のところ人が殺されるという事態にはなっていない。
 それが何故かは分からないが恐らく目当てが旅人の荷物だからなのだろう。正確にはその中の食料であると推測できる。
 ゴブリンや狼が服を着たりアクセサリーで着飾ったりする趣味が無い限りは。
 というより、調査を派遣したところそういった食料以外の物は森の片隅で捨てられているのが見つかっていた。
「ハンターさん達に討伐して貰わないんですか?」
 オフィス職員の後輩らしき女性が首を傾げてそう告げる。
「いや、一度依頼したんだがな。どうやら大勢で行くと現れないらしい」
 この盗賊ゴブリン達は妙に頭がいいのか、自分達より数が少ない相手しか狙わないらしい。
 そして食べられそうなものだけ頂いて他は捨てていく。因みに馬なども切り分けられて持ち去られたのか、現場には大量の血痕もあったらしい。
「けど、少ない人数でいくとハンターさん達も危ないですよね?」
「ああ、だがこのまま放っておくわけにもいかない」
 ハンター達の知恵に任せてもう一度依頼を出してみるかと、オフィス職員はコンソールを叩き出した。

リプレイ本文

●優雅な旅路
 リゼリオから隣村へと向かう為の道を一頭の馬が引く荷馬車が進む。
 荷台には沢山の荷物と藁が敷き詰められた為に大分重量があるようで、一頭の馬で引くには重すぎたのか普通よりゆっくりとした足取りで進んでいる。
 その荷馬車を守るように4人のハンター達がそれぞれ周囲を警戒している。
 だが今のところお目当ての相手は現れず、林道特有の静けさが続き順調な旅路だ。
「しっかし、盗賊ゴブリンねぇ。人の命を狙わないやり口に親近感は湧くが……」
 ロクス・カーディナー(ka0162)はそう口にし少し昔を思い出すがこれも仕事だと既に割り切っていた。
 何より相手は益を欠片もなさないゴブリンと狼だ。躊躇することもないだろう。
「狼に乗ったゴブリンかぁ。私達と競争したらどっちが早いだろうね?」
 馬に乗ったルア・パーシアーナ(ka0355)は自分の乗る馬の鬣を撫でる。
 これから控えている戦闘の為に安心させるつもりで話しかけていると、馬はブルゥッと一鳴きだけした。
 それが任せろという意味なのか。それは分からないがルアは微笑んでもう一度馬の首筋を撫でた。
「まだ出てこないか」
 同じく自前の馬に乗り荷馬車と並走する弥勒 明影(ka0189)は周囲を警戒しているが獣一匹気配がない。
 そんな中、一方荷馬車の中に隠れているクオン・サガラ(ka0018)は今この状況について思いを馳せる。
 リアルブルー出身の彼にとってはここはまるで中世か開拓時代の世界。色々とありえない状況に戸惑いを隠せなかった。
 だがまずは生きていく為にもっと強くならなければいけない。それが彼が出した今の答えだった。
「ボク、はじめての依頼だから緊張するな。けど頑張るぞ!」
 同じく荷台に隠れているニコライ・カズマ(ka2746)は今回が初の依頼。しかも戦闘もあるとあって緊張していたが気合は十分だった。
 そんな力の入っているニコライの様子を見てギュンター・ベルンシュタイン(ka0339)は口元に人差し指を当てる。
「張り切るのもいいが焦って先に姿を見せるなよ? 包囲できなきゃ逃げられる可能性だってあるんだからな」
 敵は妙に頭がいいという情報がある。下手に姿を見せれば敵を包囲するどころか逃がしてしまうかもしれない。
 慎重を期したいギュンターの言葉にニコライは口元を自分の手で押さえてこくりと頷いた。

