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(ka0000)
【幻導】


更新情報(7月27日更新)
【東征】とともにクロスオーバーで進行し、【東征】の局面をも左右する連動シナリオ【幻導】!
東方での戦いと時同じくして、辺境の地では聖地の北のビャスラグ山の奥、ナルガンドの塔周辺を舞台に、『大幻獣トリシュヴァーナ』の存在をめぐる攻防が繰り広げられていた。
大幻獣に力を借りるべく塔へと進むファリフ、大幻獣を討たんと塔へ迫るBADDAS、BADDASとの因縁で彼を追う牛鬼、
そして塔を囲む高位歪虚の群れ。
三つ巴の様相は、ファリフが『幻獣』と邂逅することで終幕を迎えようとしていた。
7月27日更新内容
「本編ストーリーノベル」でエピローグを公開、「作戦状況」連動シナリオの結果状況を更新。
東方での戦いと時同じくして、辺境の地では聖地の北のビャスラグ山の奥、ナルガンドの塔周辺を舞台に、『大幻獣トリシュヴァーナ』の存在をめぐる攻防が繰り広げられていた。
大幻獣に力を借りるべく塔へと進むファリフ、大幻獣を討たんと塔へ迫るBADDAS、BADDASとの因縁で彼を追う牛鬼、
そして塔を囲む高位歪虚の群れ。
三つ巴の様相は、ファリフが『幻獣』と邂逅することで終幕を迎えようとしていた。
7月27日更新内容
「本編ストーリーノベル」でエピローグを公開、「作戦状況」連動シナリオの結果状況を更新。
【幻導】エピローグ(7月27日更新)
聖地『リタティト』――大霊堂。 「地を制する大幻獣『トリシュヴァーナ』の眷属であるフェンリル。 灰色の体毛を持ち、大地を蹴れば風のように駆け抜けると聞く。 まさに言い伝え通り……それを従えるとは見事なり、スコールの族長よ」 蛇の戦士シバ(kz0048)は、大聖堂に姿を見せたフェンリルを前に満足そうに呟いた。 ナルガンド塔の戦いで大幻獣フェンリルと出会う事ができたのは、スコール族長のファリフ・スコール(kz0009)。フェンリルと共にナルガンド塔を離脱したファリフは、報告も兼ねて大霊堂を訪れたのだ。 「はっ、怪我を理由に引っ込んでたジジイが終わってから姿を見せたと思ったら、上から賞賛かい?」 「すまぬ……そう返答する他ない」 大巫女がシバに嫌味をぶつける。 だが、その顔には不安の色が浮かんでいた。ハイルタイと戦った際に負った傷が悪化したと聞いていたが、症状は想像以上に重いようだ。その事はシバの言葉からも伺い知れる。 「えへへ、褒めてくれてありがとう。 でも、ボクの力だけじゃないよ。ハンターのみんながいなければ、絶対にフェンリルと逢えなかったと思う」 ファリフは、ナルガンド塔での戦いを思い返す。 怠惰の歪虚『BADDAS』や憤怒の歪虚『牛鬼』をあれだけ足止めできたのも、ハンターが体を張ったからこそだ。さらに言えば、アルカナ『The-Chariot』、災厄の十三魔『ハイルタイ』の攻撃を食い止めていなければナルガンド塔そのものが崩壊していた可能性もあった。 |
![]() ファリフ・スコール ![]() シバ |
『確かに、お嬢ちゃん一人で試練を乗り越えた訳じゃない。
だが、あの戦いは試練の中でもかなり過酷と称するに相応しいものだ。ハンターの力を借りたとしても、お嬢ちゃんの力と情熱の熱い心は十分示された。
胸を張るんだ。トリシュ様が認めた戦士ならば、強く誇り高くなければならない』
灰色の大きな巨体を床に横たえたフェンリルは、ファリフの試練を改めて讃えた。
大幻獣の力を借りるには、大幻獣に一定の力を示す必要がある。この力を示す儀式を『試練』と呼んでいるが、ナルガンド塔の戦いを通してトリシュヴァーナはファリフが試練を乗り越えたと認めたようだ。
『本来であればトリシュ様がここでお嬢ちゃんのナイトを務めるべきなのだろうが、あの方は歪虚から仲間を逃がす為に深手を負った。その傷が癒えるまでは、この俺がトリシュ様の代わりにお嬢ちゃんのナイトになってやる』
「うん、頼りにしているよ。フェンリル」
新しく力を貸してくれる『相棒』に、ファリフはそっと微笑みかける。
この頼もしい相棒と、これから歪虚を倒す戦いに身を投じる。
如何なる困難があろうとも、この相棒がいればきっとどんな敵でも――。
「ちょぉぉーーっと待ったぁ! 我輩もちゃーーんとファリフを助けたのであります。我輩も褒めて貰う権利があるのであります」 積み上げられた書籍の上で、小さな体を震わせるのはチューダ。 大霊堂に住み着いている大幻獣で、自称『幻獣王』。 王を名乗る割に、周囲の者からは王扱いされていない。 現に大巫女はチューダの事を小うるさい奴と考えているようだ。 「あ、居たのかい?」 「居たのかじゃないであります! 最初っからずーーっとここにいたのであります。 さあ、ファリフ。我輩を思いっきり褒め称える事を許可するであります。お腹の毛並みを整えながら、褒めるであります!」 「あ、えーと……その……ありがとう?」 「ちょっ!? なんで半疑問? そこはもっと感情を込めて!」 |
![]() チューダ |
その様子を見ていたシバは大きくため息をつく。
