ゲスト
(ka0000)
ビューティーのマホウ
マスター:電気石八生

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/06/07 09:00
- 完成日
- 2018/06/11 08:59
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●絶許
イィィィィィイヤァァァァァア!!
ノアーラ・ケンタウの片隅よりオネエの絶叫が飛びだして――夜闇の中にかき消えた。
「ウソ――ウソよウソウソ! だってアタシ、ボクサーよぉ!? なななののににに――」
声音をいくら震わせたところで、ゲモ・ママを乗せた体重計の天秤は揺らがない。
「これはアレよ! リアルブルーよかクリムゾンウェストのほうが重力強いとか、いわゆるひとつのそういうヤツなのよ!」
ちなみにボクシングの計量で使う体重計は天秤式の台秤である。
世界とは自転により、各地で重力が異なるものだ。そして当然のことながら、重力が強い場所では重量も増える。デジタル秤ではこの部分があいまいになるため、「数値」を目盛で固定できる昔ながらの秤が使用されるわけだ。
つまり。フェザー級のリミット体重であるところの126パウンド――57・153キログラムをあっさりはみだしているママの体重は、リアルブルーだろうとクリムゾンウェストだろうと同じようにリミットオーバー。
「オーケイ、落ち着いてちょうだい、ママ。深呼吸ぅ始め、ヒッヒッフーってそれ妊婦ぅ! できるもんならしてみてぇわー! ギブミー女の幸せっ! とか言ってる場合じゃねぇのよアタシぃ! 数えるのよオーバーしてる体重……1オンス2オンス3オンスじゃいつまでたっても終わんねぇわー!」
と、セルフツッコミはさておき。
太ってしまった理由はなんだ? 酒だ。いやそれは思いつかなかったことにして、やはりバーなんてやっているせいで毎晩酒を飲んでいるからって、だからそれは気づいちゃいけないことなので置いておいて。うん、運動が足りていないのが悪い。そういうことにする。決定。
「たとえこの世界にボクシングがなくっても、アタシは生涯現役なのよ……やるわよアタシ。126パウンドまでアタシを引き戻す。豊富な減量地獄経験を生かしてね」
少なくともママの場合、減量地獄へ何度も突き落とされるほどに不摂生なボクサー生活を送ってきたってことなわけだが。
とにかくやるのだ。
「っていっても、ぼっちじゃ盛り上がんねぇわよねぇ……」
●バー“二郎”にて(あるいは陰謀)
ねぇアンタたちぃ?
いっつもお店に来てくれちゃって、アタシすっごいウレシイんだけどさぁ。最近ね、ちょぉっといらないお肉、増えてきたんじゃなぁい?
え? そんなことねぇって? ――アンタたち、アタシのことなんだと思ってんのぉ? ボクサーよボクサー! 減量はオトモダチ! そのアタシが言うんだから絶対太ってんのよぉ!
こほん。アタシってばシンパイなのよねぇ、アンタたちの健康とか美貌とかあれとかそれとかこれとか! だからね、ここらでちょっと引き締めとか、ね?
あらぁ、デモデモダッテ、ダイエットのしかたなんてわかんねぇ? アンタ、誰の前で言ってくれちゃってんのってハナシよ!
魔法使いなんかじゃねぇアタシだけど、いっこだけ使える魔法があんのよ。
それはね、アンタたちをビューティーにしたげるマ・ホ・ウっ♪
だから安心してママにイッパツお任せよぉ!
荷物まとめて飛び込んでらっしゃい! あ、集合は北の荒野の縁んとこね。逃げんじゃねぇわよ、遅刻ヤロウは家まで引きずり出しに行っちゃうんだからねぇ?
イィィィィィイヤァァァァァア!!
ノアーラ・ケンタウの片隅よりオネエの絶叫が飛びだして――夜闇の中にかき消えた。
「ウソ――ウソよウソウソ! だってアタシ、ボクサーよぉ!? なななののににに――」
声音をいくら震わせたところで、ゲモ・ママを乗せた体重計の天秤は揺らがない。
「これはアレよ! リアルブルーよかクリムゾンウェストのほうが重力強いとか、いわゆるひとつのそういうヤツなのよ!」
ちなみにボクシングの計量で使う体重計は天秤式の台秤である。
世界とは自転により、各地で重力が異なるものだ。そして当然のことながら、重力が強い場所では重量も増える。デジタル秤ではこの部分があいまいになるため、「数値」を目盛で固定できる昔ながらの秤が使用されるわけだ。
つまり。フェザー級のリミット体重であるところの126パウンド――57・153キログラムをあっさりはみだしているママの体重は、リアルブルーだろうとクリムゾンウェストだろうと同じようにリミットオーバー。
「オーケイ、落ち着いてちょうだい、ママ。深呼吸ぅ始め、ヒッヒッフーってそれ妊婦ぅ! できるもんならしてみてぇわー! ギブミー女の幸せっ! とか言ってる場合じゃねぇのよアタシぃ! 数えるのよオーバーしてる体重……1オンス2オンス3オンスじゃいつまでたっても終わんねぇわー!」
と、セルフツッコミはさておき。
太ってしまった理由はなんだ? 酒だ。いやそれは思いつかなかったことにして、やはりバーなんてやっているせいで毎晩酒を飲んでいるからって、だからそれは気づいちゃいけないことなので置いておいて。うん、運動が足りていないのが悪い。そういうことにする。決定。
「たとえこの世界にボクシングがなくっても、アタシは生涯現役なのよ……やるわよアタシ。126パウンドまでアタシを引き戻す。豊富な減量地獄経験を生かしてね」
少なくともママの場合、減量地獄へ何度も突き落とされるほどに不摂生なボクサー生活を送ってきたってことなわけだが。
とにかくやるのだ。
「っていっても、ぼっちじゃ盛り上がんねぇわよねぇ……」
●バー“二郎”にて(あるいは陰謀)
ねぇアンタたちぃ?
