• 日常

商会、つくりマス

マスター:DoLLer

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2016/11/28 22:00
リプレイ完成予定
2016/12/07 22:00

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。


 食料を山ほど詰め込んだ二両仕立ての馬車は、コトコト野道を走る。
 馬を繰る娘は、水飲み場では馬にブラシをかけてやり、たまたま同じ休憩場所で一緒になった商人に明るく話しては、積んだ食料をちょっとその場でアレンジしてお昼ご飯はいかがですかと売りに出す。
 轍の音色に合わせてのんびり歌でも唄い、子供が駆け寄ってくれば挨拶を。
 村についたら、馬を降りて轡を引きつつ、扉の向こうから出てきたおばさま方にご挨拶。
 自慢のソースの缶詰をはじめとした食料品を下ろして、売り口上。一通り終わってもらう拍手にいつも赤面しつつ。
 たくさんの品物を売って、料理方法なんかも伝えたりして。そして代わりに今度は畑の野菜を空になった籠に積んで。
 そこで手伝ってくれるのはお兄さん。兵士を辞めて村に戻ってきてくれたの。と子供たちが教えてくれる。ジャガイモが売れるようになったから。男性の笑顔にミネアもにっこり。
 夜は団欒にお邪魔させてもらって、家族でもなければ血のつながりもないけれど、たくさんの喋って笑って、遊んで食べて。
 寝るまでに伝票の整理をして……おやすみなさい。
 村にさようならして、二両仕立ての馬車は、コトコト野道を走り出す。

 それがミネアの日常。昨日までの。


「どうしよう……」
 ピースホライズンの片隅で、ミネアは途方に暮れていた。
 万霊節の終わったピースホライズンだけれど今日もお祭り、明日もお祭り。賑やかでないのなんて彼女くらいなものだ。
 といっても目の前は非常ににぎやかな紙の束だった。帝国の地方を回遊する彼女への注文をしようと思えば、ここピースホライズンで手紙を預けるのが一番だと商人たちはよく知っていた。
 そう。いま彼女の目の前にあるのは。注文書の束だった。
 特別に甘いホクホクとした食感のジャガイモ新品種のたいよう。
 それからエトファリカ連邦の一つ、詩天から輸入した果物を使ったフルーツソースとデミグラスソース。
 引く手あまたは嬉しいことだけれども、そろそろ人間としての限界に挑まなければならないような仕事量に差し掛かってきた気がしつつ、ミネアはとにかく注文書の仕分けを始め……。
「新年会の祝祭用にメーアーシュレスヴィヒにジャガイモ55箱、エルヴィンバルトに救急用として20箱。えーと、そっちはレストラン用にソースが120箱……バルトアンデルスの食堂に……700」
 馬車しか移動手段がないのに何週しなきゃならないのか。
 そもそもジャガイモもソースもピースホライズンの倉庫にない。村に戻ってたいようのジャガイモを急きょ仕入れて……。
「いや、村のジャガイモもギリギリかもしれない。とすると代用品を先に仕入れて……」
 少なくとも村に20周、それから配達業者にお願いして、それからソースの材料を詩天にいる人に連絡して。
「ああ、手紙じゃ間に合わないィ。覚醒者の人に転移門で飛んでもらって……ああ、そもそも冬の果物になっているから、ソースも構成も調整しないと……じゃあ私が転移門で飛んで……転移酔い3日で馬車を乗り込む程度には回復したいな。……帰りも考えると、転移酔いしたまま味見かな、うぇえ」
 覚醒者でもないミネアが詩天にまで短時間での移動を決めるとなると、転移門を使うしかないのだが、一般人がやると数日間身動きなどできないほどのひどい体調不良を引き起こす。
 注文書の紙より真っ白になりながら、それでも期待には応えねば。とミネアは身体と心が沈むのを支えた。
「お姉ちゃん、なんで真っ青な顔してるの?」
 ジャガイモのたいようを販売しにきていた村の少年たちがミネアの顔を覗きこんだ。
「うん、ちょっとお仕事がいっぱいはいっててね……」
「なんだ、そんなこと」
 割とにべにもない一言にミネアは思わず顔を曇らせた。そりゃあ、他人事かもしれないけれど……。
「お姉ちゃんもさ、商人ならもっと人頼りなよ」
「へ?」
「たいようのジャガイモが売れてからさ、すっげー家も明るくなったんだぜ。兄ちゃんも兵士辞めて戻ってきてくれたし。母ちゃんなんかもう毎日ニッコニコなんだよ。それもこれもミネアお姉ちゃんが頑張ってくれたからでしょ。その恩返し位させてよ」
「ってーか、もう、ミネアお姉ちゃんが頑張る必要ないよね。ここに来て売り方勉強できたしさ。お姉ちゃん注文だけ受けてくれればそれでいいよ」
「嬉しいけど、若干辛辣に聞こえるんだけど……?」
 子供たちが話し合う様子にミネアはなんとも微妙な顔つきになる。
「ミネアお姉ちゃんはこの際しゃちょーしつの椅子でふんぞり返って札束数えてくれててもいいよ」
「あ、いいね。僕らの社長だ」
「威厳ないけどな」
「色気もないけどな」
 言われたい放題である。
「とりあえずオレ達で会社作ろうぜ、な!」
「いやいやいや、ちょちょ、ちょっと待って、落ち着いて。あたしはそんな立派じゃないよ!?」
「何言ってんのさ。商品もある、販売先も持っている。コネもある。金もある。ないのは威厳と色気と身長と胸と……あとなんだっけ。ああ、人手だろ」
「余計なものが半分以上占めてる! っていうか、これから成長期迎えるから、身長その他諸々も足りるから!!」
「本当にー?」
「た、多分……」
 そこまで言ってミネアは少し考えた。
「でも人手は足りないかもしんないかな……手伝ってくれる?」
 その言葉に子供たちは親指をぎゅっと立てて、笑顔で答えた。
「ハンターと相談してすっげーカブシキガイシャ作ってやるからな!」
「セカイセーフクできる会社だぜ」
 カブシキの意味は多分あんまりわかってないよね。
 でもハンターが手伝ってくれるなら大丈夫かな。ミネアは笑顔で親指を立て返した。

