ゲスト
(ka0000)
おかえりなさい、そしてようこそ
マスター:四月朔日さくら

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/06/05 22:00
- 完成日
- 2018/06/13 06:20
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
「ヤット帰ってきましたね、ヘレ!」
「う!」
リムネラ(kz0018)は、すこしばかり背伸びをして足元の白龍に話し掛ける。
白龍・ヘレ――
冬の終りに眠りにつき、そのタメにリムネラが長い道のりを辿って龍園に向かい、そして成長を遂げた、しかしまだ幼き龍の子ども。
リタ・ティトへ報告にいった時も、周囲の驚きの視線は隠しようも無かった。当然だ、それまで本当に幼かった龍の子どもが人語を僅かずつではあるが理解して、返事をするようになっていたのだから。
次代白龍の呼び声も高い――と言うか、ほとんどの辺境巫女たちはそうであると信じてならない――ヘレの姿は愛らしく、リムネラを追って歩いたり軽くとんだりする姿はまるで親子のようと先輩巫女たちに言われたりなどもしている。
「リムネラとヘレは昔から仲が良かったけれど、本当に親子みたいだねぇ」
そんなことも言われて、リムネラとしても照れくさく微笑むばかりだった。
●
そして、なんとかリゼリオに戻ってきて――
「ただいま、デス! ジーク、お世話をかけマシタ」
見目にもすこし涼しげなガーディナの姿は、すこしばかり手を加えたらしい。壁には蔓を伸ばしたヘチマが育っている。アイビーも育てているらしく、順調にいけばこの建物も何時しか緑に覆われることだろう。
「お疲れさまです。リムネラさん」
ジーク・真田(kz0090)がにっこりと笑えば、ヘレも興味深そうにクンクンと周囲をかいで回る。
「ヘレ、本当に成長したんですね。すごい」
実際に見るとやはり随分違う。それまではあくまで単なるマスコットに過ぎなかったようなヘレの存在が、確実に大きくなっていると思えるからだ。
「そうだ。せっかくだから、凱旋パーティしませんか」
ヘレのお披露目にも丁度いいだろう。ジークはそう言って微笑む。
「そうデスね……ヘレはこれからタクサン勉強することもアリマス。皆サンにも手伝って貰いたい、デスからね」
リムネラも頷いて、微笑んで見せた。
「ヤット帰ってきましたね、ヘレ!」
「う!」
リムネラ(kz0018)は、すこしばかり背伸びをして足元の白龍に話し掛ける。
白龍・ヘレ――
冬の終りに眠りにつき、そのタメにリムネラが長い道のりを辿って龍園に向かい、そして成長を遂げた、しかしまだ幼き龍の子ども。
リタ・ティトへ報告にいった時も、周囲の驚きの視線は隠しようも無かった。当然だ、それまで本当に幼かった龍の子どもが人語を僅かずつではあるが理解して、返事をするようになっていたのだから。
次代白龍の呼び声も高い――と言うか、ほとんどの辺境巫女たちはそうであると信じてならない――ヘレの姿は愛らしく、リムネラを追って歩いたり軽くとんだりする姿はまるで親子のようと先輩巫女たちに言われたりなどもしている。
「リムネラとヘレは昔から仲が良かったけれど、本当に親子みたいだねぇ」
そんなことも言われて、リムネラとしても照れくさく微笑むばかりだった。
●
そして、なんとかリゼリオに戻ってきて――
「ただいま、デス! ジーク、お世話をかけマシタ」
見目にもすこし涼しげなガーディナの姿は、すこしばかり手を加えたらしい。壁には蔓を伸ばしたヘチマが育っている。アイビーも育てているらしく、順調にいけばこの建物も何時しか緑に覆われることだろう。
「お疲れさまです。リムネラさん」
ジーク・真田(kz0090)がにっこりと笑えば、ヘレも興味深そうにクンクンと周囲をかいで回る。
「ヘレ、本当に成長したんですね。すごい」
実際に見るとやはり随分違う。それまではあくまで単なるマスコットに過ぎなかったようなヘレの存在が、確実に大きくなっていると思えるからだ。
