• 日常

闇鍋奉行、ワルサー総帥

マスター:御影堂

シナリオ形態
ショート
難易度
易しい
参加費
1,000
参加人数
現在10人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/11/01 15:00
リプレイ完成予定
2014/11/10 15:00

オープニング


 王国内、ルサスール領は北方に位置するためか涼しさが一足早く迫ってくる。
 ルサスール領主の娘、サチコ・ワ・ルサスールの家出先にも寒さが訪れていた。
 風邪を引かぬよう、焚き木をくべながら従者タロはサチコに目をやった。
 ロッキングチェアに腰掛け、毛布に包まりながらサチコは読書に勤しんでいた。
「サチコ様、一体何を読んでおられるのです?」
「……つん」
 タロの呼びかけに反応を示したものの、サチコは答えない。
 もう一人の従者ジロが、タロにハンドサインを送る。
 意味を汲みとったタロは、ため息を付いてもう一度問いかけた。
「ワルサー総帥。一体何を読んでいるんだ?」
「フッフッフ、聞いて驚け! リアルブルーの風習の本ですわ」
 ドヤ顔で本を掲げたサチコは、だぜ、と語尾を慌てて修正する。
 ワルサー総帥と呼ぶことと、敬語をやめてほしいということ。
 これが、今、サチコが従者に命じている約束だった。
「ほう、勉強熱心だな」
 ジロが感心したように、表題を盗み見る。
 そこには、こう書かれていた。

 寒い季節の料理

「……ワルサー総帥」
「……なん、だぜ?」
「リクエストあるなら、作るが」
 そう告げた瞬間、サチコの表情が明るくなる。
 非常にわかりやすいし、単純だよなとタロ&ジロは改めて思った。
 二人の思いをよそに、サチコは懸命にページをめくる。
 やがて、手が止まるとロッキングチェアから飛び降りてジロに見せに来た。
「これ! これが食べたいだぜ!」
 16歳には思えないほど、ワクワクした表情で料理を指し示す。
 そこに書かれた料理名は、こうだ。

 「闇鍋」

「闇……鍋?」
 リアルブルーの料理は聞き慣れないものが多いが、これまた難解なものだった。
 本を預かり内容をじっくりと読む。
 まずは、鍋について基本的なことを確認する。
「多くの人間で一つの鍋に煮込まれた具材を食べる料理、ですか」
 貴族には絶対にできない真似だなぁと思いを馳せる。
 ルサスール家の人間であれば、まだできるかとも思った。
 サチコに関しては、性があってると思ってしまう。
「ふむふむ、色々なスープがあるようですね。オーソドックスにブイヨンを使いましょう」
 買い物、もとい、ルサスールの屋敷から貰ってくるものリストに書き込む。
 具材についても色々と書いてあるが、闇鍋は特殊だと書かれていた。
「えーと、なになに……大勢で持ち寄った具材で作る。暗闇で、食べる?」
 リアルブルーの風習とは、時にわけがわからない。
 毒が入っていたら、大変じゃないかと顔をしかめる。
「面白そうですわよね! 魔術みたいですわ!」
 興奮して、素の喋りになっているサチコに「できません」とはとても言えない。
「あー……わ、かりました」
 ついつい、ジロはそんな返事をしてしまうのだった。


「やるといってしまったならば、果たさねばなるまい」
 カフェは、ジロをぎろりと睨むとそう告げた。
 平伏するジロは、申し訳ないと改めて口にする。
「皆が同じ鍋をつつくわけだから、毒味はそこまで心配いらないだろう」
 玉砕覚悟ならあるいは……。
 だが、幸いなことに、今のルサスール家周辺にそこまでする相手はいなかった。
 用心するに越したことはないが、過度な心配は不要だろう。
「それに、丁度、都合がいい」
 以外なカフェの言葉に、ジロは顔を上げる。
 カフェの手元には、別の書類が用意されていた。
「某大公から、私兵を出してくれとの伝令だ。我がルサスールからも出兵させる」
「あー……サチコ様が聞いたら付いて行きそうですね」
「さすがに戰場に愛娘を送り出すような真似はしたくない。目眩ましに闇鍋はよいだろう」
 そこで、言葉をきる。
 私兵を出すという状況がどういうことか、ルサスールにはわかっていた。
「ハンターに依頼を出し、闇鍋の相手をさせよう。彼らなら、上手くやってくれるだろう」
「信頼を考えると、安全性を考えてくれるでしょうしね」
 頷くカフェに礼を述べ、ジロは部屋を後にするのだった。
 カフェの視線は再び書類に落とされていた。

解説

●目的
友達のいないワルサー総帥サチコと闇鍋をしよう

●闇鍋
食材を各キャラクター3つ提示していただきます。
厳正な審査(当社比)で入れられそうなら入れます。
たいていはサチコが面白がって入れます。
ちなみに出汁は、肉系ブイヨンです。

●実食
・普通に食べられるもの
・普通に食べられるが鍋に合わないもの
・どうしてこんなものをいれたのか……

それぞれ全員の食材をランダムに食べてもらいます。
もちろん、サチコも食べます。
普通に食えるときと食えないときのリアクションや、
真っ暗闇の中でどうやって鍋を食うのか等。
わちゃわちゃしてください。

●積み重なるは……
あまりにも食べられないものが積み重なると、
死屍累々となるでしょう。
あと、溶けるものを持ってきた場合、出汁になります。
出汁は全体の実食に影響をおよぼすので、注意してください。

マスターより

わるわるさー、御影堂です。
わるわるさーは、ワルワル団の正式な挨拶です。流行れ!
胡散臭い話も紛れていますが、今回は、「ほのぼの」な鍋です。多分、ほのぼのです。
皆さんが、ヨクワカラナイモノを入れない限りほのぼのです。
なお、私自身は実食しませんので、あらかじめご了承ください。

関連NPC

  • ワルサー総帥
    サチコ・ワ・ルサスール(kz0063
    人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/11/08 19:41

参加者一覧

  • 陽光
    留内陽平(ka0291
    人間(蒼)|20才|男性|聖導士
  • 行政営業官
    天竜寺 舞(ka0377
    人間(蒼)|18才|女性|疾影士

  • 最上 風(ka0891
    人間(蒼)|10才|女性|聖導士
  • 歪虚滅ぶべし
    セリス・アルマーズ(ka1079
    人間(紅)|20才|女性|聖導士
  • アルテミスの調べ
    メトロノーム・ソングライト(ka1267
    エルフ|14才|女性|魔術師
  • デュエリスト
    弓月 幸子(ka1749
    人間(蒼)|15才|女性|魔術師
  • 食に限界なし
    メンター・ハート(ka1966
    ドワーフ|28才|女性|聖導士
  • 其の霧に、籠め給ひしは
    ヴィルマ・レーヴェシュタイン(ka2549
    人間(紅)|23才|女性|魔術師
  • 新航路開発寄与者
    ファリス(ka2853
    人間(紅)|13才|女性|魔術師
  • 星々をつなぐ光
    アルフィ(ka3254
    エルフ|12才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/10/27 22:39:03
アイコン 相談卓
最上 風(ka0891
人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/10/31 22:50:28