【幻森】

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……ちっ、失敗だったか。
歪虚連合軍と名乗ったものの、所詮は烏合の衆。付け焼き刃で奴らを倒す事はできなかったか。
これで人間と幻獣の繋がりは強固になったな。
だが、まだだ。借りを返す機会は残されている。
歪虚王2体の進軍が続く限り、歪虚の優先は変わらない。
歪虚王に集中している隙にこちらも準備を進めさせてもらう。
人間と幻獣よ――精々、短い余生を満喫するがいい。

青木燕太郎(kz0166

更新情報(11月30日)

11月6日より開始となった連動シナリオ【幻森】でのすべてのシナリオの報告書が完成!
先の連動シナリオで撃退された歪虚達が一時的に結託して幻獣の森へと向かってきましたが、
ハンター達は幻獣達と共にこれを撃退。
幻獣の森を守り抜きました。

この戦いにより、人間に対して懐疑的だった幻獣達も、人間達へ信頼を置き始めているようです。
人間と幻獣との固い共闘関係――ハンター達の活躍により、その本格的な実現は遠くない未来になるかもしれません。

▼11月30日更新情報
【幻森】のエピローグを公開!
作戦状況「幻獣王親衛隊vs歪虚連合軍」の連動状況を更新。
 
 

【幻森】

▼【幻森】連動シナリオ一覧▼



11月30日更新

11月30日更新



11月6日更新


▼【幻森】連動シナリオ▼

10/13?11/6
どこかにあるとされた幻獣達の最後の楽園、『幻獣の森』。
怪事件の調査でファリフとハンター達が向かった森、そこが幻獣の森だった。 そしてその森を守る大幻獣ツキウサギと邂逅し、幻獣達の今、忍び寄る歪虚の動きを知ることとなる。
 
 

【幻森】エピローグ(11月30日公開)

青木燕太郎

ツキウサギ

ファリフ・スコール

メリル・E・ベッドフォード

 幻獣の森に侵攻した歪虚連合軍は、幻獣王チューダ率いる幻獣王親衛隊の前で敗れ去った。
 幻獣の森は守られ、青木燕太郎(kz0166)はその姿を消した。
 ――だが、敵の撃退はそう簡単なものではなかった。

「なるほどねぇ。結構派手にやられたもんだね」
 幻獣の森を訪れた大巫女は、ツキウサギを肩で支えるファリフ・スコール(kz0009)を前にため息をついた。
 幻獣の森を守るために戦ったツキウサギは戦闘中に重傷を負った。フェンリルの活躍とハンター達の尽力が無ければ、ツキウサギは消滅していただろう。
「道は自分自身で切り拓くものですが、進路にはあまりに多くの茨がございました」
 ファリフと同行していたメリル・E・ベッドフォード(ka2399)は、今回の戦いが熾烈であった事を語る。
 ハンターも幻獣も目的を共にして戦い抜いた。森を守り抜く事はできたが、戦いに携わった多くの者が傷付き倒れていった。
「だ、大丈夫ッスよ。幻獣のみんなも自分の意志で戦ったッス。
 生きてこの森に帰れただけでもありがたいッス」
「後悔が無いならいいさ。ハンターも幻獣も一緒に来た巫女に手当してもらうといい」
「ありがとう、大巫女。でも、そっちも大変だったんでしょ?」
 到着早々負傷者の世話を焼く大巫女に、ファリフは身を案じた。
 辺境の聖地「リタ・ティト」は、北伐から発展した歪虚王侵攻を受けて撤退が決定。白龍が消滅して結界が存在しない今では巫女達の身に危険が及ぶ。
 そう考えた大巫女が英断を下したのだ。
「白龍がいた聖地を放棄するのは辛いがね。あたし達が生きていれば、また聖地へ帰る事もできるさ。
 巫女達も各地へ点在する事になっちまったが、また必ず逢える時が来るよ」
 大巫女の表情に少し影を感じたメリルであったが、大巫女が希望を失っていない事を感じ取った。
 いつか、聖地へ再び戻る。
 強い決意が希望の火を灯しているのだろうか。
「では、皆様は負傷した方々を治療する為にこちらへいらしたのでしょうか?」
 メリルは、抱えていた疑問を投げかける。
 その問いに、大巫女は口角を上げて笑みを浮かべる。
「それだけじゃないさ。
 案内してくれるかい? ――ナーランギのところまで」


