ゲスト
(ka0000)
Costumes war
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~15人
- サポート
- 0~15人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/04/29 19:00
- 完成日
- 2018/04/30 08:20
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
とある日の冒険都市リゼリオ――。
ハンターズソサエティ本部(ハンターオフィス)にて。
そこに青色のHS(ハンターズソサエティ)受付嬢の制服を身に纏い、大きな荷物を背負った少女の姿あった。
少女は黒く艶やかで美しいツインテールの髪を揺らし、鼻歌交じりに歩き、受付までやって来る。
それに気づき、HS本部の受付嬢が恭しく対応した。
「いらっしゃいませ。本日はどういったご用件で……って、クラヴィーアじゃない!」
HS本部の受付嬢は、ツインテの少女の顔を見て思わず大きな声を出す。
ツインテの少女、クラヴィーア・キルシェ(kz0038)はにこりと微笑み「久しぶり♪」と答える。
「ホントに久しぶり……。一体どうしたの? その大荷物……あなたも本部勤務になったの?」
クラヴィーアと現在対応中の受付嬢は同期であった。ちなみにクラヴィーアは辺境のHS勤務である。
「残念ながら違うのよ。今日は依頼があって来たの」
と、クラヴィーアは言う。「あ、だからわざわざ受付に……」と受付嬢は納得した。
背中の大荷物はわざわざ辺境から出張って来たためであった。
「ところでその依頼内容は?」
「それはこれを読んでみて」クラヴィーアはファイリングされた分厚い書類を受付にどかん! と置く。
「…………こ、これは! ……本気なの!?」
受付嬢は書類をパラパラとめくり……驚きの表情を浮かべ、クラヴィーアの顔を窺う。
「本気も本気。以前フェチシズム溢れる依頼を出したことがあったんだけど、そこそこに好評で……それがとある有力者の目に留まったらしくてね」
ふふん♪ と自慢げなクラヴィーアは続ける。
「今回はリゼリオで大々的にやろうと思って。――この依頼、通るよね? もちろんスポンサーが付いてるから報酬も出るし」
「ま、まあ……お祭りみたいな感じだし、大丈夫だとは思うけど……」この街はお祭り好きな気質もあるから、と受付嬢は答える。
それを聞いたクラヴィーアは楽しそうに、優雅にその場でくるくると舞いながら言葉を紡ぐ。
「世の中にはね、素敵な衣装がたっくっさーん! あるのよ! 古式ゆかしい『メイド服』、伝統文化『巫女装束』、戦場の天使『ナース服』、SFには欠かせない『ぴっちりスーツ』等々!」
そしてクラヴィーアはこの言葉でこの場を締め括る。
「それら多様な衣装の頂点を決める――【制服大戦】! ――ここに開幕です!!」
ハンターズソサエティ本部(ハンターオフィス)にて。
そこに青色のHS(ハンターズソサエティ)受付嬢の制服を身に纏い、大きな荷物を背負った少女の姿あった。
少女は黒く艶やかで美しいツインテールの髪を揺らし、鼻歌交じりに歩き、受付までやって来る。
それに気づき、HS本部の受付嬢が恭しく対応した。
「いらっしゃいませ。本日はどういったご用件で……って、クラヴィーアじゃない!」
HS本部の受付嬢は、ツインテの少女の顔を見て思わず大きな声を出す。
ツインテの少女、クラヴィーア・キルシェ(kz0038)はにこりと微笑み「久しぶり♪」と答える。
「ホントに久しぶり……。一体どうしたの? その大荷物……あなたも本部勤務になったの?」
クラヴィーアと現在対応中の受付嬢は同期であった。ちなみにクラヴィーアは辺境のHS勤務である。
「残念ながら違うのよ。今日は依頼があって来たの」
と、クラヴィーアは言う。「あ、だからわざわざ受付に……」と受付嬢は納得した。
背中の大荷物はわざわざ辺境から出張って来たためであった。
「ところでその依頼内容は?」
「それはこれを読んでみて」クラヴィーアはファイリングされた分厚い書類を受付にどかん! と置く。
「…………こ、これは! ……本気なの!?」
受付嬢は書類をパラパラとめくり……驚きの表情を浮かべ、クラヴィーアの顔を窺う。
「本気も本気。以前フェチシズム溢れる依頼を出したことがあったんだけど、そこそこに好評で……それがとある有力者の目に留まったらしくてね」
ふふん♪ と自慢げなクラヴィーアは続ける。
「今回はリゼリオで大々的にやろうと思って。――この依頼、通るよね? もちろんスポンサーが付いてるから報酬も出るし」
「ま、まあ……お祭りみたいな感じだし、大丈夫だとは思うけど……」この街はお祭り好きな気質もあるから、と受付嬢は答える。
それを聞いたクラヴィーアは楽しそうに、優雅にその場でくるくると舞いながら言葉を紡ぐ。
「世の中にはね、素敵な衣装がたっくっさーん! あるのよ! 古式ゆかしい『メイド服』、伝統文化『巫女装束』、戦場の天使『ナース服』、SFには欠かせない『ぴっちりスーツ』等々!」
そしてクラヴィーアはこの言葉でこの場を締め括る。
「それら多様な衣装の頂点を決める――【制服大戦】! ――ここに開幕です!!」
リプレイ本文
●制服大戦
クラヴィーア・キルシェ(kz0038)が冒険都市リゼリオにあるハンターズソサエティ(HS)本部『ハンターオフィス』に依頼として持ち込んだ案件。
【制服大戦】――それに開始時点でエントリーしているのは――
クラヴィーア本人が率いる【メイド王国】。
前髪ぱっつん黒髪ロングストレートの清楚系受付嬢が率いる【巫女巫女教団】。
ツンとした雰囲気の赤髪ショートヘアの美人受付嬢が率いる【ナース服総合病院】。
HS本部一のグラマーなボディを誇る美人受付嬢が率いる【ぴっちりスーツ同盟軍】。
そしてハンターが立ち上げた新規勢力――
ゾファル・G・初火(ka4407)が率いる【ホットパンツ連盟軍】。
アクエリア・ルティス(ka6135)が立ち上げ、サクラ・エルフリード(ka2598)が率いる【ビキニアーマー騎士団】。
ヘルヴェル(ka4784)が率いる【ボンテージ同好会】。
【制服大戦】に参戦する勢力が出揃い……いよいよ――熱い戦いが幕を開ける!!
●メイド王国
メイド服勢力本部――。
「クラヴィーア、メイド王国の近衛隊を志望させて貰うよ、よろしくね」
アピール受付嬢を務めるクラヴィーアに紅咬 暮刃(ka6298)が挨拶。
「早速だけどボクの分のメイド服はあるのかな?」
「もちろん用意してありますよ」とクラヴィーアは答える。事前に顔を合わせていたのでサイズはぴったりのはず。
「あ、下着は自分で揃えるよ。見えないところにも気を遣わなくっちゃね」
「あらそうですか」とクラヴィーアは少し残念そう。せっかくレースの下着(女物)を用意していたのに。
そしてクラヴィーアは「そういえば近衛隊って?」と問う。
「え? 何を言ってるんだって? メイド王国の近衛隊がメイド服を着るのは当然のコトだろう?」
「それはまあ当然です。そのためにあなた専用の『ミニスカメイド服』を用意したのですから」とクラヴィーアは自慢げに言う。
「ふむ、ミニスカか……。これじゃぱんつ見えてしまうじゃないか!」
しかし暮刃はまんざらでも無さそう。
「さて、メイド服を着るからには心もメイドになりきらなきゃね。男言葉なんて喋ってちゃいけないな……」
クラヴィーアに手伝ってもらい、着替え――と、メイクを終えた暮刃は街へ乗り出しメイド王国のアピール活動!
