• 戦闘

精霊の森の夢抱くフクロウ

マスター:真太郎

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 3~5人
ユニット参加人数
現在5 / 0~5
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
プレイング締切
2019/01/19 09:00
リプレイ完成予定
2019/01/28 09:00

オープニング

 辺境の森の奥には精霊の宿る大樹がある。
 しかし一人の堕落者の手によって大樹からマテリアルが奪われ、精霊は力の大半を失ってしまった。
 負のマテリアルの影響の強い辺境で精霊からのマテリアル供給を失った森は死を意味しているに等しい。
 精霊は残された僅かなマテリアルを使って新芽を生やし、人間に願った。
 森のために手を貸して欲しいと。
 精霊の大樹を再生させる手立ては、大昔に株分けした自身の分け木からマテリアルを譲って貰う事。
 しかし問題もある。
 マテリアルを分けた分け木は一時的にではあるが力が弱まってしまう事。
 分け木はその木を植えた生き物の子孫が守っているだろうが、快くマテリアルを分けてもらえるかは分からない事だ。
 少なくとも説明や説得は必要になるため、精霊は動物と念話ができる枝木を作った。
 精霊の分け木に精霊は宿ってはいないが精霊の大樹と同じだけの力がある。
 精霊の枝木は分け木に同調し、周囲の生き物同士が分け木を介して念話を行えるようにする物である。
 それため分け木の周囲でしか効果はなく、枝木に込められたマテリアルが尽きれば効果も切れる。
 効果時間はおよそ2時間。
 その時間内で交渉する必要があった。

 精霊の分け木を探す依頼を受けたハンター達は、精霊から分け木のある場所の方角と大凡の距離だけ教えられ、探すよう頼まれた。
 その手がかりだけで探すのは困難であるが、渡された精霊の枝木には分け木の近くまで来るとぼんやり輝く機能も追加されたため、前回よりは探しやすくなっているはずだった。
 ハンター達は少ない手がかりを頼りに鬱蒼とした森の中をさまよい歩いた。
 そして十数時間も歩いた頃、精霊の枝木がぼんやりと輝き始める。
 輝きの明度を頼りに更に歩くと、木々の上を飛翔する鳥の数が増えてきた。
 それも只の鳥ではない。1m以上ものサイズのある大きな鳥だ。
 大きな瞳に平たい顔。
 フクロウとよく似たその鳥は『ポロウ』だった。
 ポロウ達はハンターを警戒しているのか、上空を旋回したり、高い枝木から見下ろしたりしてくる。
 そして『ポー』『ホゥ』と鳴き声を上げるが、もちろん何を言っているかは分からない。
 ハンターは精霊の枝木を使った。
『人間、何をしにきたホー』
『我らを捕まえにきたのかホゥ?』
『追い払ってやるホー!』
 意外と好戦的らしく、ポロウ達には歓迎されていなかった。
 ハンター達は敵意がない事を示しつつ事情を説明する。
『どうするホゥ?』
『わからんホー』
『長に相談するホゥ』
『そうするホー』
 ハンター達はしばらくその場で待たされた。
『長が話を聞くそうだホゥ。1人だけ来るホー』
 やがてハンターの1人が代表で森の奥へ行き、ポロウの長と接見した。
『人間さん、事情を聞かせて欲しいポゥ』
 長は他のポロウ達よりも態度が温和だった。
『そうですか……』
 事情を聞いた長はしばらく黙考した。
『貴方達は悪い者ではないようですし、マテリアルを分けるのは構わないポゥ。でも代わりに私の願いを叶えて欲しいポゥ。
 私は産まれて間もない頃、凶鳥に攫われた事があるポゥ。
 里から遠く離れた所まで連れられ、食べられてしまうところだったポゥ。
 でもそこにあの方が馬に乗って颯爽と現れたんだポゥ。
 あの方は凶鳥を倒して私を助けてくれたポゥ。
 そして傷ついて飛べなくなっていた私を自分の家に連れて行って治療までしてくれたんだポゥ。
 私は感激したポゥ。
 すぐにあの方を好きになったポゥ。
 そして思ったポゥ。
 大きくなったらあの方を背に乗せて飛び、あの方と共に戦おうと。
 だから傷が治ってもあの方と一緒にいたポゥ。
 でも里から迎えが来たんだポゥ。
 私はあの方の側にいたかったポゥ。
 でもあの方は里から迎えが来た事を喜んだポゥ。
 私が里に帰れる事を祝福してくれたポゥ。
 だから私は里に帰ったポゥ。
 あの方がそう望んだからポゥ。
 それからはもうあの方に会う事はなかったポゥ。
 でも本当は会いたかったポゥ。
 あの方を背に乗せて飛びたかったポゥ。
 あの方と共に戦いたかったポゥ。
 だからお願いポゥ。あの方を探して連れてきて欲しいポゥ。
 私の夢を叶えて欲しいポゥ』
 それがポロウの長の願いだった。

 ハンター達はポロウの長の言う『あの方』を探す事となった。
 しかし長が出会ったのは20年以上も前の事であり、手がかりも少なかった。
 恐らく覚醒者。
 たぶん騎士。
 中年男性で名前はジーク。
 捜索は難航したが、どうにかジークという老人を探し当てた。
「……どなたかな?」
 家を訪ねるとジークは訝しげな様子で出迎えてくれた。
 事情を話すと、ジークは驚きながらも相好を崩した。
「あの時のフクロウが会いたいと! いやはや驚きました。でもそうですか……フク助は今でも元気なのですね。嬉しいなぁ」
 ジークはちゃんとポロウの長の事を覚えていた。
 どうやらフク助と名付けていたらしい。
「事情は分かりました。会う事もやぶさかではありません。しかし……」
 ジークは表情を曇らせる。
「見ての通り自分はもう年寄りです。かつては確かに騎士で覚醒者でしたが、今では精霊との契約も解除していて覚醒もできません。当時のように戦う事はもうできないでしょう」
 ジークはそう言いつつ倉庫に入ってゆく。
 そして出てきた時には全盛期の装備を身に纏っていた。
「ですが僕と共に戦いたいというのがフク助の望みなら叶えてやりたいと思います。今の自分では足手まといにしかなりませんが、皆さんどうかよろしくお願いします」
 こうしてジークはハンター達と共にポロウの里へ行き、戦ってくれる事となった。

