ゲスト
(ka0000)
【虚動】動き出す歯車
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/12/19 09:00
- 完成日
- 2014/12/22 20:10
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「え、敵!?」
マギア砦にいたファリフ・スコール(kz0009)は、思わず声を上げた。
今まで敵の襲撃といっても雑魔が数体、砦の周りを徘徊する程度だった。しかし、今回はそれよりも数は多い。明らかに敵の動きがこれまでと異なっている。
「……要塞の帝国軍が砦の西側で交戦中だ。だが、おかしな事に敵は前進と後退を繰り返しているらしい」
一緒に報告を受けていたオイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)も状況を整理し始める。
既にハンターが現場へ急行して対処に当たっていると聞く。
敵の撃退は彼らに任せるとしても――このタイミングで襲撃を仕掛けてきた事が引っかかる。
「この動き……何かあると見るべきだな」
「なら、ボクが砦の周辺を調べてみるよ」
警戒を強めるよう提案するバタルトゥに対し、ファリフは屈託のない笑顔で答える。
ここで敵の襲撃に怯えていては不安が他の者にも伝わる。
それを回避する為に大きな部族の族長として余裕を見せているのかもしれない。
「大丈夫か?」
「心配は要らないよ。バタルトゥはみんなのこの砦を守ってて。
敵が来たら、ボクがどーんとやっつけちゃうから」
堂々とした面持ちで歩き始めるファリフ。
その姿を見たバタルトゥは、心の中で静かに呟いた。
(……危うい、か……?)
●
「族長!」
マギア砦の周辺を調べていたスコール族の戦士が駆け寄ってくる。
息を切らせている様子から、何かを発見したようだ。
「何かあったの?」
「敵です! 海沿いに南下する巨人の一団……みんな骸骨を象った鎧を着てました。連中は『怠惰』です!」
――怠惰。
辺境北部より侵攻する歪虚の軍勢。
トロルやサイクロプスを主力とした巨人が特徴的で、その豪腕から繰り出される怪力に多くの戦士が破れていった。
先日、本隊からはぐれた怠惰の斥候は歪虚に落ちたジャイアントと聞く。だが、今回現れたのは敵の主力に近い部隊だ。
「やっぱり動き出したんだ。急いでみんなを集めて……」
「無理ですよ、族長。今、実験場の警備や周辺の雑魔退治で出払ってます」
そうだった、と言わんばかりにファリフの脳裏で記憶が蘇る。
要塞の帝国軍もマギア砦西で交戦中。
さらに部族の戦士は雑魔退治やCAM稼働実験場の警備にも戦力を割いていた。
マギア砦を手薄にする訳にもいかず、バタルトゥへの救援要請も難しい。
――しかし。
「でも、ボク達が何とかしてここで止めなくちゃ。このままじゃ、怠惰が実験場に入り込んじゃうよ」
実験場には各国から来た要人や技官、警護の者が集まっている。
それは、各国が期待を寄せている証であり、『希望』と称しても良い。それを歪虚の暴挙で台無しにして良いはずがない。
そして、辺境部族がこの実験を支援して守ると決めたのだ。ならば、全力を尽くして実験場を守りきる。
――辺境部族の誇りを賭けて。
「近くのハンターに応援を呼び掛けて。
ハンターが到着次第、敵に奇襲をかけるよ」
マギア砦にいたファリフ・スコール(kz0009)は、思わず声を上げた。
今まで敵の襲撃といっても雑魔が数体、砦の周りを徘徊する程度だった。しかし、今回はそれよりも数は多い。明らかに敵の動きがこれまでと異なっている。
「……要塞の帝国軍が砦の西側で交戦中だ。だが、おかしな事に敵は前進と後退を繰り返しているらしい」
一緒に報告を受けていたオイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)も状況を整理し始める。
既にハンターが現場へ急行して対処に当たっていると聞く。
敵の撃退は彼らに任せるとしても――このタイミングで襲撃を仕掛けてきた事が引っかかる。
「この動き……何かあると見るべきだな」
「なら、ボクが砦の周辺を調べてみるよ」
警戒を強めるよう提案するバタルトゥに対し、ファリフは屈託のない笑顔で答える。
ここで敵の襲撃に怯えていては不安が他の者にも伝わる。
それを回避する為に大きな部族の族長として余裕を見せているのかもしれない。
「大丈夫か?」
「心配は要らないよ。バタルトゥはみんなのこの砦を守ってて。
敵が来たら、ボクがどーんとやっつけちゃうから」
堂々とした面持ちで歩き始めるファリフ。
その姿を見たバタルトゥは、心の中で静かに呟いた。
(……危うい、か……?)
