• 冒険

大きな少女と遺跡探検

マスター:春野紅葉

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
普通
参加費
1,300
参加人数
現在6人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2017/07/17 19:00
リプレイ完成予定
2017/07/31 19:00

オープニング

●止められない疼き
「申し訳ございませんでした!」
 ユリアは勢いよく頭を下げていた。今日もまた、羊を一頭、放牧の際に逃がしてしまった。ここ最近、ずっとそうだった。
「ユリアちゃん……どうかしたのかえ? ここ二月ほど、ずっとそうではないかね」
「はい……ごめんなさい」
 どこか心配そうに老人がユリアを覗き見る。ユリアはただただ小さくなるばかりだった。
「なにか、心配なことでもあるのかい? 儂でよければ、話を聞くんじゃが」
「いえ……あの……実は」
 その理由は、実は分かっていた。けれど、それはきっと駄目だなことだから。ユリアはずっと我慢していた――いや、我慢しているつもりでいた。
「私、行ってみたい所があるんです」
「行ってみたい所じゃって? それはどこなんじゃろう」
「はい、二ヵ月前に、行商団の皆さんに同行して、川向こうの村に行った時に、今は使ってない村の後があるって、言ってらしたんです。私、そこにどうしても行って見たくて」
 この好奇心が、ずっと前に故郷を潰す結果に通じていたことを思い出して、ユリアは決してそれはならないことだと、抑え込んでいた。
「そこには何かあるんじゃろうか?」
「分かりません。でも向こうの村の人達が言うには、そこは林檎の木々がたくさんなっていて、それで生計を立てていたと」
「なるほどのう……それでその町が気にかかると。それで、仕事に身が入らんなんだと」
「本当にごめんなさい」
「……ユリアちゃんや、君は今年でいくつになったんじゃったかな?」
「……15歳です」
 にこにこと笑って聞いてくる老人にユリアはしゅんとなりながら年齢を告げた。
「ほっほっほっ、ならおかしくはないじゃろ。ユリアちゃんの歳なら、そういうのもおかしくはないはずじゃし。行ってきてはいかがかな?」
「良いんでしょうか……」
「ユリアちゃんはまだ子供じゃよ。それに儂としてもこのまま何頭も逃げられてはかなわんしの」
 カッカッと快活に笑いながら、しかしその言葉は真実で。ユリアは項垂れてしまう。
「……そうじゃの、きっと他のハンターさん達に声をかければ問題ないんじゃないかのう。町長も前回の行商団さん関連のことならユリアちゃんの要請を無下にはせんじゃろ」
 楽しげに笑い、お茶目にウインクをする老人に、ユリアはぽかんとしていた。
「まぁ、取り敢えず明日にでも町長さんの所に行ってきなさい」
「は、はい! 失礼します!」
 白髭を撫でながら笑う老人を背に、ユリアはその場を後にした。

 その翌日、ユリアは町長屋敷にいた。
「なるほどねぇ、旧村落……そこに拠点を設けることが出来れば、ゆくゆくはこの町の発展にも通じるってことかしら?」
 町長はリラックスした様子で、しかしどことなくこちらを圧するような気配を纏いながら、ユリアに対面していた。
「はっ、はい……」
「でも、それはユリアちゃんがいかないといけないのかしら? 最初の行商団以降ではないとはいえ、あの森にはゴブリンの群れがいたのでしょう? ということはもしかすると、その村の跡とやらにもいる可能性は高い。ハンターさん達に一任すればいいんじゃないかしら」
「そ、それは……」
 全くの正論を告げられて、その上、どこか声を出せない雰囲気を感じて、ユリアは項垂れてしまう。
「どうしても、ユリアちゃんが行く理由はあるのかしら?」
「わ、私が行きたいからです」
 絞り出すように声を出す。身体はいつの間にか、僅かに震えはじめていた。
「へえ……どうしてユリアちゃんは行きたいのかしら?」
「分かりません……でも、どうしても行きたいんです」
「どうしてもねぇ……何もなければともかく、何かあれば、あなたは死ぬかもしれないのよ?」
 思い返せば、死にそうな目になら、何度もあっている。それでも、明確にそれを告げられたのは初めてな気がした。
「それでも行きたいのなら……行けばいいのではないかしら?」
 ふっと空気が軽くなって、思わず顔を上げる。そこにいたのは何か思惑ありげな町長の顔だった。
「ありがとうございます!」
「ただし――何かしら持って帰ってくるのよ?」
「はい!」
 優しげな町長の顔を見て、ユリアはそう答えていた。

●その頃
 風化が進んだのか、或いは何者かに壊されたのか、ぼろぼろになった建物がそこかしこに点在する小さな村だったであろう何か。そこは亜人たちにとっては格好の棲家である。
 天然林檎の群生地
「ヤハリ、キャツラハ……ヒトノテニ」
「ソウミタイダ。シカシ、ココマデハマダキテナイ」
「ヤツラガステタノダ、イツカハ、クルダロウ」
 杯らしき物に並々と酒のような物を注いで語り合うは2体の亜人。2体とも三メートルを超す巨躯に何処からか奪ったのか騎士風の衣装をまとい、その仕草はどこか戦場の慣れさえ感じさせた。
「ココ、ケッコウキニイッテタ」
「ウム……」
 別れを惜しむような語り草で、2体は哀愁さえ漂わせて話していた。
「マァ……シカタアルマイ。サイゴノジュンビヲシテ、ワレラモタトウ」
 1体の言葉に、もう1体が頷く。夜は更けていく。

解説

よろしくお願いします。

シリーズ第2弾は遺跡探検&ちょっと戦闘?になります。
メインは林檎園のある村の廃墟を探索するものになります。

敵になる2体のゴブリンは戦意に乏しく、皆さんが逃がそうとすれば素直に逃亡するでしょう。
もしも戦う場合もそれほど強くはありません。

マスターより

まずはシリーズ第二弾、遅れてしまい申し訳ございません。

もしよければ、遺跡探索依頼、楽しんでいただければと思います。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2017/07/30 17:34

参加者一覧

  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 慈愛の聖導士
    マーオ・ラルカイム(ka5475
    人間(紅)|18才|男性|聖導士
  • 森の主を討ち果たせし者
    火艶 静 (ka5731
    人間(紅)|35才|女性|舞刀士
  • ヨイナ村の救世主
    ユーリヤ・ポルニツァ(ka5815
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/07/15 23:20:40
アイコン 遺跡の呼び声よーろれいひー?
ディーナ・フェルミ(ka5843
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2017/07/17 15:13:14