「そうだ。せっかくだから、凱旋パーティしませんか」
ヘレのお披露目にも丁度いいだろう。ジークはそう言って微笑む。
「そうデスね……ヘレはこれからタクサン勉強することもアリマス。皆サンにも手伝って貰いたい、デスからね」
リムネラも頷いて、微笑んで見せた。
リプレイ本文
●
リムネラとヘレがリゼリオに帰ってきたことは耳聡いハンターたちには比較的容易に知れ渡ったようだ。
とくに、ヘレの異変を知っていたものは、心配していたらしい。
まあ、それ以外の要因でも、今回の凱旋パーティに参加した者はいるのだが――。
●
「おお、リムネラ! よく帰ってきたでありますな!!」
会場でそう言いながらまず近づいてきたのは、ふくふくのハムスター……ならぬ、チューダである。
「チューダも、久しぶりデスね」
リムネラはそう、笑顔をたたえて頷く。その足元には、以前よりも幾らか大きくなった白龍――ヘレが、リムネラの服の裾から、のぞき込んでいた。そのさまは幼子の仕草にも似て、ひどく可愛らしく、庇護欲を何となくそそられる。
「本当にヘレもお疲れさまでありました。なるほど、我輩ほどではないけれど、確かに大きくなっておりますな」
「エエ。スコシ、喋れるようにもなったんデス。精神統一をスレバ、もっと話も出来るみたい、デスけど……マダ幼いから、長時間は無理みたいデスね」
「ほうほう。龍というのもそうやって少しずつ成長するのでありますなあ」
チューダも感心しきりという顔つきで、ひげをそよがせる。確かに幻獣ゆえ人間よりはそう言ったことに関する知識はあるかも知れないが、何しろ龍の子どもというのはなかなかお目にかかれるようなものでもなし、幻獣王を名乗るチューダとて判らぬことの方が多い。
「……にしても、今回は見事に女性が多いでありますな。我輩は大歓迎でありますが!」
幻獣王(自称)のチューダも今回のパーティにしっかり参加。簡素なものにせよ、何かしら美味いものが食べられるのではと言う希望的観測と、こういう時は騒がないと! と言うお祭り好きの血が騒いだらしい。
まあ、そんなチューダの人気は相変わらず、と言うところもある。
それでも、ハンターはいつどこで何が待っているか判らない。大きな戦闘があればそちらを優先する、それが多くのハンターの有りようだ。その生だろうか、女性ハンターの出迎えが圧倒的になってしまったのであるが。
(……でも、私にとっては将来仕えることになるかも知れない白龍様、でもあるし、リムネラさんの大切なヘレちゃん、でもあるし……)
そんなことを思いながらもごもごと呟いているのは辺境巫女としての経験もあるUisca Amhran(ka0754)。リムネラともなんども依頼で顔を合わせているエルフの少女――と言って差し支えない外見の女性だ。
Uiscaをはじめ、辺境の巫女にとって『白龍』というのは信仰の対象である。聖地リタ・ティトに舞い降りる、尊い存在こそが白龍。
しかし今、その精神的支柱たる先代の白龍は先の戦いで消滅し、そしてその役目を引き受けたのが、他ならぬリムネラとともに居る幼い龍・ヘレであるのだ。
でもリムネラにしてみれば、ヘレはヘレ以外の何者でもない。それをUiscaも勿論知っている……が、やはりどう接するべきなのかは悩ましいところだ。
「リムネラとヘレと、おかえりなさいって言えるのはうれしいことよね。なにより無事に帰ってこられて良かった!」
悩むUiscaとは対照的に、そう言って笑顔を見せるのは灰青の髪にトレードマークの帽子をのせた夢路 まよい(ka1328)。きらきらした笑顔をリムネラたちに向けて、嬉しそうに手を振る。そして近づいてくると、眼をきらきらさせて言った。
「でも、青龍様のところへ会いに行ってからリゼリオに無事帰ってこられるまで、いろいろあったんじゃない? もしよかったら、お話しを色々聞かせて貰えると嬉しいな! 最近の出来事とか、ホットな情報もたくさんあるし、リムネラもそう言うの、知りたがってるみたいだしね!」
そしてヘレに目をやると嬉しそうに笑う。