「……また人か。この森も騒がしくなる」
 大幻獣ナーランギの前にやって来た一行。
 ナーランギは既に森の中へ多数の人間が足を踏み入れている事を察知しているらしく、面倒そうな声を上げる。
「なんだい、白龍の盟友を訪ねてきてやったのに。客は歓迎するもんじゃないかい?」
 大巫女はナーランギを前に臆する様子はない。
 長年、白龍と関わって来た事で大幻獣の接し方を熟知しているのだろうか。
「盟友ではない。
 ただ……気が遠くなる程、長い年月を共に過ごしただけだ。良き時も、辛き時も共にあった」
「それを盟友っていうのさ。
 事後で悪いけど、傷付いた幻獣は辺境の巫女が面倒を見させてもらうよ。幻獣の面倒には手慣れているからね……特にコイツとか」
 そういう大巫女は視線を下げる。

チューダ

 そこには、今回の戦いで危機的状況を招いた幻獣王チューダが居た。
 身を呈して庇ったせいで負傷していたが、今は治療を受けた上で美人な巫女に膝枕してもらって桃を食べさせてもらっている。 「……うーん、甘くて美味しいであります。もう一つ食べたいのでありますが、負傷して体が動かないであります。なので、もう一つ我輩のお口に運んで欲しいであります……あーん」
「怪我を治すなら、頭も一緒に治せば良かったんだよ」
 巫女に甘えるチューダに、冷ややかな目で見る大巫女。
 突き刺さる視線に感づき、チューダは必死に弁解する。
「わ、我輩も名誉の負傷を負っているであります! 労ってくれたっていいであります!」
「何が労りだい、巫女に甘えているだけじゃないか」
「何ですと!?」
 興奮したチューダは、思わず跳ね起きる。
「前言撤回と謝罪を要求するであります!」
「嫌だね。
 それより、『負傷して体が動かない』んじゃなかったのかい?」
「……あっ」
 チューダは、俯いた。
 怪我は既に治療を終え、巫女に甘えていた事が発覚。こんなチューダでも献身的に幻獣の面倒を見てくれるのだから、辺境の巫女は世話役としてうってつけだ。
「馬鹿は放っておいて、話を戻すよ。
 あたしは言うなれば『取引』に来たのさ」
「取引? ……幻獣と人間で取引とは異な事を」
「まあ、聞きなよ。
 幻獣の森の結界は、白龍から教わった巫女や東方の陰陽寮から符術士を派遣してもらう。これなら結界も問題ないだろ」

フラメディア・イリジア

「万一、何かあっても心配には及ばん。敵が現れたなら、我らハンターが全力を持って応えよう」
 腰まで伸びた赤い髪を振りかざし、フラメディア・イリジア(ka2604)はナーランギの前で胸を張る。
 バタルトゥと共に青木と対峙していたイリジアは、敵の強大さを知っていた。
 だからこそ、相手にとって不足なし。
 幻獣の森に歪虚が現れたなら、イリジアとハンター達は盾となって戦い抜くだろう。
「……そうか」
「もう一つ。もうすぐここにハンターズソサエティの連中がやってくるよ。転移門を設置する為にね」
 転移門。
 ハンターも利用してクリムゾンウェストを瞬時に移動可能とする装置だ。もし、幻獣の森に何かあったとしても、ハンターは転移門を通って早急に幻獣の森へやってくる事ができる。
 おまけに今回の転移門は大型らしく、幻獣達も転移門を通って各地へ赴く事が可能だという。
「わざわざ頼みもせずにやってきて、一方的に転移門とやらをこの森に作るのか……。
 人間は我が物顔でこの地を踏み荒らす、か」
「解釈の違いだね。あたしは幻獣の為にできる事をしているだけさ」
 ナーランギはやや不機嫌な様子だ。
 多くの人間がこの森にやってきて許可を取る事もせず、勝手な行動を取る。
 もっとも、許可を取らずに行っている行動の多くは幻獣達にとっても悪い事ではないのだが。
「取引と言ったな……何を欲する。
 財宝か。それとも、知恵か」
「両方さ。今後も歪虚との戦いに幻獣の力を貸して欲しい。
 正式な話は後から来るハンターズソサエティの奴らが持ってくると思うけど、説得役をあたしが引き受けたのさ」
 大巫女は、先程取引という言葉を出した。
 人間は幻獣に対して結界の維持と幻獣の世話を行う。
 一方で幻獣は対歪虚戦において先の戦いのように力を貸す。
 抗わなければならない敵が同一であれば、そう悪い話ではない。
「…………」
 大巫女の問いに、ナーランギは何も言葉を紡がない。
 戦いの前まで、滅びを受け入れていたナーランギ。
 やはり、人との共存を拒否するのだろうか。

