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【闘祭】マスターリーグ敗者復活戦
更新情報(7月19日)
マスターリーグ敗者復活戦の模様をノベルで公開!
勝者決定までの大混戦をご覧ください。
勝者決定までの大混戦をご覧ください。
マスターリーグ敗者復活戦 優勝者
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ウィンス・デイランダール (ka0039) クラス:闘狩人(エンフォーサー) 所属ユニオン:帝国 |
出場した全ハンター
榊 兵庫(ka0010) 地球 | ウィンス・デイランダール(ka0039) 帝国 | ||
ヒース・R・ウォーカー(ka0145) 帝国 | 龍崎・カズマ(ka0178) 帝国 | ||
オウカ・レンヴォルト(ka0301) 帝国 | 米本 剛(ka0320) 地球 | ||
ヴァイス(ka0364) 辺境 | ジョージ・ユニクス(ka0442) 王国 | ||
リューリ・ハルマ(ka0502) 同盟 | 上泉 澪(ka0518) 辺境 | ||
ロニ・カルディス(ka0551) 同盟 | エヴァンス・カルヴィ(ka0639) 辺境 | ||
星輝 Amhran(ka0724) 辺境 | Uisca Amhran(ka0754) 辺境 | ||
紫月・海斗(ka0788) 帝国 | ボルディア・コンフラムス(ka0796) 帝国 | ||
ザレム・アズール(ka0878) 帝国 | セリス・アルマーズ(ka1079) 王国 | ||
時音 ざくろ(ka1250) 地球 | ミリア・エインズワース(ka1287) 帝国 | ||
ジャック・J・グリーヴ(ka1305) 王国 | ウーナ(ka1439) 同盟 | ||
久延毘 大二郎(ka1771) 地球 | 葛音 水月(ka1895) 地球 | ||
レイオス・アクアウォーカー(ka1990) 東方 | ジェーン・ノーワース(ka2004) 王国 | ||
神楽(ka2032) 地球 | バルバロス(ka2119) 辺境 | ||
リュー・グランフェスト(ka2419) 王国 | エルバッハ・リオン(ka2434) 辺境 | ||
ミィリア(ka2689) 同盟 | アルト・ヴァレンティーニ(ka3054) 王国 | ||
ミオレスカ(ka3946) 辺境 | チマキマル(ka4372) 同盟 | ||
ブラウ(ka4809) 王国 | 牡丹(ka4816) 東方 | ||
アルマ・A・エインズワース(ka4901) 辺境 | ナナセ・ウルヴァナ(ka3946) 辺境 | ||
ディーナ・フェルミ(ka5843) 王国 | マリィア・バルデス(ka5848) 同盟 | ||
玉兎 小夜(ka6009) 辺境 |
マスターリーグ敗者復活戦 ノベル
ひしめく兵(つわもの)、共闘の先。用意された席は、唯一つ。
■
ウィスカの攻撃をスキルを使用しつつ回避し、一瞬で間合いを詰める。振り返る暇すら与えずに繰り出された超重量の刀が、華奢なウィスカを薙ぎ払った。
息する間もなく薙ぎ倒されたウィスカが動きを止め、アルトが刀を持ち直したその瞬間。
やや密集しかけたメンバーを槍先で静かに捉えたのはウィンスだった。
一瞬、空気が凍ったような錯覚を覚えたのは、誰だっただろう。
冷静に場を観察していた少年の前方に立つ3人が息を呑む。
前方180度に勢いよく横薙ぎされた巨大な槍の先から、氷柱を思わせるマテリアルが無数に放たれた。
膝をついたままの小夜、ミリアは当然だが、刀を持ち直したばかりのアルトも回避は間に合わない。
振り抜いた槍をウィンスがゆっくりと腰元へと引き戻す頃には、氷柱に貫かれた3名はその場に倒れこんでいた。
