• 調査

中途半端に悪い奴ら

マスター:白藤

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 6~10人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2018/05/23 12:00
リプレイ完成予定
2018/06/01 12:00

オープニング

●中途半端
「や、やられああぁあ!」
 時刻は昼。人が賑わう商店街の中心で八百屋の店長が悔しげに声を荒らげた。「何だ何だ」と周囲にいた人々が集まれば、店長は半分だけになった林檎を握り潰し、甘い果汁を周囲に飛び散らせる。
「また奴らだ! 『中途半端ヤンキーズ』の仕業だ!! うちの林檎を全部『うさぎさん』にして行きやがった!!」
「うちもやられたわ!」
 八百屋店長の叫びに便乗したのは魚屋店長である。お前のところは何をされたんだ、と八百屋店長は魚屋店長に詰め寄る。
「魚が全部美しいお刺身になっていたわ!! 見て、この魚捌くの難しいのに!!」
「それはありがたいんじゃないか!?」
「そっちだって! うさぎさん可愛いじゃない!!」
 勝手に加工された林檎や魚――迷惑か迷惑じゃないかはさておき、これらは現在、オボロン商店街出店者一同を悩ませている『中途半端ヤンキーズ』の仕業である。

 推定十代の若者達による新手の不良グループ、通称『中途半端ヤンキーズ』。彼らは突如としてオボロン商店街に現れ、悪事を繰り返してきた……が、その名の通り、やる事なす事全てが“中途半端”なのである。
 林檎をうさぎさんカットにしてみたり、魚をお刺身に加工してみたりする他にも、人々を襲う害獣を退治して死骸を商店街の入口に並べてみたり、玩具屋の模型を着色して綺麗にディスプレイしてみたり、収穫時期を迎えた畑の作物を勝手に収穫してその場に陳列してみたり、商店街にやって来た窃盗団を縛り上げて全裸にしてみたりと『残念』な悪事を行っているのだ――時々ありがたい感じになっているのは言うまでもない。

「本当、何なんだろうねぇ、あの子達……」
 一体何がしたいのかは全く分からないが、出店者達は毎度毎度の事ながら中途半端に困らされている。寂れたオボロン商店街に謎の活気をもたらす存在となってくれていることは確かなのだが、一応は迷惑行為であることには変わりない。
 とっ捕まえてしょっ引く……というよりは、話をしてみたいなと店主達は中途半端ヤンキーズの捕獲を試みたこともあった。
 しかし、顔を覚えられているのか目が合えば全速力で逃げられてしまうし、そもそも単純な運動神経で彼らに適う者はいない。罠を作成することも考えたが、素人作成の罠で大怪我をさせてしまったら可哀想だと話が進まない。
「うーん……」
 考えて考えて、店主達は『あるひとつ』の結論に辿り着くのであった。
「まあ、こういう時にはあの人達に頼むしかないよね!」

●便利屋さん?
「何か、勘違いされている気がしなくもないんですが」
 やれやれ、と受付嬢は肩を竦める。カウンターの上には、オボロン商店街の位置に印の付けられた地図が置いてあった。