●
「族長!」
マギア砦の周辺を調べていたスコール族の戦士が駆け寄ってくる。
息を切らせている様子から、何かを発見したようだ。
「何かあったの?」
「敵です! 海沿いに南下する巨人の一団……みんな骸骨を象った鎧を着てました。連中は『怠惰』です!」
――怠惰。
辺境北部より侵攻する歪虚の軍勢。
トロルやサイクロプスを主力とした巨人が特徴的で、その豪腕から繰り出される怪力に多くの戦士が破れていった。
先日、本隊からはぐれた怠惰の斥候は歪虚に落ちたジャイアントと聞く。だが、今回現れたのは敵の主力に近い部隊だ。
「やっぱり動き出したんだ。急いでみんなを集めて……」
「無理ですよ、族長。今、実験場の警備や周辺の雑魔退治で出払ってます」
そうだった、と言わんばかりにファリフの脳裏で記憶が蘇る。
要塞の帝国軍もマギア砦西で交戦中。
さらに部族の戦士は雑魔退治やCAM稼働実験場の警備にも戦力を割いていた。
マギア砦を手薄にする訳にもいかず、バタルトゥへの救援要請も難しい。
――しかし。
「でも、ボク達が何とかしてここで止めなくちゃ。このままじゃ、怠惰が実験場に入り込んじゃうよ」
実験場には各国から来た要人や技官、警護の者が集まっている。
それは、各国が期待を寄せている証であり、『希望』と称しても良い。それを歪虚の暴挙で台無しにして良いはずがない。
そして、辺境部族がこの実験を支援して守ると決めたのだ。ならば、全力を尽くして実験場を守りきる。
――辺境部族の誇りを賭けて。
「近くのハンターに応援を呼び掛けて。
ハンターが到着次第、敵に奇襲をかけるよ」
リプレイ本文
マギア砦から少し離れた地点を、進む四つの影。
一般人のよりも巨大な体を揺らし、ゆっくりと南下していく。骸骨を象った鎧は、見る者に嫌なイメージを植え付ける。
――怠惰。
歪虚の中でそう呼ばれる者達だ。辺境の北部から侵攻して、次々と飲み込んでいく巨人の群。
それに相対するは、巨人を撃退すべく呼ばれたハンター達だ。
「敵はこの先に何があるのかを調べるために斥候出した。
……そう考えるのが自然だね」
海岸に構築した防衛線越しに、キヅカ・リク(ka0038)は巨人に視線を向ける。
キヅカは巨人との戦闘が初めてだ。
それも怠惰と呼ばれる軍とは。
何にでも初めては存在する。初めてだから多少の失敗も許される事もある。
しかし。
今回の依頼を失敗すれば、怠惰にCAMの存在を知られてしまう。そうなれば、敵は更なる大部隊で実験場を叩こうとするだろう。
何としても、ここで斥候を撃退しなければ――。
「あれだけ派手に各国が動けば、敵の目に止まるのも無理はありません」
上泉 澪(ka0518)の大太刀「鬼霧雨」が鞘の中で抜かれる時を待っている。
CAM稼働実験を行うに辺り、王国、帝国、同盟から物資や人材が多く送り込まれてきた。それも、海路や陸路を問わずに次々と。
今までの辺境部族にそうした動きは有り得ない。怠惰から見ても『何かある』と感じ取ったのだろう。だからこそ、マギア砦の西側で陽動まで仕掛けて斥候を送り込んできたのだ。
「そろそろ仕事の時間だ。
連中、こちらに気付いたようだぞ?」
ラスティ(ka1400)は、作戦開始が間もなくである事周知する。
前方から向かってくる4体の巨人達は、身に付けていた斧や棍棒を握り締めている。ハンター達を見付けて排除するつもりのようだ。
「……ああ、もう仕事の時間?