いっつもお店に来てくれちゃって、アタシすっごいウレシイんだけどさぁ。最近ね、ちょぉっといらないお肉、増えてきたんじゃなぁい?
え? そんなことねぇって? ――アンタたち、アタシのことなんだと思ってんのぉ? ボクサーよボクサー! 減量はオトモダチ! そのアタシが言うんだから絶対太ってんのよぉ!
こほん。アタシってばシンパイなのよねぇ、アンタたちの健康とか美貌とかあれとかそれとかこれとか! だからね、ここらでちょっと引き締めとか、ね?
あらぁ、デモデモダッテ、ダイエットのしかたなんてわかんねぇ? アンタ、誰の前で言ってくれちゃってんのってハナシよ!
魔法使いなんかじゃねぇアタシだけど、いっこだけ使える魔法があんのよ。
それはね、アンタたちをビューティーにしたげるマ・ホ・ウっ♪
だから安心してママにイッパツお任せよぉ!
荷物まとめて飛び込んでらっしゃい! あ、集合は北の荒野の縁んとこね。逃げんじゃねぇわよ、遅刻ヤロウは家まで引きずり出しに行っちゃうんだからねぇ?
リプレイ本文
●ランニング・ゴーゴー
「最初はランニングよぉ~! 走りなさぁい!」
見渡す限りの荒野にゲモ・ママの裏声が響き。
六名のハンターならぬダイエッターたちが走り出した。
「ストレッチの効果、出てますね」
雪ノ下正太郎(ka0539)がとなりを走るイヴ(ka6763)に笑みを投げた。
「うん! これってブルーのスポーツ科学知識?」
最近、ママの経営するバー“二郎”で食べ過ぎている自覚はあった。だから決意したのだ。ビューティーのマホウ、かかってみよっかなー。
で、家主である正太郎も鍛錬ついでにどう? と誘ってみたわけだ。
ビキニアーマーでその小柄な体を固め、勢い込んで集合場所へやってきたサクラ・エルフリード(ka2598)は、そのままの姿で荒野を駆ける。
超真面目な彼女。合宿の話を聞いて、人を護る騎士として己を鍛え上げることを思い定めたのだが。
「すべてはビキニアーマーのためなのです……!」
人を護る志は、現在行方不明である。
なぜ私はここにいるんだろう? さらわれてきたからだ。
サクラに負けない露出度と、サクラを超越したナイスバディのレイア・アローネ(ka4082)は自問を投げ、自答した。
いや、抗うことはできたんだ。なぜなら私は別に太ってなどいないからだ。日頃から鍛えているし、食事だって生き延びるに必要なものを必要……以上に。
レイアが真実からそっと目を逸らしたのは言うまでもなかった。
最後尾についたママの前を行くメンカル(ka5338)。
彼は前回の依頼でママに「13ポンド減らして」と言われていた。格闘士の言には根拠があるはず。そう思い、彼は合宿参加を決めたのだ。
『ちょっと絞ろうと思って来たんだが、いいか?』
あのときのママの眼光、忘れはしない。無機質なのに熱っぽい、蛇のような視線を。
あれがプロフェッショナルの眼か。まずは気を引き締めんとな。
そしてランニングは続く。続く。続く。
「いつまで走るんだろ?」
イヴが息をつこうとして、むせた。
荒野は直射日光で熱せられていたし、空気も乾いている。そこを延々と、覚醒なしに走らされているのだ。疲れ以上に喉が乾いていた。
「乾く前に水分補給をするべきなんですけど」
正太郎が後方を振り返れば、ママは渋い顔でかぶりを振る。
「まずは体を極限まで追い込んで、思い込んでいる限界値が偽りだと知る必要がある。のよぉ。精神論は時に効率主義を越えるもの。なんだからぁ」
その言葉にレイアは首を傾げ。
「まるで手に隠したなにかを読み上げるような……まさかスキルか!?」
深読みしすぎて外しようのない正解を外すファインプレイだった。
だらだら走る道元 ガンジ(ka6005)は少しずつ一団から離れ始めていた。
実は彼、合宿話はちゃんこのことしか聞いていなかった。だから腹を目いっぱい減らして来たのに、余計腹が減るランニングをさせられる――やってられっか! 水だ水! あと食いもん!