青山 りりか

 長きに渡る沈黙――それを破ったのは、青山 りりか(ka4415)だった。
「ナーランギさん、私達にチャンスをいただけませんか?」
「…………?」
「人と幻獣の過去に何があったのか。それは、私も知りません。
 大きな隔たりがあるという事だけは分かります。
 でも、その隔たりを超えようとしなければ、いつまでも離れたままです」
 りりかは、ナーランギの顔を見つめるように顔を上げた。
 この戦いは、必ず意味がある。
 森を守って歪虚を撃退するだけじゃない。
 もっと根本的で、大事な――。
「私は、幻獣達と一緒に戦って感じた事があります。
 時間はかかるかもしれませんが、人と幻獣は共に歩む事ができる。
 いえ、そうすべきなのです。力を合わせなければ、歪虚と払う事もできません」
「ナーランギ様っ!」
 りりかの言葉に次いで、ツキウサギが負傷した体を引き摺って頭を下げる。
「我が侭を言っているのは百も承知ッス。
 でも、あの戦いの中でハンターと幻獣のみんなが力を合わせて戦った事が、とっても嬉しかったッス。このハンターの言う通り、もっと生きて……一緒に力を合わせて戦っていきたいッス」
 必死で懇願するツキウサギ。
 人を信じたい。
 中には悪人もいるかもしれないが、ハンター達の接した時間は嘘を吐かない。
 だからこそ、ツキウサギはこれからもハンターと歩み続ける事を願っていた。
 その願いを黙って聞いていたナーランギ。
 ゆっくりと口を開く。
「ツキウサギ」
「は、はいッス」
「言ったはずだ。『好きにするがいい』と」
「では!」
「周辺の幻獣達も呼び寄せるがいい。ここにいる人間達が世話をしてくれるそうだ」
 そう言いながら、ナーランギは瞳を閉じた。
 あるの存在を思い返すかのように。
「これが……お前が育み、残していった想いか――白龍」


 ナーランギが人との共存を選択した。
 すべての幻獣という訳ではないが、ナーランギの庇護下にあった幻獣達は人へ力を貸してくれるだろう。
 まだ人間と共に戦う為には多くの準備も必要で、ハンターズソサエティや辺境の巫女が手伝う事になっている。

   幻獣の森が賑やかになってくる最中、ナーランギはファリフに話し掛ける。
「大精霊の加護を受けし、スコールの族長よ」
「……ん、なに? どうしたの?」
 メリルから手渡された肉を頬張っていたファリフは、慌てて肉を呑み込みながら答えた。
 いつもながら元気いっぱいのファリフに、メリルは微笑みを浮かべる。
 だが、同時にナーランギの声に暗さを感じ取った。
「これから、お前は多くの出会いを経験する。
 しかし、出会いと同じ数だけ……別れを経験するだろう。
 大きな出会いがあれば、大きな別れがある。
 その事を覚えておくがいい」
 ナーランギは、静かに呟いた。
 具体的に何を言っているのか。
 それはファリフにも、メリルにも分からない。
 ただ、ナーランギがここで意味がない事を言うとも思えない。
 メリルは思い切って聞いてみる事にした。
「誰かが亡くなる、という事でしょうか」
「分からぬ。だが、戦いに身を投じるのであれば、そのような別れもあるだろう。
 そして、長い戦いならば悲嘆に暮れる暇もない」
 ナーランギ自身もはっきりと感じ取っている訳ではないようだ。
 辺境東部では歪虚王が南下を継続している。
 この戦いに身を投じれば、ファリフだけではなく、多くの者が死ぬ可能性もある。
 だが、メリルは被りを振って負のイメージを掻き消す。
「ご安心ください。
 ファリフ様には、私を含む多くの友がいます。悲しい別れがあったとしても、決して一人ではありません」
 ファリフと共に歩んでいく覚悟。
 メリルはナーランギへそれを示した。
 それに納得したのように、ナーランギは大きく頷いた。
「そうか。ならば良かった」
 そんな二人のやり取りを目にしていたファリフは、理解できない様子だ。
 首を傾げながら、足下で眠ろうとしていたフェンリルに話し掛ける。
「ねぇ、フェンリル。二人の言っている事がよく分からないんだけど……」
「ん? お嬢ちゃんの側には、ナイトであるこの俺様が付いている。それだけ分かっていれば十分だ」
「そ、そうなの?」
 ファリフの戸惑いを他所に、フェンリルは再び夢への帰還を試みる。