仕方ないね。さっさと終わらせようか」
フードを深めに被ったロト(ka0323)が、ラスティに促されて姿を見せる。
やる気がないように見えるが、仲間が誰も傷付かないように尽力するつもりだ。
「金がもらえて楽しめる仕事の時間が始まりだ。
さぁて、どれくらい殺し甲斐があるかねぇ」
今から始まる血煙舞う戦いを思い浮かべながら、イブリス・アリア(ka3359)の手裏剣「八握剣」が音を立てる。
今日の相手は巨人。
トロルやサイクロプスら4体を相手に、どのようにぶつかるべきか。
早くもイブリスの心にエンジンがかかる。
「予定通り、敵はこちらに注意を向けてくれたな。そろそろ手筈通りに……」
「ファリフさん、動きます!」
ラスティの言葉を遮って、榎本 かなえ(ka3567)が叫ぶ。
ハンターの視界に飛び込むのは、スコール族の族長ファリフ・スコールとスコール族の戦士達。崖の上から巨人達へ飛びかかる瞬間であった。
――奇襲。
それが、ハンター達にとって開戦の合図であった。
●
「たぁぁぁ!!」
闘心昂揚を発動したファリフが、トロルの顔面へと斬りかかる。
普段は不釣り合いとも思える背中の斧。唸りを上げて振り下ろされる一撃は、トロルの顔面を引き裂く。
宙を舞う鮮血。
突然側面からの襲撃に、巨人達も慌ててファリフの方へ視線を向ける。
この瞬間、前方から接近するハンター達に攻撃のチャンスが訪れる。
「邪魔しないでくださいっ!」
防衛線を引いた位置から、かなえが魔導砲で射程距離に入ったトロルへ銃弾を浴びせかける。
甲冑に防がれても構わない。
牽制を仕掛けて上泉を接近する時間を稼げればそれでいい。
「ここで止めます」
上泉の大太刀「鬼霧雨」が鞘から抜かれ、上泉は一足飛びで足元へ辿り着く。
上泉の前に現れるは、巨木のような巨人の足。4メートルを越える巨体を支えるだけに、その巨大さは異様だ。
さらに巨人の下半身は防具で固められていた。おそらく今まで辺境部族の戦士達も巨人の死角となりやすい足を中心に攻撃していたのだろう。
(敵の攻撃に対する備え、という訳ですか。……でも、穴は必ず残されるものです)
上泉は、甲冑の繋ぎ目を見つけ出した。そして、鬼霧雨を繋ぎ目に向かって深く突き刺す。
防具がある為に想定よりも深く傷を付けることは出来なかったが、巨人の足にダメージを与える事に成功する。
「グォォォ!」
痛みから生まれた巨人の方向が周囲へ響き渡る。
一方、別班は――。
「当たらなきゃ意味ないし、ねっ!」
ロトは、ウィンドスラッシュを放ってサイクロプスの動きを封じる。
隙があれば積極的に弱点を狙っていくロト。
だが、脚は甲冑で固められて遠方から狙うのは難しい。前衛のイブリスが作った隙を見て顔面へウインドスラッシュを叩き込みたいところだ。
「どうした? そんなもんか?」
イブリスは巨人と距離を取ってから手裏剣「八握剣」を投げ続ける。
八握剣の一撃では大木のような足に致命傷与える事は難しい。しかし、防具の繋ぎ目を狙って確実にダメージを与える事ができる。
「なんかなぁ……」
ロトは、イブリスがつまらなそうな表情を浮かべている事に気付いた。
大きなため息を一つ吐き出すと、ロトは渋々と声をかける。
「あのさ。これ、依頼なんだけど……」
「わーってるよ。だけどよぉ、なーんか燃えねぇんだよなぁ」
ロトは何となくイブリスの言い分を理解していた。
巨人を相手に戦うのは良いが、敵の死角に入り込んで弱点を責めれば良い。
それは依頼達成という意味合いでは良いのだが、智を競って血と煙を浴びる戦からはほど遠い。要するにイブリスが満足する戦になっていないのだ。
「……そうですか。それは大変ですね。
分かりましたから、早いとこ終わらせましょう」
ロトはまるでセリフを棒読みしたかのように呟いた。
理解している素振りを見せても良かったのだが、そこまで興味を持つ事もなかった為に敢えてスルーするようだ。
だが、この戦はこのままでは終わらなかった。
●
「これ以上は、進めせない」
キヅカは、眼前のサイクロプスが繰り出す棍棒の一撃を回避していた。
甲冑は身を守ってくれるが、相応の重量も巨人の身体へ課す。そのため、スピードは低下。鎧で腕の稼働領域も制限されている為に、攻撃の軌道も読みやすい。回避する合間にリボルバー「シルバーマグ」で防具の裂け目に銃弾を撃ち込んでいく。
あとは上手く巨人を誘導して足を捻らせられれば……。
「危ないっ!」
突然響き渡るファリフの声。
キヅカの思考が一瞬途切れる。サイクロプスは巨大な足を高々とと振り上げたかと思えば、力一杯地面を踏み締める。
――どんっ!