本能の訴えに従い、くるーっと元来た道を戻ろうとした、そのとき。
「アタシに捕まった子はオシオキよぉ~!!」
ママがいきなり、目の前のメンカルにしがみついた!
「なに!?」
メンカルの疑問に答えたのは野太い「どーいっ!!」。
かくて現れたのは、ブーメランパンツ型の毛皮を着用しただけの、テカテカ黒光る筋骨隆々な男たちだ!
「アタシの助手してもらってるマチヨ族よぉ。ちなみに全員練筋術師。アヴソリュート・ポーズしか使えねぇけどね!」
どーいっ! 輝く笑顔で応えた男たちはママに代わってメンカルを取り巻き、ずいっと包囲を狭める。
「俺はそういう趣味の男に好かれる星の下に生まれた覚えはないっ!」
逆に覚えのありそうなメンカルは瞬時に覚醒。赤く染まった左眼から翠の幻炎を引き、瞬脚を発動させたが……遅かった。
男たちはその大胸筋でメンカルを四方から押しくらまんじゅう。
「せめて話し合っ」
「筋肉信号っすか?」
なんだその筋肉の動きで語るしかなさげな代物は――メンカルのツッコミは音となる前に、男たちのアヴソリュート・ポーズな胸筋ですり潰された。
「これもうんめいっ――おれはっ、おれわああああああ」
白光の狭間、強制的に知性を押し下げられたメンカルの絶叫が唐突に途絶えた。
黒き人狼と化したガンジは走る。振り向けばスピードが落ちる。スピードが落ちれば――
「オンナノコはほっといてオトコ! 全員まとめてDo itよぉ~っ!!」
――ママにDo itされてママ友にどーいされちまうヨっ! なんとかしねぇと!
「つ~かま~え・た♪」
「どぅういっとぉ!?」
「のどかわいたー! おなかすいたー! だいきょうきんたべらんないー!」
ポーズの余韻のせいか、ちょっと知性低下気味のイヴがわめく。
「スキルを活用してとにかく疲れないように! 捕まったら俺たちも――」
青ざめる正太郎に、イヴはさらっと。
「危ないのはオトコだけらしいよ?」
「イヴさんっ!?」
「これ、想像してたのとちがいます……いろいろ早まった気がします……」
サクラは駆けながら後悔を募らせた。
しかしながら後悔は、けして事の起こりを覆してくれたりしないもの。
「あっ」
補給もないまま酷使してきた足がもつれ、転ぶ。
だめです! 想像を超えた人たちが追いついてきます! でも、私は女子ですし、きっと大丈夫!
確かにママはスルーしていったが。
「筋肉に差別も区別もないっす」
マチヨ族は輝く笑顔でサクラを囲み、「どーい!」と行くかに思われたが。
「そっと去って行こうとするのはいったい――ちびっこだからですか? 私がちびっこビキニアーマーだからですかっ! なぜいたましげに目を逸らすのです!? 筋肉に差別も区別もないのではーっ!?」
「な、なめるなよ!? 私のサブクラスは疾影士……」
激走していたレイアがぞわり。首筋を這い上る悪寒に振り向けば。
「オンナノコに興味はねぇけどぉ。逃しちゃうのもおもしろくねぇわよねぇ?」
すぐ後ろでママの笑みが待ち受けていた。
レイアは思う。やはり私は、いつの間にか身体を鈍らせていたというのか! だがしかし! ハンターであり、女剣士であるこのプライドにかけて、オネェのママに負けるわけには!
が、さっくり捕まってあっさり囲まれて。
「どーい」
「うわぁぁぁ、む? マチヨ族、なぜ前を避けてやさしく横と後ろから……おまえらまさか紳士なのか!? そんな女子あつかいをされてしまっては、くっ! どう抵抗すればいいんだぁ!!」
●悲鬼交々
続くメニューは、マチヨ族伝統のトレーニング器具――伝統的なわりに超近代的――を使用しての筋トレだ。
「鍛えるべき筋肉を意識する、か」
メンカルはバーベルスクワットを開始した。
「でかいっす! 脚がでかいメンズは上もでかくなるっすよ!」
「待て。なぜそこで重りを追加するんだおいいいからちょっ」
どーい! どーい!
