【未来】同盟のその後

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▼自由都市同盟の【未来】▼
 
 

自由都市同盟のその後

嫉妬王ラルヴァ

セスト・ジェオルジ

嫉妬王ラルヴァとその眷属との戦いから、間をおかずに起きた邪神戦争により、自由都市同盟も少なくはない被害を受けた。都市一つが消し飛ぶような被害こそなかったが、大規模な避難行動などは同盟の根幹をなす通商活動に多大な悪影響をもたらした為だ。
不幸中の幸いは、食料の大規模供給源であるジェオルジ領の被害が軽微に済み、領主セスト・ジェオルジ(kz0034)が食料取引価格の釣り上げが行われないよう、的確な対応を取ってくれたことである。
それでも数年は同盟領内の街道復旧費用分担割合での評議会の紛糾、復興に関係する大規模詐欺集団の発生、局地的な商品価格の釣り上げなどの騒動、事件があったが、復興が進むにつれて沈静化していった。特に商業に悪影響が及ぶ出来事については、後日綿密な調査が行われ、関係者が厳重に処罰された。

同時期に同盟軍ではブルーノ・ジェンマ(kz0100)元帥の旗振りで、大規模な組織改革が始まる。歪虚の脅威から同盟領と住民、ひいては主産業の商業を守るための組織でもあった同盟軍だが、最たる脅威が失せた後の世界に合わせた改革も必要となっていたのだ。 陸海両方の街道再整備に合わせ、特に陸軍の居留地の増加、海軍は艦隊の再編成が進められ、更に両軍にてユニット部隊の増強が図られた。また移動力の強化にも力が入れられ、緊急時には現場に迅速に駆けつけられるようになってきている。
問題点は、広大な同盟領内のあらゆる場所、特に街道と海路から、天災、人災を問わず緊急事態発生の報をどう素早く受けるのかで、これについては新たに研究機関が設立される模様である。リアルブルー技術の転用が目指されている様だが、魔術師協会とも協力体制を組んでおり、どんな技術がお目見えするのか、軍人内での賭けの対象にされているらしい。
組織改革が一段落してからは、新たな組織に合わせた軍内の人員養成課程が組まれ、軍人達からはその内容に高評価が得られている。特に特機隊から再編成されたユニット部隊は少年達の憧れとなり、これまで海軍優位だった住民からの人気に一石を投じることになった。 その後、生体ユニット部隊が一般市民への軍活動の広報活動に引っ張りだこになり増設となることは誰も予想しておらず、急な決定に軍の予算編成会議が狂乱状態に陥ったという笑い話はどうやら事実らしい。

評議会にも、多少の変異はあった。
邪神戦争と前後して、新たに同盟に加入したユニゾン島はエバーグリーン出身の英霊が仮の代表を名乗る小規模都市だが、他にない技術を持っていることでひそかに注目された。非常に特異な法令を敷く都市のため、率先して技術提供を持ちかける都市はなかったが、友好関係を取り結んだ商会には様々な都市の関係者が接触を持っているようだ。
復興事業、同盟軍再編の監督、新規加入都市の保護等で多忙を極めた評議会議長のラウロ・デ・セータ(kz0022)が、最初の辞任希望を表明したことは評議会以外でも大変な話題になった。結局のところ、彼に代わる議長が見いだせないままの辞任は評議会が認めず、強い慰留を受けて、ラウロがそれからしばらくの間も議長職に留まった。
次の議長について、すぐさま有力都市や野心豊かな権力者が支援者集めを始めたが、どういうことかポルトワール都市統合本部の代表ロメオ・ガッディ(kz0031)の名前が挙がるようになり、当人が一番驚いていたそうだ。誰が彼を推挙したのかは謎となっているが、『お年寄り達に手を組まれては逆らえる奴はいない』とは、某都市の議員の言葉である。

