ゲスト
(ka0000)
FBO5
マスター:とりる

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/05/07 22:00
- 完成日
- 2018/05/12 09:33
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
辺境の要塞都市【ノアーラ・クンタウ】。その内部にあるハンターズソサエティ。
童顔で女顔、細身の少年――ハンターの綾川・琉人は例によって無数の依頼書が貼られたクエストボードの前で依頼を物色中。
「……まだまだ、慌ただしいな」
琉人はぽつりと一言。世界では大きな戦いがとりあえず一段落した(?)らしいし。
辺境も白龍の巫女がなんだか大変らしいし。それにマギア砦が巨人の軍勢による襲撃を受けたらしい。
世界はまだまだ動乱の最中にある……平和は一体いつ訪れるのか……。そんな風にぼんやり考えながら依頼書を眺める。
(俺も、少しでも役に立てれば良いんだけど……)
琉人は自分の手の平に目をやり、じっと見つめる……。そんなとき。
「ちょっとそこなハンターさん」
――またか。聞き覚えがある可愛らしい女性の声が自分を呼んだ気がする……。
「そこのぼーっと突っ立てる背中に剣を担いだハンターさんですよー! ちょっと受付に来てくれませんか!!」
振り向けば馴染みの、黒髪ツインテールの受付嬢であった。仕方なく受付へ足を運ぶ。
「俺に何の用事ですか」
受付にてにっこーり笑み(営業スマイル)を浮かべる受付嬢の顔を見て、琉人はげんなり気味。
「クエストボードに目ぼしい依頼が無いのでしたらオススメの依頼があるのですよ」
……嫌な予感。
「いやですね、話を聞いてくださいよ! 辺境の草原に大きな牛型雑魔が現れたというので討伐のハンターを出したらですね――」
勘は当たりそうだ……。
「なんと! その草原には牛だけでなく、なんとも厄介な、武装解除攻撃をしてくるスライムもたくさん潜んでいたのですよー!!」
「やっぱり厄介ごとですか……」
「おかげで討伐に向かったハンター達は撤退。……あと、何やら精神的ダメージを受けていた様子でしたね。よく判りませんが」
それはにゅるにゅる的なアレではないのか……。
「というわけで! お願いします! 再討伐を依頼を出しますので受けてくれませんか……?」
黒髪ツインテールの受付嬢は両手を組んで上目遣いに、うるうるとした瞳でじっと見つめてくる……。
「……ああ、もう、分かりましたよ。その依頼、受けます。敵の手口が判っているなら対処のしようもあるでしょうし」
琉人はため息交じりに髪をかきながら了承した。
「ありがとうございます! 報酬は弾んでおきますね♪」
最上級の笑顔(営業スマイル)を浮かべる黒髪ツインテールの受付嬢――クラヴィーア・キルシェ(kz0038)であった。
童顔で女顔、細身の少年――ハンターの綾川・琉人は例によって無数の依頼書が貼られたクエストボードの前で依頼を物色中。
「……まだまだ、慌ただしいな」
琉人はぽつりと一言。世界では大きな戦いがとりあえず一段落した(?)らしいし。
辺境も白龍の巫女がなんだか大変らしいし。それにマギア砦が巨人の軍勢による襲撃を受けたらしい。
世界はまだまだ動乱の最中にある……平和は一体いつ訪れるのか……。そんな風にぼんやり考えながら依頼書を眺める。
(俺も、少しでも役に立てれば良いんだけど……)
琉人は自分の手の平に目をやり、じっと見つめる……。そんなとき。
「ちょっとそこなハンターさん」
――またか。聞き覚えがある可愛らしい女性の声が自分を呼んだ気がする……。
「そこのぼーっと突っ立てる背中に剣を担いだハンターさんですよー! ちょっと受付に来てくれませんか!!」
振り向けば馴染みの、黒髪ツインテールの受付嬢であった。仕方なく受付へ足を運ぶ。
「俺に何の用事ですか」
受付にてにっこーり笑み(営業スマイル)を浮かべる受付嬢の顔を見て、琉人はげんなり気味。
「クエストボードに目ぼしい依頼が無いのでしたらオススメの依頼があるのですよ」
……嫌な予感。
「いやですね、話を聞いてくださいよ! 辺境の草原に大きな牛型雑魔が現れたというので討伐のハンターを出したらですね――」
勘は当たりそうだ……。
「なんと! その草原には牛だけでなく、なんとも厄介な、武装解除攻撃をしてくるスライムもたくさん潜んでいたのですよー!!」
「やっぱり厄介ごとですか……」
「おかげで討伐に向かったハンター達は撤退。……あと、何やら精神的ダメージを受けていた様子でしたね。よく判りませんが」
それはにゅるにゅる的なアレではないのか……。
「というわけで! お願いします! 再討伐を依頼を出しますので受けてくれませんか……?」
黒髪ツインテールの受付嬢は両手を組んで上目遣いに、うるうるとした瞳でじっと見つめてくる……。
「……ああ、もう、分かりましたよ。その依頼、受けます。敵の手口が判っているなら対処のしようもあるでしょうし」
琉人はため息交じりに髪をかきながら了承した。
「ありがとうございます! 報酬は弾んでおきますね♪」