「せめて覚醒を――」
そのまわりでは多の面々も「肩にジープっす」とか「冷蔵庫」とか、意味不明のかけ声に追い込まれていた。
「いろいろ思うことはありますけど、こうなったらとことんやります!」
サクラはここまで重ねてきた後悔を丸っと投げ捨て、広背筋その他を鍛えるバーベルデッドリフトに向かった。
彼女のサブクラスは錬筋術師。ひと通りのトレーニングや効果については学んでいる。
「キレてるっす! 背中に羽生えてるっす!」
「どーい! どーい!」
かくて男たちのかけ声に煽られ、順調に数をこなしていくサクラ。
「これで私もビキニアーマーの似合う素敵な体に――」
「あー、まー、どーいっす」
「なぜそんな気のない返事を!? って、なぜ大胸筋トレーニングに移行――せめて胸を大きくって、筋肉が増えても胸は――あ、ごまかすように重りを――これはもう特訓というレベルでは――」
一方、ガンジ。
「つまりアレだ。短時間でコレ落とすためにソレされつくしたドレなんだ!」
飢えと餓えが一周したおかげで知性アップという不可解な現象を発生させるガンジ。ただし、キーワードはもれなく指示代名詞だが。
いや、それよりも。彼が正座した腿に大量の重りを乗せられ、江戸時代の石抱刑みたいになっているところで……
「俺ぁわかったぜ! この俺が“どーい”だ!!」
ついになにかを悟ってしまったガンジを、ママはメンカルが言う「あのときのままの目」でねっとり見守り続ける。
「みんなタイヘンよぉ!」
ママが寝室代わりの洞窟の中に高い声をキンキン反響させたが、過酷な一日を終えたダイエッターたちは応えない。
沈黙の中、ママは芝居めいたしぐさでガンジの荷物に手を突っ込み、ドーナツを抜き出した!
「まさか!」
ママが仕込んだとか!? イヴは続く言葉を噛み殺す。もしそうなら口にした瞬間、自分も陥れられる危険があるからだ。ガンジにはすまないが犠牲になってもらおう。
「はい、ほかのみんなは連帯責任で腕立て伏せぇ。ガンちゃんは後悔まみれでドーナツの実食レポートよぉ」
どこぞの戦争映画のいびりシーンを再現する展開であったが。
「シンプルなバターの香りと上質な薄力粉が織り成す生地のふんわり感。続けて舌を満たすやさしい上白糖の甘み」
もぐもぐですらすらなガンジに、ダイエッターたちの腹はぐうぐう怒声を上げる。
くっ、贅肉ばかりかドーナツを削りに来るとはっ! しかも味方のはずのドーナツが!
必死に腕立て伏せを続けるレイアは耳を食いしばる。思考が濁っているのはまあ、しかたないことだろう。
「こんなことで私はドーナツっ!!」
思わず声に出てしまうのもまた、しかたなし。
これだったら私が見つかっとけばよかったー! 叫ぶイヴだったが、となりの正太郎にすら「ぐぐぐうぐうぐう!!」しか聞こえなくて……。
「食した者を丸々とした至福で包み込むドーナツ――俺は今、その中心にいる!」
「ガンちゃんそんなキャラだっけぇ!?」
合宿は進み、ついに最終日。
急造リングに上げられたダイエッターたちは、水と脂が抜けきってしおしおだ。
「みんな、よくここまで耐えたわねぇ。最後のプログラムはボクササイズよぉ!!」
ママの禿頭にぼふんと顕われるラメ入りグリーンアフロヘア。この覚醒、殺らなければ殺られるサインだ!
ガンジは考える。ママもダイエットでへこたれてるはず。だったらアウトボクシングでボディ狙いだぜ!