「背格好から、どう見ても十代の若い三人組だという話です。かなり素早いそうで、追いかけて捕まえたり、多分あると思われるアジトに着いていくことも出来ていないんだとか」
 十代は十代でも、恐らく十代前半の少年達だ。相手がまだまだ子どもで、そこまで重大な事をされていないのだからと、商店街店主達もあまり大事にはしたくないそうだ。
「何というか、商店街を衰退させようとしているわけでは無さそうなんですよね……害獣や窃盗団退治出来ちゃうくらいの腕っ節があるのに、それを利用して家主を恐喝したり店の売り上げ盗んだりなんてことはしてないわけですし」
 本当に、何がしたいのか分からない――商店街の方々も、それ故に頭を抱えているのだ。目的によって成すべき事柄も異なる上、今後彼らの中途半端な迷惑行為が悪化していく可能性があるならば本格的な対応を取らなければならない。
「今回の依頼は『中途半端な迷惑行為の理由を聞く事』と『出来れば中途半端な迷惑行為をもうちょっと自重させる』になります。とにかく、中途半端ヤンキーズに接触出来なければ話にならない奴ですね」
 商店街の方々は中途半端ヤンキーズの撃退を望んではいないそうです、と受付嬢は念押しする。今は回数が多いせいで迷惑な部分が目立つものの、オボロン商店街は元々酷く寂れていた場所だ。そんな場所に現れた奇行を繰り返す若者達の存在は、ある意味良い刺激になるのだそうだ。
「商店街の方々には出来なくても、ハンターの皆様なら何とか接触出来ると思うんです。まあ、真っ向勝負は流石に厳しいかと思いますが、罠仕掛けて捕まえたり中途半端な事仕出かした後を尾行したり……まあ、商店街の皆様が色々失敗しているので、様々な手を試すべきだとは思います。どっかが失敗しても、どっかが成功すればそれで何とかなりますし?」
 受付嬢は別の地図を取り出してカウンターに広げる。それ地図というよりは商店街の案内図といったところだった。
 案内図によると、オボロン商店街の北側には『魚屋』、『八百屋』、八百屋に隣接する『畑』、中央には『服屋』、『武器屋』、『装飾品店』、南に『家具屋』と家具屋が保持する『倉庫』があるらしい。地図と比較して見てみると北・中央・南の各エリア内ならば、どこにいても迅速な対応が出来そうだ。またオボロン商店街は海辺に存在するため、商店街近くには広い海岸や簡易的な港があるようだ。
「罠を用意するにしろ、張り込むにしろ、分散した方が良いかもしれません。商店街の方々は恐らく全面的に協力して下さるので、どうにか彼らの願いを叶えてあげて下さいね」
 かなり面倒な依頼だが、相手もそれは分かっているらしい。困惑するハンター達に向かって、受付嬢は「結構な報酬を頂けるみたいですから」と悪戯めいた笑みを浮かべてみせた。

解説

【依頼】
・『中途半端ヤンキーズ』と接触し、行動の理由を聞く
+α:過度の迷惑行動を慎むように交渉する。

オボロン商店街の人々は平和的なやり取りを望んでいます。中途半端ヤンキーズに酷い怪我を負わせた場合等は失敗判定となりますので、お気を付け下さい。

【前提】
・原則商店街及びその周辺のみの描写となります。
・戦闘発生は余程の事がなければありません。
・商店街に危害を加えないで下さい。

【PL情報(PCの皆様は知りえない情報です)】
・中途半端ヤンキーズはハンターの皆様が活動される時間帯に商店街のどこかには出没しますので、対策を考えてみてください。
・商店街のどこに出没するかはダイスで決定します(つまりランダムです)

マスターより

こんにちは、白藤です。
オボロン商店街の「オボロン」に特に意味は無いです。
白藤は『商店街』というと寂れた姿しか想像出来ないのですが、皆様の周りの商店街はどんな状態でしょうか。
たまには商店街でお買い物、というのも良いと思いますよ。
私の周りにある商店街は、そもそもお買い物出来る状況では無いのですが……。

さてさて、今回はハンターの皆様に商店街を駆け抜けて頂きます。
相手は子どもですし、商店街の方々の希望も出ておりますので、あまり乱暴なことはしないように、気を付けて下さいね。
ハンターの皆様の健闘をお祈りします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/05/29 02:08

参加者一覧

  • 【Ⅲ】命と愛の重みを知る
    フェリア(ka2870
    人間(紅)|21才|女性|魔術師
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 悲劇のビキニアーマー
    エメラルド・シルフィユ(ka4678
    人間(紅)|22才|女性|聖導士
  • 背後にお姉さん
    神紅=アルザード(ka6134
    人間(紅)|17才|女性|疾影士
  • 秘剣──瞬──
    多由羅(ka6167
    鬼|21才|女性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/05/23 08:31:00
アイコン 更生大作戦
エメラルド・シルフィユ(ka4678
人間(クリムゾンウェスト)|22才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/05/23 09:39:40