前衛として比較的巨人の近くにいたキヅカ。地震にも振動を受け、キヅカの足に振動が伝わる。
「!?」
倒れないよう身体を支えるべく、無意識のうちに足に力を入れるキヅカ。
これにより軽やかな体裁きが一時的に停止する。この隙をサイクロプスは逃さなかった。
「……っ!」
気付けば、サイクロプスは棍棒を振り上げていた。キヅカがその場から動き出せば容赦なく棍棒を振り下ろすだろう。あの巨大な二の腕から繰り出される棍棒の衝撃を考えれば、キヅカは……。
「させるかよっ!」
ラスティがサイクロプスに向かってアサルトライフル「ヴォロンテAC47」を放つ。弾丸はサイクロプスの顔面へと突き刺さり、サイクロプスは顔面を手で覆い隠しながら数歩後退する。
「大丈夫?」
キヅカの身を案じてファリフが駆け寄ってきた。
「ああ」
「怠惰の本隊は部族の戦士とずっと戦ってきたから、接近戦に慣れている奴もいるんだ」
ファリフによれば、怠惰の中で機動性を重視する敵を力でねじ伏せる事に長けた奴もいるらしい。辺境部族は1体の巨人に対して複数名で対処する戦法を基本としてきた。怠惰の中にはそうした戦法に対して自然と対応する術を覚えてきたのだろう。
「了解だ。みんな、聞いただろ?
連中が怪しい動きを見せたら注意するんだ」
ラスティの呼び掛けでハンター達へ注意が促される。
「承知致しました」
「ふーん。簡単には殺らせねぇって訳か。そうこなくちゃなぁ」
怠惰の軍は、簡単に倒せる相手ではない。
その事を理解したハンター達であった。
●
単に前衛が巨人を翻弄するだけでは面倒なケースもある。
しかし、ハンター達が事前に立てていた作戦は思わぬ形で的中する。
「図体が大きいと、急所も狙いやすくて結構です」
かなえの魔導銃がトロルの顔面を捉える。アルケミストデバイスで弾き出した弾道を描き、弾丸がトロルの頬を大きく抉る。
「ぎゃあぁぁぁ!」
「上泉さん、今です!」
「分かりました」
片膝をついたトロルの足を踏み台に、上泉は飛び上がる。
鬼霧雨の刃が甲冑と兜の合間をクラッシュブロウで一閃。
噴き出す鮮血。致命傷までは与えられないが、一定のダメージを与える事ができた。
「凄い、凄いよ!」
ハンターの活躍にファリフも興奮を隠せない。
巨人が接近戦に慣れているのであれば、遠距離からの火力を戦闘の中心に据えれば良い。巨人が前衛に気を取られている隙に後衛が遠距離攻撃。怯んだ隙に前衛が強烈な一撃を浴びせかけるという寸法だ。
「いえいえ。ファリフさんだって凄いですよ。その若さで部族のみんなを引っ張って……」
かなえはファリフからの言葉に恐縮する。
自分と同年代の少女が、既に一つの部族を率いている。
つい先日まで戦う事を躊躇していたかなえは、少々自分を恥じていた。
「そんな事ないよ。
さぁ、ボク達も負けてられないね!」
ファリフは地を駆けるもので、戦っていた巨人との間合いを詰める。
一方、ファリフ以上に張り切っている者もいる。
「おい、今だ。さっさと叩き込め」
「あー、もう。命令しないでもらえる?」
嬉々とした笑顔でロトに指示を出すイブリス。
振り下ろされる斧を寸前で回避しながら、スローイングで手裏剣「八握剣」を叩き込む。
手裏剣がサイクロプスの眼球に突き刺さり、サイクロプスは悶絶。
そこへロトのウインドスラッシュが炸裂。
甲冑の存在はあるものの、激しい風がサイクロプスの肌を引き裂く。風の刃に襲われ、サイクロプスは巨大な腕で必死に顔を守ろうとしている。
「それで守っているつもりか?
……木偶の坊が。とっとと倒れろ」
風を避けようと壁となる腕の隙間を突いて、八握剣の一撃を滑り込ませる。
高々と打ち上げられた八握剣がサイクロプスの頬を深々と傷つける。
鮮血が雨のように降り注ぎ、ウインドスラッシュが周囲を朱に染め上げる。
文字通り血煙が巻き起こり、イブリスをより一層興奮させる。
「どうしたっ! こんなもんじゃねぇだろ!