「クロスカウンタぁーっ!!」
結果が特攻になってしまったのは飢餓のせいだろう、多分。
稲妻みたいなワンツーを喰らって崩れ落ちたガンジを乗り越え、正太郎がママへ向かう。
サバイバルにも通じる正太郎は自分とイヴの体に、合宿中もできうる限りのケアをし続けてきた。その分動ける自信がある。
「イヴさん!」
駆けながらとなりを行くイヴの左手を掴み、スイング。
「ママさん覚悟ー!」
ママの右へ回り込んだイヴはバックハンドブロウを振り込んだ。ライターを握り込んだ重い拳は、遠心力を吸い込んで加速、ママの上腕を狙う。狙うはダメージならず、ガードさせて動きを止めることだ。
一方、正太郎はあえてフェイントをかけず、正面から三日月蹴りを放った。イヴを援護すると同時、ボクサーにとって未知の角度から仕留めにもかかるという、見事な戦術だ。
が。
「甘ぇわよぉ~?」
ママは正太郎の蹴りをスウェーイングでかわして、右フックでイヴの脇腹を迎撃。
「っ!」
体をくの字に折るイヴだったが……
「お腹になんにも入ってなくてよかったー」
そのまま前転し、ママのアキレス腱にライターパンチを打ち込んだ。
「ボクサーにローブローは反則よっ!」
蹴られた脚を上げ、すくみ上がるママ。
「なるほど、そういうことですか」
我に返ったママの足元にはスライディングで滑り込んできた正太郎がいて。
軸脚の内膝に鋭いアリキックが決まった。
「いやんっ!」
体勢を崩すママを下から引き倒し、正太郎は鎌固めで両脚をロック。
「オトコにムリヤリとか、これはこれでぇ!」
「みなさん、今です!!」
ボッコボコにされるママを見下ろし、正太郎は重々しく口を開いた。
「ボクササイズの真髄、学ばせていただきました」
ツッコむ者は、生憎と存在しなかった……。
●プラマイゼロ
ママがいい匂いを立ちのぼらせるでっかい鍋を前に目尻の涙を払う。
「がんばったみんなにご褒美ってことで。今夜はアタシが腕によりとかかけちゃった特製ちゃんこをお届けよぉ!」
ふっと、灯がかき消される。
「パーティーにはサプライズがなくっちゃだもんねぇ」
闇のただ中、サクラはうっとりと笑んだ。
「このときのためにがんばってきたのです。とにかくお肉です。お肉を入れるのです……」
普通の肉、いい肉、めずらしい肉、謎の肉、全部まとめてどぼぽぽちゃっと鍋へ投入する。
「いっぱいお肉を食べればそれだけ胸肉――ではなく筋肉がつくはずです。いえ、つくのです」
そんなサクラとは別に3キロの塊肉をダイブさせたガンジは一同に言い放った。
「肉入れたの俺だから! 俺のだから!」
メンカルは鍋へ伸ばされたサクラとガンジの箸をすぱんと菜箸で払い。
「待て。肉ばかりでは滋養が足りん。野菜はないのか?」
気配を頼りにせっせとガンジの肉を解体、食べやすくしたり。
「あらぁ、メンちゃん奉行なのぉ~?」
ママの言葉に「奉行じゃない。お兄ちゃんだ!」と応えたり。
「心配はいらない。私がちゃんと野菜を手配しておいた」
レイアが後ろに控えていた男たちを促せば、大量の草が鍋に投じられる。
「体にいい野菜だそうだから――って、なんだこのにおいは! ドクダミだと!?」
確かに血をサラサラにして血圧も下げ、お通じにもいいし殺菌抗菌作用にも優れた草だが、なにより臭い。そしてさらに。
「このカメムシ臭はパクチーか!? なぜそれを組み合わせた!?」
「体にいいっす」
「いや、そうかもしれんがこれは――いや冷静になれ私。体にいいものが体に悪いはずはない!」
空腹にぐるぐるする腹と錯乱でぐるぐるする眼を闇鍋に向け、レイアは箸を掴んだ。
「そういうときは中和だよ! バターと生クリームでフリカッセ!」
なにも炒めていない具材へイヴが後入れバターどぼんでクリームどばー。
場はクリーミーなドクダミカメムシ臭で満ち満ちて、ダイエッターたちは悶絶したが。
「体にいいんだから問題ないんだぁ!」
「あああ臭いけど出汁がおいしくて臭いー!」
レイアとイヴだけじゃなく、全員もう止まらなかった。うめきながら食らい、食らい、食らい。
「まさかなにも起こらないんですか……?」
正太郎の疑問には字数とかの問題でと答えるよりないわけだが、とにかく最後は全員きっちり元どおりの体重を取り戻したのだった。
「き~っ! 次よぉ! 次はがっちり落とすのよぉ~!」
果たして。ママの悲鳴は今夜も止まらない……。
「最初はランニングよぉ~! 走りなさぁい!」
見渡す限りの荒野にゲモ・ママの裏声が響き。
六名のハンターならぬダイエッターたちが走り出した。
「ストレッチの効果、出てますね」
雪ノ下正太郎(ka0539)がとなりを走るイヴ(ka6763)に笑みを投げた。
「うん! これってブルーのスポーツ科学知識?」
最近、ママの経営するバー“二郎”で食べ過ぎている自覚はあった。だから決意したのだ。ビューティーのマホウ、かかってみよっかなー。
で、家主である正太郎も鍛錬ついでにどう? と誘ってみたわけだ。
ビキニアーマーでその小柄な体を固め、勢い込んで集合場所へやってきたサクラ・エルフリード(ka2598)は、そのままの姿で荒野を駆ける。
超真面目な彼女。合宿の話を聞いて、人を護る騎士として己を鍛え上げることを思い定めたのだが。