■ 席一つに、立つ兵は3名。
水月は小さく息を吐く。ここまで残れたことは嬉しいが、自分を含めて3名では砂煙や人の影には隠れられない。
他方カズマは思案する。残ったメンバーはそう簡単には飛び出したりはしないタイプだ。
じりじりと互いに距離を測りつつ、ウィンスは次の手を練っていた。
死角を減らしつつ動くカズマと影をうまく使う水月。
「……なら、これしかないだろ」
正攻法。正面突破。
ウィンスは策を講じるのが苦手なわけではない。但し、今回に限れば余計な策は不要だろうと判断する。
腰に添える様に槍を構え、ゆっくりと呼吸を整える。
落ち着いていく呼吸と反比例して、何処からともなく冷たい空気が力強く身の内に溜まっていく感覚。
構える限りでまだ動きを見せないウィンスへ、牽制を込め接近し攻撃を仕掛けたのはカズマだ。
間合いを詰め、風を纏い一気に刺し貫こうと攻撃をしかける。重量のある剣が振り抜かれウィンスへと襲い掛かるが、彼は最低限の回避行動しか取らない。
身を裂かれ血を流しても、ウィンスはそのまま槍を構えるのをやめない。
走り出した水月が気配を薄めつつ攻撃を仕掛けても、やはり動かない。
血に塗れつつ口角を引き上げ、たった一つの席をもぎ取るべく、ウィンスは吼えた。
「上ッ等だあぁぁぁぁぁ!!!」
体を捻り、自分の後方で武器を構えなおす二人に向かって。
鋭い氷柱を思わせるこの日最大のマテリアルの爆発が、フィールドに広がった。
――マスターリーグ敗者復活戦 勝者:ウィンス・デイランダール。
END
■
砂塵舞う広いフィールドでも、人が密集する箇所は必ず発生する。それは、強者との戦いに心躍らせる者の性か。 リューリ・ハルマ(ka0502)と背を合わせる様にお互いの死角を潰しあうのアルト・ヴァレンティーニ(ka3109)は、序盤只管に回避に専念し続けていた。 「やれやれ、こういった乱戦は得意じゃないんだがな」 「そんなこと言わない言わない。全力で楽しむよっ!」 共闘するのはこの二名だけではない。 試合開始と同時に全速力で移動したミリア・エインズワース(ka1287)はアルマ・A・エインズワース(ka4901)と合流するや、大切な半身の前に立ち塞がった。 「アルマ! ボクが送ってやる。行って来い!」 金の髪を靡かせ近づく敵を刺突で退けつつ道を拓けば、アルマはジェットブーツで空を駆けつつ敵へと向かっていく。 「ちょっとごめんねっ! 失礼しまーす!」 符剣を手に、同じく空を駆ける時音ざくろ(ka1250)は、混戦する敵の頭を踏みつけつつまるで兎の様に飛び跳ねていた。 あちこちで広がる共闘と乱戦。それを冷静に見極めようと葛音水月(ka1895)が人混みと土煙に紛れ攻撃をすり抜けていく。 一気に加速し集団を駆け抜けると、彼女が通り抜けた後に立つ相手達には巨大な刀での刀傷が刻まれる。 混戦の中、無念にも倒れていくメンバーが多発する中、敗者復活戦と言えど流石は「マスターリーグ」と銘打たれているだけあって、残っていくメンバーには実力者が多い。 それは、単純に腕っぷしという意味合いだけでなく、自分の力とそれを最大限生かせる状況を生み出す能力を持ち合わせている、という意味も含まれている。 例えば。 「お祭りといえば巫女。巫女の渾身のご奉仕をお見せいたします」 果たしてこの場合のお祭りと巫女がイコールで結ばれるのかは定かではないが、歌う様に言葉を紡ぎつつUisca Amhran(ka0754)は盾を手に攻撃を凌いでいる。 その前で踊る様に剣を閃かせ、姉である星輝 Amhran(ka0724)がその射線を開けていく。 開けた視界と周囲の敵を脳裏に描き、ウィスカは微笑みつつ翡翠色に光る龍を召喚する。一気に放たれる波動に、彼女の周囲に立っていた敵が数名倒れていった。 