最上級の笑顔(営業スマイル)を浮かべる黒髪ツインテールの受付嬢――クラヴィーア・キルシェ(kz0038)であった。
リプレイ本文
●
討伐対象の巨大牛型雑魔がいるという草原にやって来たハンター達。
ちなみに前回討伐にやって来たハンターグループが撤退を余儀なくされた原因……。
武器解除攻撃を行ってくる非常に厄介なスライム型雑魔もこの草原に身を隠し、潜んでいるらしい……。
生い茂る草の背はそこそこに高く、足元が良く見えない。牛型雑魔から大分離れたここからでも注意しなければならないだろう。
「牛さんとスライムが相手なんだっけ? スライムに絡まれると気持ち悪そうだから気をつけないとだね♪」
エルフの元気っ子、ネフィリア・レインフォード(ka0444)はやはりスライムを警戒。
そう……スライムは武器解除攻撃を行ってくるだけでなく、そのにゅるにゅるした身体で相手に貼り付き、戦意を低下させてくるのだ。
「ふむ、この内容ならリハビリに丁度良いか。アークもいるみてぇだし、面倒なこともねぇだろ」
長らく前線から離れていたらしい柊 恭也(ka0711)。スライムの特殊攻撃を除けば、まあ敵は単純な構成とも言える。
「あれ、もっと軽い気持ちで来たような気がしたんだがいつの間にこんな事に」
その様に言うのはミリア・ラスティソード(ka1287)。
彼女は単純に敵を殲滅しに来たみたいだが……それはとても厄介なスライムをどうにか出来たら、の話だ。
そうすれば図体の大きい、突進しか能が無い巨大牛型雑魔だけになる。
「コウだ。よろしくな」
黒髪黒目に黒衣を纏った小柄な少年、コウ(ka3233)は皆に挨拶しつつ、彼の身の丈程もある得物、太刀『螺旋丸』を戦闘前に素振り。
(なんてーか、面倒な敵だな……)
コウの隣に居るのは彼とペアを組むイルミナ(ka5759)。何というか彼女は凄まじい露出を誇る素晴らしい衣装である。
「まともな戦闘はこの間の大精霊との戦い以来ね……。四m級……結構大きいわね……気を付けて……」
「ああ、俺は主に牛の方に当たるからな。イルミナも気を付けろ。その……色々な意味で」
二人はその様に会話。二人はカップル、恋人同士。息も合う事だろう。
「異常たる歪虚の存在だけでも嫌悪対象なのにスライムもですか」
雨月彩萌(ka3925)は異常な物全般を嫌い、自身は正常である事に拘る。
「気色悪いですね。あれならまだうちの兄の方が……いえ、どちらも同レベルの異常ですね」
実の兄をスライム雑魔と同列に扱う彼女……。
「あの暴れ牛、私が刃を交すだけの骨はあるのだろうな?」
大型の雑魔が出たと聞いて居ても立ってもいられなくなった不動 シオン(ka5395)。
彼女のメインターゲットは――当然、巨大牛型雑魔。
確実に邪魔をしてくるであろうスライムも有無を言わさず斬り捨てるつもりである。
「スライムに攻撃されると武器とかを落としてしまうらしいな……個人的なことを言うと、実はぬるぬるしたものは苦手なんだよなナメクジとかスライムとか」
アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)はぬめぬめとしたスライムの姿を想像して身震いし、その赤髪を揺らす。
「加えて、駆け出しの三年ぐらい前だったかスライムには一度ひどい目にあわされてるからな。あーあれは嫌だった、ぬるぬるしてる上に服や装備の中に入ってこようとするわ最悪だった」
新人ハンターだった頃の彼女は大変な経験をしてしまった様だ……よくトラウマにならなかったものだ。
それでもそれ相応に最悪な記憶として刻まれている様だが……。
(手足はともかく服の中にだけは入ってこられないようにしなくては)
人一倍『守りたい』という想いが強いアーク・フォーサイス(ka6568)――。
(草原とはいえ、誰も通りかからないわけじゃない。対象の雑魔がどこかに移動しないという保証もない)
彼は今回の討伐対象である雑魔が及ぼす可能性がある被害について思案する。
(ハンターや覚醒者であればまだ対処はできるだろうけれど、もし普通の人が遭遇してしまったら命に関わるかもしれない)
確かに、スライムは兎も角として、巨大牛型雑魔は一般人にとって大きな脅威だ。故に。
「ここでしっかり倒してしまわないと」
彼は拳をぎゅっと握る。
「不安要素のない戦闘なんてない、ですよね……」
緑色の瞳と小麦色の肌が特徴的な少女、巳蔓(ka7122)はぽつりと呟く。
(先の討伐で撤退した方々がどんな被害を受けたのか、怖い所ですが。今私達がやらなければ何も解決しないですし、戦うしかありませんね)
それは…………ここではとても描写出来ないアレやコレであるからして、大変なのだ。犯人はスライム。
最後に背中に長剣を背負った機導師、綾川・琉人。彼に話しかけるのはアルトとアークの二人。
「綾川君、他のメンバーが基本前衛になるから、必然的に囮になると思うので、そこを後衛として私達のサポートをお願いしたい」
「単独で動くよりも協力し合ったほうが効率的だと思うし、危険も減るはず」
二人は彼に協力を要請する。特に断る理由のない琉人は「いいですよ」と即OKした。
ハンター達は三班に分かれ、いよいよ牛型雑魔へ接近を図る!