王国歴1020年代後半になって、ヴァリオス商工会から同盟評議会に『同盟内の新たな通商網としての鉄道敷設計画』が提案された。まずは同盟内の有力都市とそれらを結ぶ路線上の地域を、リアルブルーの技術や経験を取り込んだ鉄道網で結び、物流の更なる活性化を図ろうとする計画は実現性が疑われつつも、前向きに検討されることになった。
検討中でありながら、すでに鉄道網そのものや駅の配置について、すでに各都市間では壮絶な駆け引きが始まり、新議長ロメオの胃の痛い日々が続いている。

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主要人物のその後

ドメニコ・カファロ(kz0017)
魔術師協会が各地から集めた情報解析部署の設立にあたり、自由都市同盟はじめ関連する各国、組織との調整役として活躍した。
その後、広報部長の役をユージィン・モア(kz0221)に押し付け、一般の魔術師に戻る。以降はグラウンド・ゼロの遺跡調査に出向いたり、友人のラウロ、イザイアとの交流を楽しんでいる。

ラウロ・デ・セータ(kz0022)
邪神戦争の後、歪虚の被害程度に差がある同盟各地の復興に要する資金拠出割合で喧々囂々となった評議会を辛抱強く導き、結果として早期の復興を成し遂げた。
復興事業の終結とともに議長の地位を退こうとしたものの、議会の大反対により果たせず、議長就任歴最長記録を更新し続け、七十歳を前にようやく引退出来た。
その後は政治とは関係を持たず、ゆったりと隠居生活を送っている。

ロメオ・ガッディ(kz0031)
同盟軍の再編、改革が始まり、都市統合本部内の受注争いやダウンタウンの反発などで胃の痛い日々を送っていたが、ある日突然、自分が同盟評議会議長職に推薦されていると知り、数日寝込んだ。
回復後も特に議長職に野心は見せなかったが、ラウロの跡を継いで評議会議長に就任した。

ブルーノ・ジェンマ(kz0100)
邪神殲滅後、歪虚の脅威は減少したが、自由都市同盟全体および海路、陸路を問わず活性化していく国内外の通商路の安全保障の重要度は増したとして、軍全体の組織改革に着手。当初は艦船や車両、ユニット類の部隊増強に力を入れ、後に士官、兵士の養成課程も強化した。
同盟の治安維持の礎を築き、発展を支えたと評価されている。

イザイア・バッシ(kz0104)
邪神殲滅で被害を受けた同盟軍の再編を支援し、新体制に移行したのを見届けた後、同盟軍名誉大将と陸軍顧問の地位を返上、黒狐塾も後進に任せて隠居した。
という事になっているが、その後も彼を慕う人々の訪問は引きも切らず、的確な助言などで同盟軍を支援し続けた。

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組織のその後

魔術師協会

ジルダ・アマート

ユージィン・モア

同盟の都市ヴァリオスにて、以前と変わらず魔術師の属する結社的組織として存在している。
嫉妬王ラルヴァ、その後の邪神との戦いの後、しばらくの間は同盟各地の復興やグラウンド・ゼロなどの調査に多数の魔術師を送り出していた。特にグラウンド・ゼロで散見される遺跡の調査に熱心だったとは、当時の協会広報部も認めていた。
反面、遺跡からの発掘品を組織的に無断で持ち帰っているとの批判は事実無根と突っぱねたが、その後も延々とこの疑惑は囁かれ続けている。

王国歴1023年、協会内に遺跡や嫉妬王の封印場所からの集めた情報、遺物の解析を行う専門部署が設立された。責任者を協会長のジルダ・アマート(kz0006)が兼任しており、設備も人員も相当の規模となっている。ジルダは設立目的を負のマテリアルの封印、または浄化に使用可能な魔術の発見と語った。
研究成果の一部は公開されているが、あくまで解析された内容であり、新たな魔術の出現とはなっていない。

なお、この研究に協会長自らが率先して取り組んでいるため、現在の魔術師協会の『顔』は前任のドメニコ・カファロから広報部長を引き継いだ(押し付けられたとの説も根強い)ユージィン・モア(kz0221)となっている。

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