***
「こんにちは~そこのご主人様v メイド長のクラヴィーア率いるメイド王国をよろしくおねがいしますにゃん!」
とても可愛らしい妹系メイドがそこに居た。
「あたしぃ、こういうの着るのはじめてでぇ、どっかおかしくないですかぁ?」
呼び止められた男性はデレデレな表情で「大丈夫だよ~君、可愛いねぇ~」などと鼻の下を伸ばす。
「らいばるのひとたちってぇ、みんなお胸おっきいひとたちばっかりでぇ、くー(※暮刃)ちょっとくやしいですぅ!」
また別の男性は「君みたいな発育途上の女の子も需要があると思うよ~」とデレデレの表情。
「おにいさんたちもぉ、お胸おっきいひとのほうがぁ、いいですかぁ?」
クラヴィーアが見たら引くかもしれないくらいにノリノリの暮刃。
髪留めは大きな赤いリボンに替えており、今の暮刃は妹系ポニテメイドさんだ。
それから暮刃は……『男の娘』ではなく『美少女メイド』と思わせるように振る舞い、ギリギリの色仕掛けでアピール!
絶対領域を活かし生脚チラ見せ! ギリギリパンツが見えないくらいに!
「クラヴィーアさぁん、優勝しちゃいますよぉ!」
●巫女巫女教団
「何だかよくわかんないけどお祭りっぽいから参加したら、制服大戦かぁ……あえて選ぶなら……巫女装束かな?」
知らないうちに【制服大戦】に巻き込まれていたノノトト(ka0553)。
「巫女服が黒くて長い髪に一番似合うと思うんだ。アピール受付嬢も長い髪だよね。だから、巫女衣装」
彼は巫女巫女教団のアピールサポートを選択。
そんなわけで、巫女装束勢力本部――。
「いらっしゃいませ、ノノトト様、お話は聞いております。アピールのお手伝い、よろしくお願い致しますね」
恭しく礼をする巫女装束姿の、切り揃えられた長く美しい黒髪の清楚な少女。
――まあこの子はHSの受付嬢。業務の一環で巫女をやっているのだが。
「うん、よろしく。なんかね……落ち着くんだ。巫女さんだけ緊張せずにお話できる気がする」
「そうでしょうか。そう言っていただけると嬉しいです」
少女は優しくにこりと微笑む。
「それって大事なことだと思う。特別だけど特別じゃないっていうか……」
ノノトトが言葉を続けようとするところで「あ、すみません。お願いがあるのですが――」と少女が切り出してきた。
「…………え? 他の衣装にアピールする人数で負けてる? だからってぼくが着ることないじゃないかーー! 巫女衣装ーーーー!!」
哀れノノトトは他の女性巫女スタッフに裏へ連行されて行った……。しばらくして。
「……三つ編みにしてて髪長いけどさ!! 女の子じゃないのに巫女っておかしいでしょ……」
そこには立派な巫女さんとなったノノトトの姿が!
「何か都合よく詰物『オオイ・ナル・ヤスラ・ギ』があるし……」
正確には『ロリ巨乳巫女さん』といったところか。外見的には注目度抜群だ。
「請けたお仕事はきちんとこなすのがハンターだからやるけど……巫女さんっぽいアピールはどうすれば……」
巫女装束姿のノノトトはう~~~~むと考えた後、
「ええと、ぼくも符術師の端くれだ。見に来る人に【占術】で占いなんて出来ないかな?」
と、いうわけで、『ロリ巨乳巫女さん』ノノトトは街に出てスキルを活かし、占いをしてアピールすることに。
……そこにはけっこうな行列が出来ていたそうな。
***
「この世界で巫女といえば、聖地の巫女なのですっ」
一方で、リアルブルーや東方の巫女ではなく、白龍を信仰するクリムゾンウェスト・辺境の地由来の巫女推しのUisca Amhran(ka0754)。
「辺境地域の聖地で白龍さまを祀る巫女の一人として言わせてもらいます。クリムゾンウェストで巫女といえば、断然私たちなのですっ」
彼女は「聖地に巫女ありと認知させるよっ」と意気込んでいる。
「これは聖地に伝わる由緒正しい巫女の正装なのです」
清楚な巫女のイメージと薄いヒラヒラな布の衣装とのギャップ――それを売りにしたいようだ。
「白龍さまや幻獣王のチューダさんも大満足な衣装なのです!」
……白龍はいいとしてもチューダの場合は下心ありありな気もするが……。
ちょうど休憩に戻ってきた巫女装束のアピール受付嬢にもヒラヒラな純白の布のクリムゾンウェスト式巫女装束を着せてみる。
「わぁ、とってもお似合いなのです!」
「そうでしょうか?」
はにかむ黒髪の受付嬢。
***
それからUiscaは街に出て、アピールを行う。
「皆さまに聖地の巫女の歌舞を披露いたします」
人の多い場所で邪魔にならないところを見繕い、歌唱と舞踊スキル駆使し、平和の祈りを込めた歌舞を披露する。
清廉な純白の衣装がヒラヒラしており、歌舞にとても栄える――。
また、Uiscaは皆への気配りも忘れない。
巫女勢力以外の参加者、及びスタッフにもUiscaの部族の郷土料理・雉鍋を振る舞い、聖地のお土産として人気の白龍さまサブレを差し入れする。
「これは巫女としてご奉仕なのです!」
程良い胸を張る白龍の巫女・Uisca。
「少しは巫女の認知度もあがったでしょうか……?」
リアルブルー&東方系の巫女装束と、クリムゾンウェスト・辺境系の巫女装束の認知度は双方ともかなり上がったと思われる。
まあ、クリムゾンウェストの地であるからして、リアルブルーや東方出身の市民でなければ後者のほうが馴染み深いだろうが。
●ホットパンツ連盟軍
ホットパンツ勢力――こちらは二人とも既に本部を離れ、街でアピール活動を行っていた。
「へぇ、ホットパンツは衣装じゃねぇって? メイド服や巫女のように全身を纏うものじゃないとコスチュームとは言えない?」
ボルディア・コンフラムス(ka0796)は街頭に立って演説中。彼女はお尻や股に食い込みの激しいホットパンツ、更にトップスもすごく露出が多い格好。
「ほうほう、なるほど。確かに一理あるかもなぁ。……だがそもそも、お前等別に服を見て喜ぶワケじゃねぇだろ?」
何事かと立ち止まる人々が増えてきた。そして露出が素晴らしいボルディアの姿に目を引かれる――。
「マネキンがビキニアーマー着てたって何にも面白くねぇもんな。生きた人間が着るから衣装ってのは輝くんだ!」
と、言い放ち、ポージングを決める。鍛え上げられた肉体美を『魅せる』!!
「じゃあ、俺みてぇな身体鍛えてる女は何を着ればいい? 全身を隠す衣装はダメだ。俺の筋肉が見えねぇ」
観衆から「それはダメだ!」「その筋肉は見せるべきだ!」「もっともっと見せ付けろ!」との声が上がる。盛り上がって来た。
「衣装ってのは着る人間を輝かせるモンだ。そして、これは俺の持論だが、一番イイ女ってのは鍛えてる女だよ」
ボルディアは【マッスルトーチ】や【アブソリュート・ポーズ】で更に衆目を集める。鍛え抜かれた自分の腹筋や太腿を強調!
