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【闘祭】ルーキーリーグ敗者復活戦


更新情報(7月19日)
ルーキーリーグ敗者復活戦の模様をノベルで公開!
勝者決定までの大混戦をご覧ください。
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ルーキーリーグ敗者復活戦 優勝者
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里見 茜 (ka6182) クラス:格闘士(マスターアームズ) 所属ユニオン:東方 |
出場した全ハンター
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シルフェ・アルタイル(ka0143) 辺境 | ![]() |
リアン・カーネイ(ka0267) 王国 |
![]() | ノノトト(ka0553) 辺境 | ![]() | ヴァーティム・ヤノセレン(ka0645) 帝国 |
![]() | ヴァルトル=カッパー(ka0840) 帝国 | ![]() | レイド・グリュエル(ka1174) 同盟 |
![]() | リオン(ka1757) 地球 | ![]() | ベル(ka1896) 同盟 |
![]() | オンサ・ラ・マーニョ(ka2329) 辺境 | ![]() | 芦野 響也(ka2382) 帝国 |
![]() | サトコ・ロロブリジーダ(ka2475) 同盟 | ![]() | 守原 由有(ka2577) 同盟 |
![]() | 真田 綾乃(ka2580) 同盟 | ![]() | シェルミ=K=シュルシュタット(ka3047) 王国 |
![]() | 水城もなか(ka3532) 地球 | ![]() | 織田 真(ka3810) 辺境 |
![]() | アドルフィーネ・シュナイダー(ka3970) 王国 | ![]() | エル3(ka3995) 地球 |
![]() | わんこ(ka3997) 地球 | ![]() | ルシール・フルフラット(ka4000) 王国 |
![]() | エリオ・アルファーノ(ka4129) 同盟 | ![]() | 日紫喜 嘉雅都(ka4222) 地球 |
![]() | キサ・I・アイオライト(ka4355) 同盟 | ![]() | エル1(ka4452) 地球 |
![]() | エル9(ka4459) 地球 | ![]() | エル16(ka4466) 地球 |
![]() | エル22(ka4472) 地球 | ![]() | エル24(ka4474) 地球 |
![]() | エル99(ka4478) 地球 | ![]() | フェリル・L・サルバ(ka4516) 帝国 |
![]() | クロード・N・シックス(ka4741) 東方 | ![]() | 土方 主水(ka4749) 辺境 |
![]() | 織宮 歌乃(ka4761) 東方 | ![]() | ステラ=ライムライト(ka5122) 地球 |
![]() | リナリス・リーカノア(ka5126) 同盟 | ![]() | 夕凪 沙良(ka5139) 地球 |
![]() | ヨルムガンド・D・アルバ(ka5168) 同盟 | ![]() | 狭霧 雷(ka5296) 帝国 |
![]() | メンカル(ka5338) 帝国 | ![]() | ルヌーン・キグリル(ka5477) 辺境 |
![]() | 狐中・小鳥(ka5484) 東方 | ![]() | 藤堂 小夏(ka5489) 地球 |
![]() | 龍堂 神火(ka5693) 地球 | ![]() | ユーリヤ・ポルニツァ(ka5815) 帝国 |
![]() | 北谷王子 朝騎(ka5818) 帝国 | ![]() | アクエリア・ルティス(ka6135) 王国 |
![]() | 蓬仙 霞(ka6140) 同盟 | ![]() | 多由羅(ka6167) 辺境 |
![]() | 里見 茜(ka6182) 東方 | ![]() | 小宮・千秋(ka6272) 東方 |
![]() | ノエル・ウォースパイト(ka6291) 辺境 |
ルーキーリーグ敗者復活戦 ノベル
●混乱の戦場
同時に気付く。
同じ感じなのは……転移後の開放感だ!
「自由なんだよねーっ!」
ステラ、瞳を開くと同時にバックステップした!
