• 戦闘

堕ちた者と堕ちた人

マスター:真太郎

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在5人 / 3~5人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2019/02/22 19:00
リプレイ完成予定
2019/03/03 19:00

オープニング

●大森健司

 俺はリアルブルーから訳も分からずクリムゾンウェストに召喚されてきた。
 そして俺は山賊に捕まり、奴隷にされた。
 山賊は俺を家畜以下のクソみたいに扱ったが、ある時歪虚に襲われて殺された。
 歪虚は俺の山賊や世界への恨み辛みを見初め、堕落者になる事を持ちかけてきた。
 だから俺は堕落者となった。
 そうしなければ俺も殺されていただろうから。
 その後、俺を堕落者にした歪虚はハンターによって殺された。
 俺の身は人間に戻る事はなかったが、自由にはなった。
 俺は俺をこんな境遇にしたこのクソッタレな世界で死にたくはなかった。
 何があろうとも絶対に生き延びてやる。
 ここは弱い者は生き残れず死ぬ世界だ。
 だから俺は力を求めた。
 強いマテリアルを求めて彷徨い、それを吸収してゆく。
 そんな日々を送っていた。

 ある日、人間の村の近くを通ると言い争う声を耳にした。
 興味を惹かれて近寄ってみた。
 1体のゴーレムを連れた2人の男が怒鳴っていて、村長っぽい老人が怯えているのが見える。
「おい! 警ら料を貰いにきたぜ」
「警ら料ならもう先週払いましたが……」
「今週分だよ。まだだろ」
「えぇ! 毎週払えと?」
「月額だなんて言った覚えはねぇぞ。俺たち自警団が歪虚を倒してるからお前ら安心して暮らせてるんだ。払うのは当然だろ」
「ですが毎週こんな高額を払える訳が……」
「払えねぇならそれでもいいが、そうなると俺達のゴーレムが怒って暴れちまうかもしれねぇーなー」
 ゴーレムが持っていた大剣を地面に叩きつけると地面がえぐれ、飛び散った土砂が村長の体を打つ。
「ひぃぃ!!」
 村長は慌ててその場に蹲った。
(なんだこいつら。自警団とか言いながらやってる事は山賊じゃねーか)
 俺の中で山賊に対する憎悪が膨れ上がり、そいつらの前へと歩み出していた。
「ん? なんだあんちゃん、村のもんか?」
「ちげーよ。ただあんたらみたいなゴミが反吐が出るほど嫌いなだけさ」
 受け答えしつつゴーレムを見ると、負マテリアルを発している事に気づいた。
(このゴーレム、歪虚か?)
 しかし山賊どもは負のマテリアルを発していない、ただの人間だ。
(どういうこった?)
「なんだと! 邪魔するってんなら痛い目みるぞ!」
 ゴーレムが大剣で斬りかかってきた。
 俺は容易く避けるとゴーレムを掴み、掌からマテリアルを吸収する。
 ゴーレムは藻掻いたが押さえつけ、そのまま吸収を続けるとやがて塵となって消えた。
(こいつ結構マテリアルが詰まってたな)
 俺は身体にかなりのマテリアルが満ちたのを感じた。
「ゴ、ゴーレムが……」
「チクショー! 覚えてろー!」
 ゴーレムがやられると山賊の2人は全速力で逃げていった。
「あんた!」
 村長が感謝の笑みで駆け寄ってくる。
(くっ!)
 しかし俺は顔をしかめた。
 その笑みが気持ち悪く感じたからだ。
 俺は堕落者となって以来、人間や生物を見ると不快感を覚えるようになっていた。
(なんでこんなに気持ち悪ぃんだよ。くっそ、今すぐぶっ潰してぇ……)
 ゴキブリを見た途端に叩き潰したくなる感覚と似ている。
 その欲求に従えば快感が得られるだろう事も感覚的に分かる。
「ありがとうございます! あいつらには本当に困ってたんです」
 殺ればいいと本能が訴えてくるが、この村のやつらには恨みも何もない。
 ただ本能のまま殺す獣のように俺はならない。
 俺が殺るやつは俺が決める。
 俺は身の内から湧き上がる不快感を抑え込みながら話を聞く事にした。
「あいつら何なんだ?」
「自警団を自称するたかり屋ですよ。歪虚を倒しているのは事実ですが、その見返りに金を請求してくるんです。その金額が膨大で……」
「なんでたかり屋風情がゴーレムなんて持ってる?」
「分かりません。ですがやつらがゴーレムを持っているせいで我々は大人しく金を払うしかないんです」
「でも村長。村にはもう払う金なんて残ってないぞ」
「払えなくなったらゴーレムに何をされるか……」
「お願いします旅人さん、あいつらの横暴を止めさせて下さい!」
「私達を助けて下さい」
 何時の間にか集まってきていた村人達が次々に懇願してくる。
「ゴーレムはどれくらいいるんだ?」
 村人から顔を背けながら聞く。
「まだ2~3体はいると思います。しかしさっきのより大きなゴーレムも見た事があります」
「へぇ……」
 俺はほくそ笑んだ。
(そいつからはもっと大量のマテリアルが吸えそうだな)
「分かった。なんとかしてやるよ」
 俺は山賊の居場所を聞くとそこに向かった。