「その肉体美を! イチバン魅せる衣装は! ホットパンツになンだよ!!」
声を大にするボルディア。いつの間にか集まっていた人だかりから歓声が上がった。
***
「俺様ちゃんは喧嘩上等ご用達のスタイルを推すじゃん。即ち、タンクトップ&ホットパンツ」
ゾファルは公園で演説中。こちらはシャドーボクシングをしながら。
「俺様ちゃん、露出が多ければ多いほど最強な流派の人間だから、本当は水着か下着で行きたいところだけれど、なんでか公の施設はそれじゃ入れてくんないんじゃん?」
立ち止まって話を聞いているおじいちゃん達からは「まあそれはねぇ」「お嬢ちゃんかわええのぅ」「お腹をさすさすさせて欲しいのぅ」などと声が上がる。
とんだスケベジジイ共である……。「お腹冷えそー」「でもキュートじゃない?」といった若い女性の声もあった。
「じゃあどうするかっていうとこうなった非常に実用的なスタイルじゃん。その点、タンクトップ&ホットパンツは水着に近い覆い度でありながらもガードは堅牢」
ゾファルは市民の注目が集まって来たところで『タンクトップ&ホットパンツ』の魅力を推して行く。
「かつ肌にも適度にフィットするから動きの邪魔にはならねーし、喧嘩の時でも相手に掴まれることもねーから」
これには民衆はちょっと引き気味……。
「ヒュッヒュー、誰でもいいから俺様ちゃんと喧嘩しねー?」
シュッシュッ! と拳を突き出すゾファル。それを受け止める者があった。――合流したボルディアだ。
「おーやってるじゃねぇか。調子はどうだ?」
「この公園はスケベジジイが多いじゃん。俺様ちゃんのヘソばっかり見てるじゃん」
「じゃあちょっとばかし喧嘩……は青タン作るのはアピールに支障が出るな。ちょっくら組手でもすっか」
「おっけーじゃん! 病み上がりの肩慣らしじゃん!」
そう言って二人は組手を始める。――高レベルの覚醒者同士の鋭い拳や蹴りが飛ぶ。それは、一般人からすればすごく迫力があるものだった。
●ビキニアーマー騎士団
ビキニアーマー勢力本部――。
「アクエリアよ。アクアって呼んでね!」
立ち上げた本人であるアクエリア(以下アクア)が元気に挨拶。
「ヘル(※ヘルヴェル)がなんか新勢力を立ち上げたから、こっちも立ち上げるわ!」
ビキニアーマー勢力はヘルヴェルに対抗して立ち上げられたものらしい……?
「ビキニアーマー騎士団! なんでビキニアーマーかって? かわいいからに決まってるじゃない!」
元気いっぱいに声を張り上げるアクア! だがしかし! 作戦はノープランであった!!(ババーン)
「……何故私はここにいる……。気が付いたらここにいた……」
エメラルド・シルフィユ(ka4678)は側頭部に手を当てる。
「ビキニアーマー……。いや、私の服がそう呼ばれていることは知っているが……」
自覚……というか認識はしていたらしい。
「これは我が家に伝わる儀礼服であって、そういうイロモノ的呼ばれ方は不本意であるのだが……」
イロモノ……とまではいかないだろう。リアルブルーの創作物でもビキニアーマーは古くから存在し、かなりの知名度を得ている。
「大体……なんだ? 人気取り……? そういうのは苦手なんだが……」
エメラルドは今回の【制服大戦】にまだ乗り気ではないようだ。無意識に身体がこの勢力へ引き寄せられ、参加してしまったゆえ。
「……いや、人々に慕われるのが聖導士としての在り方なのであれば苦手などとは言ってられないのか……」
そんなわけでエメラルドとアクアはアピール活動をするために街へ出向く。
もちろんビキニアーマー姿で。まあ、この二人の場合は普段からしてビキニアーマーなのだが。
ちなみに団長であるサクラは既にアピール活動へ出ていた――。
***
「そ、そうだ。これは奉仕活動だ……。奉仕活動……奉仕活動……」
エメラルドは街に出ると自分へ、そのように言い聞かせながらアピール活動を行う。
普段と変わらない姿なのだが……看板を掲げて強調されると気恥ずかしい。
当然ながらビキニアーマーは『ものすごく目立つ』ので衆目に晒される。
エメラルドは市民の視線を受けまくってびくんびくん。しかしそれがだんだんと快感に変わっていったのか、
「写真一枚、いいっすか?」
といった魔導カメラや魔導スマホを手にしたハンターらしき男性達に囲まれると自然にポーズを取ってしまう。
アピール活動が活発になっていくにつれ、段々ノリが激しくなり……ちょっぴり過激なポーズなんかも取ってみちゃうエメラルドだった。
サクラ自前の赤いビキニアーマーを着込みアピール活動中。
ビキニアーマーマイスターになる為、これも勉強……と考える。
「動きやすいのに守る所はしっかり守れる。そして見た目もいい……。騎士の着るものとしてはとても良い物ではないでしょうか……」
めっちゃガン見されると流石に恥ずかしいと思いながらも、ビキニアーマー姿で街を歩きアピールする。
「体型に関わらず着る事が出来(?)、色も各種取りそろえ好みのを選べ、マントを付けたりアーマーのサイズを変えてアレンジも出来る」
ついでに人が集まっているところを見つければ、ビキニアーマー愛を語る演説を行う。
「そして防御性能もそれなりにあるにも関わらず動きを制限せず動きやすい」
サクラは拳をぎゅっと握る。
「更にサイズを合わせれば激しく動いても安心。そんないい装備を着ない理由があるだろうか? いや、ない」
断言。……最初はじっくりと語り、興味を持って貰えれば前のめりになって語り始める。
……いやあ、どちらが前のめりなのだかわからんですな……(?)。
「女性向けの物に思えますが、男性でも着ている方はいますし、男性でも問題ないですよ……」
流石に男性のビキニアーマーは厳しいと思われる……。
「ビキニアーマーに興味ありますか……? 良ければ試着してみませんか……? 色も形も多種取り揃えてますので……」
女性が興味を持つようであれば試着を進めてみる。
「激しい戦闘時でもズレたりはしませんよ……」
ビキニアーマーを着用しているサクラ自身が激しい動き(意味深)をし、試着への抵抗感を少しでも緩和してゆく。
「ビキニアーマーのどこがいいかって? かわいいでしょ!?」
アクアもビキニアーマー愛を街頭で熱く語っていた――。
「揺れる胸! 伸びる生脚! 何より他の勢力にないウリは例外無くヘソ出し!」
お腹のラインと腰のくびれで市民達を直接攻撃! 水着みたいだけど水着ではない。戦闘服としての色気を誇示!
「どう? どの衣装がいいと思う? ほら、ちゃんと見て! 似合ってるでしょ? ちゃんと見なきゃわからないでしょ!」
他の陣営とすれ違うと、市民に対し天然の色気を振りまいて対抗するアクア。
「ね? かわいいでしょ? この鎧のデザインとか色とか気に入ってるの♪」
そして多数の男性達にガン見されていることに気付く。
「…………な、何見てんのよ! エッチ!!」
『ちゃんと見て!』と言われたのに『エッチ!』と罵られるのは理不尽では無かろうか。
いや、しかし、ビキニアーマー美人のアクアに『エッチ!』と罵られるのならば男性達も本望かもしれない……。
それからアクアは本部に戻り、休憩中の仲間を鼓舞する。
「ここまでやったんだから、サクラ! エメラルド! 勝つわよ!!」
アピール活動を続けていくうちに、ビキニアーマー三銃士の間に友情が生まれ始めていた……。
***
さて、この後すぐビキニアーマー騎士団は舞台上でのアピールとなる。
舞台裏――。
「ビキニアーマーには剣だな」
自分の普段着をビキニアーマーと呼ばれることに難色を示していたエメラルドだったがついに自分で言ってしまった。大分感化されたらしい。
そしてエメラルドは他のサクラとアクアにもにも帯剣を促す。これから舞台上で演舞を行うのだ。安全対策はばっちりなので大丈夫。
「他の服装と違い、この姿は帯剣して初めて完成。女性ハンターの正装だ。神に祈りを捧げる為の神聖な衣装、敗北は許されん」
などと、エメラルドはビキニアーマー愛を語り、仲間と確かめ合い、いざ! 舞台の幕が上がる。
観客を巻き込まないように注意して位置取りをし、サクラやアクア達と共に剣舞を披露する。
三人が舞台上を華麗に移動し、剣と剣が激しく打ち合う。
「この為にもこの衣装の美しさが必要なのだ」
さながら踊り子のように……美しく……艶やかに……。されど騎士の勇ましさも兼ね備える……。
最後に三人が剣を掲げ、打ち合わせると、客席から歓声が上がった。だが――
エメラルドの剣を、サクラとアクアが弾き飛ばした。二人はニヤリと笑みを浮かべる。
「な、なにを!?」
すると舞台裏から覆面の男達が出現! 皆屈強で歴戦のハンターと思われる……! そして男達はエメラルドを羽交い絞めに!
