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守護者(ガーディアン)特設ページ




私は今の人類にとって、必ずしも良い大精霊ではなかったでしょう。
そんな私からあなた達に言えることは、そう多くありません。
今はただ、感謝を。この星と共にいてくれて、ありがとう。
大精霊:クリムゾンウェスト
更新情報(10月28日更新)
10月28日、サブクラス「守護者」の取得者2名、星神機「マスティマ」取得者1名の契約時のノベルを公開しました。
契約ノベルの更新は、今回をもって最後となります。
世界を救うべくの表明を、そして目指してくださったすべてのハンターへ。
ありがとうございました。
契約ノベルの更新は、今回をもって最後となります。
世界を救うべくの表明を、そして目指してくださったすべてのハンターへ。
ありがとうございました。
ストーリーノベル「最初で最後のガーディアン」(7月24日公開)
時はしばし遡る……。
「いよいよもって、邪神との最終決戦が始まる。そうなれば守護者を増やしている暇もなくなるだろう」
リアルブルーの言う通り、邪神との戦いが始まれば、ガーディアンシステムのあるリゼリオに頻繁に戻ることは難しくなるだろう。
「守護者との契約は今のうちに済ませておいた方がいい」
ナディア・ドラゴネッティ(kz0207)の身体を借りた大精霊クリムゾンウェスト、そしてベアトリクスを交え、三人は契約の間で話し込んでいた。
ハンターはこれより邪神の殲滅作戦へと挑む。
それは想像を絶する激しい戦いとなるだろう。
「落ち着いて守護者を増やすっていうのは、このタイミングが最後かもしれないわね?」
「そうだね。邪神を倒したあとに、あえて守護者と呼ばれる存在を増やす必要はないだろうから」
守護者というのは、そもそも本来的には数多く揃えるようなものではない。
邪神という圧倒的な外敵を前に、必要に迫られた特別な措置だったと言えるだろう。
この戦いが決着した後には、ハンターズ・ソサエティはガーディアンシステムを封じるつもりである。
「既存のガーディアンが消えるわけじゃないけど、平和な世界で人間同士の争いの種になっても困るからね」
守護者の力は、個人が有するには過ぎたるものだ。
これから先も正しく扱われると信じたいが、神との契約システムは凍結して然るべきだろう。
そんなわけで、三人の大精霊はこれが最後の契約チャンスという認識を統一した。
「そういえば……二人には私が不在の間、迷惑をかけましたね。契約の代理、ご苦労さまでした」
「迷惑なんかじゃないわよ?? 私も楽しかったし♪」
「それに、どうせ契約の代行はまだ必要なんだ。礼を言うには早すぎるさ」
つい先日までナディアの肉体的損傷に伴い、大精霊クリムゾンウェストも活動停止状態にあった。
その時大精霊との契約を代行してくれたのがベアトリクスとリアルブルーだ。
ナディアの負担も考え、二人は引き続き契約の代行を手伝うことになっている。
「なんだかんだと入れ替わりだったから、こうして大精霊三体揃っているのは初めてかしらねぇ?」
「……そういえばそうだったかもな。誰かが抜けたり、倒れてたりで……」
