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【闘祭】ミドルリーグ敗者復活戦


更新情報(7月19日)
ミドルリーグ敗者復活戦の模様をノベルで公開!
勝者決定までの大混戦をご覧ください。
勝者決定までの大混戦をご覧ください。
ミドルリーグ敗者復活戦 優勝者
![]() |
マッシュ・アクラシス (ka0771) クラス:闘狩人(エンフォーサー) 所属ユニオン:帝国 |
出場した全ハンター
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デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013) 帝国 | ![]() |
真田 天斗(ka0014) 帝国 |
![]() | クオン・サガラ(ka0018) 王国 | ![]() | クローディオ・シャール(ka0030) 王国 |
![]() | アルト・ハーニー(ka0113) 同盟 | ![]() | 黒の夢(ka0187) 辺境 |
![]() | ルスティロ・イストワール(ka0252) 辺境 | ![]() | ネフィリア・レインフォード(ka0444) 辺境 |
![]() | シェリル・マイヤーズ(ka0509) 帝国 | ![]() | 近衛 惣助(ka0510) 地球 |
![]() | 十 音子(ka0537) 地球 | ![]() | 無限 馨(ka0544) 王国 |
![]() | 守原 有希弥(ka0562) 辺境 | ![]() | マッシュ・アクラシス(ka0771) 帝国 |
![]() | ユノ(ka0806) 帝国 | ![]() | コリーヌ・エヴァンズ(ka0828) 辺境 |
![]() | ルカ(ka0962) 王国 | ![]() | レオーネ・インヴェトーレ(ka1441) 帝国 |
![]() | ジャック・エルギン(ka1522) 同盟 | ![]() | 八劒 颯(ka1804) 帝国 |
![]() | 神代 誠一(ka2086) 帝国 | ![]() | カナタ・ハテナ(ka2130) 地球 |
![]() | サクラ・エルフリード(ka2598) 帝国 | ![]() | フラメディア・イリジア(ka2604) 帝国 |
![]() | フェリア(ka2870) 帝国 | ![]() | アシェ?ル(ka2983) 王国 |
![]() | 八原 篝(ka3104) 地球 | ![]() | 夕鶴(ka3204) 帝国 |
![]() | エリス・ブーリャ(ka3419) 辺境 | ![]() | フローラ・ソーウェル(ka3590) 王国 |
![]() | 鹿島 雲雀(ka3706) 地球 | ![]() | ナタナエル(ka3884) 帝国 |
![]() | 七夜・真夕(ka3977) 地球 | ![]() | ケイルカ(ka4121) 同盟 |
![]() | エルディン(ka4144) 王国 | ![]() | 劉 厳靖(ka4574) 帝国 |
![]() | 弓月・小太(ka4679) 東方 | ![]() | 央崎 枢(ka5153) 帝国 |
![]() | テノール(ka5676) 王国 | ![]() | ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784) 地球 |
![]() | 保・はじめ(ka5800) 同盟 |
ミドルリーグ敗者復活戦 ノベル
●
ミドルリーグ、敗者復活戦。
霊闘士3名、猟撃士4名、魔術師6名、符術士2名、闘狩人7名、聖導士6名、疾影士7名、機導師5名、格闘士1名。総勢41名が、60メートル四方のリングに並び立つ。
何れも精強なるハンター達である。その緊迫感たるや壮烈の一言に尽きた。
そこに。
●
「此処で決まってくれれば楽なのですがね」
