ゲスト
(ka0000)
【神森】



エルフハイムの夜が明ける。長く冷たく、寂しい夜が……。
これまでの物語が終わって、これからの物語が新しく始まるんだね。
失ったものは数え切れないけど、ここから先には無限の未来が待っている。
ありがとう、血の狩人。あなた達は確かに、ひとつの理を正したんだ。
浄化の器(kz0120)
更新情報(1月6日)
▼【神森】コンテンツ一覧▼
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【神森】ストーリーノベル「グリーン・スリーブス」(1月6日公開)
――森都と帝国を揺るがす戦争は、こうして終息を見る運びとなった。 結果的に見れば、大規模な前面衝突を迎えることもなく、この争いはせいぜい一か月程度の出来事に過ぎない。 殺し合いは始まっていた。だが、それが本格化する前に未然に防ぐことができたのは、ハンターズソサエティ……即ちハンターの介入があってこそだ。 混迷を極めたあの戦いの真相がおおよそでも正しく帝国に伝わり、戦後処理において森都の人々を大きく助けたのも、やはりハンターの調査の賜物だ。 事件は長老会の一員であるヨハネ・エルフハイムの凶行であり、すべての罪は彼にあると帝国は発表。 多くのエルフ兵は歪虚と通じていたヨハネに扇動……或いは洗脳され、望まぬ戦いに駆り出されていたのだと結論づけた。 概ねこの見解に間違いはない。だが、一部のエルフは事件の後、帝国の保護下に入ったエルフハイムから姿を消していることが、これが唯一の正解ではないことを示唆していた。 ともあれ、今回の事件はヨハネと歪虚、そして一部の過激派の責任であり、帝国との戦争は森都の総意ではないことが示されたのである。 またこれにより、不変の剣妃と化したジエルデ・エルフハイムの名誉もある程度回復されることとなった。 彼女の狙いはある意味“不変の剣妃の再発を防ぐ”事であり、長期的にはエルフハイムを救うための行動であったとの供述が裁判で取り上げられたのだ。 ジエルデ・エルフハイム本人は既に死亡しており、彼女の本心がどこにあったのか証明することは叶わず、この件については後の時代でも議論を呼ぶことになる。 彼女を森を救おうと命を賭して呪いを解き放った聖女と見るか、あるいは最悪の咎人と見るか、それは人によるところだ。 どちらにせよ帝国は四霊剣の一角、不変の剣妃の完全な消滅を確認、国民に報告することで、騒動の溜飲を下げたのだ。 唯一の指導者であった長老会をほとんど失った森都の混乱は大きい。特に、様々な呪縛から解き放たれ放心状態に陥る者が多かった。 森都はその都市機能が回復するまでは帝国の保護下に置かれることになり、当面は様々な問題に直面することになる。 ヒトとエルフの種族対立問題が完全に解決したわけではなかったし、今回の戦争はその差別を結果的に助長してしまった。 エルフに襲われた帝国民は、エルフは危険であるという考え方を持つ者も少なくなかったのだ。 だがその一方で、森都の維新派は大きく勢力を拡大した。 唯一の長老であるユレイテル・エルフハイム(kz0085)はオプストハイムに帰還するやいなや、森都の立て直しに尽力する。 彼は後の歴史において森都の改革を成した偉人として語られることになるのだが、それはまだ先の話だ。 今回の事件で初めて森の外の世界に触れた者、あるいは初めて森に入った者も多く、ある意味皮肉的なことではあるが、不変の剣妃討伐を経て、ヒトとエルフの距離は少しだけ近づいたようにも見えた。 特に錬金術師組合の組合長であるリーゼロッテ・クリューガー(kz0037)は、いち早くエルフハイムの支援を宣言。 これまでまともなヒトとしての教育すら受けられていなかった巫女の少女らを支援、保護し、人権問題に取り組むことを誓った。 帝国皇帝ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)も、森都の事件は望まぬ悲劇であったとし、帝国が全面的に森都を支援するということで話はひとまず落ち着く。 そんな中、しかし国民らの反感、非難の対象となったのは浄化の器(kz0120)だった。 彼女は浄化法の術者でもあり、ヨハネ・エルフハイムと並び今回の戦いで許されない主犯格であるとされ、本人もそれを否定しなかった。 結果として皇帝は彼女を帝国最大の収容所、監獄都市アネリブーベへと送ったのには、もう少し細かい裏がある。 アネリブーベは第十師団長ゼナイド(kz0052)のお膝元で、巨大な防壁で外界と隔絶された都市だ。 中から絶対に出られないということは、外からも誰も入れないという事であり、それは器を合法的に保護する目的を兼ねていた。 かくして戦争は終わり、新しい時代の幕開けとなったわけだが……。 ――ハジャ・エルフハイム著 「アイリス・レポート」より抜粋。 「私はまだ余力がありますので、護衛につきましょう。監獄都市アネリブーベまでの道中、よろしくお願い致します」 用意された馬車に乗り込み、のどかな風景を眺めながらマッシュ・アクラシス(ka0771)は腕を組む。 「いやはや。今回の事件は本当に大変でした。私もこう見えてかなり疲れましたしね。これだけ騒ぎになってしまうとスケープゴートが必要、というところですか」 「私のせいっていうのは間違いじゃないしね」 手錠をされた浄化の器はマッシュと同じく窓の向こうを眺めている。 戦場――エルフハイムは遠ざかり、もうじき見えなくなるだろう。 少女はそれを惜しむように、瞬きもせずにじっと森の影を見つめていた。 「やれるだけのことはすべてやったつもりだ……だが、この結末を置いて他に道はなかったのだろうか」 鞍馬 真 (ka5819)にとって、この森都での戦争は苦々しい記憶ばかりだ。 だからこそ、命を賭して最後まで戦場を駆けた。その結果多くの命が救われたのは事実だろう。 しかし結局のところ、こうして少女を犠牲にする結末となってしまった。 |