●
一班――。
(クリスタルバレットを上手く頭に当てれば角を砕けるかも知れねぇな……)
恭也はクリスタルバレットを装填した大型魔導銃『オイリアンテMk3』を構え、その射程に牛雑魔を収めると――
「不良在庫の特殊弾だ。有り難く食らっとけ!」
照準。正確に牛雑魔の頭部に狙いを付け……【アルケミックパワー】を乗せた魔弾の一撃を放つ。
――放たれた青白く輝く魔法の弾丸は軌跡を描きつつ着弾。込められたマテリアルのエネルギーが爆発し、牛の角を粉砕する。
角を砕かれた一体の牛雑魔は苦しみ、悶える。残った角は一本だけ。しかもひび割れている。効果は絶大だ。
強烈な初撃を見舞ったハンター一班は、続いて大身槍『蜻蛉切』を構えたミリアと、妖刀『村正』を抜いたアークが前へ出る。
「しかし、スライムの武装解除やぬめりは厄介そうだ」
アークはスライムを警戒。
(多少気持ち悪くても耐える事は問題ないけれど……。良いものではないし、早く片付けてしまいたいね)
***
二班――。
「敵に連携をさせずに、各個撃破を狙いたいところです」
巳蔓はショットガン『ストラフォルン』を手に、牛雑魔を射程に収めるべく、プリーツスカートを翻し、草原を駆ける。
(異常変態の権化に等しい自分の兄を思い出してしまいました。この理不尽なやるせなさと怒りはとりあえず眼の前の異常にぶつけましょう)
彩萌も蒼機剣『N=Fシグニス』の柄を握り締め、マテリアルの刃を展開・刀身を形成させ、前へ。
「わたしの正常を保つ為に」
(スライムか……イルミナが精神ダメージを受けてたら……後で慰めよう)
コウは彼女の事を考えながら長大な太刀を抜き放つ。
「隠れていやらしい攻撃をしてくるスライムが厄介だ」
「……と、スライムもいるんだったかしら。武器を落とされて牛に狙われたら厄介ね」
イルミナも魔導銃『魔弾』を構えた。
「こっちは出来るだけ早く片付けるからお願いね」
「了解。頼んだ」
コウはそう言って牛雑魔目掛けて走って行った。
イルミナは彼を見送った後に【直感視】を使用。索敵を掛ける。
「――っ! コウ! 前方右斜め!」
「っ!?」
イルミナからの警告。コウは咄嗟に龍銃『ラントヴァイティル』へ装備を切り替え。引き金を引く。
……コウに接近を狙っていたスライムが銃弾を浴びて動きを止める。
「助かった!」
コウはそのまま駆け抜ける。
イルミナが発見したのはコウが撃破した一体だけでは無い。周囲に無数の違和感を覚えた。思わず背中がぞわぞわする。
とりあえず補足した近くの一体のスライムへ向けて【強弾】を乗せた魔導銃の銃弾を叩き込み、黙らせた。
その後も射撃を継続し、スライムを叩くが……予想より数が多い!
***
三班――。
「姿が見えないスライムはさておき、まずは牛さんの対応なのだ♪ 突進で吹き飛ばされないようにしないとかな? かな?」
ネフィは魔導大剣『ティルヴィング』を構え、無邪気に牛雑魔の方へ駆ける。
「ずっと見てる訳には行かないが、多少の動きの予想には役には立つだろう」
アルトは接近前に【空渡】を使用して空へ飛び上がる。そして、上空からスライムの位置を確認出来ないか眺めてみると……。
「――っ!? いっぱい居る!? 不動さん!」
警告を受けたシオン。周囲に沢山スライムが潜んでいるらしい。
彼女は【ソウルトーチ】を使用し、敵を引き付けた後に、
「一掃する」
妖刀『村正』にて前方を【薙ぎ払い】。スライム数体を同時に撃破。
その間、琉人も【デルタレイ】を使用。アルトが発見したスライムを複数同時に叩く。
●
恭也の初撃がクリーンヒットした為、牛雑魔の攻撃力を大幅に削ぎ、ほぼ無力化した一班――。
牛雑魔に突撃させる隙を与えず、ミリアは大身槍『蜻蛉切』の最大射程から突きを繰り出し、突き刺す。
「せりゃあああああ!!」
続いてアーク。【一之太刀】から【気息充溢】を使用し、【次元斬】を放って、牛雑魔を一刀の元に斬り捨てる。
ハンターの連携攻撃により牛雑魔一体は攻撃する間もなく、呻き声を上げながら絶命。大きな音と共にその巨体は地に伏した。
大物一体を仕留めたが――まだ敵は居た。そう、スライムです。
「スライムに纏わり付かれる野郎とか誰得だよって」
恭也は【攻性防壁】で弾き、【ファイアスローワー】によって焼き払う。スライムは大分数を減らしたものの、まだ残る。