「な、なんだ……お前達は!? くっ、離せ……離さんか!!」
ジタバタと抵抗するエメラルドだったが屈強な男には敵わない! くやしい! でも……!
「さては……私を慰み者にするつもりだな……? そうなのだろう……? 外道め……!」
エメラルドは瞳に涙を浮かべ、歯を食いしばる。
「だが――そんな風にされるくらいなら……くらいなら――」
屈強な男に羽交い絞めにされたまま、エメラルドは大きく息を吸い込み、
《くっころ!!》
そのような声が舞台上に大きく響いたのだった。
……舞台を降りてから言い放った本人が激しく後悔したのは言うまでもない。
●ボンテージ同好会
ボンテージ勢力本部――。
そこに居るのはヘルヴェル(ka4784)、葛音 水月(ka1895)、金糸雀(ka6409)の三名。
「ヘルヴェルと申します、よろしくお願いいたしますね?」
柔らかな口調で挨拶するのはヘルヴェル。ボンテージ同好会を立ち上げた本人。
「金糸雀ちゃんは来てくださってありがとうございますね♪ 水月くんもありがとうございます♪」
(あ、ちなみに、お二人はナンパしました!)――そういうことらしい。……ナンパ?
『お手伝いを募集してます~と声をかけて、そこの可愛いお嬢さん、あたしを手伝ってくれませんか?』
と言ったら手伝えるのならといってくれた金糸雀ちゃんと、戸惑う金糸雀ちゃんを見て、声をかけてくれた水月くんですね~と、ヘルヴェルはにこり。
「お二人とも今回はよろしくお願いしますね~」
ヘルヴェルは二人の顔を見て微笑を浮かべている。
金糸雀――今回の依頼を、衣装を試着できるお祭りと勘違いして来た人。
「色々な服を、着れると思って来たけど……なんか違ったのです」
どうしようかとウロウロしてたら、ヘルヴェルに声をかけられ、手伝えるならと思い、付いて行き――
そこで水月と遭遇して一緒にヘルヴェルの元へやって来た次第。――そこが【ボンテージ】勢力の本拠地とは知らずに。
「“ぼんてーじ”って、なんだろう……?」
首をかしげてきょとんとしている金糸雀を見て、水月は心配に。
「ええ、と……ホントに大丈夫?」
(HSの談話室でもすぐ人見知りするのに大丈夫なのかな……)
しかし、水月は心配と共に色々な衣装を見てみたい……という気持ちもあった。
特に金糸雀のボンテージ姿など滅多に見られるものではない。もしかするとこれが最初で最後かもしれないのだ。
ゆえに彼は、心配はするものの、止めはしなかったのである。
「ま、まあ……僕は以前から金糸雀さんが人見知りでも交流を頑張っているのは知っているから、やるというのなら全力で応援をするよ」
水月は今回、ボンテージ派のサポートとしてお手伝い的ポジションになる。――彼のボンテージ姿を見たいという人はいねがー?(どこへ向けた語りかけか不明)
***
ヘルヴェルは既に過激目なボンテージ姿だったので、先に別行動で街へ出て、アピールタイム。
……金糸雀はこの後のステージでのアピールに参加してもらう。水月は金糸雀のサポート。
「あたしが推すのはボンテージ系、ボンテージ風と申しましょうか?」
そんなこんなで、街へ出たヘルヴェル。本部を出た直後から道行く人々の視線を当然ながら集める――。
――それもそのはず、今回エントリーした衣装の中でボンテージが最もセクシーなのだ。
露出度的にはビキニアーマーやホットパンツも同程度だが……黒レザーのボンテージ姿となれば話は違う。
増してやグラマーで色気溢れるヘルヴェルが着るのだ。これで視線を集めないはずがない。男性は元より、女性の視線をも釘付けにする――。
……人が集まる場所を探していたヘルヴェルだったが、自然と自分の周りに人が集まって来た。なので、軽くセクシーなポーズを取りながら、演説開始。
「ボンテージはぴっちりスーツに近いと言えば近いのですが、少し違うのが露出度が高めということでしょうか」
ヘルヴェルは多数向けられるカメラに視線を送りながら話を進める。
「キュッと引き締めることで身も心も引き締まりますし、何より魅惑的で蠱惑的でしょう?」
言いながら片目を瞑り、投げキッス。ぷるんとした唇に引かれた真っ赤なルージュがまさに蠱惑的!!
「ガーターベルトとストッキング、それにロングピッタリブーツ、それぞれの間に生まれる肉の谷間、硬質な中に柔らかなそれが見え隠れするのが、スーツとの大きな違いでしょうね」
語り終えて、ヘルヴェルはウフフと妖艶な笑みを浮かべる。見物していた男性達が一斉に前屈みになったのは言うまでもない……。
***
さて、舞台アピールまで一時間程となり、ヘルヴェルが戻って来たのでそろそろ金糸雀もボンテージにお着替え。
金糸雀はボンテージ初体験。
「ピッタリで良いのかな……?」
と思ったのでヘルヴェルに「なるべくピッタリのほうが良い」と事前にリクエスト。ヘルヴェルはその通りにボンテージ衣装を用意してくれた。
――これが後にあんなことへ繋がるとは……この時の金糸雀には知る由も無かった。
ヘルヴェルが手伝って、金糸雀はボンテージ衣装に着替える。
金糸雀が着用するのはピッタリロングブーツにガーターベルトとストッキングはヘルヴェル同じだが下はレザー製のピッタリホットパンツ。
胸元は編み上げのコルセット系となっている。……しばらくして、着替え完了。水月にお披露目。
「ぴったりと締め付ける黒い光沢や硬質さと一転肌の柔らかさはセクシーで魅力的だよね」
二人の身体を舐めるように見た後、水月はこのような感想を述べる。
「ヘルヴェルさんな本人の持つ大人の女性の雰囲気をより強めて主張してくる」
「ウフフ、ありがとうございます」
「カナリアさんは可愛らしさとボンテージの色っぽさのギャップがまたたまらなく良い」
「…………あの、えと……その……ありがとう、です……」
ヘルヴェルはまたも妖艶な笑み。金糸雀はおろおろしつつ恥じらいで顔真っ赤。……予想以上にピッタリしていて困惑しているらしい。
***
舞台裏に移動――。
水月は金糸雀をカバー出来るようにヘルヴェルとステージ上での動きについてしっかりと最終的な打ち合わせを行う。
打ち合わせを終えると、やれるのは緊張を和らげるくらい……ということで、金糸雀の要望で彼女と手を繋ぐ。
「じゃあ、いこっか。準備はいい?」
「大丈夫、大丈夫……私は、出来る」
スタッフから「まもなくでーす」との声。
水月の手をギュっと握って落ち着こうとする金糸雀。水月もギュッと握り返す。
そうして三人はスポットライトを浴びながらステージ上へ。
ちなみにボンテージ姿の二人に合わせ、水月の服装は黒服ベストである。
さっそくアピールタイム。ヘルヴェルは用意されたポールを巧みに使い、大胆にダンスを披露する。
金糸雀は精一杯セクシーなポーズ。衣装がピッタリしてるため、激しくない動きを心掛け、お客さんの注目を集めようと頑張る。
(ここで、このポーズ……なるほど)
客席から「可愛いよー!」などと声が飛ぶと金糸雀は思わず赤面。隣で待機中の水月の手をまたギュっと握る。
客の大半の視線はヘルヴェルに向けられているが、一生懸命ポーズを取る金糸雀にも声援が送られていた。
……そして数分間のアピールタイム終了。三人は舞台を降りる。
ヘルヴェルは客席に手を振りながら、続いて水月はヘルヴェルと固い握手を交わした後、先に降り、金糸雀をエスコート。
差し伸べられた手を金糸雀が取ろうとしたその瞬間――耐久限界に達した金糸雀が着るボンテージの胸部分、留め具が弾け飛んだ!