もっとだ! 怠惰ってぇのはこんなもんじゃねぇんだろ?」
●
ハンターの活躍で一気に戦況はファリフ側へ傾く。
巨人達も剛腕で対抗しようとするものの、かなえとロトの後方支援に加えてラスティが適確な指示が優勢へと導いていく。
「敵は接近タイプの巨人。遠距離攻撃及び再生能力は無し、か」
ラスティはアサルトライフル「ヴォロンテAC47」でキヅカの後方支援をしながら、敵の情報を分析していた。
(……今回はCAM稼働実験場の偵察が目的。あくまで軽装備の怠惰と捉えるべきだな)
今後、怠惰の軍と対峙するのであればデータを参考にしたいところだ。
「ラスティ! こいつの甲冑、思ったよりも装甲は薄いかもしれません」
キヅカの言葉でラスティはデータ収集を一旦止めた。
反射的にキヅカへ真意を問い質す。
「どういう事だ?」
「下半身は敵に備えて防備を固めてますが、上半身は装飾をメインとした甲冑という事です」
サイクロプスの棍棒を回避しながら、キヅカは後方へ大きくジャンプする。
キヅカが敵の近くで観察したところ、上半身の装甲は見た目よりも薄い。手持ちのリボルバー「シルバーマグ」を至近距離から連射すれば穴が空く可能性があるようだ。
「今回の敵は軽装備だったようです。どうします? 上半身を狙ってみますか?」
「いや、リスクが大きすぎる。オレの後方支援で注意を引いたとしても、甲冑に穴を開けるには取り付く必要がある。もっと後方から火力を……」
ラスティがそう呟いた瞬間、上空を飛ぶ光が一つ。
光弾がサイクロプスへ衝突。サイクロプスの甲冑が大きく凹んだ。
「あれは……ホーリーライト」
キヅカの言葉を耳にして、ラスティは振り返った。
そこには見覚えのある甲冑に身を包んだ騎士達の姿があった。
「王国のみんな!」
ファリフが歓喜の声を上げる。
ファリフは付近の者へ救援を呼びかけていた。それに答えたのが王国騎士団の者達だったようだ。最近、ファリフは王国と連携を密にし始めたらしいが、その事がここで役に立ったようだ。
「申し訳ない、ファリフ殿。
マギア砦西の支援に手間取って到着が遅れてしまった」
「大丈夫だよ! ハンターのみんな頑張ってくれたから。
じゃあ、みんなで一気に敵を追い返しちゃおう!」
王国騎士団の登場で、ファリフらスコール族も士気上昇。
筋力充填を発動したファリフが愛用の斧を片手にトロルに向かって突撃を敢行する。
王国騎士団の登場で危機を感じ取った巨人達。慌てて背を向け、来た道を引き返し始める。
「何を勘違いしているんだい、まだ僕らのバトルフェーズは終了してないよ?」
キヅカは逃走する巨人を追撃。
それに他のハンター達も呼応する。
ハンター達は、敵にCAMの存在を気取られる事無く撃退に成功した。
●
「戦いで生き残ればそれを祝いに酒を飲む。それが戦場の礼儀だろう?」
戦いが終わり、祝杯を上げるイブリス。
本当はスコール族の者達と一杯飲みたかったが、ここで飲んで帰ればマギア砦で待つオイマト族の族長に愚痴られると控えたようだ。
「しっかし、本当に動くの? 『これ』」
「動いてもらわないと困ります」
ロトの言葉に、かなえが返す。
ハンター達の前にあるのは、戦闘装甲機。通称CAMと呼ばれる兵器だ。
「今回の戦いで怠惰と対峙する戦力が必要だと分かりました。つまり……」
「つまり、この『きゃむ』ってぇのが怠惰をやっつけるのに必要って事だよね?」
上泉の言葉を付け加えるように、ファリフが言葉を続けた。
見た事もない兵器をじっと見つめるファリフ。その瞳には興味に溢れていた。
「僕達がCAMを受け入れなければ、この光景も期待もなかったんだよね」
「そうだな。だが、すべてが終わった訳じゃねぇ。……これからだ」
夢と希望を抱くファリフの傍らで、イブリスは二杯目の祝杯に口をつけた。
一般人のよりも巨大な体を揺らし、ゆっくりと南下していく。骸骨を象った鎧は、見る者に嫌なイメージを植え付ける。
――怠惰。
歪虚の中でそう呼ばれる者達だ。辺境の北部から侵攻して、次々と飲み込んでいく巨人の群。
それに相対するは、巨人を撃退すべく呼ばれたハンター達だ。
「敵はこの先に何があるのかを調べるために斥候出した。
……そう考えるのが自然だね」
海岸に構築した防衛線越しに、キヅカ・リク(ka0038)は巨人に視線を向ける。
キヅカは巨人との戦闘が初めてだ。
それも怠惰と呼ばれる軍とは。
何にでも初めては存在する。初めてだから多少の失敗も許される事もある。
しかし。
今回の依頼を失敗すれば、怠惰にCAMの存在を知られてしまう。そうなれば、敵は更なる大部隊で実験場を叩こうとするだろう。
何としても、ここで斥候を撃退しなければ――。
「あれだけ派手に各国が動けば、敵の目に止まるのも無理はありません」
上泉 澪(ka0518)の大太刀「鬼霧雨」が鞘の中で抜かれる時を待っている。
CAM稼働実験を行うに辺り、王国、帝国、同盟から物資や人材が多く送り込まれてきた。それも、海路や陸路を問わずに次々と。
今までの辺境部族にそうした動きは有り得ない。怠惰から見ても『何かある』と感じ取ったのだろう。だからこそ、マギア砦の西側で陽動まで仕掛けて斥候を送り込んできたのだ。
「そろそろ仕事の時間だ。
連中、こちらに気付いたようだぞ?」
ラスティ(ka1400)は、作戦開始が間もなくである事周知する。
前方から向かってくる4体の巨人達は、身に付けていた斧や棍棒を握り締めている。ハンター達を見付けて排除するつもりのようだ。
「……ああ、もう仕事の時間?