迫るにゅるにゅるに対し、魔導拳銃『イフリータ』の引き金を引いて射撃。必死に近付けまいとする。
一方、ミリアは大身槍をスライムに奪われ、その隙に貼り付かれていた。ぬとぬとが身体中を覆う。
「わあああ、気持ち悪い~! 触るんじゃないよ! 離れろ~!!」
ぬめぬめが鎧の隙間から入り込み、にゅるんにゅるんと彼女の肌を這い回り、物凄く不快感を煽られ、戦意を低下させられていた……。
***
二班――。
こちらはコウが牛雑魔に対し、龍銃『ラントヴァイティル』による射撃で牽制した後、ドールリング『アンジュ・デシュ』のスキルアシスト、【アクセルオーバー】で加速。
【ランアウト】から【アサルトディスタンス】を使用し、すれ違い様に斬り付け、高速戦闘を仕掛ける。
イルミナは魔導銃で射撃し、先程補足したスライムを淡々と処理していく。
「そういえば武器落としはわかるけれど、精神的ダメージって何かしら……?」
気を抜いて首を傾げる彼女。そんな中、索敵範囲外からもスライムが接近していた事にまだ気付いていなかった……。
にゅるりん。
「――っ!?」
大部分が露出したイルミナの白磁の様な肌を何かが撫でた。牛……それは関係ない。今この場に居るのは? ……そう、スライム。
スライムは遠慮などするはずもなく彼女の身体に群がり貼り付き、にゅるんにゅるん。
「~~~~!? こっ……この……っ!!」
イルミナはその何とも言えない感触にぷるぷると打ち震え、堪らず涙目で乱射を開始。だがそれでスライムを剥がせるはずもなく……。
「~~!? ~~~~!!!!」
また、散弾銃で射撃していた巳蔓も、スライムに銃を取り上げられ、その滑らかな小麦色の肌に貼り付かれいた。
「……殺す気のない攻撃など、平気です」
表情を崩さず、銃を取り戻そうとする巳蔓。しかし、スライムは数だけは多く、どんどん群がって来る。にゅるにゅる。
(味方や私の戦意が、スライム如きに挫けるものではないと証明してみせます)
強い意志を持ち、素手でスライムに立ち向かう巳蔓。しかし――にゅるりん。
「~~っ!?」
敏感な部分をスライムのぬるぬるが撫でた。
(この……くらい……何とも……!)
表面上は平静を保ち、迫るスライムを押し退けて漸く散弾銃を奪還。反撃に転ずる。
「ただ斬るだけでは不足です。その身、その命、この炎で焼き尽くす」
彩萌は異常たるスライムに怒りを燃やし、【攻性防壁】で弾きつつ、低い姿勢を取り、【紅蓮斬】を叩き込む。
「異常が、そう簡単にわたしに触れられると思わないで下さい」
***
三班――。
ネフィは牛雑魔に相対し、敵の突撃に合わせ、その直線状に大剣を置く形で攻撃を行う。
「足を何とか出来れば突進も怖くなさそうだけど……出来るかなー?」
牛雑魔の脚を傷付ける事は出来る物の数回では動きを鈍らせる程度だった。
そこへ――アルト。今度は彼女の方へ突進を掛ける牛雑魔に対し、【紅雷】からの【散華】。
カウンター攻撃を見舞い、既にダメージを受けていた牛雑魔を瀕死の状態に追い込む。
シオンはスライムに斬り掛かるが一体を撃破したものの刀を奪われてしまう。そしてぬるぬる攻撃。
だが――彼女は問題にしなかった。
「覚悟もなくこの刀に触れると命を縮めることになるぞ?」
拳銃で射撃を喰わらせ刀を取り返した後、再び斬撃を繰り出す。
……辺り一帯ののスライムを屠り尽くすまで、彼女は攻撃の手を緩める事は無かった。
「こいつを使いこなすのは貴様らには荷が重過ぎた様だな?」
●
二班――。
にゅるにゅる。今度は彩萌が隙を突かれてスライムの攻撃を受けていた。わなわなする彼女……。
「異常が、異常がわたしに……わたしの、肌に……」
羞恥や嫌悪感を振り切って、怒りのボルテージMAX。表情は変わらないが声のトーンが落ちる。
「倒すのでも、燃やすのでも足りません。細胞の一欠片も残さず、この世界から消し去ってやります!」
機杖『エレクトロン』を用いて【マテリアルチャージャー】、そして【ファイアスローワー】でスライムごと周囲を焼き払う。
スライムを消し去るまで攻撃を続行。
巳蔓も愛銃であるショットガン『ストラフォルン』で黙々と射撃し、スライムを消し飛ばす。
「……許せません……」
無表情だが、心なしか頬が赤らんでいる様にも見える?