解説

ミネアのお仕事を商会(現代でいう商社のことですね)形態にします。その設立手伝いをお願いいたします。

●やることリスト
ミネアの主な商材である
ジャガイモの集荷と配送。
詩天産の果物をフルーツソースにすることと配送。
この二点を効率的に行えるようにシステム作りをしてください。

●会社?
といっても、子供たちの考える会社をお手伝いするわけなので、登記などのややこしい話はおいといて、
秘密結社のルール作りと役割考える感覚でやってくださればOKです。
階級決めるとか、バッジ作るとか、倉庫を借りて隠れ家にするとかだけで大丈夫。
それでまともに機能するなら大成功です。(成功判定は会社として社会的にどれだけ機能するかで判定します)

●資金
いちおうミネアに相談すれば、よほどのことがなければ(天井知らずの投資を持ちかけるとか)お金を出してくれます。

●期間
1週間くらいでお願いします。

●その他
ご質問はミネアが応答いたします。

マスターより

小さなころに、組織(結社とか会社とかグループとか)を作って遊んだことありませんでした?
そんな感じで会社作りを楽しんでいただければと思います。
これが大成功して軌道に乗ったら「商会でお仕事してる」ってしていただいても大丈夫ですよ。
役職もあなたの思うがままです(仕事内容と役職はかみ合わないかもしれませんが)

関連NPC


  • ミネア(kz0106
    人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2016/12/01 00:34

参加者一覧

  • 幸せの青き羽音
    シャーリーン・クリオール(ka0184
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • 止まらぬ探求者
    天央 観智(ka0896
    人間(蒼)|25才|男性|魔術師
  • 光森の奏者
    ルナ・レンフィールド(ka1565
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • にゃんこはともだち
    ナツキ(ka2481
    人間(紅)|17才|女性|闘狩人
  • 想いの奏で手
    リラ(ka5679
    人間(紅)|16才|女性|格闘士
  • 鉄壁の守護神
    明王院 蔵人(ka5737
    人間(蒼)|35才|男性|格闘士
  • アヴィドの友達
    愛梨(ka5827
    人間(紅)|18才|女性|符術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2016/11/26 20:15:03
アイコン 相談・商会を作ろう会なの
ディーナ・フェルミ(ka5843
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2016/11/27 20:48:36