●襲撃者達
 ハンター達がそのまま進み1時間ほど経った時、前方の道の片隅に何かが転がっていた。
「あれは……荷馬車の車輪か?」
「つまりここが襲撃された場所か」
 ロクスの言葉に明影がそう結論付ける。
 その瞬間、左側の林の中からがさりと音が鳴った。
 そちらに構えたハンター達はそれぞれ警戒を強める。
 が、次の瞬間に右の林からもがさがさと枝葉を掻き分ける音と共に獣の唸り声が聞こえてきた。
「まずい、挟まれちゃった?」
 ルアがそう言った瞬間に、示し合わせたかの様にそれぞれ左右から2体ずつ大きな影が躍り出てきた。
 狼とその背にまたがるゴブリン。情報通りに聞いていたゴブリンライダー達だ。
「オオォォン!」
 狼の一匹が鳴き声を上げると共に荷馬車に向かって疾走する。
 狙いは明影――ではなく彼の乗るその馬だ。
「ちっ、行けっ!」
 明影は素早く馬から飛び降りると馬の尻を叩き急ぎ走らせる。
 間一髪、狼の爪は馬の尾を掠め、馬はそのまま遠くへと走っていく。
 狼はそれを一瞥するが追う事はせず、また次の目標へと襲い掛かかろうとする。
「ギャウッ!?」
 と、その瞬間にその狼の背に乗るゴブリンが突然悲鳴を上げる。その肩からは血がだらだらと流れていた。
「ちぃっ、ちょっとズレちまったゼ」
 今まで木の上を移動してついて来ていたヤナギ・エリューナク(ka0265)は舌打ちと共にハンドガンを構えなおす。
 次の弾丸が発射されるが狼は素早く移動しその弾丸は地面を削るだけだった。
「おおっと、君に私の子をやらせはしないよっ」
 さらに馬に乗っていたルアの元へもゴブリンライダーの一匹が迫るが、ルアは軽い身のこなしで地面に降り立つと馬は心得ていたかのように走り出して距離を取る。
「君の相手は私さ」
 標的が二手に分かれた所為でゴブリンライダーは躊躇して動きが鈍る。その隙を突いて狼の腹にルアの拳がめり込み狼がギャウと呻き声を上げた。
 状況は次々に加速する。さらに別のゴブリンライダーの1体が荷馬車を引いていた馬に襲い掛かる。
「やはり馬を狙ってきたね。この子をやらせはしないよ!」
 荷台の前方から飛び出したイーディス・ノースハイド(ka2106)は馬を庇うように前に出る。
 狼は突然現れたイーディスに怯むことなく障害物だと判断し襲い掛かった。
 ガツンとイーディスの構えた盾に大きな衝撃が走る。だが吹き飛ばされることはなく耐え切った。
 しかし、その時イーディスの頭上に影が通り過ぎる。
「何っ!?」
 飛び越えたのは狼の背に乗っていたはずのゴブリンだった。
 が、しかし自分から飛んだわけではないようで、空中で背を下にしたまま宙を舞い地面に落ちバウンドして転がる。
 どうやら狼がイーディスの盾に止められた時に勢いのまま飛び出してしまっただけのようだ。
「やれやれ、ドジなゴブリンもいたものですね」
 そう言って痛がりながら起き上がろうとするゴブリンの頭に、クオンは少し呆れた顔をしながらパドルロッドを振り下ろした。

「逆側からも来てるぜっ」
 ロクスは迫ってくるゴブリンライダーに対して構えるが、狼はやはりハンター達を無視して荷馬車へと飛びあがった。
「生憎とこの馬車は満員だ」
 そこに大き目の箱の陰からギュンターが姿を現し盾を構える。そしてそのまま空中から飛び掛ってくる狼を殴りつけ馬車の下に叩き落した。
 その時に乗っていたゴブリンも狼から落ち地面に転がる。
「よーし、ボッコボコにしてやるんだから!」
 同じく隠れていたニコライが荷馬車から飛び降りると、目の前にいる狼に手にしたトゲ付きのメリケンサックで殴りつける。
 狼の前脚はゴキリと音をたて確かに何かを砕いた感触にニコライは手ごたえを感じた。
「よし、この調子――ぐっ!?」
 さらにもう一発と思っていたところでニコライの体が真横に吹き飛ばされる。
 別のゴブリンライダーが体当たりをしてきたのだ。ニコライは直ぐに起き上がるが2匹の狼と2匹のゴブリンの目がギラリと標的を定めたかのように光る。
「やれやれ、一筋縄ではいかないようだね」
 その隣に明影が立つ。4対の瞳の威圧をそよ風のように受け流し、その手にした銃を正面に向けて構える。
 さらにギュンターも荷馬車を降り、ゆっくりとした足取りでゴブリンと狼の背後から荷馬車を中心とした外側へと回る。
「さあ、これで逃がさん」
 ギュンターの言葉と共に明影の手にした銃から銃声が鳴り響く。一匹の狼の足の毛皮が赤く染まるが狼は構わず飛び掛る。
 明影は咄嗟に黒漆塗りの鞘をした刀を構え狼の噛み付きをそれで受け止める。だがそこに狼の背に乗っているゴブリンの石槍が突き出される。
 ザクリとした感触と共に痛みが肩に走り明影は膝をついてしまう。
「ちぃっ、大丈夫か?」
 ロクスが明影に噛み付いている狼に向かってサーベルを振るうと、狼はあっさりと鞘に噛み付くのを止め後ろに飛び退いた。
「ああ、これくらいなんともない」
 明影が自分の傷に手を当てると、マテリアルの淡い輝きが溢れ徐々にだが傷口が塞がっていく。
「オーケー。それなら戦闘続行だ!」
 ロクスはサーベルを構えると、一気に踏み込み狼との間合いを詰める。
 青の軌跡を残したサーベルの斬撃が前脚を負傷している狼のもう片方の前脚を捉え血飛沫を舞わせる。
 それに続くようにニコライも追撃する。赤い瞳で捕らえた狼はもう既に死に体だ。その額に拳を振るい狼の体を地面に倒れ伏せさせる。
「1匹目! っとと、残念。もうそんな攻撃当たらないよ!」
 狼を倒して満足感を得ていたニコライにゴブリンが石斧で殴りかかってきたが、ニコライはそれをひらりと回避する。
 逆に無防備にさらされた背中を蹴りつけてその場で前へと躓かせる。
「やれやれ、お前の居場所はこの包囲の中だ」
 ギュンターはそう言いながら正面に立ったゴブリンを家紋である紋章の浮き出た瞳で見下ろし、そして肉厚な剣が振り下ろした。

