• 冒険

黒猫少年探偵団と薬草採り

マスター:sagitta

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
サポート
現在0人 / 0~8人
マテリアルリンク
報酬
寸志
相談期間
5日
プレイング締切
2015/07/02 19:00
リプレイ完成予定
2015/07/11 19:00

オープニング

●ダウンタウンの一角で
 港湾都市ポルトワール。世界中からの荷物が集まる活気あふれた港をもつこの町は、さまざまな土地から来た人びとが交わるところとしても有名だ。クリムゾン・ウェスト各地からの移住者はもちろん、リアルブルーからの来訪者もこの町では、多種多様な色にあふれた雑踏の中に紛れている。
 そして――都市の各地に点在するダウンタウン。陽光と活気に満ちた港周辺とは裏腹に、ダウンタウンの空気は少し、薄暗い。強い風が吹けば吹き飛んでしまいそうなあばら屋が建ち並び、そこかしこにおなかをすかせた子供達が座り込んでいる。子供達は一定の年齢になると、生きるために他人の懐を狙うようになることも少なくない。
 とはいえ、こうした場所でもたくましく、明るく生きる人々は存在する。
 10歳の少年ガンタも、ダウンタウンの外でできた友人達や、貧しさにも負けず朗らかにたくましく彼を育ててくれる母親のおかげで、三度のメシが何より大好きな、明るい少年に成長した。特に仲のいい三人の友人達とは「黒猫少年探偵団」を名乗って、日々ポルトワール中を走り回って遊んでいるらしい。
「かあちゃ~ん、おなかすいたよ~、お昼ごはんまだ~?」
 いつも通りののんびりとした口調で、母親のいるあばら屋に向かって尋ねたガンタは、いつもならすぐに返ってくるはずの母親の元気な声がなかったことを不思議に思った。
「かあちゃん、どうした? ……かあちゃん!!」
「ああ~ガンタか。ごめん、ごはんの支度しなくちゃね……ごほっごほっ」
 いつも元気いっぱいで、屈強な海の男達にも負けないエネルギーをもつ母親が、ぐったりとした様子でふとんに横になっている。
「かあちゃん、具合悪いのかっ?」
「だいじょうぶ、なんてことないさ、あたしは病気なんかに――ごほっごほっ」
 ガンタのことを心配させないように、元気さを装ってみせる母だったが、――どう見ても元気には見えない。
「薬! 薬を飲めば……」
「それが、ちょうど薬の材料を切らしちまってさ……」
 ガンタの母は、薬草を調合して薬をつくることを生業にしていた。彼女の夫であり、ガンタの父である人物は、ガンタが幼い頃に海の事故で亡くなった。それ以来、彼女は薬の調合の知識を活かして女手ひとつでガンタを育ててきたのだ。
 だが、材料の薬草を自分で採集し、それを調合して売るという仕事は、子育てをしながらするにはなかなかの重労働だ。それでも若い頃は底なしの体力でなんとか乗り切っていた彼女だったが、やはり疲労はたまっていたのだろう。
「まったく、薬売りのあたしが病気になるだなんて、情けないね――ごほっ」
 ため息をついてぼやく。
「ねえ、かあちゃん、薬の材料ってどんなのなの?」
 ガンタが、母親に尋ねる。
「いつもうちで見てるだろ? 白い花をつけた背の高い草だよ。ポルトワールから歩いて2時間くらいのところにある草原に、いっぱい生えてるやつなんだけど……」
「うん、その草なら、わかる」
 うなずいたガンタがいつになく真剣な表情をしているのを見て、母親が慌てた声を出す。
「ガンタ、ひとりで行こうなんて思うんじゃないよ。あそこは、少し道を外れると狼やらゴブリンやら、危険な生きものも出るんだ。だいじょうぶ、かあちゃんの病気はたいしたことないから――ごほっ」
「行ってくる!」
「ちょ、ちょっと待っ……ごほっごほっ」
 ガンタは母親の制止の声も聞かず、家を飛び出した。採ってくるべき薬草の外見を、頭の中で何度も思い出しながら。

●黒猫少年探偵団登場
「……なるほど、それでガンタは、ひとりで薬草を採りに行っちゃったのね」
 母親から話を聞いてそう言ったのは、ガンタの親友にして「黒猫少年探偵団」のメンバーのルーチェだ。彼女は少年探偵団の名前の由来となった黒猫ノッテを胸に抱えている。
「まったく、ガンタのやつ、水くさいですね。僕らに相談してくれれば良かったのに……」
 不満そうにそう言ったのは、同じくガンタの親友、ミッシェル。
「ごほっごほっ……あの子は、あたしに似て、言っても聞かない頑固なところがあるからねぇ」
 申し訳なさそうな様子で、母親がつぶやく。まだ起き上がることはできないようで、ふとんに横たわったまま、息子の友人達をむかえている。
 ガンタが出て行ったあと、彼らがちょうどガンタを遊びに誘いに来たのだ。彼らは具合が悪いのを押してガンタを追いかけようとする母親をなだめ、くわしい話を聞いていたのだった。
「わかりました、ガンタのお母さん。後は僕たちに任せてください」
 11歳とは思えない、大人びた様子でそう言ってみせたのは、「黒猫少年探偵団」のリーダー、カイトだ。
「任せて、っていわれても、あんた達に何かあったらどうするんだい!」
「だいじょうぶです。この件――ハンターの助けを借りようと思っていますから」

解説

●目的
危険な生きものが出没する草原に出かけてしまったガンタを追いかけ、できれば薬草を採って帰ってくる。
薬草の種類については、実物を見ればガンタにはわかるらしい。
子供達の安全確保が、最優先条件。

●黒猫少年探偵団メンバー
多摩川カイト(11)……リアルブルー出身の少年。両親はハンターらしい。リーダー格で、黒縁めがねがトレードマーク。
ミッシェル・ブラン(9)……ひょろくて心の優しい男の子。親は王国の出身で、お金持ちらしい。
ガンタ・ジーノ(10)……三度のメシが何より好きな、ちょっとぽっちゃりな男の子。力じまん。
ルーチェ・アモーレ(10)……黒猫少年探偵団の紅一点の美少女。おばけが嫌い。

マスターより

「黒猫少年探偵団」、2回目の登場です。
ガンタ君をはじめ、黒猫少年探偵団のメンバー達との交流も楽しんでくれたらうれしいです。
もちろん、前回のシナリオに参加していない方も問題なくご参加いただけます。
王道シナリオですので、初心者の方にもおすすめ、かな。

よろしくお願いします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2015/07/10 02:31

参加者一覧

  • ガンタのともだち
    アルナイル・モーネ(ka0854
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士

  • 最上 風(ka0891
    人間(蒼)|10才|女性|聖導士
  • 笛の音が奏でるハーモニー
    エティ・メルヴィル(ka3732
    エルフ|12才|女性|機導師
  • 少年探偵団のなかま
    アジュガ(ka3846
    エルフ|10才|女性|疾影士

  • グゥ(ka4566
    人間(紅)|10才|女性|霊闘士
  • ルーチェの子分
    鬼若(ka4681
    人間(蒼)|29才|男性|闘狩人

  • 耀華(ka4866
    人間(紅)|16才|女性|舞刀士
  • 清冽なれ、栄達なれ
    龍華 狼(ka4940
    人間(紅)|11才|男性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼の相談用スレッド
グゥ(ka4566
人間(クリムゾンウェスト)|10才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2015/07/02 06:34:00
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2015/06/30 18:26:09