仕方ないね。さっさと終わらせようか」
フードを深めに被ったロト(ka0323)が、ラスティに促されて姿を見せる。
やる気がないように見えるが、仲間が誰も傷付かないように尽力するつもりだ。
「金がもらえて楽しめる仕事の時間が始まりだ。
さぁて、どれくらい殺し甲斐があるかねぇ」
今から始まる血煙舞う戦いを思い浮かべながら、イブリス・アリア(ka3359)の手裏剣「八握剣」が音を立てる。
今日の相手は巨人。
トロルやサイクロプスら4体を相手に、どのようにぶつかるべきか。
早くもイブリスの心にエンジンがかかる。
「予定通り、敵はこちらに注意を向けてくれたな。そろそろ手筈通りに……」
「ファリフさん、動きます!」
ラスティの言葉を遮って、榎本 かなえ(ka3567)が叫ぶ。
ハンターの視界に飛び込むのは、スコール族の族長ファリフ・スコールとスコール族の戦士達。崖の上から巨人達へ飛びかかる瞬間であった。
――奇襲。
それが、ハンター達にとって開戦の合図であった。
●
「たぁぁぁ!!」
闘心昂揚を発動したファリフが、トロルの顔面へと斬りかかる。
普段は不釣り合いとも思える背中の斧。唸りを上げて振り下ろされる一撃は、トロルの顔面を引き裂く。
宙を舞う鮮血。
突然側面からの襲撃に、巨人達も慌ててファリフの方へ視線を向ける。
この瞬間、前方から接近するハンター達に攻撃のチャンスが訪れる。
「邪魔しないでくださいっ!」
防衛線を引いた位置から、かなえが魔導砲で射程距離に入ったトロルへ銃弾を浴びせかける。
甲冑に防がれても構わない。
牽制を仕掛けて上泉を接近する時間を稼げればそれでいい。
「ここで止めます」
上泉の大太刀「鬼霧雨」が鞘から抜かれ、上泉は一足飛びで足元へ辿り着く。
上泉の前に現れるは、巨木のような巨人の足。4メートルを越える巨体を支えるだけに、その巨大さは異様だ。
さらに巨人の下半身は防具で固められていた。おそらく今まで辺境部族の戦士達も巨人の死角となりやすい足を中心に攻撃していたのだろう。
(敵の攻撃に対する備え、という訳ですか。……でも、穴は必ず残されるものです)
上泉は、甲冑の繋ぎ目を見つけ出した。そして、鬼霧雨を繋ぎ目に向かって深く突き刺す。
防具がある為に想定よりも深く傷を付けることは出来なかったが、巨人の足にダメージを与える事に成功する。
「グォォォ!」
痛みから生まれた巨人の方向が周囲へ響き渡る。
一方、別班は――。
「当たらなきゃ意味ないし、ねっ!」
ロトは、ウィンドスラッシュを放ってサイクロプスの動きを封じる。
隙があれば積極的に弱点を狙っていくロト。
だが、脚は甲冑で固められて遠方から狙うのは難しい。前衛のイブリスが作った隙を見て顔面へウインドスラッシュを叩き込みたいところだ。
「どうした? そんなもんか?」
イブリスは巨人と距離を取ってから手裏剣「八握剣」を投げ続ける。
八握剣の一撃では大木のような足に致命傷与える事は難しい。しかし、防具の繋ぎ目を狙って確実にダメージを与える事ができる。
「なんかなぁ……」
ロトは、イブリスがつまらなそうな表情を浮かべている事に気付いた。
大きなため息を一つ吐き出すと、ロトは渋々と声をかける。
「あのさ。これ、依頼なんだけど……」
「わーってるよ。だけどよぉ、なーんか燃えねぇんだよなぁ」
ロトは何となくイブリスの言い分を理解していた。
巨人を相手に戦うのは良いが、敵の死角に入り込んで弱点を責めれば良い。
それは依頼達成という意味合いでは良いのだが、智を競って血と煙を浴びる戦からはほど遠い。要するにイブリスが満足する戦になっていないのだ。
「……そうですか。それは大変ですね。
分かりましたから、早いとこ終わらせましょう」
ロトはまるでセリフを棒読みしたかのように呟いた。
理解している素振りを見せても良かったのだが、そこまで興味を持つ事もなかった為に敢えてスルーするようだ。
だが、この戦はこのままでは終わらなかった。
●
「これ以上は、進めせない」
キヅカは、眼前のサイクロプスが繰り出す棍棒の一撃を回避していた。
甲冑は身を守ってくれるが、相応の重量も巨人の身体へ課す。そのため、スピードは低下。鎧で腕の稼働領域も制限されている為に、攻撃の軌道も読みやすい。回避する合間にリボルバー「シルバーマグ」で防具の裂け目に銃弾を撃ち込んでいく。
あとは上手く巨人を誘導して足を捻らせられれば……。
「危ないっ!」
突然響き渡るファリフの声。
キヅカの思考が一瞬途切れる。サイクロプスは巨大な足を高々とと振り上げたかと思えば、力一杯地面を踏み締める。
――どんっ!
