• 日常

肉じゃがについて考える会

マスター:桃谷かな

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/02/10 12:00
リプレイ完成予定
2017/02/19 12:00

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

 ある冬の日、辺境のとある村にハンターたちがやって来た。
 村の裏山に雑魔が棲みついてしまったため、村人たちが討伐依頼を出したのだ。

 雑魔はそれほど困難な敵ではなかったようで、無事に村へと戻ったハンターたちは、村人たちの計らいで祝宴に招かれることに。村で好まれる鹿肉のステーキや蒸しイモだけでなく、流行に敏感な若者たちが出稼ぎ先で購入して来た珍しい食材・調味料を使った料理など、この村では近年稀にみる豪勢な宴会であった。

 ハンターたちは大喜びで料理にかぶりつき、酒や果汁ジュースを楽しみ、大いにその場を楽しんでいる――ように見えた。

 宴もたけなわという頃、盛り上がっていたハンターたちの輪に異変が起きた。
 まだ10代前半だろうか、リアルブルーでいうところの“学生服”を着たひとりの少女が、テーブルの上の料理を見ながら泣き出してしまったのだ。
 一体どうしたのか、何か不手際でもあったのかと駆け寄る村人たちに、彼女はただ首を振るばかり。
 
「お母さんに会いたい」

 肩を抱いて慰める仲間たちに、彼女は泣きながら胸の内を明かした。
 いくらリアルブルーからの転移者が多いといっても、彼女が何の前触れもなく家族と生き別れてしまったことに変わりはない。掛けるべき言葉も見つからず、村人たちの中には涙を浮かべている者もいた。

 ひとしきり泣き、周囲に「ごめんなさい」と頭を下げた彼女。そして悲しそうに一言、こう呟いた。

「……肉じゃが、食べたいなぁ」



 翌日、小さな村は大騒ぎになっていた。

「肉じゃがってなんだ!? 料理か!? 料理名なのか!?」
「そうなんじゃない? 食べたいって言うくらいだし」
「えええ聞いたことない」
 村の木造集会所。中央に置かれたテーブルを挟んで、一組の男女が騒いでいた。
「リアルブルーじゃ、ポピュラーな料理なのかしら?」
 長老の孫娘・アンユは、鮮やかな赤毛を揺らしながら男――クルトへと問う。
 クルトは、しばらく考えた後、
「さあ……聞いた話じゃ、あっちも地域によって全然文化が違うらしいからな。一地域の郷土料理とかかもしれないし」
 肩をすくめてお手上げのポーズをとった。

 そう、彼らは重大な任務を与えられている。
 作戦名はズバリ『泣いたあの娘に肉じゃがを食べさせ隊!』だ。

 あの宴会の後、転移者の少女は特に泣くこともなく、笑顔で村を後にした。
 しかし、気が済まない村人たちは「彼女に“肉じゃが”とやらを食べさせてあげよう!」と、彼女を招待してのサプライズパーティーを企画したのである。

 だが、わからない。
 肉じゃがの正体が、全然わからない。

 そこで村のおっさんたちは「街に出たこともある若者なら何とかできるだろう」と安易な結論を出し、現在村に残っている数少ない若者であるクルトとアンユに、肉じゃが作成ミッションの全てを丸投げしたのだ。

 むろん、若いからって肉じゃがが作れるわけではない。
 クルトとアンユは、早くも行き詰まりを感じていた。

「肉じゃがってことは、肉とジャガイモでしょ?」
「本当にそれだけか?」
「わかんないけど」
「肉じゃが=肉とジャガイモ、とするのは早計ではなかろうか。じいさん語の「肉じゃが……」かもしれない」
「え、なにその解釈。マジで言ってんの」
 真剣な顔で料理名に意外性を含ませてくるクルトに、ちょっと引いた視線を送るアンユ。しかし、可能性はゼロじゃないから怖いのだ。
「仮に肉とジャガイモでもさ、それだけってことはないと思う。あんなに食べたがるぐらいだし、何かしら特別なものが入ってるんだよ多分」
「特別なものねぇ……」
 とりあえず、リアルブルーからの転移者が好むらしいと言われている食材や調味料は、村人たちが街へ出向いて買い集めてくれている。中々高価なものが多いため、少量ずつではあるが。
「ま、しょうがないわね。こうしてても、わかんないものはわかんないし」
 パン、とひとつ手を叩き、席を立つアンユ。意外にも明るい表情で、クルトを見遣る。
「さっさと助けを呼びましょ。経費で」


 そのしばらく後、ハンターズソサエティに珍妙な依頼が持ち込まれた。

『肉じゃがについて死ぬほど考えたい人、作ってみたい人募集!』

解説

●依頼内容
・肉じゃがについて死ぬほど考えてください。
・サプライズパーティー時の厨房にて、自分的に正解だと思う『肉じゃが』を作ってください。
・上記2点は、個人プレーでも、複数人で相談しても可。

●補足
・食材、調味料は、なんとなく色々置いてあります。リアルブルー由来っぽいものやスパイス類は少量しかないものもあり、場合によっては争奪戦です。
・厨房は村の共同炊事場です。井戸、カマド、調理器具などがあります。
・共同炊事場は屋根があるものの、吹きっさらしです。寒いですし、井戸水は超冷たいです。頑張ってください。
・サプライズパーティー会場は村の広場です。例の少女は『村の祭りがあるから是非』と招待済みです。
・村人は100人くらいいますが、彼らの分の肉じゃがも作ってあげると、とても喜ばれると思います。
・少女に肉じゃがを持っていったら、一緒にパーティーを楽しみましょう。

マスターより

こんにちは。桃谷です。
肉じゃがっておいしいですよね。とりあえず肉じゃがが得意料理だと言っとけばモテる……という都市伝説がありましたが、最近はどうなんでしょうか。

ちなみに、このシナリオは質問卓への回答ができません。が、ゆるいシナリオなので大丈夫だと思います。
正解を知っているハンターさんも、全く見当がつかないハンターさんも、お気軽にご参加くださいね。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/02/22 06:26

参加者一覧

  • 夢を魅せる歌姫
    ケイ・R・シュトルツェ(ka0242
    人間(蒼)|21才|女性|猟撃士
  • 遙けき蒼空に心乗せて
    ユキヤ・S・ディールス(ka0382
    人間(蒼)|16才|男性|聖導士
  • Fantastic
    リステル=胤・エウゼン(ka3785
    エルフ|21才|男性|聖導士
  • 白狐の癒し手
    時雨 凪枯(ka3786
    人間(蒼)|24才|女性|聖導士
  • それでも尚、世界を愛す
    加茂 忠国(ka4451
    人間(蒼)|15才|男性|魔術師
  • Rot Jaeger
    ステラ・レッドキャップ(ka5434
    人間(紅)|14才|男性|猟撃士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/02/06 16:36:10
アイコン 打合せとか雑談とか
時雨 凪枯(ka3786
人間(リアルブルー)|24才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/02/10 03:37:51