どぉん、ばふっ、と目の前のそこかしこでファイヤーボールやスリープクラウドがさく裂。移動してなければ食らっていたはずだ。 「……私の金髪には指一本触れさせないんだから」
開始直後の混乱を運良く避けることのできたステラ、壁を背に試作振動刀「オートMURAMASA」と魔導銃「トルキューンハイト」を構えるのだった。
ルーキーリーグは51人のハンターが敗者復活戦に臨んでいた。
「うわっ!」
日紫喜 嘉雅都(ka4222)はとっさに加速して誰かの後ろに隠れた。幼少時代、コロニー、ロッソと流れ流れて生き延びてきた。ここでも危機における立ち回りが冴える。
「……え?」
意外だったのは、盾にしたと同時に狙われていた方からの射撃が止んだこと。そして別方面からの射撃で盾にした人物があっさりと倒れたこと。
「まずいですね」
自分もやられる、と嘉雅都は感じライフル「ペネトレイトC26」で反撃。今度は自分の盾を構える。
が、どこからも撃ってこない。
「どういうことか分かりませんが……とにかく助かりました」
嘉雅都、ふしぎに思いながらも逃げる。
●戦いはドーナツのように
「あの日を忘れない!」
リアン・カーネイ(ka0267)である。
「この混乱の中で!」
歌乃を追撃しようとした敵の隙を突く形で力を込め槍で突く。しっかり腰を落とし、力強い一撃は長いリーチで伸びた。
「今、オレ自身にできることを!」
もちろん、自分も別の相手から狙われている。突いた槍を引く動きから石突きでの一撃。後方からの相手を吹っ飛ばした。
「勝って守りぬく!」
闘争心を露わに次の相手を求め走る。
朝騎の言う通り、着地間際を狙われていた。
「意外と中央が安全地帯だったかもで……ちゅ?」
わわっ、と前にダイブする。
「気付かれちゃった? 壁際は安全地帯じゃないんだよね」
ステラが壁際の敵を一掃しつつやって来たのだ。試作振動刀がちゅいいいん、と大地にめり込んでいる。
おっと、もう一人別方向からも突っ込んできていた。ステラ、敵の剣をかわす。
「バレたでちゅ!」
朝騎の方はカーニバルギアから一枚ドロー。
が、ステラももうそこにはいない。襲われた人物の背後に隠れる。
そこへ、朝騎の火炎符が命中。
ステラ、無事。朝騎に銃撃で応戦する。盾にした者はダウンしたが。
「ちょ……危なかったんだよ」
彼女の金髪、未だ指一本触れられていない。
瞬間、ルシールが烈火の動きをした!
「悪く思うな」
安全地帯を求めた朝騎にとって完全な奇襲となった。ルシールの突撃で吹っ飛びダウンする。
●それぞれの決着
「ようやく収まったか」
メンカル、動き回って魔術師や機導師を倒してきた。範囲攻撃などの炸裂する音はもう聞こえない。
「ん?」
そこに銃声が耳に入った。
見ると、ライフルを持った嘉雅都が跳躍していた。撃った直後に誰かに襲われ空中に逃げたようだ。
その着地地点で二つの影が交錯していた。
「……最初のは、感謝しますけどね」
着地と同時に斬られた嘉雅都がそう言ったのは、ライフルで反撃した後に大地に倒れた時だった。首を曲げて何とか背後の人物を見ようとしている。
「いたただよ……気にする必要ないのに」
小鳥、嘉雅都からの銃撃を脚に受けていた。機動力を武器にしていただけに致命的だった。
「その言葉に、感謝です」
嘉雅都、ダウン。
「うーん、それじゃ申し訳ないけど」
彼の着地際を襲ったもう一つの影はシルフェだった。これまで通り止めは狙わず一撃離脱をしようとしたが、さすがに小鳥の弱り具合は見逃せない。
素早く小鳥を狙うが、しかし!
「彼女とは約束があるんでね」
メンカルがカットイン。渾身のチェーンサイズがシルフェを襲う!
