• 日常

鍛造、降魔霊剣マイステイル

マスター:DoLLer

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/11/24 07:30
リプレイ完成予定
2016/12/03 07:30

オープニング

「これがマイステイル? ちっちゃくね?」
 届けられたボラ族に伝わる宝具マイステイルを陽光に透かしたロッカは首を傾げた。陽光を透かして新緑色に輝く若葉の一切れ。そんな形状だった。
 確かボラ族の元族長であるスィアリが持っていた時は槍のような形状をしていたし、その穂先だとしても今のこれは掌の半分ほどしかなく、槍についていたとも思えない。
「いいじゃない。憑依能力のあるファルバウティは前回の攻撃でわかったけど、痛みに対する耐性が全然なかったから、そんなのでも当たれば一撃でお陀仏よ。人の痛みを知らないで生きてきた人間って滅茶苦茶なこと言う割に、いざ自分の身になるとてんでダメっていう典型よね」
 アミィも横に座ってマイステイルを眺める。
「これじゃナイフにするのが精一杯かな……。鍛えるのって一人でできるの? 準備とかいらない?」
「一人でできるけど、手伝いはあったら嬉しいな」
 ロッカは白い綿衣を、同じく白い紐でくくりながら立ち上がった。
「まずね、血がいっぱいいる。鍛冶場内に血の魔法陣を描くから……んーと、最低、人間にして3人分くらいの血ね。人間じゃなくても兎とか、羊でもいいよ。がまず必要。これはあればあるほど力が増すから、できればいっぱい欲しい」
 その一言にアミィは疲れたような顔をした。
「なかなかえぐい。っていうか臭そう」
「呪術みたいなモンなんだから仕方ないだろ。亡霊を呼び寄せなきゃいけないんだから。そうそう。薬草もいる。匂い消しと亡霊からの護身用に。それから心臓と脳みそ。これは血を絞った時に出てくると思うけど。羊の頭で我慢するけど、亡霊の知能に関わるから人間とかの方が本当は良いかな」
「あのさ……今までどうやってたわけ」
「あんたがそれ聞く?」
 アミィとロッカはしばらく視線を合わせた。
 ……にひひ。
 互いに笑顔が漏れる。
「後はマイステイルを熱するから薪ね。他の細かい道具はオレが持ってるからいらない」
 はいはい。とアミィは答えると、メモに『大量の血、薬草各種、心臓、脳みそ、薪』と書いていく。
「意外とめんどくさい。これで本当に最強の武器ができるわけ? 想像もつかないよ」
「信用しなよ。それにこれは最強じゃないさ。一族の宝に、ファルバウティの技を合致させているだけで、最強の武器には程遠いさ」
 ロッカは一瞬だけ遠い目をした。とても寂しそうな……悲しそうな目だ。
「訳アリ顔だね。おねーさんが話に乗るよ?」
「オレ、昔は帝国で鍛冶屋してたんだよね。でも当時の師匠……あ、ファルバウティじゃないぜ。普通の人間。がさ。何年しても剣を打たせてくれなかった。ずっと小間使いさ。技を見て盗めってことかなって思って、夜中にこっそり作ったら、すぐにバレて半殺しにされた。ずっと剣作りたかったのに、あっという間に10年も経っちまった」
「ああ、それで辺境まで逃げたのね……」
「師匠なんて弟子に知識と経験と技を渡してなんぼの存在だよ。どうせ死ぬんだし、次代に何も伝えられなかったらそれこそ生きた意味がない。こき使うだけの師匠なんて、老害っていうんだぜ。未だにそん時に貯めこんだ最強の武器のアイデアは今日まで結局そのままさ」
 空を眺めるロッカと一緒にアミィはしばらく空を見上げていた。
「その最強の武器ってさ……もし出来上がったらどうするワケ?」
「誰かに使ってもらって証明してもらうかな。オレの武器なら革命だって起こせるさ」
「夢に溢れているねぇ。お姉さん、そういうの大好きよ」
 アミィの一言にロッカはぱっと顔を輝かせた。
「まじで!?」
「うん、マジでマジで。夢は見るものじゃないさ、掴むものだよ。少年よ、大志を抱け!」
 アミィが笑って手を差し出したが、ロッカはその手を見て笑い返した。
「悪いね。鍛造する時は人に触れないのが決まりなんだ。禊ぎってやつさ」
「あら、意外と真面目」
 だが、晴れ晴れとした顔のロッカは肩をぐりぐりと回して鍛冶場の中に戻っていった。気持ちはいくらか吹っ切れたようである。
 それを見送ったアミィはメモに目を落とした。
「にしてもこれ集めるの、めんどくさいなぁ……」
 クリームヒルトが知ったら眉を顰めそうな材料にアミィはしばらく首に付けられた枷をいじくり回しながら考えた。
「ハンターに頼んだらやってくれるかな」
 決戦も間近だ。顔合わせという意味でも……声をかけてみる価値はありそうだ。

解説

マイステイルを入手しました。
これを憑依型歪虚ファルバウティを倒すための武器にする鍛錬の為の道具を揃えてください。
と言っても実は簡単なものであれば全部お店で買えます。10万ほど予算がありますので、適当に買い込んでくれれば結構です。

●必要な物
血(人間3人分。羊なら1頭と少し。羊なら市場で買えます)
薬草(種類や数は多少ありますが、特段珍しいものではなく、お店で買えます)
脳みそ、心臓(羊で良ければ肉屋で買えます)
薪(お店で買えます)

●その他
材料さえそろえば、後は自由行動です。
調べ物をするなり、お話をするなり、ご自由にどうぞ。
ロッカの刀鍛冶の様子を見るのは、そのお手伝いをする人だけに限られます。
NPCはクリームヒルト、アミィ、レギン、メルツェーデス、ベント伯、ウル、ゾール、レイア、ロッカなどがいます。
場所はガルカヌンクです。

マスターより

刀鍛冶に興味のある人もいるかとは思いますが、それだけではちょっと寂しかったので、フリーアタックシナリオといたします。
今までの流れで気になる事や、これからの最終戦に備えてしておきたい事などがありましたら、お受けいたします。
一応、ロッカの希望に沿った内容をこなそうとすると立派なシナリオになりますか……下手すると犯罪者扱いになるので、くれぐれも人道は踏み外さないようにお願いします。

関連NPC


  • クリームヒルト・モンドシャッテ(kz0054
    人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/11/27 20:02

参加者一覧

  • ボラの戦士
    アーシュラ・クリオール(ka0226
    人間(蒼)|22才|女性|機導師
  • スピードスター
    無限 馨(ka0544
    人間(蒼)|22才|男性|疾影士
  • 明日も元気に!
    クレール・ディンセルフ(ka0586
    人間(紅)|23才|女性|機導師
  • 大悪党
    神楽(ka2032
    人間(蒼)|15才|男性|霊闘士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 光森の太陽
    チョココ(ka2449
    エルフ|10才|女性|魔術師
  • シグルドと共に
    未悠(ka3199
    人間(蒼)|21才|女性|霊闘士
  • 轟雷の巫女
    七夜・真夕(ka3977
    人間(蒼)|17才|女性|魔術師
依頼相談掲示板
アイコン 霊剣作成のために
クレール・ディンセルフ(ka0586
人間(クリムゾンウェスト)|23才|女性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2016/11/24 06:57:17
アイコン 質問卓
神楽(ka2032
人間(リアルブルー)|15才|男性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2016/11/24 01:21:49
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/11/21 21:47:27