***
三班――。
「ふみゃぁ!? 本当にこのスライム、ぞわぞわするのだ!!」
こちらでは今度はネフィが貼り付かれにゅるりんにゅるりんされていた。
「牛さんを倒す邪魔だからはーなーれーるーのーだー!」
もだもだするが離れない。気持ちの悪い感触にぞわぞわして戦意低下させられるネフィ。
「ネフィ君から離れなさい! って、こっちにも!? 近寄るな!! やめろぉぉぉ!!」
アルトにも触手を伸ばすスライム雑魔……。
剛刀『大輪一文字』を振るって薙ぎ払うが、それ以上の数が群がりにゅるんにゅるん。服の隙間からも――。
一方、シオン。
「そう簡単に死ぬなよ暴れ牛。この私が貴様の首を刈り取るまではな」
本命の牛雑魔――しかしそれはアルトの攻撃で既に瀕死の状態。
「その角は飾りか? そいつで私を斬り刻んでみろ、串刺しにしてみろ」
刀による斬撃で角を落し、【閃火爆砕】でトドメ。だがまだ物足りぬのか続けて【刺突一閃】によりオーバーキル。
串刺しにされた牛雑魔はずしーん! と地に伏した。
***
「せりゃあっ!!」
コウが太刀を振るい、鋭い斬撃を加え、最後の牛雑魔を撃破。
その後は全員で草原全体を捜索。
「牛は倒したけどスライムは残ってました、だと解決にはなってないしねー」
言ったのはネフィ。そんな訳でスライムを徹底的に狩り尽くした。特に女性陣は怒り心頭だった模様。
イルミナはスライム駆除終了後、コウに八つ当たり。
「あなたもちゃんと周り見てなさいよ……! ボーッとしてて……全く……!」
「いや、予想以上に多かったし。でもまあ、良く頑張ったな」
コウはイルミナをよしよしする。顔を赤くして頬を膨らませていたイルミナだったが、宥められて徐々に収束。
こうして依頼は完了。……やはり厄介だったのは牛雑魔では無くスライム雑魔だった……。
疲労感を露わにする一同。草原には予想よりかなり多い、大量のスライムが潜んでいた。
これでは前任のハンターグループも撤退を決める筈である……。事前情報が無ければ対処し切れなかっただろう。
「長いこと離れてたから、身体も錆びついてるし確認しておかねぇとな」
恭也は軽く装備を点検。見事な一撃を放ってくれた武器だ。これからも大事にしたい。
一同はそれからすぐ帰路に着く。
***
ハンターズソサエティへ帰還し、報告を終えた一同、女性陣は真っ先にシャワールームへ。
「あ~やっとぬめぬめが取れるのだ~生き返るのだ~」
「気持ち悪いよねーホントにー。鎧も洗わなきゃ」
「スライム……結局手足以外にも触れてしまった……うぅぅ……また嫌な記憶が増えた」
「わたしの肌に触れた異常は落とす……徹底的に落とす……」
「……皆、大変だった様だな。私はもっと歯応えのある獲物が欲しかった」
「まったくもう、まったくもう、なんであんなに沢山! 分裂して増えたとか?」
「……ふぁ、戦闘後のシャワーは……気持ちいいですね……。……あのぬめぬめは、絶対に根絶やしにすべきです……」
そんな話し声が女性用シャワールームに響いた。
ちなみにスライムの様な雑魔は負のマテリアル溜まりから自然発生してしまうのでどうしようものないのである。
にゅるにゅると女性陣の戦いはこれからも続く……?
討伐対象の巨大牛型雑魔がいるという草原にやって来たハンター達。
ちなみに前回討伐にやって来たハンターグループが撤退を余儀なくされた原因……。
武器解除攻撃を行ってくる非常に厄介なスライム型雑魔もこの草原に身を隠し、潜んでいるらしい……。
生い茂る草の背はそこそこに高く、足元が良く見えない。牛型雑魔から大分離れたここからでも注意しなければならないだろう。
「牛さんとスライムが相手なんだっけ? スライムに絡まれると気持ち悪そうだから気をつけないとだね♪」
エルフの元気っ子、ネフィリア・レインフォード(ka0444)はやはりスライムを警戒。
そう……スライムは武器解除攻撃を行ってくるだけでなく、そのにゅるにゅるした身体で相手に貼り付き、戦意を低下させてくるのだ。
「ふむ、この内容ならリハビリに丁度良いか。アークもいるみてぇだし、面倒なこともねぇだろ」
長らく前線から離れていたらしい柊 恭也(ka0711)。スライムの特殊攻撃を除けば、まあ敵は単純な構成とも言える。
「あれ、もっと軽い気持ちで来たような気がしたんだがいつの間にこんな事に」
その様に言うのはミリア・ラスティソード(ka1287)。
彼女は単純に敵を殲滅しに来たみたいだが……それはとても厄介なスライムをどうにか出来たら、の話だ。
そうすれば図体の大きい、突進しか能が無い巨大牛型雑魔だけになる。
「コウだ。よろしくな」
黒髪黒目に黒衣を纏った小柄な少年、コウ(ka3233)は皆に挨拶しつつ、彼の身の丈程もある得物、太刀『螺旋丸』を戦闘前に素振り。
(なんてーか、面倒な敵だな……)
コウの隣に居るのは彼とペアを組むイルミナ(ka5759)。何というか彼女は凄まじい露出を誇る素晴らしい衣装である。
「まともな戦闘はこの間の大精霊との戦い以来ね……。四m級……結構大きいわね……気を付けて……」
「ああ、俺は主に牛の方に当たるからな。イルミナも気を付けろ。その……色々な意味で」
二人はその様に会話。二人はカップル、恋人同士。息も合う事だろう。
「異常たる歪虚の存在だけでも嫌悪対象なのにスライムもですか」
雨月彩萌(ka3925)は異常な物全般を嫌い、自身は正常である事に拘る。