「――!」
それを予測していた水月は冷静に素早く動き、ポケットから取り出した大きめのハンカチを開いて金糸雀の胸元を隠し、そのまま彼女の手を引いて舞台裏へと駆け込んだ。
***
舞台裏――。
「今日もありがとうでした。また、よろしくね?」
微苦笑する水月に「うわ~ん!」とべそをかきながら抱き付く金糸雀。
それを同じく微苦笑を浮かべながら眺めるヘルヴェルであったそうな。
「今回は協力してくれてありがとうございました。水月さんはさすがですね。金糸雀ちゃんもがんばってくれました♪」
●最終結果
【制服大戦】……最終日の夜……。
リゼリオの街、公園の広場にて投票が行われ、たった今締め切られた。
集計の後――ステージ上で結果発表が行われる。
「さて、【制服大戦】の勝者、栄光を掴んだのは………………」
ドラムロールが響く中、マイクを持ったクラヴィーアがめっちゃ引っ張る。
「じゃじゃーん! 見事一位を手にしたのは【ビキニアーマー騎士団】! です!!」
会場から盛大な拍手が巻き起こる。
「ちなみになんと! 二位とは一票差でした! その二位は【ボンテージ同好会】です! 惜しかったですねー!!」
また拍手が巻き起こった。
「続く三位は【ホットパンツ連盟軍】、四位、【巫女巫女教団】、五位、【メイド王国】でしたー。なお、【ナース服総合病院】と【ぴっちりスーツ同盟軍】は同率最下位です。残念!」
続いて表彰――ステージ上に【ビキニアーマー騎士団】の三名、サクラ、エメラルド、アクアが上り、団長のサクラにトロフィーが授与された。
「ちなみにアンケートによりますと、勝因は『くっころ!』だった模様です!! エメラルドさん、ファインプレーでしたねー!」
会場が爆笑に包まれる。エメラルドはうぐぐと赤面。
「ではでは、【制服大戦】はこれにて終了! 次回があるかは皆さま次第! さよ~なら~!!」
クラヴィーア・キルシェ(kz0038)が冒険都市リゼリオにあるハンターズソサエティ(HS)本部『ハンターオフィス』に依頼として持ち込んだ案件。
【制服大戦】――それに開始時点でエントリーしているのは――
クラヴィーア本人が率いる【メイド王国】。
前髪ぱっつん黒髪ロングストレートの清楚系受付嬢が率いる【巫女巫女教団】。
ツンとした雰囲気の赤髪ショートヘアの美人受付嬢が率いる【ナース服総合病院】。
HS本部一のグラマーなボディを誇る美人受付嬢が率いる【ぴっちりスーツ同盟軍】。
そしてハンターが立ち上げた新規勢力――
ゾファル・G・初火(ka4407)が率いる【ホットパンツ連盟軍】。
アクエリア・ルティス(ka6135)が立ち上げ、サクラ・エルフリード(ka2598)が率いる【ビキニアーマー騎士団】。
ヘルヴェル(ka4784)が率いる【ボンテージ同好会】。
【制服大戦】に参戦する勢力が出揃い……いよいよ――熱い戦いが幕を開ける!!
●メイド王国
メイド服勢力本部――。
「クラヴィーア、メイド王国の近衛隊を志望させて貰うよ、よろしくね」
アピール受付嬢を務めるクラヴィーアに紅咬 暮刃(ka6298)が挨拶。
「早速だけどボクの分のメイド服はあるのかな?」
「もちろん用意してありますよ」とクラヴィーアは答える。事前に顔を合わせていたのでサイズはぴったりのはず。
「あ、下着は自分で揃えるよ。見えないところにも気を遣わなくっちゃね」
「あらそうですか」とクラヴィーアは少し残念そう。せっかくレースの下着(女物)を用意していたのに。
そしてクラヴィーアは「そういえば近衛隊って?」と問う。
「え? 何を言ってるんだって? メイド王国の近衛隊がメイド服を着るのは当然のコトだろう?」
「それはまあ当然です。そのためにあなた専用の『ミニスカメイド服』を用意したのですから」とクラヴィーアは自慢げに言う。
「ふむ、ミニスカか……。これじゃぱんつ見えてしまうじゃないか!」
しかし暮刃はまんざらでも無さそう。
「さて、メイド服を着るからには心もメイドになりきらなきゃね。男言葉なんて喋ってちゃいけないな……」
クラヴィーアに手伝ってもらい、着替え――と、メイクを終えた暮刃は街へ乗り出しメイド王国のアピール活動!
***
「こんにちは~そこのご主人様v メイド長のクラヴィーア率いるメイド王国をよろしくおねがいしますにゃん!」
とても可愛らしい妹系メイドがそこに居た。
「あたしぃ、こういうの着るのはじめてでぇ、どっかおかしくないですかぁ?」
呼び止められた男性はデレデレな表情で「大丈夫だよ~君、可愛いねぇ~」などと鼻の下を伸ばす。
「らいばるのひとたちってぇ、みんなお胸おっきいひとたちばっかりでぇ、くー(※暮刃)ちょっとくやしいですぅ!」
また別の男性は「君みたいな発育途上の女の子も需要があると思うよ~」とデレデレの表情。
「おにいさんたちもぉ、お胸おっきいひとのほうがぁ、いいですかぁ?」
クラヴィーアが見たら引くかもしれないくらいにノリノリの暮刃。
髪留めは大きな赤いリボンに替えており、今の暮刃は妹系ポニテメイドさんだ。
それから暮刃は……『男の娘』ではなく『美少女メイド』と思わせるように振る舞い、ギリギリの色仕掛けでアピール!
絶対領域を活かし生脚チラ見せ! ギリギリパンツが見えないくらいに!
「クラヴィーアさぁん、優勝しちゃいますよぉ!」
●巫女巫女教団
「何だかよくわかんないけどお祭りっぽいから参加したら、制服大戦かぁ……あえて選ぶなら……巫女装束かな?」
知らないうちに【制服大戦】に巻き込まれていたノノトト(ka0553)。
「巫女服が黒くて長い髪に一番似合うと思うんだ。アピール受付嬢も長い髪だよね。だから、巫女衣装」
彼は巫女巫女教団のアピールサポートを選択。
そんなわけで、巫女装束勢力本部――。
「いらっしゃいませ、ノノトト様、お話は聞いております。アピールのお手伝い、よろしくお願い致しますね」
恭しく礼をする巫女装束姿の、切り揃えられた長く美しい黒髪の清楚な少女。
――まあこの子はHSの受付嬢。業務の一環で巫女をやっているのだが。
「うん、よろしく。なんかね……落ち着くんだ。巫女さんだけ緊張せずにお話できる気がする」
「そうでしょうか。そう言っていただけると嬉しいです」
少女は優しくにこりと微笑む。
「それって大事なことだと思う。特別だけど特別じゃないっていうか……」
ノノトトが言葉を続けようとするところで「あ、すみません。お願いがあるのですが――」と少女が切り出してきた。
「…………え? 他の衣装にアピールする人数で負けてる? だからってぼくが着ることないじゃないかーー! 巫女衣装ーーーー!!」
哀れノノトトは他の女性巫女スタッフに裏へ連行されて行った……。しばらくして。
「……三つ編みにしてて髪長いけどさ!! 女の子じゃないのに巫女っておかしいでしょ……」
そこには立派な巫女さんとなったノノトトの姿が!