「すべてはビキニアーマーのためなのです……!」
人を護る志は、現在行方不明である。
なぜ私はここにいるんだろう? さらわれてきたからだ。
サクラに負けない露出度と、サクラを超越したナイスバディのレイア・アローネ(ka4082)は自問を投げ、自答した。
いや、抗うことはできたんだ。なぜなら私は別に太ってなどいないからだ。日頃から鍛えているし、食事だって生き延びるに必要なものを必要……以上に。
レイアが真実からそっと目を逸らしたのは言うまでもなかった。
最後尾についたママの前を行くメンカル(ka5338)。
彼は前回の依頼でママに「13ポンド減らして」と言われていた。格闘士の言には根拠があるはず。そう思い、彼は合宿参加を決めたのだ。
『ちょっと絞ろうと思って来たんだが、いいか?』
あのときのママの眼光、忘れはしない。無機質なのに熱っぽい、蛇のような視線を。
あれがプロフェッショナルの眼か。まずは気を引き締めんとな。
そしてランニングは続く。続く。続く。
「いつまで走るんだろ?」
イヴが息をつこうとして、むせた。
荒野は直射日光で熱せられていたし、空気も乾いている。そこを延々と、覚醒なしに走らされているのだ。疲れ以上に喉が乾いていた。
「乾く前に水分補給をするべきなんですけど」
正太郎が後方を振り返れば、ママは渋い顔でかぶりを振る。
「まずは体を極限まで追い込んで、思い込んでいる限界値が偽りだと知る必要がある。のよぉ。精神論は時に効率主義を越えるもの。なんだからぁ」
その言葉にレイアは首を傾げ。
「まるで手に隠したなにかを読み上げるような……まさかスキルか!?」
深読みしすぎて外しようのない正解を外すファインプレイだった。
だらだら走る道元 ガンジ(ka6005)は少しずつ一団から離れ始めていた。
実は彼、合宿話はちゃんこのことしか聞いていなかった。だから腹を目いっぱい減らして来たのに、余計腹が減るランニングをさせられる――やってられっか! 水だ水! あと食いもん!
本能の訴えに従い、くるーっと元来た道を戻ろうとした、そのとき。
「アタシに捕まった子はオシオキよぉ~!!」
ママがいきなり、目の前のメンカルにしがみついた!
「なに!?」
メンカルの疑問に答えたのは野太い「どーいっ!!」。
かくて現れたのは、ブーメランパンツ型の毛皮を着用しただけの、テカテカ黒光る筋骨隆々な男たちだ!
「アタシの助手してもらってるマチヨ族よぉ。ちなみに全員練筋術師。アヴソリュート・ポーズしか使えねぇけどね!」
どーいっ! 輝く笑顔で応えた男たちはママに代わってメンカルを取り巻き、ずいっと包囲を狭める。
「俺はそういう趣味の男に好かれる星の下に生まれた覚えはないっ!」
逆に覚えのありそうなメンカルは瞬時に覚醒。赤く染まった左眼から翠の幻炎を引き、瞬脚を発動させたが……遅かった。
男たちはその大胸筋でメンカルを四方から押しくらまんじゅう。
「せめて話し合っ」
「筋肉信号っすか?」
なんだその筋肉の動きで語るしかなさげな代物は――メンカルのツッコミは音となる前に、男たちのアヴソリュート・ポーズな胸筋ですり潰された。
「これもうんめいっ――おれはっ、おれわああああああ」
白光の狭間、強制的に知性を押し下げられたメンカルの絶叫が唐突に途絶えた。
黒き人狼と化したガンジは走る。振り向けばスピードが落ちる。スピードが落ちれば――
「オンナノコはほっといてオトコ! 全員まとめてDo itよぉ~っ!!」
――ママにDo itされてママ友にどーいされちまうヨっ! なんとかしねぇと!
「つ~かま~え・た♪」
「どぅういっとぉ!?」
「のどかわいたー! おなかすいたー! だいきょうきんたべらんないー!」
ポーズの余韻のせいか、ちょっと知性低下気味のイヴがわめく。
「スキルを活用してとにかく疲れないように! 捕まったら俺たちも――」
青ざめる正太郎に、イヴはさらっと。
「危ないのはオトコだけらしいよ?」
「イヴさんっ!?」
「これ、想像してたのとちがいます……いろいろ早まった気がします……」
サクラは駆けながら後悔を募らせた。
しかしながら後悔は、けして事の起こりを覆してくれたりしないもの。
「あっ」
補給もないまま酷使してきた足がもつれ、転ぶ。
だめです! 想像を超えた人たちが追いついてきます! でも、私は女子ですし、きっと大丈夫!
確かにママはスルーしていったが。
「筋肉に差別も区別もないっす」
マチヨ族は輝く笑顔でサクラを囲み、「どーい!」と行くかに思われたが。
「そっと去って行こうとするのはいったい――ちびっこだからですか? 私がちびっこビキニアーマーだからですかっ! なぜいたましげに目を逸らすのです!? 筋肉に差別も区別もないのではーっ!?」
「な、なめるなよ!? 私のサブクラスは疾影士……」
激走していたレイアがぞわり。首筋を這い上る悪寒に振り向けば。
「オンナノコに興味はねぇけどぉ。逃しちゃうのもおもしろくねぇわよねぇ?」
すぐ後ろでママの笑みが待ち受けていた。
レイアは思う。やはり私は、いつの間にか身体を鈍らせていたというのか! だがしかし! ハンターであり、女剣士であるこのプライドにかけて、オネェのママに負けるわけには!
