• 戦闘

ひみつのひみつ

マスター:朝臣あむ

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在6人 / 4~6人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/10/23 15:00
リプレイ完成予定
2014/11/01 15:00

オープニング

●錬金術師組合
 剣機の騒動も落ち着きを見せ、周囲に秋の色が見え始めた午後。リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)は自身の執務室に籠り、内密の書面を手に眉を寄せていた。
「剣機の脅威が去った今こそチャンスだと思っていたのに……っ」
 プルプルと震えながら書面を置いた彼女のデスクには、何かの設計図らしき物が置かれている。
 ビッシリと綴られた文字に図面。これらはリーゼロッテが1年掛けて作り上げて来たもので、彼女の密かな研究の成果でもある。
「もしこの報告が事実なら、ここまでの苦労が水の泡……なんとしてもそれだけは避けなければいけません!」
 リーゼロッテは勢い良く立ち上がると、乱雑に物が詰められている引き出しを開けて大きな帽子とサングラスを取り出した。
 そうしてマスクを手に取ると、デスクの上にあった設計図らしき物を鍵のかかる箱に押し込んだ。
(この研究だけは誰にも見せる訳にはいきませんものね。ここなら安心でしょう)
 クスリと笑って鍵を閉める。しかもその鍵は魔導装置の起動が必要なリーゼロッテスペシャル版。ハッキリ言って並の人間では開けることは出来ない。
「ペリド! ペリドは居ますか?」
 部屋の入口に向かって呼び掛けること僅か。
 執務室の扉が開いてショートカットの元気な少女が顔を覗かせた。
「あれ? 先生お出かけですか?」
 キョトンと目を瞬く彼女は自称リーゼロッテの一番弟子にして秘書的な存在でペリドと言う。
 ペリドは出掛けるらしいリーゼロッテを見ると「?」と首を傾げた。
「ええ、少し出てきます。夕方までには戻りますので、執務室には誰も入れないようにして下さい」
「誰もですか? えっと、ボクもでしょうか?」
「そうですね。そうである方が望ましいです。あ、昨日の朝と昼と夜、それに今朝の分の紅茶のカップは下げておいてください」
 そう言い置くと、リーゼロッテは足早に執務室を後にした。
 残されたペリドは「はーい♪」と元気に返事をして執務室に入って行く。理由は今リーゼロッテが言った紅茶のカップを片付けるためだ。
「先生、風邪でも引いたのかな? あ、もしそうならお薬をもらってこようかな。確かクロウさんが怪しい薬を持ってたよね♪」
 カチャカチャとデスクに置かれた複数のカップを重ねると、片手に持って軽い足取りで執務室を出ようとした。
 だがデスクを離れようとした直後、ペリドの足が何かに引っ掛かる。そして慌ててカップを支えようと手を伸ばした彼女の手が、先程厳重に鍵を施した箱にぶつかった。

 ドンガラガッシャーン☆

 凄まじい勢いで弾け飛んだカップたち。
 カラカラと虚しい音を立てて崩れゆく破片に表情を青くしたペリドだったが、目の前に飛んで来た紙に目が釘付けになった。
「設計、図?」
 思わず手に取ったのはリーゼロッテお手製の設計図だ。びっしり書かれた文字や図形から彼女渾身の作品だとわかる。
 けれど何よりペリドを釘付けにさせたのは、設計図の表題であろう文字だった。
「『歩けわたしのくまちゃん試作品第一号。通称あるくくまー♪ やっぱり毛皮が重要よね!』……って……何、これ……」
 ペリドはそう呟くと、散らばったカップを忘れて設計図に魅入った。