「何か都合よく詰物『オオイ・ナル・ヤスラ・ギ』があるし……」
正確には『ロリ巨乳巫女さん』といったところか。外見的には注目度抜群だ。
「請けたお仕事はきちんとこなすのがハンターだからやるけど……巫女さんっぽいアピールはどうすれば……」
巫女装束姿のノノトトはう~~~~むと考えた後、
「ええと、ぼくも符術師の端くれだ。見に来る人に【占術】で占いなんて出来ないかな?」
と、いうわけで、『ロリ巨乳巫女さん』ノノトトは街に出てスキルを活かし、占いをしてアピールすることに。
……そこにはけっこうな行列が出来ていたそうな。
***
「この世界で巫女といえば、聖地の巫女なのですっ」
一方で、リアルブルーや東方の巫女ではなく、白龍を信仰するクリムゾンウェスト・辺境の地由来の巫女推しのUisca Amhran(ka0754)。
「辺境地域の聖地で白龍さまを祀る巫女の一人として言わせてもらいます。クリムゾンウェストで巫女といえば、断然私たちなのですっ」
彼女は「聖地に巫女ありと認知させるよっ」と意気込んでいる。
「これは聖地に伝わる由緒正しい巫女の正装なのです」
清楚な巫女のイメージと薄いヒラヒラな布の衣装とのギャップ――それを売りにしたいようだ。
「白龍さまや幻獣王のチューダさんも大満足な衣装なのです!」
……白龍はいいとしてもチューダの場合は下心ありありな気もするが……。
ちょうど休憩に戻ってきた巫女装束のアピール受付嬢にもヒラヒラな純白の布のクリムゾンウェスト式巫女装束を着せてみる。
「わぁ、とってもお似合いなのです!」
「そうでしょうか?」
はにかむ黒髪の受付嬢。
***
それからUiscaは街に出て、アピールを行う。
「皆さまに聖地の巫女の歌舞を披露いたします」
人の多い場所で邪魔にならないところを見繕い、歌唱と舞踊スキル駆使し、平和の祈りを込めた歌舞を披露する。
清廉な純白の衣装がヒラヒラしており、歌舞にとても栄える――。
また、Uiscaは皆への気配りも忘れない。
巫女勢力以外の参加者、及びスタッフにもUiscaの部族の郷土料理・雉鍋を振る舞い、聖地のお土産として人気の白龍さまサブレを差し入れする。
「これは巫女としてご奉仕なのです!」
程良い胸を張る白龍の巫女・Uisca。
「少しは巫女の認知度もあがったでしょうか……?」
リアルブルー&東方系の巫女装束と、クリムゾンウェスト・辺境系の巫女装束の認知度は双方ともかなり上がったと思われる。
まあ、クリムゾンウェストの地であるからして、リアルブルーや東方出身の市民でなければ後者のほうが馴染み深いだろうが。
●ホットパンツ連盟軍
ホットパンツ勢力――こちらは二人とも既に本部を離れ、街でアピール活動を行っていた。
「へぇ、ホットパンツは衣装じゃねぇって? メイド服や巫女のように全身を纏うものじゃないとコスチュームとは言えない?」
ボルディア・コンフラムス(ka0796)は街頭に立って演説中。彼女はお尻や股に食い込みの激しいホットパンツ、更にトップスもすごく露出が多い格好。
「ほうほう、なるほど。確かに一理あるかもなぁ。……だがそもそも、お前等別に服を見て喜ぶワケじゃねぇだろ?」
何事かと立ち止まる人々が増えてきた。そして露出が素晴らしいボルディアの姿に目を引かれる――。
「マネキンがビキニアーマー着てたって何にも面白くねぇもんな。生きた人間が着るから衣装ってのは輝くんだ!」
と、言い放ち、ポージングを決める。鍛え上げられた肉体美を『魅せる』!!
「じゃあ、俺みてぇな身体鍛えてる女は何を着ればいい? 全身を隠す衣装はダメだ。俺の筋肉が見えねぇ」
観衆から「それはダメだ!」「その筋肉は見せるべきだ!」「もっともっと見せ付けろ!」との声が上がる。盛り上がって来た。
「衣装ってのは着る人間を輝かせるモンだ。そして、これは俺の持論だが、一番イイ女ってのは鍛えてる女だよ」
ボルディアは【マッスルトーチ】や【アブソリュート・ポーズ】で更に衆目を集める。鍛え抜かれた自分の腹筋や太腿を強調!
「その肉体美を! イチバン魅せる衣装は! ホットパンツになンだよ!!」
声を大にするボルディア。いつの間にか集まっていた人だかりから歓声が上がった。
***
「俺様ちゃんは喧嘩上等ご用達のスタイルを推すじゃん。即ち、タンクトップ&ホットパンツ」
ゾファルは公園で演説中。こちらはシャドーボクシングをしながら。
「俺様ちゃん、露出が多ければ多いほど最強な流派の人間だから、本当は水着か下着で行きたいところだけれど、なんでか公の施設はそれじゃ入れてくんないんじゃん?」
立ち止まって話を聞いているおじいちゃん達からは「まあそれはねぇ」「お嬢ちゃんかわええのぅ」「お腹をさすさすさせて欲しいのぅ」などと声が上がる。
とんだスケベジジイ共である……。「お腹冷えそー」「でもキュートじゃない?」といった若い女性の声もあった。
「じゃあどうするかっていうとこうなった非常に実用的なスタイルじゃん。その点、タンクトップ&ホットパンツは水着に近い覆い度でありながらもガードは堅牢」
ゾファルは市民の注目が集まって来たところで『タンクトップ&ホットパンツ』の魅力を推して行く。
「かつ肌にも適度にフィットするから動きの邪魔にはならねーし、喧嘩の時でも相手に掴まれることもねーから」
これには民衆はちょっと引き気味……。
「ヒュッヒュー、誰でもいいから俺様ちゃんと喧嘩しねー?」
シュッシュッ! と拳を突き出すゾファル。それを受け止める者があった。――合流したボルディアだ。
「おーやってるじゃねぇか。調子はどうだ?」
「この公園はスケベジジイが多いじゃん。俺様ちゃんのヘソばっかり見てるじゃん」
「じゃあちょっとばかし喧嘩……は青タン作るのはアピールに支障が出るな。ちょっくら組手でもすっか」
「おっけーじゃん! 病み上がりの肩慣らしじゃん!」
そう言って二人は組手を始める。――高レベルの覚醒者同士の鋭い拳や蹴りが飛ぶ。それは、一般人からすればすごく迫力があるものだった。
●ビキニアーマー騎士団
ビキニアーマー勢力本部――。
「アクエリアよ。アクアって呼んでね!」
立ち上げた本人であるアクエリア(以下アクア)が元気に挨拶。
「ヘル(※ヘルヴェル)がなんか新勢力を立ち上げたから、こっちも立ち上げるわ!」
ビキニアーマー勢力はヘルヴェルに対抗して立ち上げられたものらしい……?