前衛として比較的巨人の近くにいたキヅカ。地震にも振動を受け、キヅカの足に振動が伝わる。
「!?」
倒れないよう身体を支えるべく、無意識のうちに足に力を入れるキヅカ。
これにより軽やかな体裁きが一時的に停止する。この隙をサイクロプスは逃さなかった。
「……っ!」
気付けば、サイクロプスは棍棒を振り上げていた。キヅカがその場から動き出せば容赦なく棍棒を振り下ろすだろう。あの巨大な二の腕から繰り出される棍棒の衝撃を考えれば、キヅカは……。
「させるかよっ!」
ラスティがサイクロプスに向かってアサルトライフル「ヴォロンテAC47」を放つ。弾丸はサイクロプスの顔面へと突き刺さり、サイクロプスは顔面を手で覆い隠しながら数歩後退する。
「大丈夫?」
キヅカの身を案じてファリフが駆け寄ってきた。
「ああ」
「怠惰の本隊は部族の戦士とずっと戦ってきたから、接近戦に慣れている奴もいるんだ」
ファリフによれば、怠惰の中で機動性を重視する敵を力でねじ伏せる事に長けた奴もいるらしい。辺境部族は1体の巨人に対して複数名で対処する戦法を基本としてきた。怠惰の中にはそうした戦法に対して自然と対応する術を覚えてきたのだろう。
「了解だ。みんな、聞いただろ?
連中が怪しい動きを見せたら注意するんだ」
ラスティの呼び掛けでハンター達へ注意が促される。
「承知致しました」
「ふーん。簡単には殺らせねぇって訳か。そうこなくちゃなぁ」
怠惰の軍は、簡単に倒せる相手ではない。
その事を理解したハンター達であった。
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単に前衛が巨人を翻弄するだけでは面倒なケースもある。
しかし、ハンター達が事前に立てていた作戦は思わぬ形で的中する。
「図体が大きいと、急所も狙いやすくて結構です」
かなえの魔導銃がトロルの顔面を捉える。アルケミストデバイスで弾き出した弾道を描き、弾丸がトロルの頬を大きく抉る。
「ぎゃあぁぁぁ!」
「上泉さん、今です!」
「分かりました」
片膝をついたトロルの足を踏み台に、上泉は飛び上がる。
鬼霧雨の刃が甲冑と兜の合間をクラッシュブロウで一閃。
噴き出す鮮血。致命傷までは与えられないが、一定のダメージを与える事ができた。
「凄い、凄いよ!」
ハンターの活躍にファリフも興奮を隠せない。
巨人が接近戦に慣れているのであれば、遠距離からの火力を戦闘の中心に据えれば良い。巨人が前衛に気を取られている隙に後衛が遠距離攻撃。怯んだ隙に前衛が強烈な一撃を浴びせかけるという寸法だ。
「いえいえ。ファリフさんだって凄いですよ。その若さで部族のみんなを引っ張って……」
かなえはファリフからの言葉に恐縮する。
自分と同年代の少女が、既に一つの部族を率いている。
つい先日まで戦う事を躊躇していたかなえは、少々自分を恥じていた。
「そんな事ないよ。
さぁ、ボク達も負けてられないね!」
ファリフは地を駆けるもので、戦っていた巨人との間合いを詰める。
一方、ファリフ以上に張り切っている者もいる。
「おい、今だ。さっさと叩き込め」
「あー、もう。命令しないでもらえる?」
嬉々とした笑顔でロトに指示を出すイブリス。
振り下ろされる斧を寸前で回避しながら、スローイングで手裏剣「八握剣」を叩き込む。
手裏剣がサイクロプスの眼球に突き刺さり、サイクロプスは悶絶。
そこへロトのウインドスラッシュが炸裂。
甲冑の存在はあるものの、激しい風がサイクロプスの肌を引き裂く。風の刃に襲われ、サイクロプスは巨大な腕で必死に顔を守ろうとしている。
「それで守っているつもりか?