「あ、ヘレもちょっとおっきくなったみたいだけれど、やっぱり可愛いねえ! ねえねえ、触ってもいい?」
珍しいことには興味津々のまよい、ヘレに触れてみたいようだ。
――確かにヘレは大きくなった。以前と比べれば、一回りくらいは異なるだろうか。時々よたよたと二足歩行に挑戦してみたり、見ていると本当に幼子の成長を目の当たりにしているようで、なんだか微笑ましく感じる。
リムネラがどうぞ、と優しく首を縦に振ると、まよいはそっとヘレの白い身体に手を伸ばしてみた。
指に触れるのは、かさりとした爬虫類の鱗独特の感触。抱き上げてみようとすれば、予想以上にずしりと重たい気がする。
翼で飛ぶことも可能な分、筋肉の発達があるわけだからある意味重くなっているのは当然のような気もしなくはないが、それを横で見ていたボルディア・コンフラムス(ka0796)は、なるほどと納得したような表情を見せる。
「へーえ、お前がヘレか! 俺はボルディアってんだ、よろしくな! よしよし、俺の名前とかは言えるかー?」
ボルディアは歴戦の勇士であり、ワイバーン乗りだ。まだ幼さの残るワイバーンを駆り、戦闘に挑むことも少なくない。彼女は英雄にならんとして戦いに身を投じてはいるが、最近はやや迷いも生じているらしい。
一方のヘレは名前を、と言われ、翼をはためかせながら
「あ、う……?」
と歯切れの悪そうな返事。リムネラはなだめるように、
「マダ、ヘレはタクサンの言葉を発声するのが難しい、ミタイデス。ココロの成長に、カラダが追いついてイナイ、そんな感じ……と言えば、判りますか?」
と言うと、ぽん、と安堵をしたように手を打ったのはアシェ-ル(ka2983)。
「なるほど……一気に成長が進んだけれど、まだアンバランスなんですね。でも、ヘレが元気になったようで、良かったです」
安堵の微笑みを浮かべている。龍園に向かう前にナディアに面会をしていたメンバーの一人でもあったアシェールは、そう言うとヘレの頭を撫でてやる。
「アルコールなしって言うのはすこし辛いけど、お祭り騒ぎは好きなのよねぇ……」
そういいながらクスクス笑うのは、天川 麗美(ka1355)。ハンターであると同時にシスターでもある彼女だが、酒場にいる姿も見られるという程度には(?)酒好き、と言う彼女である。……もっとも、酒場で見られるのは見た目そっくりの別人と言うことになってるらしいが。
(むう……このままでは、辺境マスコットの座をヘレに奪われかねないであります……)
チューダはそんなしょうもないことを脳裏で思い浮かべる。まあ、チューダの存在意義はそのふてぶてしさと可愛らしさ(?)なのだから、可愛らしさや愛嬌でチューダを上回るものがあれば当然脅威になるわけで、そういう意味では今のヘレは脅威に感じてしまうらしかった。
しかし、そんなチューダを慮ってか否か、アシェールはにっこりと笑ってチューダにも手を振った。
「チューダ様、今日も美味しいもの、持ってきましたよ!」
屈託のない笑顔は彼女の強みの一つだ。それに美味しいものという単語を聞けば、チューダもついついそわそわとカラダを乗り出してくる。
「本当でありますか?」
「勿論です! ヘレが元気にな多のも、やはり、チューダ様のお力あってのことでしょうか?」
そんな問いに、チューダも当たり前だ、と何故か胸を張る。
「やっぱりそうだったんですね。流石チューダ様です、これをお召し上がり下さい!」
アシェールが押しつけたのは彼女の得意料理。ほどよく甘いタルトだ。チューダもそれに食らいつくように、もぐもぐと平らげていく。相変わらず食欲旺盛きわまりないチューダの様子に、思わず周囲のハンターたちからもくすくすと笑いが溢れる。
●
「チューダ様のぶんもありますけれど、今日はリムネラ様とヘレ様の、おかえりなさいパーティですからね」
そう言いながらもチューダ用のマドレーヌをしっかり用意してきているのはミオレスカ(ka3496)だ。彼女自身も美味しいものを追求する、言ってみれば食の求道者。そんな彼女の特製マドレーヌはふわふわでバターの香りも芳しい、いかにも手作りといった風情のやさしい味わいに出来ている。
