●でるんですって、もふもふが
　遺跡の近くにある山菜を取りに男が三人森を歩いていた。山菜のほかに薪にする枝もとるためこの辺では男衆も山菜取りに参加する。
「そろそろ釣りもいいころ合いだなぁ」
「あぁ、たしかに。渓流釣りにでも子供たちを誘うかぁ？」
「はは、騒いで魚が取れなくなりそうだな」
　だがろくに娯楽のない場所にある村だ。川遊びは子供たちだけでは禁止しているし、連れて行ってやるのもいいかもしれない。そんな会話に花を咲かせつつふと目前に迫った遺跡に目をやると。
　もふ、もっふん、もふもふころころ。
　謎のもふもふが遺跡の入り口から十体ほど転がってきたのだった。
「な、なんだ！？」
「植物……いや、動いてるから動物か！？」
　もふもふには言葉を操る機能がないのか無言のまま男たちに襲い掛かってくる。
　すこししっとりした感触は喩えるなら苔玉。ただし二メートル前後あるものまでいる。小さいものでも三十センチや五十センチクラス。
　もふもふもふもふ！！！！
「気持ちいいようないやまて痛い痛い痛い！」
　もふもふじたいはすごく弾力があってふかふかで気持ちいいのだが木の根とサンドイッチされ、押しつぶされれば呼吸ができないし肋骨なんかもいたい。
　このもふもふ、少し凶暴なたちのようだった。

●退治しなくちゃいけないんですって、もふもふを
「よく集まってくれた。今日みんなにお願いしたいのは……もふもふ退治だ」
　は？　何言ってるのこの人。そう言いたげなハンターたちの視線を手で払うようにした後ルカ・シュバルツエンドは話を続ける。
「巨大な苔玉に似た謎のもふもふに人々が最近相次いで襲われている。手触りはふかふかで少ししっとり、弾力があって一部の人は熱狂するタイプの生命体なんだけどいかんせん意思の疎通ができないうえに体当たりしてくる。体当たり自体はともかく、木の幹とプレスされた結果骨折者が出たりもしてね。討伐の依頼が出たんだ」
　まぁ討伐する前に思う存分もふもふするのは自由だと思うけれど、野放しにはできないからちゃんと倒してね。どこか疲れた調子出るかは続ける。
「苔玉もどきがでるのは今から配る地図に赤くマーキングしたあたりにある遺跡。人の気配を察知すると向こうから出てくるから探す必要はない。もふもふを倒すなんて、と悲嘆にくれる気持ちはわからないでもないけど……被害が出てるから放っておけないんだ。協力を頼むよ」

●目的
もふもふを楽しんだ後討伐

●成功条件
もふもふの討伐成功

●失敗条件
討伐の失敗

●状況
もふもふは遺跡からでてきます。言葉は通じません、というか鳴き声などもありません。多分植物のようなものなので。
しっとり気味の表面はもふもふしていて、小さいものを抱きしめると程よい弾力があります。
毛長のまりのようなものが少し濡れているというのが近いかもしれません。
襲い掛かってくるのでもふもふを堪能したら倒してください。
もふもふを堪能せずにすぐに戦闘に入るとリプレイが大変短くなります。
内容的に「もふもふ：7対戦闘2対希望者がいれば村人の手当て1」くらいです。
タックルとプレスが中心。大きいものは二メートル前後の球体、小さいものは直径三十センチくらいの球体。
あとはその中間くらいのもふもふがあわせて十数体。

●立地条件
足場がやや悪い森の中の遺跡周辺。
近くに川があります。もふもふと戯れたくない人は釣りをするのもいいかもしれません。

●注意
内訳を読んでいただければわかりますがガチ戦闘とは程遠いゆるっとしたシナリオです。
遊びたい方、初心者さん向け。
たのしくもふもふしてください。

というわけでもふもふ退治です。
まりもとか苔玉とかそういう感じの生き物が動くようになってしまったもの。

すみません、先ほど提出したシナリオ、日常をチェック入れ忘れたと思います。必要でしたら入れていただけると助かります…