弓を引きながらの言葉が――果たして、天に届いたか。マッシュの視界の端で、何かが動いた。反射的に動きそうになるが、『その男の』狙いに思い至ると、マッシュはそのまま、弓を引く。
「悪く思わないでください」
そんなテノールの言葉の後、果たして――こちらへとむかって駆けるテノールの身体が、大きく弾き飛ばされた。
「なっ……!?」
「ガーーッハッハッハ!!」
『あーーっと、これは!?』
『デスドクロ……!?』
銃声を貫いて、大声が響き渡る。序盤で斃れたと思われたデスドクロが、何くわぬ顔で身を起こしていた。人が減った気配を感じて顔を上げたのだろうが、撃った先は完全に気分で決めたようだ。
『まさか……死んだフリっすか!』
沸き立つ実況席、轟々と鳴る批難の声など気にもとめずに、デスドクロは大笑する。
「暗黒奥義の一つ、ダークネス死んだフリ……開幕一発目のジェットブーツは上空に逃れて被害を最小限に抑えるためのもの……クックックッ! ガーッハッハッハ!! このデスドクロ様の策はカンペkグハアァァァッ!?」
「……お勤め、ご苦労様です」
極めて嬉しげに解説するデスドクロであったがマッシュの矢に撃ちぬかれ、今度こそ本当に斃れるのであった。
さて、と息を吐く。見れば、残るはクローディオと誠一の二人のみ。
そして、二人は交戦中であった。
●
『サクラとクローディオ、互いに硬く、泥臭くなった打ち合いを制したクローディオだったが……』
『最後はホ……くさいほうが勝ったのぅ。お守り効果かの! たまらんの!』
『アンタそろそろそのネタから離れようぜ……ただ、どうやら、分は悪そうだな』
などと実況されていることは露知らぬクローディオだが――苦境、であった。先ほども、決め手に欠けていたのだ。それは相手が変わった所で変わるようなものではない。
「……くっ」
しかし、条件は誠一にとっても同じだった。使用できるスキルは、シェリルとの戦闘までで既に尽きていた。そして――攻めるには、クローディオは余りに硬い。それでも。
「此処まで、来たからには……負けませんっ!」
「私とて……此処で負けるつもりはない」
気迫を吐き出しながら前に出る誠一に対して、盾で殴打するクローディオ。互いに、決め手は無い。ただ只管に殴り合いを続け――そして。
「――これで!」
「……ぐ、っ……!」
『おーーーっと、決着!』
誠一の絡繰刀が、かざされた盾を抜けてクローディオの体躯を撃ち抜いた。装甲を貫く衝撃にクローディオは絶句し、息を吐く。困憊した身体では、既に立ち上がれそうも無かった。
『ヲノコポートレートの効力も此処までじゃったかぁ! となると、決勝進出は……!』
『……ん? いや、待てよ』
『む?』
荒く息を吐く誠一は、既に走り出していた。傷だらけの身体。足取りすらも疾影士のそれとしては些か以上に重い。それでも――行かねばならない。
『あ!』
『……今まで待ってたんだな』
進む先に、もう一人。マッシュ・アクラシスが居た。
●
二人の決着を待っていたのは、連携して対応される愚を冒さぬためだ。今日幾度目かの弓を引く。互いに満身創痍。一撃でも当たれば、それで決まりだろう。
「……さ、て」
気息一つ。弓引く手に力を込める。
「当るも八卦、当たらぬも八卦。最後の一稼ぎとしては、上々でしたかね」
全力で疾駆する誠一も、同様だろう。あと一手。その一手を引き寄せるために、こちらへと向かってくる。
その足さばきを感じながら――。
放った。
●
勝着は、矢を回避しきれなかった誠一が倒れ伏したことでついた。刀で受け、防御の厚い胴に当っての結果であったことを見るに、その困憊ぶりが知れるだろう。
それだけの、乱戦だったのだ。放ったマッシュですら、決着を見るだに膝をつき、天を仰ぐほどであった。
かくして。
ミドルリーグ、敗者復活戦の勝者は、マッシュ・アクラシスに決定した。
ミドルリーグ、敗者復活戦。
霊闘士3名、猟撃士4名、魔術師6名、符術士2名、闘狩人7名、聖導士6名、疾影士7名、機導師5名、格闘士1名。総勢41名が、60メートル四方のリングに並び立つ。
何れも精強なるハンター達である。その緊迫感たるや壮烈の一言に尽きた。
そこに。