 一方でしつこく荷馬車の馬を狙う狼がいる。
「この……しつこいねっ!」
 もう何度目かの狼の体当たりをイーディスは跳ね返す。
「どうやら苦戦しているみたいですね。手を貸しますよ」
 ゴブリンを撲殺し終わったクオンが今度は銃を片手にイーディスの隣に並んだ。
 銃声が一つなるとこれまで攻撃を受けていなかった狼は回避しきれずに脚にその弾丸を受ける。
「っと、できればこっちの援護もお願いしたいかも!」
 一体のゴブリンライダーと戦っていたルアがそう声をあげる。彼女は左の脇腹を押さえながらそこにマテリアルを集中させて治療をしていた。
 その時何かがバキリと折れる音がした。その音に反応した狼の上のゴブリンがそちらを向くと近くにあった木の枝が一本折れて林に落ちていくところが目に映る。
 そしてゴブリンの視界に突然影が差し、同時に思考さえもブラックアウトして消えてしまった。
「ククッ、ゴブリンの串刺し一丁あがりだ。ほら、援護してやったぜ?」
 感謝しろとばかりにニヤリと笑ったヤナギがそこにいた。木の上から跳躍し見事ゴブリンの脳天に剣を突き立てたのだ。
「っとぉ!」
 背に居るのがゴブリンだけでないことに気づいた狼が暴れ、ヤナギは飛び退いて地面へを降り立つ。
 馬を襲おうとする狼も傷を受けたことで動きが鈍ったのかイーディスが受ける盾の衝撃が先程より弱い。
 これならとイーディスはそれまでしなかったこと――盾で受けた瞬間に一歩踏み込んで狼を押し込み体勢を崩させる。
「これ以上はさせないよ!」
 横薙ぎにした鋭い斬撃が狼の喉元を切り裂く。狼はふらりふらりと体を左右に揺らした後、伏せるようにしてその場から動けなくなる。
 だがまだ息をしている狼にクオンは一歩だけ歩み出て、その額に向けて引き金を引いた。
「んじゃ、次はこの狼を片付けるか」
 ゴブリンを串刺しにして血塗れになった剣を振るって付着した血を払い飛ばし、ヤナギは手にしていた銃を狼に向けて引き金を引く。
 狼は素早く横に走りその弾丸を避けると唸り声を上げながらハンター達を睨みつける。が、よく見ればその尾がすぅっと地面へと降りていくのが見えた。
「っ! 逃がさないよ!」
 狼は突然背を向けて駆け出そうとする。ルアはそれに気付き足元にマテリアルを集中させ地面を削るような踏み込みで一瞬で間合いを詰める。
 ザクリと背を向けた狼の後ろ脚を切り裂くと、狼はバランスを崩して転倒し少し地面を滑って止まる。
「残念だったなぁ。逃がしはしないゼ」
「お馬さん達の仇はとらせて貰うよ」
 ヤナギとルアの武器を持つ腕にマテリアルの流れが生まれ、ほぼ同時に倒れこんでいる狼の脳天と心臓を刃が貫いた。
 