が、さっくり捕まってあっさり囲まれて。
「どーい」
「うわぁぁぁ、む? マチヨ族、なぜ前を避けてやさしく横と後ろから……おまえらまさか紳士なのか!? そんな女子あつかいをされてしまっては、くっ! どう抵抗すればいいんだぁ!!」
●悲鬼交々
続くメニューは、マチヨ族伝統のトレーニング器具――伝統的なわりに超近代的――を使用しての筋トレだ。
「鍛えるべき筋肉を意識する、か」
メンカルはバーベルスクワットを開始した。
「でかいっす! 脚がでかいメンズは上もでかくなるっすよ!」
「待て。なぜそこで重りを追加するんだおいいいからちょっ」
どーい! どーい!
「せめて覚醒を――」
そのまわりでは多の面々も「肩にジープっす」とか「冷蔵庫」とか、意味不明のかけ声に追い込まれていた。
「いろいろ思うことはありますけど、こうなったらとことんやります!」
サクラはここまで重ねてきた後悔を丸っと投げ捨て、広背筋その他を鍛えるバーベルデッドリフトに向かった。
彼女のサブクラスは錬筋術師。ひと通りのトレーニングや効果については学んでいる。
「キレてるっす! 背中に羽生えてるっす!」
「どーい! どーい!」
かくて男たちのかけ声に煽られ、順調に数をこなしていくサクラ。
「これで私もビキニアーマーの似合う素敵な体に――」
「あー、まー、どーいっす」
「なぜそんな気のない返事を!? って、なぜ大胸筋トレーニングに移行――せめて胸を大きくって、筋肉が増えても胸は――あ、ごまかすように重りを――これはもう特訓というレベルでは――」
一方、ガンジ。
「つまりアレだ。短時間でコレ落とすためにソレされつくしたドレなんだ!」
飢えと餓えが一周したおかげで知性アップという不可解な現象を発生させるガンジ。ただし、キーワードはもれなく指示代名詞だが。
いや、それよりも。彼が正座した腿に大量の重りを乗せられ、江戸時代の石抱刑みたいになっているところで……
「俺ぁわかったぜ! この俺が“どーい”だ!!」
ついになにかを悟ってしまったガンジを、ママはメンカルが言う「あのときのままの目」でねっとり見守り続ける。
「みんなタイヘンよぉ!」
ママが寝室代わりの洞窟の中に高い声をキンキン反響させたが、過酷な一日を終えたダイエッターたちは応えない。
沈黙の中、ママは芝居めいたしぐさでガンジの荷物に手を突っ込み、ドーナツを抜き出した!
「まさか!」
ママが仕込んだとか!? イヴは続く言葉を噛み殺す。もしそうなら口にした瞬間、自分も陥れられる危険があるからだ。ガンジにはすまないが犠牲になってもらおう。
「はい、ほかのみんなは連帯責任で腕立て伏せぇ。ガンちゃんは後悔まみれでドーナツの実食レポートよぉ」
どこぞの戦争映画のいびりシーンを再現する展開であったが。
「シンプルなバターの香りと上質な薄力粉が織り成す生地のふんわり感。続けて舌を満たすやさしい上白糖の甘み」
もぐもぐですらすらなガンジに、ダイエッターたちの腹はぐうぐう怒声を上げる。
くっ、贅肉ばかりかドーナツを削りに来るとはっ! しかも味方のはずのドーナツが!
必死に腕立て伏せを続けるレイアは耳を食いしばる。思考が濁っているのはまあ、しかたないことだろう。
「こんなことで私はドーナツっ!!」
思わず声に出てしまうのもまた、しかたなし。
これだったら私が見つかっとけばよかったー! 叫ぶイヴだったが、となりの正太郎にすら「ぐぐぐうぐうぐう!!」しか聞こえなくて……。
「食した者を丸々とした至福で包み込むドーナツ――俺は今、その中心にいる!」
「ガンちゃんそんなキャラだっけぇ!?」
合宿は進み、ついに最終日。
急造リングに上げられたダイエッターたちは、水と脂が抜けきってしおしおだ。
「みんな、よくここまで耐えたわねぇ。最後のプログラムはボクササイズよぉ!!」
ママの禿頭にぼふんと顕われるラメ入りグリーンアフロヘア。この覚醒、殺らなければ殺られるサインだ!
ガンジは考える。ママもダイエットでへこたれてるはず。だったらアウトボクシングでボディ狙いだぜ!