「グーハハハ!」 いやにデカい声が響いた。リングの中央で周囲を睥睨している黒尽くめの男の名は―― 「智謀の王たるこのデスドクロ様にはこのショバはちょいと狭すぎるなァオイ!」 デスドクロ・ザ・ブラックホール(ka0013)である。魔導銃を手にしている彼は、中央に配されていた。開始位置は厳正なる抽選の結果だが、やけっぱちにも見える言動はそのせいだろうか? その至近、クローディオ・シャール(ka0030)は写真を眺めながら黙念していた。その表情はどこか、渋い。 『アレは――ふむ、そういうことじゃの? ぬっふ……』 『男の写真見てるだけじゃねぇか』 『おぬしは黙っとれ。口を挟むのは構わんが、その身体――いつまでも妾達が牙を剥かぬと思わんことじゃ!』 『いやー、やっぱこの瞬間が一番こう、上がるよなー』 実況席から見れば、ハンター達は思い思いの様子で試合開始を待っているようだった。 それも、そのはずである。こと範囲攻撃には事欠かぬ状況。そして、複数人から降り注ぐ猛攻を耐えられる頑強さを有しているものなど、居ない。 観客も、実況席も固唾を飲んで見守る中――試合が、始まった。 |
![]() デスドクロ・ザ・ブラックホール ![]() クローディオ・シャール |
●
大凡の想定通り、初手は猛火の嵐、というべき状況となった。 「グワァァァーーーーっ!?」 その中心に近しい所にいたデスドクロは噴煙を上げながら吹き飛び、ドグシャァ、と盛大に倒れ伏す。騒がしい男だったが、静かになると哀愁が漂う姿であった。 さて、その他はどうか。近接職の多くは初手を厭うての回避行動が主体――であったが。 『おっと……ありゃぁ地縛符か』 『密集地帯でこれは鬼の所業じゃな!』 「ルンルン忍法、人遁の術っ!」 初手に火力を費やすでもなく敷かれた符術により、移動不能となる近接職が多数でた。どうやら、ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)の技であるらしい。足を留められた哀れな近接職、あるいは、その事に気づいてルンルンを追走せんとした近接職がいつの間にか仕掛けられていた術にハマり、方々から迫る魔術や銃撃に撃ちぬかれて沈んだ。 しかし、だ。 「あいつを落とせ……!」 如何に人が密集する舞台とはいえ、ルンルンの容姿は派手に過ぎた。効果的に過ぎた一撃に、近接職の目が集まる。 「わわ……っ」 「おぉー……追いかけっこ!」 慌てて逃げ出すルンルンをよそに、黒の夢(ka0187)は目を輝かせていた。状況が派手に動いているのは彼女にとっては都合がいい。なにせ彼女は魔術師である。ルンルンはじきに追いつめられるだろう。ならば、その間に――と、今もまた、範囲魔術でハンターを屠る。 「なーんだ! 此方の方が沢山みんなと遊べるのなっ♪」 きゃきゃっ、と華やぎながらの猛火は。 「――いや、すみません、此処で終わりです」 「にゃっ!?」 後背から唐突に降った声に、遮られた。 「勝負事には全力を尽くす、それが俺なりの礼儀ですから……」 神代 誠一(ka2086)の声であった。それに気づいた時には、絡繰刀が黒の夢を捉え――一閃。黒の夢の意識をただの一刀で刈り取る。そのまま、足を止める愚を冒さずに、すぐに駈け出した。 戦場は、新たな局面へと至っている。 『漸く落ち着いてきたか……?』 実況席から俯瞰する限りでは、ルンルンがフェリア(ka2870)のファイアボールに撃たれ人遁の術騒動は終焉を迎えた様子。 『そのようッスね!』 『ふぁっ!? お主、なにをしておる!』 いつの間にか身を割り込ませていた無限 馨(ka0544)である。 『いやー、バトルロイヤルは無法地帯っすから!』 どうやら疾影士の敏捷性をフルに活かして、此処まで駆けてきたらしい。 『さぁ! 勝利の女神はだれに微笑むか……! あ、俺は別の女神が既にいるんで辞退っす』 快活に言い放つ馨には問答無用で失格が言い渡されたが、「まぁこれはこれで良いアピールになるんじゃねぇか?」と、スメラギは思ったとか、思わなかったとか。 ● 戦場の中心は、中央から端へと動いていった。