●自称自警団隊長
 
 オレらがゴーレムを見つけたのは偶然だった。
 たまたま森の奥で奇妙な屋敷を見つけたんだ。
 そこの地下には大小10体のゴーレム安置されていた。
 最初見つけた時はもちろんびびったさ。
 でも動かなかったから近寄ってあちこち触ってみたのさ。
 そしたら急にこっちの言うこと聞くようになった。
 こうしてオレは言うことを聞くゴーレムを手に入れた。
 試しに近くにいる雑魔にけしかけみたら一蹴できる程の力があった。
 オレはこの力に有頂天になったね。
 で、金儲けの方法として考えたのが自警団だ。
 歪虚を倒す見返りとして村や町から金を貰う。
 今までの山賊生活より真っ当な仕事だ。
 しかも働くのはゴーレムだけ。オレ達は何にもしなくていい。
 最高だ。
 しかしそんな真っ当な仕事にケチを付けるヤツがいたのか、オレ達の屋敷にハンターが来やがった。
 だがこっちの準備だって怠りねぇ。
 屋敷の屋上には大型のバリスタが設置してあるし、周囲には鉄条網も巡らしてある。
 なによりこっちには強力無比なゴーレムがある。
 防衛準備は万全だ。
 これで仕掛けてくるヤツなんているはずねー。
「ごほっ! ごほっ!」
 急に咳が出やがった。
 なんか最近体調わりぃんだよな。妙に咳が出るし身体もだりぃ。
 オレだけじゃなく他のヤツらもだりぃって言ってやがる。
 最近うまいモン食ってっからまだ身体が受け付けてないのかもな。
「親分、本当にやるんですか? 相手は歪虚じゃなくて人間ですぜ」
 屋上で迎撃態勢をとっていると、仲間が聞いてくる。
「びびんな! 相手はハンターだ。ボウガンの2~3本刺さったって死にゃしねぇ。痛めつけて追い返せ。あと親分って言うな。隊長って呼べ」
 びびる仲間を叱咤してオレはボウガンを構えた。
「おやぶーんっ! やべぇヤツがいる!」
 そこに集金に出ていた仲間が大慌てて戻ってきて、小型ゴーレムの1体がやられたと言ってきやがった。
 信じられねぇ……。
 だがそれが事実ならヤバイ。
「くっそ! そいつは今来てるハンターの仲間に違いねぇ! そっちには残りの小型を全部ぶつけろ! 正面扉開けて大型ゴーレムも出せ!」
 命令に従って正門が開き、3体のゴーレムが出る。
 正面に大型ゴーレムが3体。屋上に2体。裏口には小型が4体。
 これで凌げないはずがねぇ!!

