• 戦闘

草原の暗殺者

マスター:一要・香織

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 5~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/02/11 19:00
リプレイ完成予定
2018/02/20 19:00

オープニング

 空は何処までも高く、草原はどこまでも続く……。
 のどかな風景に溶け込んだこの村は酪農が盛んで、人々は牛や羊、豚に鶏などを育て生計を立てていた。

「さてさて、今日も始めるかね」
 その村に住む若者バルトは、牛小屋の扉を開けた。
 部屋の様に区切られた柵を外していくと、牛たちは待ってましたと外へ駆けていく。
 その後を、バルトの足元をウロチョロしていた犬のセスが追いかけた。
 日中、小屋の掃除をする間、牛たちは広大な草原へと放される。
 牛たちは思い思いに歩き回り、牧草を食べ、眠り、ストレスのない生活を送っていた。
 しかし、あまり遠くまで行かないよう、セスが牛を誘導しているのだった。
 今日は日差しが温かく、風は穏やかで程よい湿度を纏っている。
 バルトはフォークを手に取ると、床の上に敷き詰められていた藁をかき集め始めた。
 フォークで掬い外に投げると、新しい藁を敷き始める。
 バサリと降ろした干し草からは香ばしい匂いがふわりと漂い、鼻腔をくすぐった。
「よし。これで牛たちも気持ちよく眠れるな」
 整えられた牛たちの寝床を眺め、バルトが息を吐いた――その時、
「ワンワンワンワン!!」
 セスの激しい吠え声が聞こえ、バルトは振り向いた。
 息を切らせ全力で駆け寄るセスの様子は、怯えているようにも見える。
「セス、どうしたんだ? 牛が遠くまで行っちまったか?」
 しゃがみ込んだバルトは首を傾げ、セスに問いかけるが、
「ワンワンワン!」
 セスは変わらず激しく吠えるだけだ。
 バルトは困った様にガシガシと頭を掻くと、ゆっくりと腰を上げた。
 そして、
「っ!」
 セスの尻尾が赤く染まっている事に気付いた。
「セス、怪我したのか?」
 バルトは急いでセスの尻尾を見てやるが、触っても痛がる様子はない。
 よくよく見ても傷は見当たらなかった。
「この血はどこで付けてきたんだ?」
 もう一度セスに問うと、
「クゥ―ン」
 セスは悲しげに一つ鳴き、バルトのズボンの裾を引っ張り始めた。
 まるで、ついて来い、そう言わんばかりにグイグイと引く。
「わかった。分かったから」
 バルトは仕方なさそうに、駆け出したセスの後を追った。

 セスは村を出て草原を走り、小高い丘の上で止まった。
「ここに何があるんだ?」
 追いついたバルトがセスの隣に並び、セスの視線を辿るように丘の下を見た。
「なっ……」
 そして、目にした光景に息を飲んだ。
 今朝放した牛たちが……血まみれで倒れている……。
 その側には緑色の不気味な生物……。
 大きさは大人ほどだろうか……、身体の所々に赤い模様が付いている。
「なんだ……あれは……」
 隠れる様に身を低くしたバルトはその不気味な生物を凝視した。
 背を向けていた緑色の生物が、次の獲物を探すように……振り向く。
 そのことで、その生き物が何なのかはっきりと確認できた。
「カマ、キリ……?」
 三日月の様な弧を描く腹は、何が入っているのかと疑問に思うほどに膨らみ、その重そうな腹、そして大きな体を支える足は太く、長い。
 不釣り合いなほどに小さな頭には鋭く光る眼があり、牙の様な口は血に染まって見る者の恐怖を煽った。
 そして何よりも目を引くのは……カマキリの最大の特徴とも言える、鎌、だろうか。
 このカマキリが掲げる鎌は、昆虫のそれとはまるで違った。
 眼前のカマキリの鎌は、刀剣の様だった。

「ブ―――ン」
 低い羽音が辺りに響き、新たなカマキリが姿を見せた。
 随分と離れた所にいた牛の側に降り立ったカマキリは、その刀剣の腕を素早く動かした。
 刹那、牛からは血飛沫が上がり、カマキリの足元にゴロリと――牛の頭が転がった。
 一撃で、牛の首を切り落としてしまった……。
 カマキリはドサリと倒れて動かなくなった牛に、何度も何度も腕を振り下ろした。
 バルトは唇を噛み締めて立ち上がると、近くにいる牛たちを追い立てなんとか小屋に戻したのだった。

解説

 のどかな草原が、大変な事態になっています。
 何処からか現れたカマキリ雑魔が、この村の宝とも言える動物たちを襲っています。
 バルトの他にも、馬や羊、豚など、草原に放していた動物が殺されてしまった人が居る様です。
 村人たちの話をまとめた所、カマキリの雑魔は10匹ほど居て未だに草原に留まっているとのことです。

 殺すことを楽しんでいるのでしょうか?
 草原に残された動物たちを次々と殺しています。
 このままにしておけば、やがて村の中にまで侵入し、人間も殺戮の対象になってしまいます。

 村の周りの草原を探し、カマキリを倒してください。
 カマキリは大人ほどの大きさで、刀剣と変わらぬ切れ味の鎌を持っています。
 また捕らえられれば、強靭な顎で噛み砕かれてしまいます。
 飛ぶことも出来ますがあまり得意ではないようで、地面にいる事の方が多いです。

 どうか平穏な生活が取り戻せる様に、雑魔の退治をお願いいたします。

マスターより

 こんにちは。一要・香織です。

 随分と前に、昆虫をモチーフにしたゲームが流行りましたね。
 当時はカブトムシが人気でしたが、今になって実際の虫を目にすると、カマキリの方が強そうだなぁ……と個人的にそう思いました。

 そんなカマキリ雑魔の退治をよろしくお願いいたします。
 皆さまのプレイングをお待ちしています。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/02/17 02:15

参加者一覧

  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 世界は子供そのもの
    エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142
    人間(蒼)|30才|女性|機導師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • 紅の鎮魂歌
    リン・フュラー(ka5869
    エルフ|14才|女性|舞刀士
  • 流浪の聖人
    鳳城 錬介(ka6053
    鬼|19才|男性|聖導士

  • 多田野一数(ka7110
    人間(蒼)|16才|男性|舞刀士
依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ジャック・エルギン(ka1522
人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/02/10 21:47:37
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/02/07 08:54:57