元々回避攻撃を避けた面々が集中していたが、その各所で戦闘が開始された形だ。 「さて、お待ちかねの大暴れタイムだ。リアルブルーの意地、とくと見やがれ!」 鹿島 雲雀(ka3706)が、角を陣取り青龍翔咬波を放っていたテノール(ka5676)に目を付け、ギガースアックスを振り回しながら突貫を仕掛けた。足止めに放った青龍翔咬波を戦斧と身体で受け止め、雲雀はなおも疾走。 「……頑強、か。なら」 腰を落とし、応対の構えを取るテノールは立ち位置を変えた。角にいては間合いに勝る雲雀の良い的になってしまう。故に、足を使っての相対となった。 戦場に楔のように打ち込まれていた範囲攻撃が止むと、各所で戦闘が過熱化していく。 マッシュ・アクラシス(ka0771)が狙いを定めたのはフラメディア・イリジア(ka2604)。互いに最も端におり、周囲の面々は既に戦闘中。そして――視線が噛みあった。好戦的な熱を帯びたフラメディアの視線に、マッシュは応じるでもなく、弓を引き絞る。強く、固く。距離にして60メートルと少し。間合いを味方に、マッシュは矢を放った。それを難なく盾で払うフラメディアは豪快な笑みを浮かべる。 「勝たねばこれが最後、じゃが、存分に楽しむこととしようぞ!」 「……できれば、もう少し静かにしていたかったのですが」 仕方ない、と嘆息しながら、マッシュは再び、矢を放った。 サクラ・エルフリード(ka2598)は初手から豪快に動いていた者の一人だ。自らは盾と鎧で身を固めながら、セイクリッドフラッシュとその霊槍で相手を仕留めていく。 小柄な身体を感じさせぬ、攻撃的な立ち回りであったが――その槍が、留められた。 「……む」 クローディオだ。少女と同じく、全身を鎧で固めた重装の聖導士。これまで防御に徹していた彼は、 ――お前も異なる戦場で戦っているのだろうか。 そんな事を思いながら、歩を進める。握る盾に力を籠める彼を前に、サクラは盾を構えなおすと。 「いざ、尋常に……参ります!」 気勢一つ。歩を進める。 「ん……もう……っ」 シェリル・マイヤーズ(ka0509)は誠一の猛追を受けていた。他のハンターと切り結び、勝利を得た所で追撃されたのだった。同じ疾影士同士では距離を取ろうとしても簡単には行かない。攻撃を捨て全力で歩を進められたら開けた分など一息で潰されてしまう。 「……っ!」 だが、退く理由もない。手裏剣を投擲する――が、誠一はこれを回避し距離を詰めてくる。このミラーマッチ、勝敗を分けたのはスキルの選択であった。回避に特化したシェリルのスキルは、序盤を乗り切るには有用であったが、この場面では決め手に欠ける。 「漸く、届きましたね」 誠一の一言と共に、絡繰刀の連撃が、シェリルの身を刻む。即時の決着とは行かないが、ここが分水嶺となり、シェリルは斃れることとなった。 ● 「……っ、く! 貰っちまったか……!」 雲雀の革鎧を、テノールの拳が撃ちぬいた。満足気なのはハンターに登録されている格闘士のうちでも最上の一人と相対できたからか。回避されたものを含め四度目《鎧徹し》。漸く沈んだ雲雀が意識を失ったことを確認すると、テノールは自らの傷に触れる。殲撃が五振り、カウンターを含め三振。不運というべきか、見事というべきか。カウンターの一撃で捉えられたのが、痛手であった。 冷静に、損耗を計算する。戦えば、先程と同様に事故があり得る、と――そこに。 「――楽は、させてくれないか」 勿論です、とでも言うように。遠方から、マッシュが狙ってきていた。端で戦闘していた事が災いし、その距離60メートルはかたい。思考する間も惜しい。すぐに駈け出した。 一方、マッシュとしてはその胸中は苦い。的中打でフラメディアを削り切った彼だが、その猛撃を裁き切れず、負傷していた。テノールとの戦力差を思えば、この負傷は痛い。 |
![]() ルンルン・リリカル・秋桜 ![]() 黒の夢 ![]() 神代 誠一 ![]() フェリア ![]() 無限 馨 ![]() マッシュ・アクラシス ![]() フラメディア・イリジア ![]() サクラ・エルフリード ![]() シェリル・マイヤーズ ![]() 鹿島 雲雀 ![]() テノール |