「ヘレ様にも、美味しい、を、覚えて貰いたいな、と思ったんです。……もしかしたら、将来は食事を摂る必要がなくなってしまうのかも知れませんが、それでも、今は、楽しい、も、美味しい、も、とても大切ですよね」
リムネラに差しだしたお手製マドレーヌは、リムネラが丁寧に割って、ヘレと仲良く半分ずつ食べる。しっとりしたマドレーヌ生地が口のなかでしっとりと味がしみわたる。リムネラのほころぶような笑みに、ヘレも同意を示すかのように尻尾を振った。
「おいしいであります!」
チューダもチューダで、目を輝かせて口の中にどんどんマドレーヌを放り込んでいく。
「……にしても、リムネラも本当に無事に帰ってこられて良かったな。皆、帰りを待っていたんだぞ」
そう言いながらリムネラの肩をぽんと叩いたのはレイア・アローネ(ka4082)。くつくつと笑いながら話す彼女の言うには、最近の暑さ対策をどうすべきか、彼女やまよいも参加してガーディナ内部で相談しあったりもしたのだとか。
もっとも、提案の一部は採用されているものの、まるきり採用の難しいものも多かったらしいが。
「チューダの毛を刈るというのはありだとは思ったんだがなぁ……」
レイアはそう言いながら、冷ややかな視線をチューダに向ける。何故かチューダに対しては、彼女は塩対応という奴になるらしい。チューダも妙な危機感を覚えて一瞬毛を逆立ててしまうのだから、この関係性は妙に根が深いらしいが、理由というのが不明瞭なため尚更不思議な関係に見えるようだ。
「……で、こっちがヘレか。ヘレには初めましてだな」
レイアはそう言いながらヘレの頭を優しく撫でてやる。その手の温かさから良い人間であるというのもわかるのだろう、ヘレも目を細めて
「あー、あー」
と嬉しそうに鳴いてみせた。
「まだ本当に成長期なんだな。……しかし、これからもなにかと縁があるかも知れない。ヘレはリムネラの傍にいる、白龍なのだしな。もし何かあった時は、よろしく」
そして彼女もにこりと微笑んでみせる。
「無礼な言い方かも知れないが、いかにも成長期と言うこともあって、可愛いな、白龍。どこぞのへんなネズミもどきよりもずっと――」
そう言った瞬間、彼女の視線が度去年に向き、冷ややかにナッタのは気のせいだろうか。リムネラはそう言うことを気にせず、相変わらずにこにこと笑顔を作っているが。
……そういう意味ではリムネラも結構大物ではあるのかも知れない。まあ、ユニオンリーダーという使命を持っていると言うこともあり、一般市民よりもかなりハードモードな人生を送っているのは間違いないのだが。
「お疲れさまです、リムネラさん」
夜桜 奏音(ka5754)も、微笑みながら挨拶してくる。
彼女はヘレが成長をする儀式の時、四つあった要石を守護する作戦依頼に入っていたのだが――一箇所だけ、要石は砕かれた。
その砕かれた要石のあった場所を護っていた班の中に、彼女は所属していたのだ。
だからこそ、彼女は今回のヘレの無事な帰還をひと一倍喜んでいる。大きく表情にだすことは少ないが、それでもその言葉の端々に、喜びが溢れているのが伝わってくる。
「儀式の時は……あの時は私の所は突破されてしまったのですこし心配していましたけれど、リムネラさんたちが無事に戻ってくることが出来て、本当に良かったです」
そう言って、奏音は頭を大きく下げてお辞儀をする。それを見て、ヘレもぴょこんと頭を下げて見せたのに、奏音をはじめとする周りの面々は笑顔を浮かべた。
「ヘレは、マダ知らないことがたくさんデス。ホカのヒトのしぐさのマネッコ、コレも良い情操教育……デスね」
リムネラがそう説明すれば、
「じゃあ、今は色んなことを覚えていく、そう言う大事な時期なんですね……! きっとそう言うこともあって、この間見た時に比べても、いろいろ大きくなってきたんですね」
奏音も納得がいったという顔で、にっこり頷く。
「でもこれで……一息、つけるといいんですけれど」
