【夜煌】夜煌祭?いよいよ開始?

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「いよいよ、夜煌祭の開催だが……
祭りには様々なものがやってくる。
要塞の関係者も、部族も、巫女も。
負の感情に飲み込まれず、やれるのだろうか」

バタルトゥ・オイマト(kz0023

 
 

オープニング

リムネラ

ファリフ・スコール

――準備は整いつつある。
 祭りの会場は確保を完了。安全を確保するために周辺の雑魔を退治している。
 狂気の欠片は無事に会場へ運搬済み。
 辺境の各部族への通達も完了し、各自が夜煌祭当日に向かって動き始める。
「さぁ、盛り上ガってきましタネ……」
 夜煌祭の主役にして大聖堂の巫女、リムネラ (kz0018) は粛々と立ち上がり、身なりを直す。
 夜煌祭は本来大聖堂の大巫女をはじめとする『巫女』が総出で祈りを捧げる祭りだ。しかし、大聖堂は歪虚の支配下にあるため、それが叶わない。
 このため、リムネラをリーダーとして急遽祈り手の募集を行う事となった。
「リムネラ様……ほんとに大丈夫?」
 会場設営を手伝っていたファリフ・スコール (kz0009) は、心配そうな面持ちでリムネラの白い顔を覗き込んだ。
 この祭りの成否は、辺境部族の士気にも大きく左右する。
 もし――失敗するような事になれば、歪虚との戦いに大きな影響を及ぼしかねない。
 もっとも、当のファリフはそんな小難しい事を考えていない。単にリムネラの緊張を察して心配しているだけだ。
「ノープロブレム! お祭りにナったら、ワタシも本気全開デ頑張リますカラ!」
 そういって軽く拳を握るリムネラだが、笑顔はどことなくぎこちない。
 巫女としての実力や評価が高くても、多くの祈り手を導きながら夜煌祭の巫女を勤め上げなければならない。その重圧は相当なものだ。
 その様子を見ていたファリフが、思い切った事を言い出す。
「……ボクも祈り手をやった方がいいかな?」
「エえ!?」
 リムネラはいつもより高いトーンで叫ぶ。
 同時に、自身の不安でファリフをも心配させていたことに気付く。
 リムネラは少々慌てながらも、ファリフの肩に手を置いて励ました。
「ノ、ノンっ! ファリフには、スコールの族長とシて炎番の役目ガありマース!
 心配しテくれるのはセンキュウだケど、今は自分の役目に集中ですヨー」
 彼女が言う通り、ファリフには、夜煌祭において炎番という辺境部族の族長らが担う大切な役割があった。
 その役割を放って祈り手をさせる訳にはいかない。
 リムネラの言葉に、ファリフは小首を傾げながら呟く。
「ほんとに?」
「オフコース! 本番も頑張りマース」
 本当は今も不安でいっぱいだが、ファリフを安心させる為にも余裕を見せておいた方がいい。
 リムネラは、今日一番の笑顔を見せた。

バタルトゥ・オイマト

ヨアキム

ヴェルナー・ブロスフェルト


 リムネラとファリフのやり取りを、オイマト族のバタルトゥ・オイマト (kz0023) は見つめていた。
 辺境の行く末を左右する二人の少女。
 若くして背負わされる過酷な運命を、どのように受け止めているのだろうか。
「……逃げる事の許されぬ運命……死が、運命から解き放たれる唯一の救済とならねば良いが……」
 そう独り言を呟くバタルトゥ。
 その傍らではヨアキム (kz0011) が頭を捻っている。
「あん? 運命が……なんだって?
よく分からねぇか、どっかから出られないのか? だったら出してやればいいじゃねぇか。ワシなら自慢の怪力で檻ごとぶっ壊してやるぞ」
「……そうだな。お前なら、できそうだ……。何も悩まないお前になら……」

 夜煌祭は、多くの者をと多くの想いを巻き込みながら開催へと突き進んでいく。


 辺境要塞「ノアーラ・クンタウ」要塞管理者執務室。
「いろいろありましたが、夜煌祭の開催は間近。準備も佳境といったところでしょう」
 ヴェルナー・ブロスフェルト (kz0032) は、順調に進む展開に満足そうだ。
 部族会議から警戒されて疎まれる帝国勢だったが、参加を危ぶまれたものの何とか夜煌祭へ参加する目処がたった。
 あとは当日へ乗り込んで『するべき事を行う』だけである。
「細工は流々、結果を御覧じろ……この場合は準備は上々、とするべきでしょうか。それにしても……」
 ヴェルナーは、カップに注がれた紅茶を口にする。
 一呼吸置いた後、ゆっくりと語り出した。
「どうでしょうねぇ。
 祭りと浮かれる一方で、歪虚は虎視眈々と機会を伺っている。それに思い至らないなら、辺境は遅かれ早かれ滅ぶ事になります。
 未来憂う彼らなら、何を想うか……」

(執筆:近藤豊藤城とーま
(文責:フロンティアワークス)

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キャラクター情報

リムネラ(kz0018
 辺境ユニオン『ガーディナ』のリーダー。
 辺境の聖地『リタ・ティト』の大霊堂で巫女を務めていたが、ハンターや部族両方の手助けと見聞を広める名目で大霊堂の外へ派遣される事になった。
 特徴的な口調だが、純粋で努力家。常に小さな白い龍を連れて歩いている。
  • 辺境ユニオンリーダー
  • 聖導士(クルセイダー)
イラスト:狛蜜ザキ
ファリフ・スコール(kz0009
 スコール族の族長。
 先代から族長の座を早くに明け渡されたファリフは、辺境部族を率いて歪虚の侵攻を食い止めようと戦い続けている。
 時折、一人で『星の友』を捜しに旅へ出ている。
 帝国に対しては辺境を侵攻する対象として見ていると思っており、良い感情を持っていない。
  • スコール族長
  • 霊闘士(ベルセルク)
イラスト:わたりとおる
バタルトゥ・オイマト(kz0023
オイマト族の族長。
 部族会議ではスコール族と二分する程の大きな勢力を誇る騎馬部族。帝国に対して比較的温和な態度を保持している事からファリフ・スコールと衝突する事が多い。
 一説によれば歪虚の強大さを知っている為に必要以上に慎重となっているらしいが……。
  • オイマト族長
  • 闘狩人(エンフォーサー)
イラスト:mati.
ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032
 帝国の要塞『ノアーラ・クンタウ』を預かる要塞管理者。帝国軍第一師団所属の兵長。
 部族を戦力と見なして帝国への帰順を進めようとしている。今回の一件ではまだ動きを見せていないが……。
  • 辺境要塞管理者
  • 疾影士(ストライダー)
イラスト:えぼるぶ

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