【未来】帝国のその後

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▼ゾンネンシュトラール帝国の【未来】▼
 
 

ゾンネンシュトラール帝国のその後

皇帝による絶対王政から民主化を目指して歩み始めるも、その達成までには長い時が必要となる。
「英雄」に依存した国民の多くは自主的な行動力や客観的な判断力に欠けており、設立された「庶民議会」は大いに荒れた。
クリームヒルト・モンドシャッテ(kz0054)はこれまでの経営手腕を発揮して庶民議会をまとめようとするも、出自や若さから他の議員から歓迎されなかった。

ユレイテル・エルフハイム

出自の問題はヒルデブラント・ウランゲルユレイテル・エルフハイム(kz0085)にも同じことが言える。
そもそも民主主義とはなにかを正しく認識できていない権力者が多く、「まあ、当面は勉強ですね」とカッテ・ウランゲル(kz0033)はリアルブルーの政治資料をまとめ、議員たちの教育を始める。

教育といえば「帝国の未来に必要なのは教育である」という邪神戦争以前からとっくに出ていた結論にようやく真面目に取り組むことが可能となり、錬金術師組合の支援も受けて様々な学校が作られた。
カッテはリアルブルーの教育体制を参考に初等中等教育を組み立て、特に初等の教育は義務であるとした。
子供も立派な働き手となる帝国においてこの考え方は必ずしも歓迎されるものではなかったが、学校に通うと食事が提供される「給食」や、学費が無料であること、学んだことが仕事に生かされることから徐々に浸透していく。
大学に相当する教育機関は存在しなかったが、就職に特化した専門学校のような形で、初等中等教育を修了した者に限らず社会人も学ぶことができる学校が帝都に設立された。

新しい物を好む帝国ではあるが、リアルブルーとの交易が始まっても帝都の町並みは大きく変わらなかった。
仕事を求めて集まるより多くの住民を受け入れるため、城壁の周りを更に覆うようにして帝都は拡張していくが、リゼリオにナディタワーが建造された後も高層ビルなどが建てられることはなかった。
意外と「景観を守りたい」という国民の声が大きかったことが理由であると言われている。

正義の四大精霊であるサンデルマンは、邪神戦争の後に帝都から姿を消した。
帝国領のどこかにはいるとされているが、四大精霊という強い力が帝都に存在することを彼なりに危惧した結果であった。
血盟作戦の後、帝都に顕現した精霊らが消えてしまうことはなく、むしろサンデルマンが姿を隠したことにより、それぞれ好き勝手に生活を始める。
結果としてサンデルマンが見張っていないほうが(それぞれの精霊が自由であるほうが)人間との共存はうまく行っていたので、結果オーライと言えるだろう。

帝国は近隣諸国とは友好的な関係を堅守しつつ、しかしさらなる国益の追求に余念なく、ハンターズ・ソサエティと協力して汚染領域の開拓事業に力を入れる。
民主主義にせよなんにせよ、新しい考え方や技術を学ぶこと、それにより生活が高速で豊かになっていく「流れ」に振り回されっぱなしの国民はお互いに争っているヒマがなく、国内は安泰。国外の開拓に戦力を割くことが可能だった。
(争いそうな権力者は庶民議員として議会で騒いでいたので、それ以外はのほほんとしていた)

調査開拓部隊である「レクエスタ」と共に汚染領域の拡大に努め、その報酬として獲得した無垢の大地を国土とし、希望する開拓者を移住させた。
その中には元反政府組織の者たちも数えられる。
いくら国土と言っても周りに何もない世界に自分の街を作ってやろうという気概を持つ者は少なかったので、特に反対意見もなかったという。
帝国に民主主義の何たるかが定着し、議論が成熟し、皇帝というセーフティーがなくとも国家が回り出すまでには十年以上の時を要したが、「いや、むしろ早い方ですよ」とカッテは満足げであった。
民主化したなら「帝国」ではなくなるはずだが、騎士皇という制度は中身を変えながらその後も残り続け、「国の象徴」であるとかなんとか言われ、結局ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)は死後も形だけの永世帝位であり続けた。
つまり政治や国民の生活が変わった後も、名はゾンネンシュトラール「帝国」のままだ。
その後この国は長い開拓の歴史の中で、かつての王国がそうであったように、いくつかの小国へと分裂を繰り返したという。

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主要人物のその後

ヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)
暴食王ハヴァマールとの帝都決戦において戦死したものの、その功績を讃え形だけの永世帝位に就く。
死者を英雄視するのは帝国のよくないところではあるが、少なからず「死後も国を見守っているだろう」という願いが人々に勇気を与えた。
そのためか、この時期から仮面の女剣士の活躍が噂されるようになり、皇帝の生まれ変わりであるとか新たな英霊ナイトハルトであるとか根も葉もない噂が流れる。
彼女をモチーフにした創作で「この絶火剣が目に入らぬか!」という台詞が生まれ、国内で流行した。

ナサニエル・カロッサ(kz0028)
戦争犯罪者として色々な色々な余罪が追求され続けたが、時の皇帝の鶴の一声「もう数えるのも面倒だから懲役一万年」で決着。
本人の興味の問題もあってリアルブルーの技術を普及させる事業に就く。
意外と教育者の才能もあり後に教授と呼ばれるも、「トマーゾさんとキャラ被ってませんか?」と不満げだった。
ほとぼりが冷めた頃、ある日突然トイレに行くと言ってそのまま失踪し、結局見つからなかった。