 ジークと共にポロウの里を訪れると、長が猛スピードで飛んできた。
『ジーク様ーーー!!』
 そして思いっきり抱きついてくる。
 しかしその様はほぼタックルだ。
「おうふっ!」
 老いたジークは吹っ飛ばされそうになったが、ハンター達が後ろで支えて倒れるのを防ぐ。
『お会いしとう御座いましたポゥ~!!』
「本当にフク助なのかい? 大きくなったねぇ~。本当にポロウだったんだね」
 実はジーク、フク助を拾った時には小さかったため普通のフクロウだと思っていた。
 ポロウだと気づいたのは迎えのポロウが来た時である。
「僕と一緒に戦いたいそうだね」
『はい。私の背に乗ってくださいますかポゥ?』
「いいとも。でも戦うような敵はいるのかい?」
『いますポゥ。少し離れた所に厄介な虫がいますポゥ。それを退治しに行くポゥ!』
(虫か……。その程度なら何とかなりそうだ)
 ジークは少し安堵したが、実は容易い相手ではない事を現場で思い知る。
「分かった。案内してくれるかい」
『もちですポゥ。さぁ、私の背にお乗り下さいポゥ』
 ジークはフク助の背に乗った。
『あぁ……遂にジーク様が私の背に……』
 フク助は歓喜に打ち震えながら大空に舞い上がったのだった。

解説

●目的
・ポロウのフク助に乗るジークがカッコ良く敵を倒すのを手伝う
・敵の討伐

●注意点
同行できるユニットは飛行騎乗のできる幻獣『ポロウ』『グリフォン』『ワイバーン』『ペガサス』のみです。
ユニットを所持していないハンターは野生の『ポロウ』に騎乗する事になります。(性能はショップの初期ステータス並)
グリフォンの『特殊訓練:キャリアー』等の複数人乗れるスキルを有している場合、それに同乗する事も可能です。

戦闘中は精霊の分け木から離れているので不可能ですが、ポロウの里の中ならユニットと会話が可能です。


●フク助
ポロウの里の長。
幼い頃に助けられたジークを背に乗せて共に戦う事が夢。
レベルはかなり高い。
ちなみにメス。


●ジーク
幼い頃のフク助を助けた元覚醒者。
今は66歳の老齢で、精霊との契約も解除しているので覚醒もできない。
当時は高レベルの猟撃士だったが老齢のため衰え、覚醒できないためステータスは軒並み5分の1になっている。
ポロウに乗っての飛行戦闘も初めてである。
武器は弓とランス、防具は全身革鎧。


●敵
ドラゴンフライ×12

トンボに似た外見の大型昆虫。
可燃性の体液を吐くためドラゴンの名が付けられている。
前足がカマキリのような鎌状になっているので近接攻撃や拘束もできる。
可燃性の体液を浴びると一定時間【炎上】による継続ダメージのバッドステータスを受ける。
動きが素早く攻撃力も高めだが、耐久力は低い。


●戦場
森の上空。
故に空間戦闘ルールの『空中戦闘』になります。


●備考
精霊の大樹やポロウは金銭を持っていないため報酬は表記上『なし』にしていますが、ゴールドの代わりに『イクシード・プライム(小)』が貰えます。

ジークやフク助が死亡した場合、シナリオは失敗です。
ジークが敵を倒せなかった場合、失敗にはなりませんが成功でもありません。

何か質問がある場合はNPCのハナ・カリハにお尋ね下さい。

マスターより

今回のシナリオは『精霊の森と憎しみに落ちた少年』や『精霊の森の兎と猫の頂上決戦』の続編です。
とはいえ、個々のシナリオ内容はほぼ独立していますので、前のシナリオ内容を知らなくてもほとんど問題ありません。
前回のシナリオではユキウサギとユグディラを登場させましたが、今回はポロウです。
オープニングイラストはペガサスですけどポロウのお話です。(ポロウのイラストがなかったのですよ……)
今後も何かしら幻獣や動物が関わってくる展開を考えております。
それでは皆様のご参加お待ちしております。

関連NPC

  • ハンターオフィス職員
    ハナ・カリハ(kz0194
    人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/01/26 08:12

参加者一覧

  • 王国騎士団“黒の騎士”
    レイオス・アクアウォーカー(ka1990
    人間(蒼)|20才|男性|闘狩人
  • 【Ⅲ】命と愛の重みを知る
    フェリア(ka2870
    人間(紅)|21才|女性|魔術師
  • 茨の王
    アルト・ヴァレンティーニ(ka3109
    人間(紅)|21才|女性|疾影士
  • ユグディラの準王者の従者
    保・はじめ(ka5800
    鬼|23才|男性|符術師
  • 虹彩の奏者
    木綿花(ka6927
    ドラグーン|21才|女性|機導師
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/01/16 03:01:20
アイコン 相談卓
保・はじめ(ka5800
鬼|23才|男性|符術師(カードマスター)
最終発言
2019/01/19 09:01:33