![]() ユレイテル・エルフハイム ![]() リーゼロッテ・クリューガー ![]() ヴィルヘルミナ・ウランゲル ![]() 浄化の器 ![]() ゼナイド ![]() マッシュ・アクラシス ![]() 鞍馬 真 ![]() ヴァイス |
小さな馬車に乗る四人目の同乗者、ヴィルヘルミナはマッシュの問いかけに微笑む。
「その通りだ。元々あそこは犯罪者を閉じ込めるために、そしてそれらを保護し更正させるための都市だ。ゼナイドはああ見えてありとあらゆる者に平等だからね。君も傷が深いのだ、ゆっくり骨を休めると良い」
「だからと言ってこんな小さな子供にすべての罪を着せて……それで解決だなんて」
「私が犯人なのは明確な事実なんだよ。それは捻じ曲げられない。ちゃんと罪を償わないと、森都の他の住人にも迷惑がかかっちゃう」
未だ納得いかぬ様子の真ではあったが、実際問題これ以外に方法がない。
誰も悪くなかったと言って済むほど、流れた血の量は少なくなかったのだから。
「なんだかすごく疲れた……。もう……休んでも、いいかな」
深く息をつき、器は俯く。もう窓の外に森は見えない。
「アネリブーベまでは長旅になります。ゆっくりしてください」
「そうだな。道中何事もないよう、私たちが見守っているよ」
二人のハンターの言葉にわずかに微笑み、器は瞼を閉じた。
(みんな…………ありがとう…………)
眠る、というよりは全身から力が抜けたという様子で、器は隣に腰かけたヴィルヘルミナに身体を投げ出した。
がたんごとん、揺れる馬車の中で、器は穏やかに眠る。
(――――さようなら)
満足そうに閉じた瞼から、静かに涙の滴が頬を伝った。
――不変の剣妃は、一切の残骸も残さずに塵に還った。
神霊樹の麓に立ち、ヴァイス(ka0364)は眉を顰め、頬を緩ませる。
「……思えば長い付き合いだったな」
何度も殺し合い、時には肩を並べて戦う事もあった。
思えば彼女はいつも、どこか遠い未来を見つめていた。敵であり、人類の脅威でありながら、いつかの答えを探していた。
「俺は、約束を果たせたかな?」
瞼と閉じ、もう一度その姿を思い返してみる。
アレが所詮、呪いの生み出した幻だったとしても――。
「歩いていくよ、これからも。きっと君を忘れない。だから――さよならだ」
誰にも聞こえぬようにひとつ言葉を付け足して、ヴァイスは踵を返した。
歩む先には自分を支えてくれる恋人が待つ。
『生きなさい』
背後から強く風が吹き、そんな言葉が聞こえた気がした。
ひとつの物語の終わり、そして新たな始まりを、森は風のざわめきで祝福していた。
(執筆:神宮寺飛鳥)
(文責:フロンティアワークス)
(文責:フロンティアワークス)
関連NPC
ユレイテル・エルフハイム(kz0085) | |
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エルフハイム史上初の維新派から輩出した長老。 思想の主は『帝国親和』。エルフハイムの姓を持ったまま帝国との協力を進めることが新たな道になると信じている。 最近は浄化術の改良を目標に据えているが、 長老としての対外公務責任が増え、以前にも増して世情のバランスを読まなければならない状態。 |
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イラスト:カラノハ |
リーゼロッテ・クリューガー(kz0037) | |
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錬金術師組合組合長。 錬金術師組合にて自身が目指す理想の錬金術について研究と経験を重ね、精力的な活動が評価され正博士になり、現在は組合長の地位まで伸し上がった。 世の中に錬金術を広める為に活動を続けている。 |
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イラスト:狐夢 |
ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021) | |
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ゾンネンシュトラール帝国皇帝。失踪した先代皇帝である父の跡を引き継ぎ改革を推し進める。 武力による支配を以て歪虚を打破し、世界を救済しようというその独裁を支えるのは、ひとえに彼女のカリスマである。 |
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イラスト:綾部史子 CV:羽純せら |
浄化の器(kz0120) | |
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エルフハイムにて制作された人型術具。浄化の器とは道具の名前であり、彼女に「個」としての名は存在しない。 エルフハイムの浄化技術輸出開始に伴い人類軍と行動を共にし、名無しでは不便だとホリィ・アンダーテイカーという偽名を名乗るが、元々はハンターがつけてくれた物で本人は割と気に入っている。 |
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イラスト:桜ねねこ |
ゼナイド
(kz0052) | |
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帝国師団の中で汚れ仕事を扱う第十師団・通称「マスケンヴァル」の師団長。 童顔に豊満な肉体を持つエルフで高飛車で傲慢な性格だが、実力は確かなもので明らかに重量オーバーなハンマーを軽々扱う。 異常なまでの皇帝ラブ信者! その愛情表現はかなり歪んでおり、大好きが故に壊したいと願い戦いを挑むほど。 ちなみに同族のタングラムは大嫌い。 |
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イラスト:KKR |
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