「うわっ!」
食らったシルフェだが、アーマー「グラディエーター」が致命傷を防いだ。そのまま離脱する。
「それじゃ、勝負でいいかな?」
「そうだな」
改めて、勝負。
小鳥、居合を抜くがいつもの動きはできない。そのままメンカルの一撃に押しつぶされダウンした。
「楽しそうだねっ!」
そこへ茜が元気良く登場。私もまぜてと言わんばかりの笑顔だ。
「盛り上がるな」
メンカル、応じた。連戦だ。
が、手負いの小鳥と先にやったのが災いした。
「大暴れ! しちゃいます!!」
「ん?」
茜の鋭い踏み込み。シルフェに近い感覚だが、動けない小鳥の居合のイメージが残っていた。
「抉るように!」
チェーンサイズの円弧の動きが到達する前に懐に入られ、螺旋突を食らう。
ずうん、とメンカルが沈んだ。
一方、離脱したシルフェ。
「あっ!」
「……かわした?」
突然突き出された槍を辛うじてかわしていた。攻撃したリアンは驚いている。
「良い音です」
しかし、ひらりと逃げた場所に歌乃がカットインしていた。太刀がシルフェの最後の音を奏でる。
「油断せずとも突然の最後……ひどい戦場です」
リアン、槍を歌乃に向けて構えた。
「だからこそ初手から最高の歌を。……さあ、烈火怒涛の剣舞と参りましょう」
歌乃、太刀を両手持ち。受けて立つ構えだ。
「吼えろボロフグイ、虎狼の如く!」
槍を構え突っ込むリアン。歌乃の言葉を意気に感じた。全力だ!
「烈火舞踏、ご覧あれ」
腰を捻った低い姿勢で下から!
――がき、ん……。
一直線の突きと下からの赤い軌道の太刀筋は、赤が勝った。さらに踏み込む歌乃。返す太刀で胴を取る。
「……終演はまだ先ですね」
歌乃、地に崩れるリアンを残し先を急ぐ。
こちら、ルシール。
「新手か?」
「見敵必殺、やられる前にやれっ!」
朝騎を倒した直後、突っ込んできたステラに気付いた。銃撃を受けるが守りの構えで耐える。
「決勝に行くためにも……負けられない!!」
一方的に撃って距離を縮めると一気に跳躍した。半身の姿勢で振動剣は水平の構え。疾風剣だっ!
「もう守りの構えも限度だな」
熱いステラの突進に、ルシールは冷静なまま――いや、冷静なものか。チャージングで突っ込んだ!
がしっ、と一つの音が響いた。
「背後は、取らせない」
「……まだ、立っていられる」
ステラ、前のめりに倒れた。ルシールも前だけ見て立つ姿勢に集中している。マテリアルヒーリングで回復し、自らの闘争心を鼓舞した。背中で相手を称える。
●最終決戦
呼吸を整えたルシールの目の前に、二人の人影があった。
「織宮歌乃です。最後くらいは皆さんの名前を知りたいですね」
一人は歌乃。礼儀正しく名乗りを上げた。
「私は里見茜。そういうのもいいね」
もう一人は茜。ぎゅっと両手を拳にしてまだまだ戦えることを示す。
「……ルシール・フルフラットだ。心配りに感謝する」
ルシールもまんざらではなく名乗った。ぎゅっと槍をしごく。
「では」
歌乃、長物を持ったルシールを狙った。下から紅蓮斬。
「最後まで全力で!」
ルシール、チャージングで合わせた。
そして武装は聖拳のみの茜、後回しにされたが……。
「二人相手でも大丈夫だよ!」
ここで気功波をぶっ放した。
狙うは見た目にダメージの少ない歌乃。
「あっ!」
これが、槍をかわしつつ捨て身の攻撃に入っていた歌乃に入った。つづいてルシールの突きが入りノックアウト。
「これで最後」
相手を変え本当に最後のチャージングを掛けるルシール。
「歌乃さんの分も暴れるよ!」
茜、前転。紅蓮斬を参考に槍の先をかいくぐると、ぴたりと片膝をつき……。
「螺旋突だよ!」
ひねりを加えた一撃がルシールに入る。
「ここ、までか……」
「勝者、里見茜!」
最後に一人立ち上がった茜に勝者コールが送られた。
敗者復活戦を制したのは、里見茜だ。
「敗者復活戦……」 ステラ=ライムライト(ka5122)は自分のスタート地点に案内されると同時に瞳を伏せた。 戦いはバトルロイヤル。大勢が一斉に戦う。誰と戦ってもいい。 「……自由」 こんな気分、前にも感じてなかったか? ここに来る前、しっかりと長い金髪に櫛を入れておめかしした。晴れ舞台でもあるし、忘れかけた何かを思い出せる気がしたから。 『戦闘開始っ!』 ここで号令と鐘の音が響いた。 |
![]() ステラ=ライムライト |
同じ感じなのは……転移後の開放感だ!