「……連携だけでは倒せぬか」
 イリジアは、先の戦いを思い返していた。
 青木の槍術に対してハンター同士が連携しての戦闘を仕掛けた。
 だが、結果はバタルトゥとチューダは負傷。ハンター達の被害も相応にあった。
 つまり、単なる連携で倒す事はできない。
「個そのものの力を上げねば対抗できぬようじゃな」
 青木と対峙して分かった事は、連携に加えて個の力を引き上げなければならないという事だ。
 次に会った時、イリジアは今よりも強くなっていなければならない。
「やるしかあるまい。青木を止める為にも……」

 一方、幻獣の森を脱出した青木は大木に背を預けて座り込んでいた。
「所詮は付け焼き刃の連合。人間を止める事はできなかったか。
 だが、これで終わりじゃない。チャンスは、まだ残されている」
 そうだ、未だ歪虚は優勢なのだ。
 歪虚王が南下を継続、人間は尻尾を巻いて逃げ惑っている。
 人間に決定的な一撃を下す機会は、残されている。
「早急に次の手段を考えねば……」
 黒い影は立ち上がると、北へ向かって歩き出す。
 次なるチャンスへ向かって――。

(執筆:近藤豊
(文責:フロンティアワークス)

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関連NPC

ファリフ・スコール(kz0009
スコール族の若き族長にして、赤い狼を祖霊とするベルセルク。
天真爛漫な性格で、族長としては未熟な部分もあるが、過去の伝統や習慣を遵守する真面目な一面も持つ。いち霊闘士としての実力は、決して部族の中でも見劣りしない。
最近では幾つかの失敗を乗り越えて経験を詰み、首長としての自覚や実力を少しずつ芽生えさせつつある。
  • スコール族長
イラスト:わたりとおる
チューダ
幻獣王を名乗る大幻獣。大霊堂に住み着き、幻獣に関する豊富な知識を人類に提供している。王様のつもりらしく、基本的に人間を見下している。口調も比較的無礼な物言いをする事もあるが、外見の可愛らしさの為に許されてしまう傾向がある。
戦闘はからっきしだが、逃げ足だけは天下一品。
  • 自称『幻獣王』
イラスト:こりす
ツキウサギ
大幻獣の一種で、杵を片手に長靴を履く二足歩行のウサギ。
可愛らしい外見とは裏腹に性格は喧嘩っ早くて義理堅い熱血漢で、幻獣の森では手に杵を持った戦士として活躍。
やや体育会系で融通の利かない面も垣間見せ、一度暴走を始めると厄介だが、基本素直な為扱いやすいらしい。
口調は「?ッス」。
  • 大幻獣
イラスト:シュマ
青木燕太郎
怠惰眷属。黒に統一したコートと手袋に身を包み、切れ長な冷たい目が死神を彷彿とさせる魔人型の歪虚。
他の歪虚がマテリアルを狙う中、人間達の妨害活動や拠点の破壊活動の方に注力。
幻獣が人間に協力することを懸念して動き出した彼は、掲げた目標は何があっても成功させる事を信条にしており、その為には卑劣な手段を執ることも厭わない。
  • 怠惰歪虚
イラスト:
 
 

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