解説

●目的
屋敷に立てこもる自称自警団の山賊の横暴な集金を止めさせる


●状況
ハンターはOPの村人ではなく他の町の住人から山賊の横暴な集金を止めさせて欲しいと依頼を受けている


●屋敷
縦横高さ10m正方形の3階建て。
屋敷から4m離れる毎に高さ2mの鉄条網が3重に敷かれている。


●敵
大型ゴーレム
全高4m
マネキン人形に軽装甲を装着させたような風貌
屋上の武器:大型バリスタ、大剣
屋敷前の武器:連弩弓、槍、小剣

小型ゴーレム
全高1.7m
武器:剣、盾

山賊
単なる人間
武器:ボウガン、短剣、単発銃


●敵配置
屋敷正面から2スクエア先に大型ゴーレム×3

屋敷屋上に大型ゴーレム×2

屋敷裏側に小型ゴーレム×4

山賊は屋上の正面に3人、側面に1人ずつ、後方に5人の計10人

・屋上図
山山山山山
□□□□□
山□□□山
□□□□□
山ゴ山ゴ山

ゴ:ゴーレム
山:山賊


●ハンター初期位置
屋敷正面から25スクエア先


●PL情報
OPの内容は全てPL情報です。

山賊の頼りはゴーレムですので、全て壊されると戦意喪失します。
山賊はただの人なので戦闘力は低く、ハンターには全く敵いません。

大森健司は屋敷の裏側から攻め込みます。
屋敷正面から裏側は見えないので、ハンターは彼がいるとは分かりません。

大森健司は堕落者ですが、今回はハンターと戦う気はありません。
しかし場合によっては戦闘になる可能性はあります。
彼と戦闘になった場合
・リアルブルー出身者か
・何故自分を殺そうとするのか
・歪虚だと殺されなければいけない理由は何か
を聞かれます。
武器:狙撃銃、拳銃、ナイフ
能力:他者からマテリアルを吸収できる。
ハンターが吸収された場合、マテリアルの減少により覚醒が一時的に解除される。
非覚醒状態だと『副能力』覧の「生命力」「装備力」「移動力」を除いた全ての数値が5分1になります。
再覚醒は次のラウンドのファーストアクションで可能。


●備考
何か質問がある場合はNPCのハナ・カリハにお尋ね下さい。

マスターより

今回のシナリオに登場している大森健司の事は『精霊の森と憎しみに落ちた少年』のOPでよく分かります。
そして登場しているゴーレムは『Drヤッフェの挑戦状』に出てきたものと同じものです。
PL情報になりますが、山賊達が見つけたのはDrヤッフェの屋敷で、彼が死んだため放置されていたゴーレムなのです。
ゴーレムは登録者の命令を聞くよう作られていたので山賊にも扱えました。
ただ、ゴーレムは歪虚のDrヤッフェに作られた時点で歪虚化していたため、山賊達には歪虚汚染の症状が出始めています。

それでは皆様のご参加お待ちしております。

関連NPC

  • ハンターオフィス職員
    ハナ・カリハ(kz0194
    人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2019/02/28 11:21

参加者一覧

  • 課せられた罰の先に
    クオン・サガラ(ka0018
    人間(蒼)|25才|男性|機導師
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • フリーデリーケの旦那様
    アルマ・A・エインズワース(ka4901
    エルフ|26才|男性|機導師
  • ユグディラの準王者の従者
    保・はじめ(ka5800
    鬼|23才|男性|符術師
  • 風雅なる謡楽士
    玲瓏(ka7114
    人間(蒼)|18才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 質問卓
Gacrux(ka2726
人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/02/21 16:51:10
アイコン 相談卓
Gacrux(ka2726
人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2019/02/22 14:20:57
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/02/20 00:39:43