「自由なんだよねーっ!」
ステラ、瞳を開くと同時にバックステップした!
どぉん、ばふっ、と目の前のそこかしこでファイヤーボールやスリープクラウドがさく裂。移動してなければ食らっていたはずだ。 「……私の金髪には指一本触れさせないんだから」
開始直後の混乱を運良く避けることのできたステラ、壁を背に試作振動刀「オートMURAMASA」と魔導銃「トルキューンハイト」を構えるのだった。
ルーキーリーグは51人のハンターが敗者復活戦に臨んでいた。
「うわっ!」
日紫喜 嘉雅都(ka4222)はとっさに加速して誰かの後ろに隠れた。幼少時代、コロニー、ロッソと流れ流れて生き延びてきた。ここでも危機における立ち回りが冴える。
「……え?」
意外だったのは、盾にしたと同時に狙われていた方からの射撃が止んだこと。そして別方面からの射撃で盾にした人物があっさりと倒れたこと。
「まずいですね」
自分もやられる、と嘉雅都は感じライフル「ペネトレイトC26」で反撃。今度は自分の盾を構える。
が、どこからも撃ってこない。
「どういうことか分かりませんが……とにかく助かりました」
嘉雅都、ふしぎに思いながらも逃げる。
ちなみに嘉雅都を狙っていた者はどうなっていたのか? 「一瞬の隙が命取り。……とっさに狙ったのが味方で攻撃を止めたのかな?」 シルフェ・アルタイル(ka0143)が遠く嘉雅都のいた方を向いていた誰かの背中の死角に一瞬で入り込み、ダガー「アンスタンフォス」を突き立てていた。 「さてっと。次はどうしようかなぁ」 すぐにその場を離れる。「よし、もらったぁ」などと背後で声。止め重視で動く者が踏み込んだのだろう。続いてファイヤーボールの炸裂音がした。 嘉雅都が盾にした人物を実際に撃った人物の方では。 「え、ええと……」 狐中・小鳥(ka5484)がくるっと回って身を沈めつつ銃を構える者の脇に入り込んでいた。ダンサーズショートソードを一閃し、片を付ける。 「……ひ、人が多すぎなんだよ!?」 まるで「斬る気はなかったけど、ごめん」と言わんばかり。 実際、すぐに逃げた。射線が来たからだ。 しかし! 「んん?!」 小鳥、思わぬ方向からの攻撃にとっさに剣を掲げ身を投げた。 立ち上がりつつ見上げるとチェーンサイズ「バグロム」を手にした背の高い男が。 「……かわしたか」 メンカル(ka5338)である。 「し、勝負なら後で、だよっ」 「逃げるか……まあいい」 人が少なくなってからと取ったメンカル、剣を取り直し逃げるチャイナドレスの少女を深追いしなかった。 代わりに振り向き狙いを定める。 「先に範囲攻撃持ちを何とかしないとな」 彼の真の狙いはそっちだった。 |
![]() シルフェ・アルタイル ![]() 狐中・小鳥 ![]() メンカル |
●戦いはドーナツのように
時は若干遡り、戦闘開始直後。 範囲魔法の爆風と銃からの射線が交錯する中、小さな影が突き進んでいた。 「えへへー!」 里見 茜(ka6182)である。 魔法を放った人物の側面まで最短距離で一気に詰めて渾身の一撃。聖拳「プロミネント・グリム」で固めた拳をめり込ませる。くの字に折れ曲がる相手。そのままダウンだ。 「魔術師や符術士は厄介ですからねー」 にっこり笑顔を見せた時に銃声が響く。どこかから撃たれた。 くっ、と命中した患部に手を当てつつ撃たれた方を見ると、赤く長い髪が優雅に激しく舞っていた。 織宮 歌乃(ka4761)が茜を撃った人物を襲っていたのだ。 「まさに闘祭……」 歌乃、戦いながらつぶやく。 舞うように、円弧を描き狙った相手を倒していた。どこかからの射撃を食らうが構わず太刀「國近」を振るい次の相手に切り掛かる。 「祭りであるなら舞の一つも奉納しましょう……華々しく、美しく!」 右へ左へと太刀を薙ぐ。 そして歌乃が戦いを求めて走り去った場所に、ぶうん、と戦槍「ボロフグイ」を振り回す人影が入って来た。 |