微笑むウィスカと対極に立ち、混戦を見極めているのはウィンス・デイランダール(ka0039)だ。 努めて冷静に。しかし心の奥では闘志を燃やしつつ、自身に攻撃の矛先を向け接近してくる敵を見定める。 口角が僅かに上がってしまうのは、最早否定しない。ここは普段戦うソレとは違う、純粋な「闘い」の場だ。 愛槍を構え、逆に自分から更に密集地へと踏み込む。 流れる青い輝きがウィンスの槍の軌跡を追い、一気に突き出される槍から放出されたまるで氷柱のような数多のマテリアルが、自分を取り囲む全ての敵を貫いていく。 運悪く攻撃が防御の薄い箇所へと直撃した敵がバタバタと倒れていく姿を見て、玉兎 小夜(ka6009)はとにかく逃げ続けていた。 人が少なくなるまで逃げる。それも立派な戦術だ。 「ふぉぉ、バトルロイヤルとか……この先生き残れるのか……!」 今までは只管に回避し、他者からの攻撃は他人を巻き込むように動き回っていたが。 フィールド内を確認すると、当初41人いた参加者は至る所で繰り広げられる混戦のおかげで15人程度まで絞られてきている。 「さぁて人間もいい感じに減ってきたなぁ? 最後の祭りだ、まだまだ派手に暴れるぜぇ!」 そんな小夜へと大きな斧を振り下ろしたのは、ボルディア・コンフラムス(ka0796)だ。 大斧を冷静に残魔の刀で受け流し飛び退る小夜を見て、ボルディアは楽し気に嗤う。 そんな彼に背後から奇襲をかける敵は、火炎の幻影を纏わせた攻撃を叩き込む。 次々と倒れていく参加者を確認しつつ壁沿いで自身の死角を潰しつつ龍崎・カズマ(ka0178)は戦っていた。 壁を背にすることで無防備になる背からの攻撃はない。そして自身へと集まる敵の進行具合も絞れる。 敵を頭の中で数えた後、勢いよく踏み出し前方の敵の方へと駆け込む。直線に立っていた敵は風の摩擦抵抗を究極まで減らし速度を上げるカズマの攻撃を防御する事が出来ない。 ここまでの戦いの中、只管に防御しつづけ、それでも負傷度が溜まる様ならば回復に努めていたセリス・アルマーズ(ka1079)は待ち続けていた。 彼女が待っていたのは『開幕後の嵐』が止む瞬間。 参加者の中でも防御が高い彼女らしい戦い方と言える。 自分の周りを確認し、小さく息を吐いた。もうそろそろいいだろう。 防御から一転、聖なる剣を掲げて不敵に笑う。 「そろそろいいかしらね?」 自身へと集まっていた周囲に向かって、聖なる光が放たれた。問答無用の範囲攻撃にとどめを刺された参加者が倒れていく。 ――遂に参加者は、10名まで絞られた。 ■ 椅子に座れるのは唯一人。立っているのは10名。 共闘していた仲間も倒れ、各々が自分自身でのみ闘うしかない状況になった。 残ったメンバーの中で真っ先に狙われたのはセリスとウィスカだ。 回復が出来て且つ防御力も高い聖導士は、持久戦になると突出して攻略し辛くなる。 セリスへと向かうのはざくろとボルディア、カズマ、水月。 ウィスカへと向かうのはウィンス、小夜、アルト、ミリアだ。 一瞬背後を確認してセリスは内心舌打ちしたくなった。壁際に寄ろうにもそこには既にカズマがいる。前方からは火力自慢のボルディア。スキルを使用し上空から仕掛けるざくろに、土煙を利用し姿を隠しつつ狙いを定める水月。 「うーん、流石に面倒ですねぇ」 苦笑一つ。おそらくはセリス自身も分かっていたのではないだろうか。人数が減った場合、真っ先に狙われるのは自分だと。 正面からボルディアが強力な一撃を繰り出すのを盾で受けとめる。続いてざくろが上空から三点の光を放つ。一点はセリスへ。残り二点はセリスの近くにいたボルディアと壁際のカズマへ。 直撃した魔法攻撃にセリスはふらつきボルディアとカズマは膝をついた。 その隙を逃がさないのは土煙や攻撃を繰り出すメンバーの背後に隠れつつ接近していた水月だ。 