• 戦闘

初依頼に幸あれ

マスター:藤城とーま

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2014/06/27 19:00
リプレイ完成予定
2014/07/06 19:00

オープニング

●ハンターさんと変な職員

最近賑やかになってきたハンターズソサエティ。
こうして連日依頼を見に行っているというのに、依頼に入るのは容易な事ではなかった。

「……む」
依頼を見て思わず小さく唸った男がここにも一人。訓練場周辺でよく見かける、マクシミリアン・ヴァイス(kz0003)。
表情が乏しくとも、彼にはそれなりに人間的な部分はある。
気になる依頼が確定していたり、そもそも空いている依頼が無ければ驚いたり残念がったり――顔に出さないまでも、一応心の中で感情は出している。ちなみに、少し残念がっているようだ。

ハンターを生業にしているのはこの男だけではないし、仕事にうまくありつけるかは、当然運も絡んでくる。
暫くは仕事も回ってはこなさそうだ、と思い、ハンターオフィスを出て行こうとすると――……。
「マクシミリアンさん」
「……?」
不意に声を掛けられた。何事かと肩越しに後方を振り返れば、カウンターに座っている女性職員が笑顔で手招きしていた。
呼ばれるまま近づいてみると、人懐こい笑みを浮かべた職員は、いきなり『マクシミリアンさんは暇ですよね』と切り出した。
「……急になんだよ」
「訓練場周りでウロウロしてますが、割と時間空いてますよね。最近毎日オフィスの依頼を無愛想に眺めてましたし!」
「俺は至って普通に見てるだけだが……ニタニタしながら依頼を見る奴がいるのか?」
「まー、人それぞれ? ですけどね!」
あはっ、と言って笑う職員。
用がないなら帰るとマクシミリアンが方向転換したところで、むんずとジャケットを掴まれる。
「おや! 逃がしませんよ! 暇そうなベテランハンターに仕事をというお達しなんですからね!」
そう言って微笑んだ……つもりなのだろう。マクシミリアンや他のハンターから見れば、ニタリと笑いながら袖をつかんで離さない職員の目は血走り、ある種の執念すら感じられるものであった。
「離せ」
「話せ? 依頼の話ですね! あのですね――」
「まず、お前が俺の服を掴んでいる手を離す。その後、お前から依頼の説明を聞いて俺が受けるか判断する、のが流れだろう」
指摘されて、あらあらそれもそうでした、と言いながら服を離す職員。
ヨレヨレになった服を手で伸ばしつつ、無表情でマクシミリアンは彼女から話を聞いた。


「……初心者の付き添い?」
「はい! リアルブルーからのハンターさんも増え、クリムゾンウェストのハンターの方々もぐんぐん登録が増えまして。『今、ハンターが熱い! ブーム到来!』……みたいな」
「そんな軽い気持ちでやらせていいのか?」
呆れたような声を投げるマクシミリアンに、職員は刮目して『そこです!』とハンターオフィス中に響くような大声を出して指を彼の眼前に突きつけた。
マクシミリアンも目を通常より見開き、依頼を探している他のハンター達も、ぎょっとしてそちらを見ていた。