「此処で決まってくれれば楽なのですがね」
弓を引きながらの言葉が――果たして、天に届いたか。マッシュの視界の端で、何かが動いた。反射的に動きそうになるが、『その男の』狙いに思い至ると、マッシュはそのまま、弓を引く。
「悪く思わないでください」
そんなテノールの言葉の後、果たして――こちらへとむかって駆けるテノールの身体が、大きく弾き飛ばされた。
「なっ……!?」
「ガーーッハッハッハ!!」
『あーーっと、これは!?』
『デスドクロ……!?』
銃声を貫いて、大声が響き渡る。序盤で斃れたと思われたデスドクロが、何くわぬ顔で身を起こしていた。人が減った気配を感じて顔を上げたのだろうが、撃った先は完全に気分で決めたようだ。
『まさか……死んだフリっすか!』
沸き立つ実況席、轟々と鳴る批難の声など気にもとめずに、デスドクロは大笑する。
「暗黒奥義の一つ、ダークネス死んだフリ……開幕一発目のジェットブーツは上空に逃れて被害を最小限に抑えるためのもの……クックックッ! ガーッハッハッハ!! このデスドクロ様の策はカンペkグハアァァァッ!?」
「……お勤め、ご苦労様です」
極めて嬉しげに解説するデスドクロであったがマッシュの矢に撃ちぬかれ、今度こそ本当に斃れるのであった。
さて、と息を吐く。見れば、残るはクローディオと誠一の二人のみ。
そして、二人は交戦中であった。
●
『サクラとクローディオ、互いに硬く、泥臭くなった打ち合いを制したクローディオだったが……』
『最後はホ……くさいほうが勝ったのぅ。お守り効果かの! たまらんの!』
『アンタそろそろそのネタから離れようぜ……ただ、どうやら、分は悪そうだな』
などと実況されていることは露知らぬクローディオだが――苦境、であった。先ほども、決め手に欠けていたのだ。それは相手が変わった所で変わるようなものではない。
「……くっ」
しかし、条件は誠一にとっても同じだった。使用できるスキルは、シェリルとの戦闘までで既に尽きていた。そして――攻めるには、クローディオは余りに硬い。それでも。
「此処まで、来たからには……負けませんっ!」
「私とて……此処で負けるつもりはない」
気迫を吐き出しながら前に出る誠一に対して、盾で殴打するクローディオ。互いに、決め手は無い。ただ只管に殴り合いを続け――そして。
「――これで!」
「……ぐ、っ……!」
『おーーーっと、決着!』
誠一の絡繰刀が、かざされた盾を抜けてクローディオの体躯を撃ち抜いた。装甲を貫く衝撃にクローディオは絶句し、息を吐く。困憊した身体では、既に立ち上がれそうも無かった。
『ヲノコポートレートの効力も此処までじゃったかぁ! となると、決勝進出は……!』
『……ん? いや、待てよ』
『む?』
荒く息を吐く誠一は、既に走り出していた。傷だらけの身体。足取りすらも疾影士のそれとしては些か以上に重い。それでも――行かねばならない。
『あ!』
『……今まで待ってたんだな』
進む先に、もう一人。マッシュ・アクラシスが居た。
●
二人の決着を待っていたのは、連携して対応される愚を冒さぬためだ。今日幾度目かの弓を引く。互いに満身創痍。一撃でも当たれば、それで決まりだろう。
「……さ、て」
気息一つ。弓引く手に力を込める。
「当るも八卦、当たらぬも八卦。最後の一稼ぎとしては、上々でしたかね」
全力で疾駆する誠一も、同様だろう。あと一手。その一手を引き寄せるために、こちらへと向かってくる。
その足さばきを感じながら――。
放った。
●
勝着は、矢を回避しきれなかった誠一が倒れ伏したことでついた。刀で受け、防御の厚い胴に当っての結果であったことを見るに、その困憊ぶりが知れるだろう。
それだけの、乱戦だったのだ。放ったマッシュですら、決着を見るだに膝をつき、天を仰ぐほどであった。
かくして。
ミドルリーグ、敗者復活戦の勝者は、マッシュ・アクラシスに決定した。
(執筆:ムジカ・トラス)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)