一瞬頭をよぎったのは、過激派ドラグーンのまがまがしい姿。リムネラもその姿こそ見ていないが、話に聞いているだけでもかなり強硬な手段に出るらしいことが判っている。
青龍以外の龍の存在を否定する彼らにしてみれば、ヘレの存在はまさに目の上のこぶ状態。いつ強襲されても不自然ではない――それでも、とりあえずは今の平穏を護っていきたいと思うのがリムネラという人物である。
単なる楽観主義という意味ではない。
彼女は一分一秒、どの瞬間も大切にしたいと思っているのだ。だから、この瞬間も、厭なことを思い出すより先に、楽しいことを考える。辛いことを思いだして嘆くより先に、小さな幸せを見出していく。
リムネラという人物は、そんな強さを秘めているのだ。
●
「……ソウ言えば、先頃大きな戦いがあった、と聞いたノデスケド」
リムネラは最近のリゼリオ事情、ハンター事情にちょっと疎くなっている。しばらくこの地を離れ、龍園に逗留していたのだからまあやむを得ないわけだが、そうやって話題を振ってみるとはいと手を上げたのはメイド服姿のフィロ(ka6966)だった。彼女は今回のために冷製茶碗蒸しや牛乳感を手作りして持ち込み、目にも口にも涼やかな料理にリムネラたちも舌鼓を打っていたが、思えば彼女も今回の発端となったアキハバラへの参加者の一人だった。それからも、気にかけてくれてはいたのだろう、だからこそ今日の参加と言うことになっているのだろうから。
フィロは恭しくお辞儀をすると、
「お目覚めおめでとうございます、リムネラさま、ヘレさま。秋葉原に行ってすぐ……でしたから……心配しておりましたが、無事なお帰り、なによりです」
そう言ってから、これまでにあったことを思い出すように話し始める。
最近の出来事でとくに皆の印象に残っているのは、なんと言っても大精霊クリムゾンウェストとの戦いだろう。その話を口に上らせると、その場のハンターたちもこくりと頷いた。
「あの時……ハンターはかなりの方が大精霊さまの説得に向かわれて。私はダモクレスの内部へ向かいました。……邪神の神霊樹を見つけた方々は、その邪神の目的は『世界の記録』ではないか、と考察していらっしゃいましたが……」
魔導カメラで記録していた写真を見せながら、リムネラとヘレに解説する。
「そうそう。大精霊様がまさかナディア総長に降臨するとか、ビックリしちゃった。でも、何とかなったのは、やっぱりハンターの皆の力、なんだと思う」
まよいもそんなことを言いながら、ヘレの頭をそっとなでなで。
と、
「は、は……た?」
ヘレが、突然そう言った。
「ヘレ?」
リムネラも、チューダも、周りの面々も、目を丸くしてヘレを見つめる。
「ハンターの、ことかな……もしかして」
「多分、そうデス……ヘレにコウやって、親しくしてクレタ皆サンや、大精霊様を説得した話……ソンな話を聞いて、ヘレも、ハンターを信頼シテクレテいるんですよ、キット」
リムネラがヘレの気持ちを察したのか、そう説明する。
と、麗美がぽんと手を打った。
「せっかくならメロディをつけて言葉を覚えるのもいいかもしれないわね。つまり、歌を歌ってみようかなって。イスカもいるし、いっしょに歌えば楽しい気分にもなれると思うしね」
そう言うと、麗美とUiscaは二人でリズムを取り合いながら、歌い始めた。もともと親友の二人、歌い出せば美麗なハーモニーが奏でられる。
最初はシンプルだけど覚えやすい曲。
だんだんリズムの激しい曲に変わっていく。
合間に、リムネラが懐かしく感じるような辺境のメロディも交えてみたりして。
「せっかく話せるようになったんなら、いっしょに歌おうよ! みんなで歌えば、きっと、とても幸せな気分になるよ!」
Uiscaはそう言って、にっこり笑う。リムネラも、そして周囲のハンターたちも少しずつ歌い出し、ヘレはと言えば歌になっているのかいないのか、「う-、うー♪」と気持ちよさそうにハミングする。
チューダはその中央で指揮を執るように手を動かすふりをしている。……らしい、といえばらしい。