「……そう、ピクニックとは違います。狩る側も狩られる側も命がけなんですよ。その覚悟がなければ、マクシミリアンさんみたいに、俺の敵は斬るとか、スキルの名前叫びながら突撃したりしないんですよ!」
「おい。俺はそんな事をした覚えは無い。適当言うな」
マクシミリアンの訂正も聞こえていないようで、更に職員の女性は『だからこそ』と、一つの依頼を取り出した。
「戦闘経験のないハンターさんと一緒に出かけ、戦いをサポートするお仕事を、戦闘慣れしたハンターさんに頼んでいます。記念すべき初依頼は、きちんと成功させたいですよね」
言っていることは分からなくもない。ふぅん、と言いながらマクシミリアンは己の初依頼を思い出そうとしたが……その記憶が呼び起こされる前に、職員が『決まりですね!』と嬉しそうな声をあげたため、マクシミリアンは鬱陶しいものでも見るように眉を寄せた。
「辺境に、丁度雑魔を討伐してほしいという要請が有りましてね! 初心者さんが多いので、マクシミリアンさんを入れておきますっ」
「おい」
「雑魔は馬型5匹でして」
「聞け」
「比較的大きな馬で、もし普通の馬だったら、いい値で売れてたのに雑魔だと倒さないといけないから残念だなとか――」
 まだ尚も言葉を重ねる職員に、マクシミリアンは机に拳を置く。だん、と強い衝撃音が彼女の言葉を掻き消した。
 ひきつった顔のまま固まる彼女の目に映るのは、鋭い目つきをするマクシミリアン。
「……勝手に決めるな。それとも、そうしなければならない理由があるのか」
「馬に蹴られて死んじゃったら、大変だからです。先輩のフォローが行き届かない、黒い企業だという噂が出たらマクシミリアンさんたちも私も仕事が無くなって困ります。路頭に迷います」
「それは」
「後進の育成も大事な任務ですよ!」
 たまにはハンターズソサエティのお願いも聞いて、と泣き落としに入ったようだ。
 再び帰ろうとするが、むんずと裾を握られる。引っ張っても離してはくれない。

「…………わかった。ハンターたちが危なくなったら助ければいいんだろ」
「ちゃんと協力してくださいよ! 見てるだけとかダメですよ! 重体なんか負わせたら報酬なしですよ!」
 マクシミリアンに念押しすると、職員は恐るべき速さで依頼への参加処理をし、完了ですと笑顔を向けた。
「よろしくお願いしますよ、先輩っ」
「……無理を言った分の報酬はきちんと払えよ」

解説

■概要
 馬型の雑魔が5匹出現しました。皆で連携し、討伐に向かってください。
 馬の大きさは体高180cmほど(現代でいうサラブレッドくらいの大きさです)
 討伐に向かう場所は、辺境の要塞から少し離れた場所にある見通しの良い平地です。
 馬が数匹暴れまわっていて怖かったという情報が旅の商人から数件あり、依頼が組まれたようです。

■成功条件/失敗条件
 全員が連携を取り、馬をウマく倒した()場合は成功。
 全員が重体を負うほどに追い込まれた場合は失敗になりますが、余程ではない限り失敗はないでしょう。

■その他PL情報
馬は主にその脚力と体当たりを使ってきます。懐に入りすぎると噛まれます。
馬の蹴りは強打ですが大ぶりなため命中は低め。ですが油断は禁物です。
 戦闘主体ではありますが、PCの気持ちやセリフといった心理描写もあると嬉しいです。

マスターより

こんにちは、はじめましての方は初めまして。
新人MSと言っても信じてもらえませんが、新人SDの藤城とーまと申します。

今回の戦闘依頼は、自分も初心に返ってのシナリオです。
PCさんの初依頼、お手伝いさせていただければ大変うれしく思います。

関連NPC


  • マクシミリアン・ヴァイス(kz0003
    人間(クリムゾンウェスト)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/07/01 22:29

参加者一覧

  • 一刀必滅
    ナハティガル・ハーレイ(ka0023
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人

  • ラーラ=ラ=ロガ(ka0200
    人間(紅)|26才|女性|闘狩人

  • 不知火 陽炎(ka0460
    人間(蒼)|20才|男性|機導師

  • コートニー・ヴァンシタート(ka1724
    人間(紅)|22才|女性|魔術師
  • 深淵を駆け抜ける光
    雪風 凍華(ka2189
    人間(蒼)|18才|女性|猟撃士

  • マリーシュカ(ka2336
    エルフ|13才|女性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
雪風 凍華(ka2189
人間(リアルブルー)|18才|女性|猟撃士(イェーガー)
最終発言
2014/06/27 03:21:23
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/06/23 06:37:09