• 戦闘

新人歓迎!闇夜に浮かぶ顔と叫び

マスター:深夜真世

シナリオ形態
ショート

関連ユニオン
魔術師協会広報室

難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/03/29 07:30
リプレイ完成予定
2016/04/07 07:30

オープニング


 ここは同盟領、農業推進地ジェオルジのとある村。
「さて、今日の仕事はお終い」
 果樹園で農民が伸びをする。
 陽はすでに傾き西の空は茜色に焼けている。
「温かくなって雑草も伸びてきたねぇ」
「そのうちブドウの花が咲く。そうなれば受粉させてやらないと」
 ご存知の通り、ブドウは一つの房に小さな実が多く付く。当然、実になる前は花であり、すべてが受粉してなくてはならない。自然に任せてもいいが、より確実に実を結ぶようにするには人工授粉させるのが良い。とはいえ、果実園でまんべんなく人工授粉させるとなると数が数だけに大変な作業となる。もちろん雑草の除去も欠かせない。忙しくなる。
「ま、それはもう少し先の話。今はのんびりするさ」
「違いねぇ」
 そんな話をしつつ、仕事仲間の数人で帰路に就く。
 その時だった。
 ――ぁぁ……。
「え?」
 仲間の一人が振り向いた。
「どうした?」
「いま、遠くで悲鳴が聞こえなかったか?」
「いや……まったく聞こえなかったが」
 足を止めてそんな会話。
 ――ぎゃあぁぁぁぁ……。
「ほ、ほら。今のは聞こえたろう!」
「お、おお」
「な、なんちゅう不気味な叫び声じゃ」
「行ってみるぞ!」
 彼らは勇敢だった。
 この世のものとは思えないような響きの叫びを聞き、それでも逃げなかったのだ。
 無論、逃げ帰ったとしてもその原因を調べるため勇気のある者が現場に行かなくてはならなかったろう。ただし、この場合は何かわからない物の一端に触れることもない。
 すぐに行けば、何があったか分かるかもしれない。
 その何かがどれだけ危険なものかどうかというのはともかく。
 とにかく彼らは走った。
 が、叫びは二度と聞こえてこない。手掛かりを失った。
「なあ、どれだけ村から離れていたのかもわからないんだ。今日のところは引き上げよう」
 仲間の一人が言うのも無理はない。見晴らしのいい草原には、遠くにも特に変わったことはないからだ。
「いやしかし……」
「お、おいッ! あれを見ろ!」
 突然、仲間の一人が森の方を指差した。
 全員がそちらに注目するッ!
 するのだが……。
「……何もないじゃないか」
「人の顔が森の闇の中で白くぼんやりと浮かんでたんだよ……とても生きている人の表情じゃなかったんだ!」
 指差した男は、まるで幽霊でも見たかのようにガタガタ震えていた。

「そして、森の中に入ってみるとッ!」
「ひ、ひいいいいっ!」
 ここは、とある町のハンターオフィス。
 駆け出しの……というか、あまり依頼を受けていないさぼり気味のハンター、南那初華(●●)が身を縮めて怖がっていた。
「あ、ごめんなさい。依頼の説明をするうちについ興奮して……」
 不気味な表情をして初華にぐいい、と顔を近付けていた受付係の娘がこほんと咳払いして身を正す。
 どうやら上記のとおり依頼の経緯を説明していたところ、ついついホラー風味で説明してしまったようで。
「ん、んもう。怪奇作家のお父さんのお話だって苦手だったんだからね!」
「とにかく、そういう事情で念のためにハンターに調査依頼が来ました。……とはいうものの……」
 ぷんぷん、と頬を膨らませた初華。受付係の娘は声を改めたものの、またも言葉を濁した。
「と、とはいうものの?」
 またも身構える初華。これを見てぷっと笑ってしまう受付嬢。
「安心してください、調査依頼といっても敵の正体はおそらく予測がついている、と言いたかっただけですので」
「ほへ? 分かるの?」
 目を丸くして身を乗り出す初華。
「何もないところに悲鳴もないでしょう。奇怪な超音波を発する歪虚がいるので、おそらく敵の正体はそれだろう、と」
 だから新人ハンターに向けた依頼にするんですけどね、と受付嬢。すっ、と出した資料には「ビッグアゲハとそれに分類されるもの」と書かれていた。
「ただ、森の奥の闇で見た人の顔、というのが引っかかるというので魔術師協会広報室が情報を欲しがっています。だから、少しは経験のある初華さんに同行してもらおう、と」
「私、ビッグアゲハと戦ったことないよ?」
 初華、能天気に返事する。
 これにごごごご……と物凄い形相で顔を寄せて来る受付嬢。
「そりゃあ、あまり依頼受けてないですからね。しっかり経験積んで北方の最前線にも行けるよう頑張ってもらいませんとね」
「ひ、ひぃぃぃ」
 再び身を縮める初華。
「ま、冗談はさておき、敵は空を飛びますし新人そっちのけで戦っちゃうような好戦的ではない経験者を一人つけておきたいので初華さんはうってつけなんです」
「……何その役立たずみたいな言い方」
「とにかく、新人のバックアップをお願いしますね」