「ビキニアーマー騎士団! なんでビキニアーマーかって? かわいいからに決まってるじゃない!」
元気いっぱいに声を張り上げるアクア! だがしかし! 作戦はノープランであった!!(ババーン)
「……何故私はここにいる……。気が付いたらここにいた……」
エメラルド・シルフィユ(ka4678)は側頭部に手を当てる。
「ビキニアーマー……。いや、私の服がそう呼ばれていることは知っているが……」
自覚……というか認識はしていたらしい。
「これは我が家に伝わる儀礼服であって、そういうイロモノ的呼ばれ方は不本意であるのだが……」
イロモノ……とまではいかないだろう。リアルブルーの創作物でもビキニアーマーは古くから存在し、かなりの知名度を得ている。
「大体……なんだ? 人気取り……? そういうのは苦手なんだが……」
エメラルドは今回の【制服大戦】にまだ乗り気ではないようだ。無意識に身体がこの勢力へ引き寄せられ、参加してしまったゆえ。
「……いや、人々に慕われるのが聖導士としての在り方なのであれば苦手などとは言ってられないのか……」
そんなわけでエメラルドとアクアはアピール活動をするために街へ出向く。
もちろんビキニアーマー姿で。まあ、この二人の場合は普段からしてビキニアーマーなのだが。
ちなみに団長であるサクラは既にアピール活動へ出ていた――。
***
「そ、そうだ。これは奉仕活動だ……。奉仕活動……奉仕活動……」
エメラルドは街に出ると自分へ、そのように言い聞かせながらアピール活動を行う。
普段と変わらない姿なのだが……看板を掲げて強調されると気恥ずかしい。
当然ながらビキニアーマーは『ものすごく目立つ』ので衆目に晒される。
エメラルドは市民の視線を受けまくってびくんびくん。しかしそれがだんだんと快感に変わっていったのか、
「写真一枚、いいっすか?」
といった魔導カメラや魔導スマホを手にしたハンターらしき男性達に囲まれると自然にポーズを取ってしまう。
アピール活動が活発になっていくにつれ、段々ノリが激しくなり……ちょっぴり過激なポーズなんかも取ってみちゃうエメラルドだった。
サクラ自前の赤いビキニアーマーを着込みアピール活動中。
ビキニアーマーマイスターになる為、これも勉強……と考える。
「動きやすいのに守る所はしっかり守れる。そして見た目もいい……。騎士の着るものとしてはとても良い物ではないでしょうか……」
めっちゃガン見されると流石に恥ずかしいと思いながらも、ビキニアーマー姿で街を歩きアピールする。
「体型に関わらず着る事が出来(?)、色も各種取りそろえ好みのを選べ、マントを付けたりアーマーのサイズを変えてアレンジも出来る」
ついでに人が集まっているところを見つければ、ビキニアーマー愛を語る演説を行う。
「そして防御性能もそれなりにあるにも関わらず動きを制限せず動きやすい」
サクラは拳をぎゅっと握る。
「更にサイズを合わせれば激しく動いても安心。そんないい装備を着ない理由があるだろうか? いや、ない」
断言。……最初はじっくりと語り、興味を持って貰えれば前のめりになって語り始める。
……いやあ、どちらが前のめりなのだかわからんですな……(?)。
「女性向けの物に思えますが、男性でも着ている方はいますし、男性でも問題ないですよ……」
流石に男性のビキニアーマーは厳しいと思われる……。
「ビキニアーマーに興味ありますか……? 良ければ試着してみませんか……? 色も形も多種取り揃えてますので……」
女性が興味を持つようであれば試着を進めてみる。
「激しい戦闘時でもズレたりはしませんよ……」
ビキニアーマーを着用しているサクラ自身が激しい動き(意味深)をし、試着への抵抗感を少しでも緩和してゆく。
「ビキニアーマーのどこがいいかって? かわいいでしょ!?」
アクアもビキニアーマー愛を街頭で熱く語っていた――。
「揺れる胸! 伸びる生脚! 何より他の勢力にないウリは例外無くヘソ出し!」
お腹のラインと腰のくびれで市民達を直接攻撃! 水着みたいだけど水着ではない。戦闘服としての色気を誇示!
「どう? どの衣装がいいと思う? ほら、ちゃんと見て! 似合ってるでしょ? ちゃんと見なきゃわからないでしょ!」
他の陣営とすれ違うと、市民に対し天然の色気を振りまいて対抗するアクア。
「ね? かわいいでしょ? この鎧のデザインとか色とか気に入ってるの♪」
そして多数の男性達にガン見されていることに気付く。
「…………な、何見てんのよ! エッチ!!」
『ちゃんと見て!』と言われたのに『エッチ!』と罵られるのは理不尽では無かろうか。
いや、しかし、ビキニアーマー美人のアクアに『エッチ!』と罵られるのならば男性達も本望かもしれない……。
それからアクアは本部に戻り、休憩中の仲間を鼓舞する。
「ここまでやったんだから、サクラ! エメラルド! 勝つわよ!!」
アピール活動を続けていくうちに、ビキニアーマー三銃士の間に友情が生まれ始めていた……。
***
さて、この後すぐビキニアーマー騎士団は舞台上でのアピールとなる。
舞台裏――。
「ビキニアーマーには剣だな」
自分の普段着をビキニアーマーと呼ばれることに難色を示していたエメラルドだったがついに自分で言ってしまった。大分感化されたらしい。
そしてエメラルドは他のサクラとアクアにもにも帯剣を促す。これから舞台上で演舞を行うのだ。安全対策はばっちりなので大丈夫。
「他の服装と違い、この姿は帯剣して初めて完成。女性ハンターの正装だ。神に祈りを捧げる為の神聖な衣装、敗北は許されん」
などと、エメラルドはビキニアーマー愛を語り、仲間と確かめ合い、いざ! 舞台の幕が上がる。
観客を巻き込まないように注意して位置取りをし、サクラやアクア達と共に剣舞を披露する。
三人が舞台上を華麗に移動し、剣と剣が激しく打ち合う。
「この為にもこの衣装の美しさが必要なのだ」
さながら踊り子のように……美しく……艶やかに……。されど騎士の勇ましさも兼ね備える……。
最後に三人が剣を掲げ、打ち合わせると、客席から歓声が上がった。だが――
エメラルドの剣を、サクラとアクアが弾き飛ばした。二人はニヤリと笑みを浮かべる。
「な、なにを!?」
すると舞台裏から覆面の男達が出現! 皆屈強で歴戦のハンターと思われる……! そして男達はエメラルドを羽交い絞めに!
「な、なんだ……お前達は!? くっ、離せ……離さんか!!」
ジタバタと抵抗するエメラルドだったが屈強な男には敵わない! くやしい! でも……!
「さては……私を慰み者にするつもりだな……? そうなのだろう……? 外道め……!」
エメラルドは瞳に涙を浮かべ、歯を食いしばる。
「だが――そんな風にされるくらいなら……くらいなら――」
屈強な男に羽交い絞めにされたまま、エメラルドは大きく息を吸い込み、
《くっころ!!》
そのような声が舞台上に大きく響いたのだった。
……舞台を降りてから言い放った本人が激しく後悔したのは言うまでもない。
●ボンテージ同好会
ボンテージ勢力本部――。
そこに居るのはヘルヴェル(ka4784)、葛音 水月(ka1895)、金糸雀(ka6409)の三名。
「ヘルヴェルと申します、よろしくお願いいたしますね?」
柔らかな口調で挨拶するのはヘルヴェル。ボンテージ同好会を立ち上げた本人。
「金糸雀ちゃんは来てくださってありがとうございますね♪ 水月くんもありがとうございます♪」
(あ、ちなみに、お二人はナンパしました!)――そういうことらしい。……ナンパ?
『お手伝いを募集してます~と声をかけて、そこの可愛いお嬢さん、あたしを手伝ってくれませんか?』
と言ったら手伝えるのならといってくれた金糸雀ちゃんと、戸惑う金糸雀ちゃんを見て、声をかけてくれた水月くんですね~と、ヘルヴェルはにこり。
「お二人とも今回はよろしくお願いしますね~」
ヘルヴェルは二人の顔を見て微笑を浮かべている。
金糸雀――今回の依頼を、衣装を試着できるお祭りと勘違いして来た人。
「色々な服を、着れると思って来たけど……なんか違ったのです」
どうしようかとウロウロしてたら、ヘルヴェルに声をかけられ、手伝えるならと思い、付いて行き――
そこで水月と遭遇して一緒にヘルヴェルの元へやって来た次第。――そこが【ボンテージ】勢力の本拠地とは知らずに。
「“ぼんてーじ”って、なんだろう……?」
首をかしげてきょとんとしている金糸雀を見て、水月は心配に。
「ええ、と……ホントに大丈夫?」
(HSの談話室でもすぐ人見知りするのに大丈夫なのかな……)
しかし、水月は心配と共に色々な衣装を見てみたい……という気持ちもあった。
特に金糸雀のボンテージ姿など滅多に見られるものではない。もしかするとこれが最初で最後かもしれないのだ。
ゆえに彼は、心配はするものの、止めはしなかったのである。
「ま、まあ……僕は以前から金糸雀さんが人見知りでも交流を頑張っているのは知っているから、やるというのなら全力で応援をするよ」
水月は今回、ボンテージ派のサポートとしてお手伝い的ポジションになる。――彼のボンテージ姿を見たいという人はいねがー?(どこへ向けた語りかけか不明)
***
ヘルヴェルは既に過激目なボンテージ姿だったので、先に別行動で街へ出て、アピールタイム。
……金糸雀はこの後のステージでのアピールに参加してもらう。水月は金糸雀のサポート。
「あたしが推すのはボンテージ系、ボンテージ風と申しましょうか?」
そんなこんなで、街へ出たヘルヴェル。本部を出た直後から道行く人々の視線を当然ながら集める――。
――それもそのはず、今回エントリーした衣装の中でボンテージが最もセクシーなのだ。
露出度的にはビキニアーマーやホットパンツも同程度だが……黒レザーのボンテージ姿となれば話は違う。
増してやグラマーで色気溢れるヘルヴェルが着るのだ。これで視線を集めないはずがない。男性は元より、女性の視線をも釘付けにする――。
……人が集まる場所を探していたヘルヴェルだったが、自然と自分の周りに人が集まって来た。なので、軽くセクシーなポーズを取りながら、演説開始。
「ボンテージはぴっちりスーツに近いと言えば近いのですが、少し違うのが露出度が高めということでしょうか」
ヘルヴェルは多数向けられるカメラに視線を送りながら話を進める。
「キュッと引き締めることで身も心も引き締まりますし、何より魅惑的で蠱惑的でしょう?」
言いながら片目を瞑り、投げキッス。ぷるんとした唇に引かれた真っ赤なルージュがまさに蠱惑的!!