「気色悪いですね。あれならまだうちの兄の方が……いえ、どちらも同レベルの異常ですね」
実の兄をスライム雑魔と同列に扱う彼女……。
「あの暴れ牛、私が刃を交すだけの骨はあるのだろうな?」
大型の雑魔が出たと聞いて居ても立ってもいられなくなった不動 シオン(ka5395)。
彼女のメインターゲットは――当然、巨大牛型雑魔。
確実に邪魔をしてくるであろうスライムも有無を言わさず斬り捨てるつもりである。
「スライムに攻撃されると武器とかを落としてしまうらしいな……個人的なことを言うと、実はぬるぬるしたものは苦手なんだよなナメクジとかスライムとか」
アルト・ヴァレンティーニ(ka3109)はぬめぬめとしたスライムの姿を想像して身震いし、その赤髪を揺らす。
「加えて、駆け出しの三年ぐらい前だったかスライムには一度ひどい目にあわされてるからな。あーあれは嫌だった、ぬるぬるしてる上に服や装備の中に入ってこようとするわ最悪だった」
新人ハンターだった頃の彼女は大変な経験をしてしまった様だ……よくトラウマにならなかったものだ。
それでもそれ相応に最悪な記憶として刻まれている様だが……。
(手足はともかく服の中にだけは入ってこられないようにしなくては)
人一倍『守りたい』という想いが強いアーク・フォーサイス(ka6568)――。
(草原とはいえ、誰も通りかからないわけじゃない。対象の雑魔がどこかに移動しないという保証もない)
彼は今回の討伐対象である雑魔が及ぼす可能性がある被害について思案する。
(ハンターや覚醒者であればまだ対処はできるだろうけれど、もし普通の人が遭遇してしまったら命に関わるかもしれない)
確かに、スライムは兎も角として、巨大牛型雑魔は一般人にとって大きな脅威だ。故に。
「ここでしっかり倒してしまわないと」
彼は拳をぎゅっと握る。
「不安要素のない戦闘なんてない、ですよね……」
緑色の瞳と小麦色の肌が特徴的な少女、巳蔓(ka7122)はぽつりと呟く。
(先の討伐で撤退した方々がどんな被害を受けたのか、怖い所ですが。今私達がやらなければ何も解決しないですし、戦うしかありませんね)
それは…………ここではとても描写出来ないアレやコレであるからして、大変なのだ。犯人はスライム。
最後に背中に長剣を背負った機導師、綾川・琉人。彼に話しかけるのはアルトとアークの二人。
「綾川君、他のメンバーが基本前衛になるから、必然的に囮になると思うので、そこを後衛として私達のサポートをお願いしたい」
「単独で動くよりも協力し合ったほうが効率的だと思うし、危険も減るはず」
二人は彼に協力を要請する。特に断る理由のない琉人は「いいですよ」と即OKした。
ハンター達は三班に分かれ、いよいよ牛型雑魔へ接近を図る!
●
一班――。
(クリスタルバレットを上手く頭に当てれば角を砕けるかも知れねぇな……)
恭也はクリスタルバレットを装填した大型魔導銃『オイリアンテMk3』を構え、その射程に牛雑魔を収めると――
「不良在庫の特殊弾だ。有り難く食らっとけ!」
照準。正確に牛雑魔の頭部に狙いを付け……【アルケミックパワー】を乗せた魔弾の一撃を放つ。
――放たれた青白く輝く魔法の弾丸は軌跡を描きつつ着弾。込められたマテリアルのエネルギーが爆発し、牛の角を粉砕する。
角を砕かれた一体の牛雑魔は苦しみ、悶える。残った角は一本だけ。しかもひび割れている。効果は絶大だ。
強烈な初撃を見舞ったハンター一班は、続いて大身槍『蜻蛉切』を構えたミリアと、妖刀『村正』を抜いたアークが前へ出る。
「しかし、スライムの武装解除やぬめりは厄介そうだ」
アークはスライムを警戒。
(多少気持ち悪くても耐える事は問題ないけれど……。良いものではないし、早く片付けてしまいたいね)
***
二班――。
「敵に連携をさせずに、各個撃破を狙いたいところです」
巳蔓はショットガン『ストラフォルン』を手に、牛雑魔を射程に収めるべく、プリーツスカートを翻し、草原を駆ける。
(異常変態の権化に等しい自分の兄を思い出してしまいました。この理不尽なやるせなさと怒りはとりあえず眼の前の異常にぶつけましょう)
彩萌も蒼機剣『N=Fシグニス』の柄を握り締め、マテリアルの刃を展開・刀身を形成させ、前へ。
「わたしの正常を保つ為に」
(スライムか……イルミナが精神ダメージを受けてたら……後で慰めよう)
コウは彼女の事を考えながら長大な太刀を抜き放つ。
「隠れていやらしい攻撃をしてくるスライムが厄介だ」
「……と、スライムもいるんだったかしら。武器を落とされて牛に狙われたら厄介ね」
イルミナも魔導銃『魔弾』を構えた。
「こっちは出来るだけ早く片付けるからお願いね」
「了解。頼んだ」
コウはそう言って牛雑魔目掛けて走って行った。
イルミナは彼を見送った後に【直感視】を使用。索敵を掛ける。
「――っ! コウ! 前方右斜め!」
「っ!?」
イルミナからの警告。コウは咄嗟に龍銃『ラントヴァイティル』へ装備を切り替え。引き金を引く。
……コウに接近を狙っていたスライムが銃弾を浴びて動きを止める。
「助かった!」
コウはそのまま駆け抜ける。
イルミナが発見したのはコウが撃破した一体だけでは無い。周囲に無数の違和感を覚えた。思わず背中がぞわぞわする。
とりあえず補足した近くの一体のスライムへ向けて【強弾】を乗せた魔導銃の銃弾を叩き込み、黙らせた。
その後も射撃を継続し、スライムを叩くが……予想より数が多い!
