※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

　ねえ、もう寝た？
　誰かがそっと囁いた。

　お外は真っ暗、虫の音ももう聞こえないような夜の中。
　リゼリオでやっていた詩天温泉旅行に当たった皆々の宿泊地は萩野村の古民家。
　広い居間の座卓を上げて、並んで敷かれた布団の上。
　いつもはもうこんな時間は寝ているんだけど、遠方にハンターとして向かい泊まる時だってさっさと寝ていたけれど、今日はなんだか眼が冴える。
「起きてるよ」
「寝れないね……」
　開いたままの縁側から夜風がすうすう。起きている友達だけでそっと七色に光るインクを黒い緞帳にこぼしたような夜空の星を見上げ。
　星を一つずつ数えたり、星をつないで独自の星座を作ったり。
「あの星とあっちをあわせて、えーと振動刀MURAMASA座」
　周りからくすくす声。
　やっぱりみんな起きてる。
　そんな静かなくすくす声が、余計におかしくて。みんな寝たふりしているのを思い浮かべるだけで笑いがこみ上げて。
　くすくす笑いが段々大きくなって、みんなでひとしきり大笑い。

「そんなに笑わなくてもいいじゃないですか！」
　枕がぱふんと誰かの頭に命中した。
「そりゃっ、仕返しだよ！」
　軽く跳躍して、斜め上からの振り下ろし投法は、最初に枕を投げた人の顔に大命中。
　そして勢い余った枕はついでにお隣さんにもヒット。
「やってくれたわね？　こぉの♪」
　反撃も予想済みだったのか、軽やかに逃げ去った子は仲良し二人組みを盾にして。
「わっ」
「わぷっ！！」
　報復の枕が二人に次々と命中する。
「もー、ひどいじゃないですかっ」
　こちらも応戦。するとすぽんと手が抜け、あらぬ方向に行き、最後の一人に大命中。
「……いいわ。いつもは大切な友達だけど、今日だけは敵にならざるを得ないようね」
　みんなしてにんまり笑って頷き合う。

　寝れない旅館の夜は、枕投げ大会の日でもある。

チームに分かれて枕投げ大会をします。
人数６人ですので、３対３になります。万が一端数が出た場合はＮＰＣミネアが足りない方のチームに入ります。そうでない場合はミネアは審判役になります。

●ルール
・枕は計１０個。投げると相手チームに移動します。貯め込むことも可。
・陣地という概念はありません。部屋内ならどこに移動しても構いません。
・枕に当たった人は１安眠ポイント得ます。
・回避した場合ポイントはなし。
　枕は布団でカバーできます。布団（と持っている手）に当たった場合はポイントなし。
・覚醒・スキルの使用はもちろん禁止。
　枕以外の攻撃は禁止。ただし抱きつくなど各種妨害工作は可。
・「生命力/10(端数斬り捨て)」分の安眠ポイントを得た人は、脱落して寝落ちします。
・たまに五条が見回りに来ます。その際は「見回りが来たよ！」とミネアが宣言しますので素早く寝たふりをしなければなりません。
　寝たふりに失敗したら外で叱られ、しばらくゲームに参加できなくなる上、安眠ポイントが「生命力/20（端数斬り捨て）」増加します。
・相手チームを全員寝かせた方が勝ちです。
　ただし勝負がつかず朝になった場合、両方負けとみなします。（死屍累々の状態で朝を迎えたことになります）
・行動に対する時間経過、命中判定などはプレイングによって適宜変わります。
・負けたチームは３話目のシナリオで罰ゲームが待っています。

　頑張りましょう。

ふすまや障子を壊したとかいうハプニングは除外しますので、ご安心ください。
レッツ、ファイト！