「ガーターベルトとストッキング、それにロングピッタリブーツ、それぞれの間に生まれる肉の谷間、硬質な中に柔らかなそれが見え隠れするのが、スーツとの大きな違いでしょうね」
語り終えて、ヘルヴェルはウフフと妖艶な笑みを浮かべる。見物していた男性達が一斉に前屈みになったのは言うまでもない……。
***
さて、舞台アピールまで一時間程となり、ヘルヴェルが戻って来たのでそろそろ金糸雀もボンテージにお着替え。
金糸雀はボンテージ初体験。
「ピッタリで良いのかな……?」
と思ったのでヘルヴェルに「なるべくピッタリのほうが良い」と事前にリクエスト。ヘルヴェルはその通りにボンテージ衣装を用意してくれた。
――これが後にあんなことへ繋がるとは……この時の金糸雀には知る由も無かった。
ヘルヴェルが手伝って、金糸雀はボンテージ衣装に着替える。
金糸雀が着用するのはピッタリロングブーツにガーターベルトとストッキングはヘルヴェル同じだが下はレザー製のピッタリホットパンツ。
胸元は編み上げのコルセット系となっている。……しばらくして、着替え完了。水月にお披露目。
「ぴったりと締め付ける黒い光沢や硬質さと一転肌の柔らかさはセクシーで魅力的だよね」
二人の身体を舐めるように見た後、水月はこのような感想を述べる。
「ヘルヴェルさんな本人の持つ大人の女性の雰囲気をより強めて主張してくる」
「ウフフ、ありがとうございます」
「カナリアさんは可愛らしさとボンテージの色っぽさのギャップがまたたまらなく良い」
「…………あの、えと……その……ありがとう、です……」
ヘルヴェルはまたも妖艶な笑み。金糸雀はおろおろしつつ恥じらいで顔真っ赤。……予想以上にピッタリしていて困惑しているらしい。
***
舞台裏に移動――。
水月は金糸雀をカバー出来るようにヘルヴェルとステージ上での動きについてしっかりと最終的な打ち合わせを行う。
打ち合わせを終えると、やれるのは緊張を和らげるくらい……ということで、金糸雀の要望で彼女と手を繋ぐ。
「じゃあ、いこっか。準備はいい?」
「大丈夫、大丈夫……私は、出来る」
スタッフから「まもなくでーす」との声。
水月の手をギュっと握って落ち着こうとする金糸雀。水月もギュッと握り返す。
そうして三人はスポットライトを浴びながらステージ上へ。
ちなみにボンテージ姿の二人に合わせ、水月の服装は黒服ベストである。
さっそくアピールタイム。ヘルヴェルは用意されたポールを巧みに使い、大胆にダンスを披露する。
金糸雀は精一杯セクシーなポーズ。衣装がピッタリしてるため、激しくない動きを心掛け、お客さんの注目を集めようと頑張る。
(ここで、このポーズ……なるほど)
客席から「可愛いよー!」などと声が飛ぶと金糸雀は思わず赤面。隣で待機中の水月の手をまたギュっと握る。
客の大半の視線はヘルヴェルに向けられているが、一生懸命ポーズを取る金糸雀にも声援が送られていた。
……そして数分間のアピールタイム終了。三人は舞台を降りる。
ヘルヴェルは客席に手を振りながら、続いて水月はヘルヴェルと固い握手を交わした後、先に降り、金糸雀をエスコート。
差し伸べられた手を金糸雀が取ろうとしたその瞬間――耐久限界に達した金糸雀が着るボンテージの胸部分、留め具が弾け飛んだ!
「――!」
それを予測していた水月は冷静に素早く動き、ポケットから取り出した大きめのハンカチを開いて金糸雀の胸元を隠し、そのまま彼女の手を引いて舞台裏へと駆け込んだ。
***
舞台裏――。
「今日もありがとうでした。また、よろしくね?」
微苦笑する水月に「うわ~ん!」とべそをかきながら抱き付く金糸雀。
それを同じく微苦笑を浮かべながら眺めるヘルヴェルであったそうな。
「今回は協力してくれてありがとうございました。水月さんはさすがですね。金糸雀ちゃんもがんばってくれました♪」
●最終結果
【制服大戦】……最終日の夜……。
リゼリオの街、公園の広場にて投票が行われ、たった今締め切られた。
集計の後――ステージ上で結果発表が行われる。
「さて、【制服大戦】の勝者、栄光を掴んだのは………………」
ドラムロールが響く中、マイクを持ったクラヴィーアがめっちゃ引っ張る。
「じゃじゃーん! 見事一位を手にしたのは【ビキニアーマー騎士団】! です!!」
会場から盛大な拍手が巻き起こる。
「ちなみになんと! 二位とは一票差でした! その二位は【ボンテージ同好会】です! 惜しかったですねー!!」
また拍手が巻き起こった。
「続く三位は【ホットパンツ連盟軍】、四位、【巫女巫女教団】、五位、【メイド王国】でしたー。なお、【ナース服総合病院】と【ぴっちりスーツ同盟軍】は同率最下位です。残念!」
続いて表彰――ステージ上に【ビキニアーマー騎士団】の三名、サクラ、エメラルド、アクアが上り、団長のサクラにトロフィーが授与された。
「ちなみにアンケートによりますと、勝因は『くっころ!』だった模様です!! エメラルドさん、ファインプレーでしたねー!」
会場が爆笑に包まれる。エメラルドはうぐぐと赤面。
「ではでは、【制服大戦】はこれにて終了! 次回があるかは皆さま次第! さよ~なら~!!」
依頼結果
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
ボンテージ同好会 ヘルヴェル(ka4784) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/29 14:20:22 |
|
![]() |
質問卓 クラヴィーア・キルシェ(kz0038) 人間(リアルブルー)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/28 12:32:04 |
|
![]() |
ナース服総合病院相談卓 クラヴィーア・キルシェ(kz0038) 人間(リアルブルー)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 |
|
![]() |
ぴっちりスーツ同盟軍相談卓 クラヴィーア・キルシェ(kz0038) 人間(リアルブルー)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 |
|
![]() |
巫女巫女教団相談卓 クラヴィーア・キルシェ(kz0038) 人間(リアルブルー)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/29 15:32:47 |
|
![]() |
メイド王国相談卓 クラヴィーア・キルシェ(kz0038) 人間(リアルブルー)|17才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/29 14:34:02 |
|
![]() |
ホットパンツ十字軍 ゾファル・G・初火(ka4407) 人間(リアルブルー)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/04/29 08:55:36 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/29 15:31:44 |
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![]() |
ビキニアーマー騎士団円卓 アクエリア・ルティス(ka6135) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2018/04/29 17:56:20 |