「間が悪かったですね、私達」
考えてみれば不思議なものだ。
本来、大精霊と呼ばれる存在同士がこうして語らうことなどありえない。
ましてや協力して守護者を増やすなど、前代未聞の取り組みだろう。
「私は流石にそろそろ寿命だから消えちゃうんだけど?……二人共、これからもずっと仲良くね? クリムゾンウェストとリアルブルーは、新しい世界同士の結びつき、そのモデルケースになるんだから」
「でもなぁ……」
「……はい。私はともかくナディアの方は、次の戦い……最後まで生き抜けないでしょう」
そして、肉体が砕ければ星の意思も再び星へと帰る。
大精霊そのものが消えるわけではなくても、ここに具現化した「今の意識」は溶けて消えるだろう。
「僕だって似たようなものさ。最後まで持つ保証なんかないぞ」
「も???、そんなのわかってるわよ???。それでも、2つの世界が残り続ける限りは、あなたたちの心だってどこかにはきっと影響する。だから、お互いを思い合う気持ちは忘れちゃだめってこ???とっ!」
ベアトリクスは二人の大精霊の手を取り、それをガッチリと握り合わせる。
そこに自分の両手も添えて、満足そうに微笑んだ。
「……ベアトリクス」
「なぁに?」
「短い間でしたが、お世話になりました」
「いえいえ。こちらこそ、とってもお世話になりました♪」
ぱっと手を放し、ベアトリクスは立ち去っていく。
その後姿を眺め、少年と少女の姿をした神は決意を新たにする。
「この際だから改めてはっきりさせておくけど、僕は僕の土地や人間を勝手に拉致しまくった君を許していない」
「そうでしょう」
「でも……生きるためにできることを全部やるっていうのは、な。“仕方ない”なんて甘い言葉で括るつもりはないけど、少なくともその生きたいと願っている当人にとっては、正しいコトなんだよな」
リアルブルーは、「生きるためにできるコト」を一度は手放した神だ。
生きるということは泥臭くて格好悪くて、失敗もすれば恥もかくし、痛いことも苦しいこともある。
何かを求めて努力しても、それが第三者から見れば「悪」でしかないこともあるだろう。
「それを僕は、どうしても“仕方ない”って気持ちでは理解できない」
邪神のあり方は悍ましい。
生きるため、存続するためを大義名分に他のすべてを食らいつくそうなど、愚にもつかない。
「でも……ただ、一生懸命だった。何かをしようとした。生きようとしたっていう事実だけは、認めてもいい。許すのとは全然別だから、永遠に許すことはないんだろう。それでも、ただそうだったのだと、事実だけを僕は受け入れる」
少年はクリムゾンウェストに――かつての外敵に目を向ける。
「この戦いで、僕らは貸し借りナシ。イーブンな関係性に戻る。その時もう一度、君とこの話ができることを祈ってるよ」
「……はい。ありがとう、リアルブルー」
きっと、たぶん、おそらく。
もう一度話をする機会が訪れることはないだろうけれど。
許すのでも嘆くのでもなく、ただそうあった時間をいつか振り返れたら、どれだけ素敵だろうか。
「――さようなら、私の友達」
あと何人の英雄がこの部屋を訪れ、星と契約を結ぶのか。
残された僅かな時を惜しむように、大精霊はテーブルについた。