カッテ・ウランゲル(kz0033)
終戦後も皇子として活動。国外に行きがちな姉に代わり、議会を支える。
錬金術師組合と連携して教育問題の解決に取り組み、後年には「帝国教育の父」と呼ばれた。
お飾りの皇帝から降りられなくなった姉を尻目に民間に下り、自らも教職に就く。
皇族と呼ばれなくなった後、20代でハンターの女性と結婚した。

リーゼロッテ・クリューガー(kz0037)
帝国とより密接な関係を結び、教育機関の設立に尽力する。
ある程度事業が軌道に乗った段階で錬金術師組合を去り、ナサニエル不在の錬魔院に入りそこで院長の座に就いた。
自らが大きな功績を残すことはなかったが、彼女が院長となった後の練磨院からは様々な才能が世に飛び立った。
やはりここも軌道に乗せると、院長をブリジッタ・ビットマン(kz0119)に譲り、失踪したナサニエル捜索に旅立った。

クリームヒルト・モンドシャッテ(kz0054)
帝国内に魔導列車による運送網を確立し、物資も人も自由に移動できるようにし、「レクイスタ」の活動にも大きく貢献した。
その過程で各地の権力者と争ったり、取り込んだりを繰り返して庶民議会内での勢力を拡大する。反発する側からは雑草を食べていたという逸話と必要とあらば誰とでも手を組むことから「悪食姫」と揶揄された。

ローザリンデ(kz0269)
庶民議会に精霊側の代表者として参加。
当初は精霊の意見の取りまとめやヒトとの共存を疎う精霊への説得に苦心した。
そのような状況で彼女は人間のハンターと結婚、夫婦でヒトと精霊を繋ぐ鎹としての生き様を示す。
精霊の本格的な政治参加まで些かの時を要したが、長き時を超えてようやく精霊はヒトの良き隣人となった。

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組織のその後

錬金術師組合
帝国政府直下の組織として再編しないかという提案もあったが、ほぼ帝国の一部のようなものではあっても国家権力とは一線を画すその立場を崩すことはなかった。
帝国における子供たちの教育は実は錬金術師組合にほとんど任されており、そのノウハウを求めたカッテ・ウランゲルとの「商談」により、学校の共同運営に乗り出す。
「錬金術は人の為に」という理念に基づき、ここで蓄積された技術やノウハウは帝国以外の国に広めるとし、帝国もそれを快諾した。

リアルブルーから技術輸入された薬物の運用やマテリアルエネルギーに変わる「電気」なるエネルギー、そしてマテリアル汚染の解決を目的に広く研究が進められる。

クロウ

エルフハイムと協力し、次々に強力な機導浄化システムを発展させ、その技術はハンターズ・ソサエティの開拓部隊「レクエスタ」にも提供された。

組合長のリーゼロッテ・クリューガーは錬魔院の再建と戦後処理のために組合を離れた。
次の組合長にはクロウ(kz0008)が指名される。
当人は気乗りしない様子だったが、他に適任者がいないことや終戦でハンター相手の仕事が減った事を理由に渋々承諾した。

ワルプルギス錬魔院
ハイパートップダウン組織だったため、ナサニエルを欠いてほとんどまともに機能しなくなる。
しかし、リーゼロッテが次の院長として就任。わずか1ヶ月程度で組織再編を行い、半年ほどで完全に機能を取り戻した。

錬魔院は帝国軍と結びついた「兵器の開発」を主とする組織であったが、戦後は過剰な兵器開発が不要となったため国防を目的とした帝都の改造計画や、開拓部隊向けの装備生産が主な活動となった。
兵器技術はよく見れば民間に利用できるものも多く、リーゼロッテはそういった既存技術をうまいこと売りさばく手腕に優れていた。
「武器を解体して街を作ろう!」というスローガンが掲げられ、帝都の防衛・警備は大きく自動化・強化された。

ブリジッタ・ビットマン

その後リーゼロッテがナサニエルを追って組織を去ると、ブリジッタ・ビットマン(kz0119)が院長となる。
ナサニエルほどではないが高い開発力とリーゼロッテほどではないが高い組織戦略で意外な才能を発揮した。
最終的には悲願であった「バイクと人型に変形する魔導アーマー」を完成させ、レクエスタに提供した。

エルフハイム
大長老ユレイテル(kz0085)の指揮下の元「開かれた森」としての時代が始まる。
図書館内に保存されていた古代文字の解析と編纂が終了し、存在する全ての情報が神霊樹ネットワークに登録された。
以降、書物担当の図書館員とは別に、ネットワーク担当として機導隊員と呼ばれる存在が森都内で生まれることになる。

機導浄化システムの発展協力の代価として外部技術の流入を望み、浄化術の研究が促進。
時間はかかったが、未完成だった通信楔も浄化媒体として、大容量カートリッジとしての機能を併せ持つほどにまで改良が進んだ。

最奥地オプストハイムには活動限界を迎えたエルフだけでなく、高齢者の為の保養所が建設された。
記憶を失ったままのマグダレーネが見守る中、巫女や元巫女達の献身的な対応によって運営されることとなる。
各地での周知策も功を奏したのか、徐々に精霊の力を取り戻したマグダレーネによって森都のマテリアルは清浄なまま保たれ続けた。
これにより、森都はリフレッシュ目的の観光地としての発展も遂げていく。

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