![]() 里見 茜 ![]() 織宮 歌乃 |
リアン・カーネイ(ka0267)である。
「この混乱の中で!」
歌乃を追撃しようとした敵の隙を突く形で力を込め槍で突く。しっかり腰を落とし、力強い一撃は長いリーチで伸びた。
「今、オレ自身にできることを!」
もちろん、自分も別の相手から狙われている。突いた槍を引く動きから石突きでの一撃。後方からの相手を吹っ飛ばした。
「勝って守りぬく!」
闘争心を露わに次の相手を求め走る。
右に左に敵を求める派手な者たちがいる半面、静かな者もいる。 「こんなのまともにやって何とかなるものじゃないでちゅ。逃げ隠れて残るでちゅ」 北谷王子 朝騎(ka5818)が禹歩でそそくさと危機を回避し端っこで隠れるようにしていた。 もちろん、戦況はしっかりと観察している。 「範囲攻撃持ちと近接一気のせめぎ合いでちゅが、動いてない者が狙われてまちゅね?」 朝騎の言葉には、多人数で連携するがゆえに動きの鈍っている者たちも含まれていた。 その時、気付いた。 ジェットブーツで空高く跳躍し一時的に難を逃れていた者もいることに。 「でも、目立ちまちゅね」 |
![]() 北谷王子 朝騎 |
「意外と中央が安全地帯だったかもで……ちゅ?」
わわっ、と前にダイブする。
「気付かれちゃった? 壁際は安全地帯じゃないんだよね」
ステラが壁際の敵を一掃しつつやって来たのだ。試作振動刀がちゅいいいん、と大地にめり込んでいる。
おっと、もう一人別方向からも突っ込んできていた。ステラ、敵の剣をかわす。
「バレたでちゅ!」
朝騎の方はカーニバルギアから一枚ドロー。
が、ステラももうそこにはいない。襲われた人物の背後に隠れる。
そこへ、朝騎の火炎符が命中。
ステラ、無事。朝騎に銃撃で応戦する。盾にした者はダウンしたが。
「ちょ……危なかったんだよ」
彼女の金髪、未だ指一本触れられていない。
そして、一息入れる者。 「ふぅ……」 ルシール・フルフラット(ka4000)が範囲攻撃を食らって砂埃にまみれながらも神槍「ブリューナク」を手に立ち続けていた。 「役に立ったのだと思いたいな」 厳しい目つきが一瞬緩んだ。落とした視線は幸運のメダリオンを入れていたあたりを見ている。 「さて」 最初の範囲攻撃の嵐が収まると、ルシールのいる一帯は一瞬安全地帯となっていた。 そこに逃げてくる者がいた。 「あ、危なかったでちゅ」 朝騎である。腕のカーニバルギアが目立つ。 |
![]() ルシール・フルフラット |
「悪く思うな」
安全地帯を求めた朝騎にとって完全な奇襲となった。ルシールの突撃で吹っ飛びダウンする。
●それぞれの決着
「ようやく収まったか」
メンカル、動き回って魔術師や機導師を倒してきた。範囲攻撃などの炸裂する音はもう聞こえない。
「ん?」
そこに銃声が耳に入った。
見ると、ライフルを持った嘉雅都が跳躍していた。撃った直後に誰かに襲われ空中に逃げたようだ。
その着地地点で二つの影が交錯していた。
「……最初のは、感謝しますけどね」
着地と同時に斬られた嘉雅都がそう言ったのは、ライフルで反撃した後に大地に倒れた時だった。首を曲げて何とか背後の人物を見ようとしている。
「いたただよ……気にする必要ないのに」
小鳥、嘉雅都からの銃撃を脚に受けていた。機動力を武器にしていただけに致命的だった。
「その言葉に、感謝です」
嘉雅都、ダウン。
「うーん、それじゃ申し訳ないけど」
彼の着地際を襲ったもう一つの影はシルフェだった。これまで通り止めは狙わず一撃離脱をしようとしたが、さすがに小鳥の弱り具合は見逃せない。
素早く小鳥を狙うが、しかし!
「彼女とは約束があるんでね」
メンカルがカットイン。渾身のチェーンサイズがシルフェを襲う!