「ふぅ。姿を消していたと思っていたが、何も変わっておらぬな」
「あ、シバっ!」
「そもそも、塔の頂上にいるのはトリシュヴァーナに違いないと申していたそうだな。
だが、実際に居たのはフェンリルではないか」
シバはチューダの痛い所を容赦なく指摘する。
ナルガンド塔へ出発する前、チューダはナルガンド塔でトリシュヴァーナが待っていると断言していた。しかし、実際に居たのはトリシュヴァーナの眷属であるフェンリル。
チューダの予想は、盛大に間違っていたのだ。
「え。あ、それは……ちょーっと調子が悪かっただけであります。
……そう。眷属であるフェンリルがいたので、ほぼ正解であります。我輩は一つも間違っていないであります」
かなり苦しい言い訳を繰り広げるチューダに、周囲は呆れてしまう。
大幻獣の知識は確かに保持しているが、チューダの性格が災いしている。結局、チューダもどっかのドワーフの王と同じレベルの王様のようだ。
「それより、これからどうするのだ? スコールの族長よ。
今から大きな炎が燃え上がるは、おそらく赤き大地の東。今のオイマト族の族長が奮戦しているようだが……」
シバは先程とは違った真剣な面持ちで、ファリフに次なる行動を促す。
今も東方は憤怒との戦いが佳境を迎えようとしている。既に部族会議大首長のバタルトゥ・オイマト(kz0023)が東方で奮戦しているものの、敵も更なる戦力を投入してくるだろう。戦闘が激化するのは免れない。
ファリフは、フェンリルの方へ向き直る。
その目は、熱く真っ直ぐにフェンリルを見据える。
「フェンリル」
『言ったはずだ。俺はお前のナイトだ、と。
お嬢ちゃんは、ただ思うように真っ直ぐに進んでいけば良い。この俺が全力で支えてやる』
フェンリルは、断言する。
ファリフが東方へ行くのであれば、フェンリルは黙って付き従うのみ。
幸い、転移門のサイズはCAMは通れずともフェンリルならば辛うじて通り抜けられそうだ。
「ありがとう、フェンリル。行こう、東方へ。
今度はボクがみんなを助ける番だよ」
●
傷付いた箇所が火箸を押し当てられたかのように熱い。 自分でも負のマテリアルが流れ出ている事は分かっている。 早急に急速しなければ、この体が崩壊するだろう。 ――それでも。 BADDASの顔から笑みが消えなかった。 ナルガンド塔を巡る戦いで、出会ったハンター達。 今までここまで自分に手傷を負わせた者が居ただろうか。 あの心臓の鼓動が通常以上に響き渡る感覚。生きている実感。 その最高潮は――死が訪れる瞬間だ。 最高の8ビートは、その時にこそ奏でられる。 |
![]() BADDAS |
「……よし、良い子だ。キキ」
キキに支えられ、BADDASは玉座に座る。
ハンターの戦いを終えて、牛鬼は主を救うために東方へと戻っていた。
奴には奴の戦いがあるのだろう。
ならば、BADDASはBADDASなりの終幕を迎えるべきだ。
最高の時間を――最高の観客で迎える為に。
「キキ、幕は上がった……ラストライヴは間もなくだ」
(執筆:近藤豊)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)
関連NPC
ファリフ・スコール(kz0009) | |
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![]() |
スコール族の若き族長にして、赤い狼を祖霊とするベルセルク。 天真爛漫な性格で、族長としては未熟な部分もあるが、過去の伝統や習慣を遵守する真面目な一面も持つ。いち霊闘士としての実力は、決して部族の中でも見劣りしない。 最近では幾つかの失敗を乗り越えて経験を詰み、首長としての自覚や実力を少しずつ芽生えさせつつある。 |
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イラスト:わたりとおる |
チューダ | |
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![]() |
幻獣王を名乗る大幻獣。大霊堂に住み着き、幻獣に関する豊富な知識を人類に提供している。王様のつもりらしく、基本的に人間を見下している。口調も比較的無礼な物言いをする事もあるが、外見の可愛らしさの為に許されてしまう傾向がある。 戦闘はからっきしだが、逃げ足だけは天下一品。 |
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イラスト:こりす |
BADDAS | |
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![]() |
辺境において周辺部族を潰し回った、「怠惰」の歪虚。 単独行動を好み、「【不動】聖地奪還」の戦いにおいては、ヤクシーたちの軍団とは別の行動をとっていた模様。 ハードロッカーを名乗り、自らを熱く感じさせるものを好むという。 |
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イラスト:ミヨシノリカツ |