「さあて、どんどん行くぜっ」
 加速したロクスがゴブリンライダーに肉薄する。
 だが振るったサーベルは回避され、逆に鋭い爪が振るわれロクスのレザーアーマーの表面を削る。
「それ以上させないよ。僕がぶん殴ってあげる!」
 そこにフォローに入るようにニコライが拳を突き出すと狼は大きく飛び退いて距離を取る。
「生憎とそこはまだ俺の間合いでな」
 そして明影の銃弾がまさに飛び退いた狼の居る場所に放たれる。
 狼は何とか体を動かそうと姿勢を低くするが間に合わず、狼の背に乗っていたゴブリンの胸元に風穴が開く。
 ゴブリンは肺もやられたのか声にならない呻き声を上げて地面へと崩れ落ちた。
 残り一匹となってしまった狼は周囲を見渡す。だが完全に包囲されており逃げ道などありはしない。
「抜け出すのは不可能。さあこれも依頼、生活の為だ。世に平穏のあらんことを」
 ギュンターは包囲網を狭め手にした剣を振るう。狼はそれを必死に避けるがそこにまた明影の銃弾が迫り後ろ足の毛皮が赤く染まる。
「もう終わりだ。さっさと倒れな」
 そして動きの鈍った狼にロクスは横合いから間合いを詰め、マテリアルを限界まで収束させたサーベルでその首を切り落とした。

●帰り道
 無事にゴブリンと狼を全滅させたハンター達は念のために周囲を探索するが、狼の巣やゴブリンの集落などはなく問題なく依頼達成となった。
「んー、無事依頼完了ですね」
 ぐっと伸びをしたクオンがそう言う。
 多少苦戦はしたものの貸与された馬や荷馬車は無傷のため依頼の達成度としては花丸を貰えるだろう。
「そうだな。これで少しは世の平穏に近づいただろう」
 同意するようにギュンターも頷く。
「俺はもうちょい骨があっても良かったけどねぇ」
 煙草を咥えながらくつくつと笑うヤナギはふぅっと紫煙を天に向けて吐き出した。
「でも危ないところもあったし、やっぱり弱肉強食でも油断は禁物だね」
 ルアは呼び戻した馬に乗ってその首筋を労うように撫でながらそう言う。
 その隣では同じく馬に乗りながら明影が煙草を吹かす。
「しかし強盗に味を占めたゴブリンか。面白い行動をしていたものだ」
「そんなことどうでもいいから俺は早く帰って一杯やりたいわ」
 ロクスは戦闘時とは打って変わって気だるげな声でそう言ってはぁっと溜息を吐く。
「そうだね。ボクも早くオフィスに帰ってココアが飲みたいな」
 ニコライの言葉に飲むものがちょっと違うがなとロクスは苦笑を浮かべる。
「何にせよ私は君を守れてよかったよ、ハンス」
 荷馬車を引く馬――ハンスの背中を一撫でしたイーディス。ハンスの体には傷一つなくそれは彼女がしっかりと役目を果たした証でもあった。

 何はともあれこれでこの道も安全を取り戻しまた商人や旅人が往来することになるだろう。
 その一助となったハンター達は胸を張りながらリゼリオへと帰る道を進んでいく。
 このあと休憩するのか、はたまたすぐに次の依頼をこなすためにハンターオフィスへ向かうのか。
 それはきっと人それぞれ。何れにせよ一つの冒険を終えたハンター達はまた一つ成長し次への一歩を歩んでいくことだろう。

依頼結果

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MVP一覧

  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイドka2106

重体一覧

参加者一覧

  • 課せられた罰の先に
    クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 人の上下に人を造らず
    ロクス・カーディナー(ka0162
    人間(紅)|28才|男性|闘狩人
  • 輝きを求める者
    弥勒 明影(ka0189
    人間(蒼)|17才|男性|霊闘士
  • ブラッド・ロック・ブルー
    ヤナギ・エリューナク(ka0265
    人間(蒼)|24才|男性|疾影士
  • 白馬の友
    ギュンター・ベルンシュタイン(ka0339
    人間(紅)|23才|男性|聖導士
  • Theory Craft
    ルア・パーシアーナ(ka0355
    人間(紅)|16才|女性|疾影士
  • 鍛鉄の盾
    イーディス・ノースハイド(ka2106
    人間(紅)|16才|女性|闘狩人

  • ニコライ・カズマ(ka2746
    人間(紅)|11才|男性|疾影士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 仮プレイング
ロクス・カーディナー(ka0162
人間(クリムゾンウェスト)|28才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2014/07/26 08:52:50
アイコン 相談卓
弥勒 明影(ka0189
人間(リアルブルー)|17才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2014/07/27 16:59:35
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/07/22 19:47:53