「うわっ!」
食らったシルフェだが、アーマー「グラディエーター」が致命傷を防いだ。そのまま離脱する。
「それじゃ、勝負でいいかな?」
「そうだな」
改めて、勝負。
小鳥、居合を抜くがいつもの動きはできない。そのままメンカルの一撃に押しつぶされダウンした。
「楽しそうだねっ!」
そこへ茜が元気良く登場。私もまぜてと言わんばかりの笑顔だ。
「盛り上がるな」
メンカル、応じた。連戦だ。
が、手負いの小鳥と先にやったのが災いした。
「大暴れ! しちゃいます!!」
「ん?」
茜の鋭い踏み込み。シルフェに近い感覚だが、動けない小鳥の居合のイメージが残っていた。
「抉るように!」
チェーンサイズの円弧の動きが到達する前に懐に入られ、螺旋突を食らう。
ずうん、とメンカルが沈んだ。
一方、離脱したシルフェ。
「あっ!」
「……かわした?」
突然突き出された槍を辛うじてかわしていた。攻撃したリアンは驚いている。
「良い音です」
しかし、ひらりと逃げた場所に歌乃がカットインしていた。太刀がシルフェの最後の音を奏でる。
「油断せずとも突然の最後……ひどい戦場です」
リアン、槍を歌乃に向けて構えた。
「だからこそ初手から最高の歌を。……さあ、烈火怒涛の剣舞と参りましょう」
歌乃、太刀を両手持ち。受けて立つ構えだ。
「吼えろボロフグイ、虎狼の如く!」
槍を構え突っ込むリアン。歌乃の言葉を意気に感じた。全力だ!
「烈火舞踏、ご覧あれ」
腰を捻った低い姿勢で下から!
――がき、ん……。
一直線の突きと下からの赤い軌道の太刀筋は、赤が勝った。さらに踏み込む歌乃。返す太刀で胴を取る。
「……終演はまだ先ですね」
歌乃、地に崩れるリアンを残し先を急ぐ。
こちら、ルシール。
「新手か?」
「見敵必殺、やられる前にやれっ!」
朝騎を倒した直後、突っ込んできたステラに気付いた。銃撃を受けるが守りの構えで耐える。
「決勝に行くためにも……負けられない!!」
一方的に撃って距離を縮めると一気に跳躍した。半身の姿勢で振動剣は水平の構え。疾風剣だっ!
「もう守りの構えも限度だな」
熱いステラの突進に、ルシールは冷静なまま――いや、冷静なものか。チャージングで突っ込んだ!
がしっ、と一つの音が響いた。
「背後は、取らせない」
「……まだ、立っていられる」
ステラ、前のめりに倒れた。ルシールも前だけ見て立つ姿勢に集中している。マテリアルヒーリングで回復し、自らの闘争心を鼓舞した。背中で相手を称える。
●最終決戦
呼吸を整えたルシールの目の前に、二人の人影があった。
「織宮歌乃です。最後くらいは皆さんの名前を知りたいですね」
一人は歌乃。礼儀正しく名乗りを上げた。
「私は里見茜。そういうのもいいね」
もう一人は茜。ぎゅっと両手を拳にしてまだまだ戦えることを示す。
「……ルシール・フルフラットだ。心配りに感謝する」
ルシールもまんざらではなく名乗った。ぎゅっと槍をしごく。
「では」
歌乃、長物を持ったルシールを狙った。下から紅蓮斬。
「最後まで全力で!」
ルシール、チャージングで合わせた。
そして武装は聖拳のみの茜、後回しにされたが……。
「二人相手でも大丈夫だよ!」
ここで気功波をぶっ放した。
狙うは見た目にダメージの少ない歌乃。
「あっ!」
これが、槍をかわしつつ捨て身の攻撃に入っていた歌乃に入った。つづいてルシールの突きが入りノックアウト。
「これで最後」
相手を変え本当に最後のチャージングを掛けるルシール。
「歌乃さんの分も暴れるよ!」
茜、前転。紅蓮斬を参考に槍の先をかいくぐると、ぴたりと片膝をつき……。
「螺旋突だよ!」
ひねりを加えた一撃がルシールに入る。
「ここ、までか……」
「勝者、里見茜!」
最後に一人立ち上がった茜に勝者コールが送られた。
敗者復活戦を制したのは、里見茜だ。
(執筆:深夜真世)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)