「あ、あの……どういったご用件で……」
 ゴクリと生唾を呑み込んだ男性の目の前に立つのは、大きな帽子を目深く被ったサングラスの女性だ。彼女は顔を覆うほどのマスクをしながら咳払いをすると、周囲を伺うように首を動かしてから顔を近付けて来た。
「お願いしたい事があるんです」
 コソコソと紡ぎ出される声に職員が「!」となる。そうして目の前の人物をマジマジ見詰めると「あ!」と声を上げた。
 それに慌てて女性が人差し指を立てる。
「しー! しー、ですっ! 良いですか、私は依頼人L……そう、ミス・エールです」
「み、ミス、エール……」
 どうなのそのセンス。そうは思ったが口にはしない。その代り、引き攣った笑いを顔に浮かべると、職員は改めてミス・エールを見た。
(どうみても、錬金術師組合組合長だよな……なんで変装なんか……)
「実は、困っている事がありまして……個人的にお願いしたい事があるんです。ミス・エールとして」
 リーゼロッテ――もとい、ミス・エールはそう零すと、心底困ったように息を吐いて書面を差出した。
「これは?」
「アネリブーベ経由で仕入れたある物の情報です。荷物の中身は言えませんが、とても貴重な物で改めて仕入れるとなると来年になってしまうんです」
「えっと……その荷物を持ってくる、とかでしょうか?」
 錬金術師組合組合長が貴重と言うからには錬金術に関わる物だろう。しかも内密にこうして来るという事は内部的にも重要度は高いかもしれない。
「それでしたら簡単なのですが、先日の剣機の一件で活性化をしたのか、輸送経路に歪虚が出現したらしいのです。その退治をお願いと、可能でしたら荷物を直接届けて頂けないでしょうか」
 彼女が言うには、歪虚は岩山の間に通る街道を塞いでしまっているらしい。しかも何が原因なのか、歪虚が好んで狙うのは行商人や大きな荷物を持った物ばかりと言う。
「目撃情報によると歪虚は蛇のような姿をしていて、奪った荷物を丸呑みにするそうです。現在は人的被害と言うより荷物の被害が大きいそうですが、死傷者が出てからでは遅いですし……どうでしょう?」
 確かに話を聞く限り放置しておくいわれはないだろう。しかし何故匿名なのだろう。
「あのリ――」
「ミス・エールです」
「み、ミス・エール……あの……このままのお名前で依頼を?」
「はい。素敵な名前ですよね♪」
 ミス・エールはそう言うと、サングラスとマスクの下でにっこり微笑んだ。

解説

●目標
・街道で行商人を襲っている歪虚の退治

●概要
ミス・エールの大事な荷物が、街道を塞ぐ歪虚のせいで届かないらしいです。
歪虚は行商人などの荷物を奪って食べてしまうらしく、ミス・エールの荷物が奪われる前に退治してください。
尚、ミス・エールの荷物を輸送中の馬車は、街道近くの岩陰に隠れているようです。
ただ隠れているのも時間の問題らしく、歪虚は少しずつ街道を移動しているとの報告が届いています。
一刻も早く現場に到着して荷物の確保にあたって下さい。

最後に、もし可能であれば荷物の輸送もハンターのみなさんにお願いしたいようです。
但し、中身を見るのはご法度らしいので、気を付けてくださいね!

●土地情報
左右を岩山に囲まれた1本道。
道幅は馬車同士がすれ違える程度なので広くもなく、狭くもない感じ。

●敵情報
『スネイクパープル(紫蛇)』
人間の子どもほどの幅を持つ大蛇型の歪虚。
背中に翼らしき物があるが飛行能力はない。
また以下のような特殊能力を持つ。
・纏わり付く‥‥長い体で纏わり付いて締め上げる
・ポイズンミスト‥‥毒の霧を扇状に吐き出す(射程1~3)
・噛付き‥‥鋭い歯で噛付いて肉を喰らう
・丸呑み‥‥素早い動きで対象に近付き、毒液の溜まった胃袋に向かって丸呑みにす
行動開始時に翼を動かす予備行動がある他、この間は動けない

※今回の依頼でご質問がある場合「ミス・エール」としてリーゼロッテが答えます。ただし出発24時間を切った質問はお答えできない場合がありますのでご了承ください。
※白紙防止に「がんばる」だけでも先に書いておきましょう

マスターより

こんにちは、朝臣あむです。
今回はリーゼロッテさんことミス・エールの持ち込んだ依頼をご紹介します。
ちょっと癖のある歪虚ですが土地や敵の攻撃性質などを利用してうまい具合に闘ってみて下さい。

では皆様のご参加とプレイングを心よりお待ちしております!

関連NPC


  • リーゼロッテ・クリューガー(kz0037
    人間(クリムゾンウェスト)|29才|女性|一般人
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/10/31 16:29

参加者一覧

  • 輝きを求める者
    弥勒 明影(ka0189
    人間(蒼)|17才|男性|霊闘士
  • 光の水晶
    摩耶(ka0362
    人間(蒼)|15才|女性|疾影士
  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士
  • 遙けき蒼空に心乗せて
    ユキヤ・S・ディールス(ka0382
    人間(蒼)|16才|男性|聖導士
  • にゃーにゃーにゃー
    慈姑 ぽえむ(ka3243
    人間(蒼)|13才|女性|聖導士
  • 現代的なエルフ
    ユーノ・リリーベル(ka3344
    エルフ|18才|女性|機導師

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/10/20 07:57:58
アイコン 相談卓
慈姑 ぽえむ(ka3243
人間(リアルブルー)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/10/23 06:59:41
アイコン 質問卓
慈姑 ぽえむ(ka3243
人間(リアルブルー)|13才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/10/22 02:50:36