そしてひとしきり歌が終わると、Uiscaは笑顔で言う。
「私の部族のハレの日のご馳走、雉鍋も用意してありますよ」
彼女の部族で崇める祖霊を食べる。それはヒトによっては様々な理由で好まざる者もいるだろうが、Uiscaは相変わらずニコニコ笑顔のままだ。まあ、それを喜んで食べる者もいるのだから、決して悪いばかりのことではないが。
一息ついたところで、リムネラがすっと立ち上がった。
「今回は、本当にありがとうございマシタ。ヘレも、無事に眼が醒めて、成長をハタシテ……コレから、ドウなるかワカリマセン……けれど、ドウか、よろしくお願いシマス」
そう言って、頭をそっと下げる。
その顔には晴れ晴れとした笑みが浮かんでいた。
そしてそれを見守るハンターたちも、同じような笑みを浮かべていた。
リムネラとヘレがリゼリオに帰ってきたことは耳聡いハンターたちには比較的容易に知れ渡ったようだ。
とくに、ヘレの異変を知っていたものは、心配していたらしい。
まあ、それ以外の要因でも、今回の凱旋パーティに参加した者はいるのだが――。
●
「おお、リムネラ! よく帰ってきたでありますな!!」
会場でそう言いながらまず近づいてきたのは、ふくふくのハムスター……ならぬ、チューダである。
「チューダも、久しぶりデスね」
リムネラはそう、笑顔をたたえて頷く。その足元には、以前よりも幾らか大きくなった白龍――ヘレが、リムネラの服の裾から、のぞき込んでいた。そのさまは幼子の仕草にも似て、ひどく可愛らしく、庇護欲を何となくそそられる。
「本当にヘレもお疲れさまでありました。なるほど、我輩ほどではないけれど、確かに大きくなっておりますな」
「エエ。スコシ、喋れるようにもなったんデス。精神統一をスレバ、もっと話も出来るみたい、デスけど……マダ幼いから、長時間は無理みたいデスね」
「ほうほう。龍というのもそうやって少しずつ成長するのでありますなあ」
チューダも感心しきりという顔つきで、ひげをそよがせる。確かに幻獣ゆえ人間よりはそう言ったことに関する知識はあるかも知れないが、何しろ龍の子どもというのはなかなかお目にかかれるようなものでもなし、幻獣王を名乗るチューダとて判らぬことの方が多い。
「……にしても、今回は見事に女性が多いでありますな。我輩は大歓迎でありますが!」
幻獣王(自称)のチューダも今回のパーティにしっかり参加。簡素なものにせよ、何かしら美味いものが食べられるのではと言う希望的観測と、こういう時は騒がないと! と言うお祭り好きの血が騒いだらしい。
まあ、そんなチューダの人気は相変わらず、と言うところもある。
それでも、ハンターはいつどこで何が待っているか判らない。大きな戦闘があればそちらを優先する、それが多くのハンターの有りようだ。その生だろうか、女性ハンターの出迎えが圧倒的になってしまったのであるが。
(……でも、私にとっては将来仕えることになるかも知れない白龍様、でもあるし、リムネラさんの大切なヘレちゃん、でもあるし……)
そんなことを思いながらもごもごと呟いているのは辺境巫女としての経験もあるUisca Amhran(ka0754)。リムネラともなんども依頼で顔を合わせているエルフの少女――と言って差し支えない外見の女性だ。
Uiscaをはじめ、辺境の巫女にとって『白龍』というのは信仰の対象である。聖地リタ・ティトに舞い降りる、尊い存在こそが白龍。
しかし今、その精神的支柱たる先代の白龍は先の戦いで消滅し、そしてその役目を引き受けたのが、他ならぬリムネラとともに居る幼い龍・ヘレであるのだ。
でもリムネラにしてみれば、ヘレはヘレ以外の何者でもない。それをUiscaも勿論知っている……が、やはりどう接するべきなのかは悩ましいところだ。
「リムネラとヘレと、おかえりなさいって言えるのはうれしいことよね。なにより無事に帰ってこられて良かった!」
悩むUiscaとは対照的に、そう言って笑顔を見せるのは灰青の髪にトレードマークの帽子をのせた夢路 まよい(ka1328)。きらきらした笑顔をリムネラたちに向けて、嬉しそうに手を振る。そして近づいてくると、眼をきらきらさせて言った。
