王国暦1017年【郷祭】

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ここ数年、世情は安定しませんが、村長祭はその年の収穫を祝う、大切な祭り。
皆さんが楽しいひと時を過ごされるよう、祈っています。

ジェオルジ領主:セスト・ジェオルジ(kz0034

更新情報(7月4日更新)

【郷祭】ストーリーノベル更新に伴い、5月22日公開の【繭国】プロローグノベルを掲載しました。
 
 

王国暦1017年【郷祭】ストーリーノベル

●【郷祭】ストーリーノベル「こんな時こそ」」(5月22日更新)

セスト・ジェオルジ

 同盟領、農耕推進地域ジェオルジで、春と秋に行われる村長会議こと郷祭(さとまつり)が、この春は少し遅れて始まった。
 そもそもはジェオルジの点在する村々の代表が集まって、情報交換を行ったり、揉め事があれば解決を目指し、その後に親睦を深めるべく酒宴を行っていたのが村長会議だ。
 ついでに村の余剰生産物や特産品を売買していたのが、今では他所の地域からも人が集まる祭りとなり、そちらの方が主流の扱いとなっている。
 この流れを作ったジェオルジ領主のセスト・ジェオルジ(kz0034)は、同盟のみならず世界の食糧庫としてジェオルジを発展させようと意気込んだ先祖の血を正しく引いているようで、会議も祭りも成功させようと日夜忙しく働いていた。

 そんなセストの尽力にも関わらず、会議の日程が遅れたのにはもちろん理由があって。
「街道沿いにも歪虚が出たらしいが、フマーレやポルトワールの騒ぎと関係がないか、調べた方がよかないか?」
 同盟各地で同時多発した歪虚事件の後、その復旧作業や何かで食料や材木等の買い付けの希望がジェオルジ家に多く寄せられた。
 それらへの対処と領内外の状況確認に人手と時間を取られ、村長達も地元を離れられず、例年から三週間ほど遅れての会議開始となったのだ。
 だが、集まれば会議が順調に始まるかと言えば、そうでもなく。
「うちの村には、詳しい話がなかなか来なくて困ってますの。どなたか、詳しい話をご存知?」
「そりゃ、会議の議題じゃないじゃろ。それより、セスト殿は精霊様に会われたと聞いたが」
「最近、精霊もあちこちで姿を見せているとか。大精霊がジェオルジに来てくれたら、収穫量が上がりませんかねぇ」
「大精霊がなんて、贅沢を言っちゃいかん。ご利益があるなら、小さいのでもいいじゃないか」
 あまりに色々なことが起きているので、会議に入る前からあれがこれがと村長達も賑やかだ。
 特に精霊が話題に上るのは、日常的に大地に触れているからか。精霊に対する敬意よりは、利益が先に立つ者もちらほらいるけれど。
 中には、新たな商品や催しの案を持ち込んでいる者もいる。
「新しいお酒の開発に成功した、と思うのですが」
「同盟内の事件ですし、チャリティーを計画してまして」
「今年も、色々と興行の申し込みが届いておりますよ」
 セストの元には、様々な催しや販売などの許可を求める書類が山を為している。
「こんな時こそ、我々が一致団結して、祭りを安全かつ賑やかに開催することが大切です。決めることは多々ありますので、皆さん、会議に入りましょう」
 春郷祭の開催には、まず村長会議の進行が大切。
 にこやかにそう宣言しつつ、山為す書類から会議の議題にするものを素早く選り分けていくセストに促されて、村長達は会議の席に着いた。

 安全な祭りと、ジェオルジ全体の反映のため。
 そう願う村長会議が始まる頃、ハンターオフィスにも幾つかの依頼が舞い込んでいる。
 ハンターによっては、すでに巻き込まれているかも……?

(執筆:龍河流
(文責:フロンティアワークス)

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