ゲスト
(ka0000)
ライブラリ
ここはライブラリ。キノコが集めてきた皆の姿や声、
音楽なんかを見たり聞いたりできるよ。
新しい姿を頼んだりもできるから、試してみてね!
竹村 早苗(kz0014)
※本商品は「ファナティックブラッド」の本編とは異なるアナザーノベルであり、「ファナティックブラッド」ならびに他ゲームコンテンツでプレイングやキャラクター設定の参照元にすることはできませんのでご注意ください。
-
スノー・イヤリング
「喫茶店……なの?」
ディーナ・フェルミ(ka5843)が首を傾げた。
「そう。カレーの美味しい喫茶店」
イ寺鑑(kz0175)はご機嫌だ。ディーナはいつもよりニコニコしている旦那にクエスチョンマークを浮かべながらも「カレーなら色々あるの。好みを言ってくれたら案内するの」という態度を保留し素直に従った。
「そう。二人で」
その間に鑑は店員に対応。
どうぞ、と窓際のテーブルに案内された。イスは向かいではなくハの字になる横隣り。景色がよく見える。
「すっごくいい感じの店なの」
ディーナは店員にしっかりと恋人扱いをされてご満悦だ。えへへ~、と鑑の顔をのぞき見るように前屈みになる。
と、思うとすぐに店内をきょろきょろ。
滞在客は妙齢の女性や大人のカップルが多い。
静かで落ち着いた、上品な店である。
「なんだかとっても雰囲気があるの」
「そうだね。みんな穏やかな時間を過ごしてる」
鑑が自分の口元に伸ばした人差し指をつけたのは、だから静かにしないとね、という合図。ディーナはそわそわしていたがんしょんしょと姿勢を改めてイスに深く座り直した。そしてにこぱ。育ちの良いお嬢様風にたたずむ。
で、鑑の視線に気付いた。
「……どうしたの、鑑さん」
「いや、さすがに教会のシスターさんだなって」
「そういってもらえてうれしいの」
迷い無く言ったのは、素敵だよ、と鑑の表情が和らいでいたから。
そして、ビーフカレーセットを二つ注文した。
「老舗の喫茶店は洋食つながりでコーヒーだけじゃなくスパイスもしっかりとしてるんだよ」
だからカレーも美味しいんだと鑑は言う。
果たして、出てきたビーフカレーは角切りの牛肉を煮込んだスパイス芸術と表現するにふさわしい、香り高いものだった。
「うん、おいしいの」
「よかった。幼い頃に初めて故郷の味とは違うカレーを食べて、異文化というか異世界を感じてね」
だからタスカービレに移住したのも異文化に触れる機会になると決心したのだという。
「ディーナ以外には話したことないけど」
「んふふ~、鑑さんの秘密~」
「それと、エクラ教のこととかたくさん僕の知らないことを教えてくれるお礼も込めて」
鑑、小さな箱を取り出した。
「わあ、プレゼントなの!」
「ハッピーバースデー。いつもありがとう」
開けると、雪の結晶のイヤリングだった。
12月25日の気忙しい中、しばらく二人きりでゆっくりする。
おしまい
━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
ディーナ・フェルミさま
いつもお世話さまになっております。
今回のお任せは喫茶店デート。しっとり落ち着いた感じで。
クリスマスイブでいちゃいちゃしているような気もするのですが、やっぱり誕生日は誕生日ですよね。
では、お誕生日の日の納品ではありませんが、ぷちサプライズをお楽しみくださいませ。
この度はご発注、ありがとうございました。