……木偶の坊が。とっとと倒れろ」
風を避けようと壁となる腕の隙間を突いて、八握剣の一撃を滑り込ませる。
高々と打ち上げられた八握剣がサイクロプスの頬を深々と傷つける。
鮮血が雨のように降り注ぎ、ウインドスラッシュが周囲を朱に染め上げる。
文字通り血煙が巻き起こり、イブリスをより一層興奮させる。
「どうしたっ! こんなもんじゃねぇだろ!
もっとだ! 怠惰ってぇのはこんなもんじゃねぇんだろ?」
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ハンターの活躍で一気に戦況はファリフ側へ傾く。
巨人達も剛腕で対抗しようとするものの、かなえとロトの後方支援に加えてラスティが適確な指示が優勢へと導いていく。
「敵は接近タイプの巨人。遠距離攻撃及び再生能力は無し、か」
ラスティはアサルトライフル「ヴォロンテAC47」でキヅカの後方支援をしながら、敵の情報を分析していた。
(……今回はCAM稼働実験場の偵察が目的。あくまで軽装備の怠惰と捉えるべきだな)
今後、怠惰の軍と対峙するのであればデータを参考にしたいところだ。
「ラスティ! こいつの甲冑、思ったよりも装甲は薄いかもしれません」
キヅカの言葉でラスティはデータ収集を一旦止めた。
反射的にキヅカへ真意を問い質す。
「どういう事だ?」
「下半身は敵に備えて防備を固めてますが、上半身は装飾をメインとした甲冑という事です」
サイクロプスの棍棒を回避しながら、キヅカは後方へ大きくジャンプする。
キヅカが敵の近くで観察したところ、上半身の装甲は見た目よりも薄い。手持ちのリボルバー「シルバーマグ」を至近距離から連射すれば穴が空く可能性があるようだ。
「今回の敵は軽装備だったようです。どうします? 上半身を狙ってみますか?」
「いや、リスクが大きすぎる。オレの後方支援で注意を引いたとしても、甲冑に穴を開けるには取り付く必要がある。もっと後方から火力を……」
ラスティがそう呟いた瞬間、上空を飛ぶ光が一つ。
光弾がサイクロプスへ衝突。サイクロプスの甲冑が大きく凹んだ。
「あれは……ホーリーライト」
キヅカの言葉を耳にして、ラスティは振り返った。
そこには見覚えのある甲冑に身を包んだ騎士達の姿があった。
「王国のみんな!」
ファリフが歓喜の声を上げる。
ファリフは付近の者へ救援を呼びかけていた。それに答えたのが王国騎士団の者達だったようだ。最近、ファリフは王国と連携を密にし始めたらしいが、その事がここで役に立ったようだ。
「申し訳ない、ファリフ殿。
マギア砦西の支援に手間取って到着が遅れてしまった」
「大丈夫だよ! ハンターのみんな頑張ってくれたから。
じゃあ、みんなで一気に敵を追い返しちゃおう!」
王国騎士団の登場で、ファリフらスコール族も士気上昇。
筋力充填を発動したファリフが愛用の斧を片手にトロルに向かって突撃を敢行する。
王国騎士団の登場で危機を感じ取った巨人達。慌てて背を向け、来た道を引き返し始める。
「何を勘違いしているんだい、まだ僕らのバトルフェーズは終了してないよ?」
キヅカは逃走する巨人を追撃。
それに他のハンター達も呼応する。
ハンター達は、敵にCAMの存在を気取られる事無く撃退に成功した。
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「戦いで生き残ればそれを祝いに酒を飲む。それが戦場の礼儀だろう?」
戦いが終わり、祝杯を上げるイブリス。
本当はスコール族の者達と一杯飲みたかったが、ここで飲んで帰ればマギア砦で待つオイマト族の族長に愚痴られると控えたようだ。
「しっかし、本当に動くの? 『これ』」
「動いてもらわないと困ります」
ロトの言葉に、かなえが返す。
ハンター達の前にあるのは、戦闘装甲機。通称CAMと呼ばれる兵器だ。
「今回の戦いで怠惰と対峙する戦力が必要だと分かりました。つまり……」
「つまり、この『きゃむ』ってぇのが怠惰をやっつけるのに必要って事だよね?」
上泉の言葉を付け加えるように、ファリフが言葉を続けた。
見た事もない兵器をじっと見つめるファリフ。その瞳には興味に溢れていた。
「僕達がCAMを受け入れなければ、この光景も期待もなかったんだよね」
「そうだな。だが、すべてが終わった訳じゃねぇ。……これからだ」
夢と希望を抱くファリフの傍らで、イブリスは二杯目の祝杯に口をつけた。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/12/18 22:47:05 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/14 10:19:32 |