ボルディア、セリス、そして着地したざくろをほぼ一直線に捉え、一気に加速する。 三人の間を走り抜けつつ重い刀を三度翻し急停止。剣先を地面に置く様にして振り返ればまずは、防御も回避も出来なかったセリスがゆっくりと倒れた。 次に、ざくろの攻撃でダメージを蓄積していたボルディアが倒れる。ふらついたざくろが咄嗟に符剣を地面に突き立てた瞬間。隙を見逃さなかったカズマが壁際から一気にざくろの背後へと駆け込んだ。 振り返り、剣を一閃させるくろだが、その一撃は受け流される。カズマによって天を墜とすと銘打たれた巨大な刀が素早く振り上げられ、地面へと叩き込まん限りに振り下ろされたカウンターによって、地面へと倒れ伏した。 水月は背に落ちる冷たい汗を感じつつ、カズマへと向き直る。長大な剣を苦も無く振り回すカズマと、重量のある刀を振るう水月が睨みあう。 一方のウィスカも4名からの波状攻撃に苦戦していた。 一瞬で間合いを詰め横合いから刺突をしかける小夜を躱し、逆サイドから恐るべきスピードで貫こうとするミリアの攻撃を盾で受ける。 「まだまだっ……!」 生み出した光の龍が発する波動に、小夜とミリアが膝をついた。 その背後から仕掛けたのはアルトだ。 |
リューリ・ハルマ アルト・ヴァレンティーニ ミリア・エインズワース アルマ・A・エインズワース 時音ざくろ Uisca Amhran 星輝 Amhran ウィンス・デイランダール ボルディア・コンフラムス 龍崎・カズマ セリス・アルマーズ |
息する間もなく薙ぎ倒されたウィスカが動きを止め、アルトが刀を持ち直したその瞬間。
やや密集しかけたメンバーを槍先で静かに捉えたのはウィンスだった。
一瞬、空気が凍ったような錯覚を覚えたのは、誰だっただろう。
冷静に場を観察していた少年の前方に立つ3人が息を呑む。
前方180度に勢いよく横薙ぎされた巨大な槍の先から、氷柱を思わせるマテリアルが無数に放たれた。
膝をついたままの小夜、ミリアは当然だが、刀を持ち直したばかりのアルトも回避は間に合わない。
振り抜いた槍をウィンスがゆっくりと腰元へと引き戻す頃には、氷柱に貫かれた3名はその場に倒れこんでいた。
■ 席一つに、立つ兵は3名。
水月は小さく息を吐く。ここまで残れたことは嬉しいが、自分を含めて3名では砂煙や人の影には隠れられない。
他方カズマは思案する。残ったメンバーはそう簡単には飛び出したりはしないタイプだ。
じりじりと互いに距離を測りつつ、ウィンスは次の手を練っていた。
死角を減らしつつ動くカズマと影をうまく使う水月。
「……なら、これしかないだろ」
正攻法。正面突破。
ウィンスは策を講じるのが苦手なわけではない。但し、今回に限れば余計な策は不要だろうと判断する。
腰に添える様に槍を構え、ゆっくりと呼吸を整える。
落ち着いていく呼吸と反比例して、何処からともなく冷たい空気が力強く身の内に溜まっていく感覚。
構える限りでまだ動きを見せないウィンスへ、牽制を込め接近し攻撃を仕掛けたのはカズマだ。
間合いを詰め、風を纏い一気に刺し貫こうと攻撃をしかける。重量のある剣が振り抜かれウィンスへと襲い掛かるが、彼は最低限の回避行動しか取らない。
身を裂かれ血を流しても、ウィンスはそのまま槍を構えるのをやめない。
走り出した水月が気配を薄めつつ攻撃を仕掛けても、やはり動かない。
血に塗れつつ口角を引き上げ、たった一つの席をもぎ取るべく、ウィンスは吼えた。
「上ッ等だあぁぁぁぁぁ!!!」
体を捻り、自分の後方で武器を構えなおす二人に向かって。
鋭い氷柱を思わせるこの日最大のマテリアルの爆発が、フィールドに広がった。
――マスターリーグ敗者復活戦 勝者:ウィンス・デイランダール。
END
(執筆:風亜智疾)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)