***
三班――。
「姿が見えないスライムはさておき、まずは牛さんの対応なのだ♪ 突進で吹き飛ばされないようにしないとかな? かな?」
ネフィは魔導大剣『ティルヴィング』を構え、無邪気に牛雑魔の方へ駆ける。
「ずっと見てる訳には行かないが、多少の動きの予想には役には立つだろう」
アルトは接近前に【空渡】を使用して空へ飛び上がる。そして、上空からスライムの位置を確認出来ないか眺めてみると……。
「――っ!? いっぱい居る!? 不動さん!」
警告を受けたシオン。周囲に沢山スライムが潜んでいるらしい。
彼女は【ソウルトーチ】を使用し、敵を引き付けた後に、
「一掃する」
妖刀『村正』にて前方を【薙ぎ払い】。スライム数体を同時に撃破。
その間、琉人も【デルタレイ】を使用。アルトが発見したスライムを複数同時に叩く。
●
恭也の初撃がクリーンヒットした為、牛雑魔の攻撃力を大幅に削ぎ、ほぼ無力化した一班――。
牛雑魔に突撃させる隙を与えず、ミリアは大身槍『蜻蛉切』の最大射程から突きを繰り出し、突き刺す。
「せりゃあああああ!!」
続いてアーク。【一之太刀】から【気息充溢】を使用し、【次元斬】を放って、牛雑魔を一刀の元に斬り捨てる。
ハンターの連携攻撃により牛雑魔一体は攻撃する間もなく、呻き声を上げながら絶命。大きな音と共にその巨体は地に伏した。
大物一体を仕留めたが――まだ敵は居た。そう、スライムです。
「スライムに纏わり付かれる野郎とか誰得だよって」
恭也は【攻性防壁】で弾き、【ファイアスローワー】によって焼き払う。スライムは大分数を減らしたものの、まだ残る。
迫るにゅるにゅるに対し、魔導拳銃『イフリータ』の引き金を引いて射撃。必死に近付けまいとする。
一方、ミリアは大身槍をスライムに奪われ、その隙に貼り付かれていた。ぬとぬとが身体中を覆う。
「わあああ、気持ち悪い~! 触るんじゃないよ! 離れろ~!!」
ぬめぬめが鎧の隙間から入り込み、にゅるんにゅるんと彼女の肌を這い回り、物凄く不快感を煽られ、戦意を低下させられていた……。
***
二班――。
こちらはコウが牛雑魔に対し、龍銃『ラントヴァイティル』による射撃で牽制した後、ドールリング『アンジュ・デシュ』のスキルアシスト、【アクセルオーバー】で加速。
【ランアウト】から【アサルトディスタンス】を使用し、すれ違い様に斬り付け、高速戦闘を仕掛ける。
イルミナは魔導銃で射撃し、先程補足したスライムを淡々と処理していく。
「そういえば武器落としはわかるけれど、精神的ダメージって何かしら……?」
気を抜いて首を傾げる彼女。そんな中、索敵範囲外からもスライムが接近していた事にまだ気付いていなかった……。
にゅるりん。
「――っ!?」
大部分が露出したイルミナの白磁の様な肌を何かが撫でた。牛……それは関係ない。今この場に居るのは? ……そう、スライム。
スライムは遠慮などするはずもなく彼女の身体に群がり貼り付き、にゅるんにゅるん。
「~~~~!? こっ……この……っ!!」
イルミナはその何とも言えない感触にぷるぷると打ち震え、堪らず涙目で乱射を開始。だがそれでスライムを剥がせるはずもなく……。
「~~!? ~~~~!!!!」
また、散弾銃で射撃していた巳蔓も、スライムに銃を取り上げられ、その滑らかな小麦色の肌に貼り付かれいた。
「……殺す気のない攻撃など、平気です」
表情を崩さず、銃を取り戻そうとする巳蔓。しかし、スライムは数だけは多く、どんどん群がって来る。にゅるにゅる。
(味方や私の戦意が、スライム如きに挫けるものではないと証明してみせます)
強い意志を持ち、素手でスライムに立ち向かう巳蔓。しかし――にゅるりん。
「~~っ!?」
敏感な部分をスライムのぬるぬるが撫でた。
(この……くらい……何とも……!)