ナディア・ドラゴネッティ

ベアトリクス・アルキミア

大精霊クリムゾンウェスト

大精霊リアルブルー
リアルブルーの言う通り、邪神との戦いが始まれば、ガーディアンシステムのあるリゼリオに頻繁に戻ることは難しくなるだろう。
「守護者との契約は今のうちに済ませておいた方がいい」
ナディア・ドラゴネッティ(kz0207)の身体を借りた大精霊クリムゾンウェスト、そしてベアトリクスを交え、三人は契約の間で話し込んでいた。
ハンターはこれより邪神の殲滅作戦へと挑む。
それは想像を絶する激しい戦いとなるだろう。
「落ち着いて守護者を増やすっていうのは、このタイミングが最後かもしれないわね?」
「そうだね。邪神を倒したあとに、あえて守護者と呼ばれる存在を増やす必要はないだろうから」
守護者というのは、そもそも本来的には数多く揃えるようなものではない。
邪神という圧倒的な外敵を前に、必要に迫られた特別な措置だったと言えるだろう。
この戦いが決着した後には、ハンターズ・ソサエティはガーディアンシステムを封じるつもりである。
「既存のガーディアンが消えるわけじゃないけど、平和な世界で人間同士の争いの種になっても困るからね」
守護者の力は、個人が有するには過ぎたるものだ。
これから先も正しく扱われると信じたいが、神との契約システムは凍結して然るべきだろう。
そんなわけで、三人の大精霊はこれが最後の契約チャンスという認識を統一した。
「そういえば……二人には私が不在の間、迷惑をかけましたね。契約の代理、ご苦労さまでした」
「迷惑なんかじゃないわよ?? 私も楽しかったし♪」
「それに、どうせ契約の代行はまだ必要なんだ。礼を言うには早すぎるさ」
つい先日までナディアの肉体的損傷に伴い、大精霊クリムゾンウェストも活動停止状態にあった。
その時大精霊との契約を代行してくれたのがベアトリクスとリアルブルーだ。
ナディアの負担も考え、二人は引き続き契約の代行を手伝うことになっている。
「なんだかんだと入れ替わりだったから、こうして大精霊三体揃っているのは初めてかしらねぇ?」
「……そういえばそうだったかもな。誰かが抜けたり、倒れてたりで……」
「間が悪かったですね、私達」
考えてみれば不思議なものだ。
本来、大精霊と呼ばれる存在同士がこうして語らうことなどありえない。
ましてや協力して守護者を増やすなど、前代未聞の取り組みだろう。
「私は流石にそろそろ寿命だから消えちゃうんだけど?……二人共、これからもずっと仲良くね? クリムゾンウェストとリアルブルーは、新しい世界同士の結びつき、そのモデルケースになるんだから」
「でもなぁ……」
「……はい。私はともかくナディアの方は、次の戦い……最後まで生き抜けないでしょう」
そして、肉体が砕ければ星の意思も再び星へと帰る。
大精霊そのものが消えるわけではなくても、ここに具現化した「今の意識」は溶けて消えるだろう。
「僕だって似たようなものさ。最後まで持つ保証なんかないぞ」
「も???、そんなのわかってるわよ???。それでも、2つの世界が残り続ける限りは、あなたたちの心だってどこかにはきっと影響する。だから、お互いを思い合う気持ちは忘れちゃだめってこ???とっ!」
ベアトリクスは二人の大精霊の手を取り、それをガッチリと握り合わせる。
そこに自分の両手も添えて、満足そうに微笑んだ。
「……ベアトリクス」
「なぁに?」
「短い間でしたが、お世話になりました」
「いえいえ。こちらこそ、とってもお世話になりました♪」
ぱっと手を放し、ベアトリクスは立ち去っていく。
その後姿を眺め、少年と少女の姿をした神は決意を新たにする。
「この際だから改めてはっきりさせておくけど、僕は僕の土地や人間を勝手に拉致しまくった君を許していない」
「そうでしょう」
「でも……生きるためにできることを全部やるっていうのは、な。“仕方ない”なんて甘い言葉で括るつもりはないけど、少なくともその生きたいと願っている当人にとっては、正しいコトなんだよな」
リアルブルーは、「生きるためにできるコト」を一度は手放した神だ。
生きるということは泥臭くて格好悪くて、失敗もすれば恥もかくし、痛いことも苦しいこともある。
何かを求めて努力しても、それが第三者から見れば「悪」でしかないこともあるだろう。
「それを僕は、どうしても“仕方ない”って気持ちでは理解できない」
邪神のあり方は悍ましい。
生きるため、存続するためを大義名分に他のすべてを食らいつくそうなど、愚にもつかない。
「でも……ただ、一生懸命だった。何かをしようとした。生きようとしたっていう事実だけは、認めてもいい。許すのとは全然別だから、永遠に許すことはないんだろう。それでも、ただそうだったのだと、事実だけを僕は受け入れる」
少年はクリムゾンウェストに――かつての外敵に目を向ける。
「この戦いで、僕らは貸し借りナシ。イーブンな関係性に戻る。その時もう一度、君とこの話ができることを祈ってるよ」
「……はい。ありがとう、リアルブルー」
きっと、たぶん、おそらく。
もう一度話をする機会が訪れることはないだろうけれど。
許すのでも嘆くのでもなく、ただそうあった時間をいつか振り返れたら、どれだけ素敵だろうか。
「――さようなら、私の友達」
あと何人の英雄がこの部屋を訪れ、星と契約を結ぶのか。
残された僅かな時を惜しむように、大精霊はテーブルについた。
(執筆:神宮寺飛鳥)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)