 というわけで、ジェオルジのとある村付近の森に出るビッグアゲハと思しき歪虚を退治してくれる人、求ム。

解説

※この依頼は「新人歓迎!」と銘打っているとおり、新規登録PLさんのPCさんや、新たにPCを作成してレベルの低いPCさん向けです。戦果を重ねたPCさんの参加を制限するものではありませんが、もしも参加する場合は新人PCさんと一緒に戦い、交流する姿勢でよろしくお願いします。

 ジェオルジの田舎村付近の森にでるビッグアゲハと思しき歪虚を殲滅してください。

 ビッグアゲハは畳二畳分強の大きさのある蝶々型の歪虚です。
 新人ハンターの一対一で問題なく戦うことのできる敵です。
 鱗粉を振りまき敵の攻撃から命中力を削ぎ、口から一直線の超音波を発し攻撃してきます。連発できるものではないので、状況から二匹以上いると思われます。
 攻撃できないほどの高さに飛ぶことはありません。逆にいえば、敵の攻撃手段である超音波の射程が短い、とも。

 ただ、敵の正体は確定していません。
 幽霊のように人の顔が浮かんでいた、という情報もあります。
 同盟ユニオンたる「魔術師協会広報室」がその正体に興味を持った次第です。
 後日、現場の森を調べたところ地面に人の足跡などはなかったようです。
 敵は浮遊型のみ、ということで間違いはなさそうです。
 命中低下の鱗粉の効果は累積するものではありませんが、鱗粉まみれになると特に髪の長い女の子にとってはキューティクルにダメージがありそうでいやんな感じです。

 なお、開拓者が現地に行くと敵は草原に出て来ている状態で発見できます。
 敵の数は最大参加者数の半数を越えることはありません(数が少ないので発見しにくかった、ということでもあります)。

 南那初華は、主に敵の増援を警戒するため戦闘には積極的に関与しません(敵の増援もありませんが)。

マスターより

 朝でも昼でもこんばんは、深夜真世です。

 ゲーム参入したばかりの人や新たにPCを作った人、レベルの低いPCでゲーム復帰した人、ハントシステムもいいけどたまには通常依頼もねな人に。
 敵は数値的に強くはありませんが、その分それなりの動きで攻撃してきます。じっくりと戦闘の駆け引きを楽しむことができるでしょう。
 ぜひ、類推戦闘を楽しんでください。

 では、よろしくお願いします。

 来週はフラちゃんの戦闘依頼でシリーズ第一話をリリースする予定です。

関連NPC

  • Pクレープ店員
    南那初華(kz0135
    人間(リアルブルー)|17才|女性|猟撃士(イェーガー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/04/08 00:48

参加者一覧

  • どうぶつ武器庫
    ネプ・ヴィンダールヴ(ka4436
    人間(紅)|11才|女性|機導師
  • 笑顔で元気に前向きに
    狐中・小鳥(ka5484
    人間(紅)|12才|女性|舞刀士
  • 守護ドワーフ
    ユウキ(ka5861
    ドワーフ|14才|女性|闘狩人
  • 乙女ニンジャ―
    卯月 瑞花(ka6019
    人間(紅)|15才|女性|疾影士
  • 仏道を歩む者
    天道 遮那(ka6113
    人間(蒼)|18才|男性|聖導士
  • うつむかない者
    りり子(ka6114
    鬼|13才|女性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/03/26 13:50:16
アイコン 相談卓
卯月 瑞花(ka6019
人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2016/03/28 01:07:25