「クロスカウンタぁーっ!!」
結果が特攻になってしまったのは飢餓のせいだろう、多分。
稲妻みたいなワンツーを喰らって崩れ落ちたガンジを乗り越え、正太郎がママへ向かう。
サバイバルにも通じる正太郎は自分とイヴの体に、合宿中もできうる限りのケアをし続けてきた。その分動ける自信がある。
「イヴさん!」
駆けながらとなりを行くイヴの左手を掴み、スイング。
「ママさん覚悟ー!」
ママの右へ回り込んだイヴはバックハンドブロウを振り込んだ。ライターを握り込んだ重い拳は、遠心力を吸い込んで加速、ママの上腕を狙う。狙うはダメージならず、ガードさせて動きを止めることだ。
一方、正太郎はあえてフェイントをかけず、正面から三日月蹴りを放った。イヴを援護すると同時、ボクサーにとって未知の角度から仕留めにもかかるという、見事な戦術だ。
が。
「甘ぇわよぉ~?」
ママは正太郎の蹴りをスウェーイングでかわして、右フックでイヴの脇腹を迎撃。
「っ!」
体をくの字に折るイヴだったが……
「お腹になんにも入ってなくてよかったー」
そのまま前転し、ママのアキレス腱にライターパンチを打ち込んだ。
「ボクサーにローブローは反則よっ!」
蹴られた脚を上げ、すくみ上がるママ。
「なるほど、そういうことですか」
我に返ったママの足元にはスライディングで滑り込んできた正太郎がいて。
軸脚の内膝に鋭いアリキックが決まった。
「いやんっ!」
体勢を崩すママを下から引き倒し、正太郎は鎌固めで両脚をロック。
「オトコにムリヤリとか、これはこれでぇ!」
「みなさん、今です!!」
ボッコボコにされるママを見下ろし、正太郎は重々しく口を開いた。
「ボクササイズの真髄、学ばせていただきました」
ツッコむ者は、生憎と存在しなかった……。
●プラマイゼロ
ママがいい匂いを立ちのぼらせるでっかい鍋を前に目尻の涙を払う。
「がんばったみんなにご褒美ってことで。今夜はアタシが腕によりとかかけちゃった特製ちゃんこをお届けよぉ!」
ふっと、灯がかき消される。
「パーティーにはサプライズがなくっちゃだもんねぇ」
闇のただ中、サクラはうっとりと笑んだ。
「このときのためにがんばってきたのです。とにかくお肉です。お肉を入れるのです……」
普通の肉、いい肉、めずらしい肉、謎の肉、全部まとめてどぼぽぽちゃっと鍋へ投入する。
「いっぱいお肉を食べればそれだけ胸肉――ではなく筋肉がつくはずです。いえ、つくのです」
そんなサクラとは別に3キロの塊肉をダイブさせたガンジは一同に言い放った。
「肉入れたの俺だから! 俺のだから!」
メンカルは鍋へ伸ばされたサクラとガンジの箸をすぱんと菜箸で払い。
「待て。肉ばかりでは滋養が足りん。野菜はないのか?」
気配を頼りにせっせとガンジの肉を解体、食べやすくしたり。
「あらぁ、メンちゃん奉行なのぉ~?」
ママの言葉に「奉行じゃない。お兄ちゃんだ!」と応えたり。
「心配はいらない。私がちゃんと野菜を手配しておいた」
レイアが後ろに控えていた男たちを促せば、大量の草が鍋に投じられる。
「体にいい野菜だそうだから――って、なんだこのにおいは! ドクダミだと!?」
確かに血をサラサラにして血圧も下げ、お通じにもいいし殺菌抗菌作用にも優れた草だが、なにより臭い。そしてさらに。
「このカメムシ臭はパクチーか!? なぜそれを組み合わせた!?」
「体にいいっす」
「いや、そうかもしれんがこれは――いや冷静になれ私。体にいいものが体に悪いはずはない!」
空腹にぐるぐるする腹と錯乱でぐるぐるする眼を闇鍋に向け、レイアは箸を掴んだ。
「そういうときは中和だよ! バターと生クリームでフリカッセ!」
なにも炒めていない具材へイヴが後入れバターどぼんでクリームどばー。
場はクリーミーなドクダミカメムシ臭で満ち満ちて、ダイエッターたちは悶絶したが。
「体にいいんだから問題ないんだぁ!」
「あああ臭いけど出汁がおいしくて臭いー!」
レイアとイヴだけじゃなく、全員もう止まらなかった。うめきながら食らい、食らい、食らい。
「まさかなにも起こらないんですか……?」
正太郎の疑問には字数とかの問題でと答えるよりないわけだが、とにかく最後は全員きっちり元どおりの体重を取り戻したのだった。
「き~っ! 次よぉ! 次はがっちり落とすのよぉ~!」
果たして。ママの悲鳴は今夜も止まらない……。
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質問卓 イヴ(ka6763) エルフ|21才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/06/02 09:28:11 |
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相談卓 イヴ(ka6763) エルフ|21才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/06/06 21:57:23 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/06 11:07:52 |