表面上は平静を保ち、迫るスライムを押し退けて漸く散弾銃を奪還。反撃に転ずる。
「ただ斬るだけでは不足です。その身、その命、この炎で焼き尽くす」
彩萌は異常たるスライムに怒りを燃やし、【攻性防壁】で弾きつつ、低い姿勢を取り、【紅蓮斬】を叩き込む。
「異常が、そう簡単にわたしに触れられると思わないで下さい」
***
三班――。
ネフィは牛雑魔に相対し、敵の突撃に合わせ、その直線状に大剣を置く形で攻撃を行う。
「足を何とか出来れば突進も怖くなさそうだけど……出来るかなー?」
牛雑魔の脚を傷付ける事は出来る物の数回では動きを鈍らせる程度だった。
そこへ――アルト。今度は彼女の方へ突進を掛ける牛雑魔に対し、【紅雷】からの【散華】。
カウンター攻撃を見舞い、既にダメージを受けていた牛雑魔を瀕死の状態に追い込む。
シオンはスライムに斬り掛かるが一体を撃破したものの刀を奪われてしまう。そしてぬるぬる攻撃。
だが――彼女は問題にしなかった。
「覚悟もなくこの刀に触れると命を縮めることになるぞ?」
拳銃で射撃を喰わらせ刀を取り返した後、再び斬撃を繰り出す。
……辺り一帯ののスライムを屠り尽くすまで、彼女は攻撃の手を緩める事は無かった。
「こいつを使いこなすのは貴様らには荷が重過ぎた様だな?」
●
二班――。
にゅるにゅる。今度は彩萌が隙を突かれてスライムの攻撃を受けていた。わなわなする彼女……。
「異常が、異常がわたしに……わたしの、肌に……」
羞恥や嫌悪感を振り切って、怒りのボルテージMAX。表情は変わらないが声のトーンが落ちる。
「倒すのでも、燃やすのでも足りません。細胞の一欠片も残さず、この世界から消し去ってやります!」
機杖『エレクトロン』を用いて【マテリアルチャージャー】、そして【ファイアスローワー】でスライムごと周囲を焼き払う。
スライムを消し去るまで攻撃を続行。
巳蔓も愛銃であるショットガン『ストラフォルン』で黙々と射撃し、スライムを消し飛ばす。
「……許せません……」
無表情だが、心なしか頬が赤らんでいる様にも見える?
***
三班――。
「ふみゃぁ!? 本当にこのスライム、ぞわぞわするのだ!!」
こちらでは今度はネフィが貼り付かれにゅるりんにゅるりんされていた。
「牛さんを倒す邪魔だからはーなーれーるーのーだー!」
もだもだするが離れない。気持ちの悪い感触にぞわぞわして戦意低下させられるネフィ。
「ネフィ君から離れなさい! って、こっちにも!? 近寄るな!! やめろぉぉぉ!!」
アルトにも触手を伸ばすスライム雑魔……。
剛刀『大輪一文字』を振るって薙ぎ払うが、それ以上の数が群がりにゅるんにゅるん。服の隙間からも――。
一方、シオン。
「そう簡単に死ぬなよ暴れ牛。この私が貴様の首を刈り取るまではな」
本命の牛雑魔――しかしそれはアルトの攻撃で既に瀕死の状態。
「その角は飾りか? そいつで私を斬り刻んでみろ、串刺しにしてみろ」
刀による斬撃で角を落し、【閃火爆砕】でトドメ。だがまだ物足りぬのか続けて【刺突一閃】によりオーバーキル。
串刺しにされた牛雑魔はずしーん! と地に伏した。
***
「せりゃあっ!!」
コウが太刀を振るい、鋭い斬撃を加え、最後の牛雑魔を撃破。
その後は全員で草原全体を捜索。
「牛は倒したけどスライムは残ってました、だと解決にはなってないしねー」
言ったのはネフィ。そんな訳でスライムを徹底的に狩り尽くした。特に女性陣は怒り心頭だった模様。
イルミナはスライム駆除終了後、コウに八つ当たり。
「あなたもちゃんと周り見てなさいよ……! ボーッとしてて……全く……!」
「いや、予想以上に多かったし。でもまあ、良く頑張ったな」
コウはイルミナをよしよしする。顔を赤くして頬を膨らませていたイルミナだったが、宥められて徐々に収束。
こうして依頼は完了。……やはり厄介だったのは牛雑魔では無くスライム雑魔だった……。
疲労感を露わにする一同。草原には予想よりかなり多い、大量のスライムが潜んでいた。
これでは前任のハンターグループも撤退を決める筈である……。事前情報が無ければ対処し切れなかっただろう。
「長いこと離れてたから、身体も錆びついてるし確認しておかねぇとな」
恭也は軽く装備を点検。見事な一撃を放ってくれた武器だ。これからも大事にしたい。
一同はそれからすぐ帰路に着く。
***
ハンターズソサエティへ帰還し、報告を終えた一同、女性陣は真っ先にシャワールームへ。
「あ~やっとぬめぬめが取れるのだ~生き返るのだ~」
「気持ち悪いよねーホントにー。鎧も洗わなきゃ」
「スライム……結局手足以外にも触れてしまった……うぅぅ……また嫌な記憶が増えた」
「わたしの肌に触れた異常は落とす……徹底的に落とす……」
「……皆、大変だった様だな。私はもっと歯応えのある獲物が欲しかった」
「まったくもう、まったくもう、なんであんなに沢山! 分裂して増えたとか?」
「……ふぁ、戦闘後のシャワーは……気持ちいいですね……。……あのぬめぬめは、絶対に根絶やしにすべきです……」
そんな話し声が女性用シャワールームに響いた。
ちなみにスライムの様な雑魔は負のマテリアル溜まりから自然発生してしまうのでどうしようものないのである。
にゅるにゅると女性陣の戦いはこれからも続く……?
依頼結果
依頼成功度 | 成功 |
---|
面白かった! | 6人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
- Commander
柊 恭也(ka0711)
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/05/05 01:02:57 |
|
![]() |
相談卓 ミリア・ラスティソード(ka1287) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/05/07 20:34:35 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/05 11:40:30 |