「でも、青龍様のところへ会いに行ってからリゼリオに無事帰ってこられるまで、いろいろあったんじゃない? もしよかったら、お話しを色々聞かせて貰えると嬉しいな! 最近の出来事とか、ホットな情報もたくさんあるし、リムネラもそう言うの、知りたがってるみたいだしね!」
そしてヘレに目をやると嬉しそうに笑う。
「あ、ヘレもちょっとおっきくなったみたいだけれど、やっぱり可愛いねえ! ねえねえ、触ってもいい?」
珍しいことには興味津々のまよい、ヘレに触れてみたいようだ。
――確かにヘレは大きくなった。以前と比べれば、一回りくらいは異なるだろうか。時々よたよたと二足歩行に挑戦してみたり、見ていると本当に幼子の成長を目の当たりにしているようで、なんだか微笑ましく感じる。
リムネラがどうぞ、と優しく首を縦に振ると、まよいはそっとヘレの白い身体に手を伸ばしてみた。
指に触れるのは、かさりとした爬虫類の鱗独特の感触。抱き上げてみようとすれば、予想以上にずしりと重たい気がする。
翼で飛ぶことも可能な分、筋肉の発達があるわけだからある意味重くなっているのは当然のような気もしなくはないが、それを横で見ていたボルディア・コンフラムス(ka0796)は、なるほどと納得したような表情を見せる。
「へーえ、お前がヘレか! 俺はボルディアってんだ、よろしくな! よしよし、俺の名前とかは言えるかー?」
ボルディアは歴戦の勇士であり、ワイバーン乗りだ。まだ幼さの残るワイバーンを駆り、戦闘に挑むことも少なくない。彼女は英雄にならんとして戦いに身を投じてはいるが、最近はやや迷いも生じているらしい。
一方のヘレは名前を、と言われ、翼をはためかせながら
「あ、う……?」
と歯切れの悪そうな返事。リムネラはなだめるように、
「マダ、ヘレはタクサンの言葉を発声するのが難しい、ミタイデス。ココロの成長に、カラダが追いついてイナイ、そんな感じ……と言えば、判りますか?」
と言うと、ぽん、と安堵をしたように手を打ったのはアシェ-ル(ka2983)。
「なるほど……一気に成長が進んだけれど、まだアンバランスなんですね。でも、ヘレが元気になったようで、良かったです」
安堵の微笑みを浮かべている。龍園に向かう前にナディアに面会をしていたメンバーの一人でもあったアシェールは、そう言うとヘレの頭を撫でてやる。
「アルコールなしって言うのはすこし辛いけど、お祭り騒ぎは好きなのよねぇ……」
そういいながらクスクス笑うのは、天川 麗美(ka1355)。ハンターであると同時にシスターでもある彼女だが、酒場にいる姿も見られるという程度には(?)酒好き、と言う彼女である。……もっとも、酒場で見られるのは見た目そっくりの別人と言うことになってるらしいが。
(むう……このままでは、辺境マスコットの座をヘレに奪われかねないであります……)
チューダはそんなしょうもないことを脳裏で思い浮かべる。まあ、チューダの存在意義はそのふてぶてしさと可愛らしさ(?)なのだから、可愛らしさや愛嬌でチューダを上回るものがあれば当然脅威になるわけで、そういう意味では今のヘレは脅威に感じてしまうらしかった。
しかし、そんなチューダを慮ってか否か、アシェールはにっこりと笑ってチューダにも手を振った。
「チューダ様、今日も美味しいもの、持ってきましたよ!」
屈託のない笑顔は彼女の強みの一つだ。それに美味しいものという単語を聞けば、チューダもついついそわそわとカラダを乗り出してくる。
「本当でありますか?」
「勿論です! ヘレが元気にな多のも、やはり、チューダ様のお力あってのことでしょうか?」
そんな問いに、チューダも当たり前だ、と何故か胸を張る。
「やっぱりそうだったんですね。流石チューダ様です、これをお召し上がり下さい!」
アシェールが押しつけたのは彼女の得意料理。ほどよく甘いタルトだ。チューダもそれに食らいつくように、もぐもぐと平らげていく。相変わらず食欲旺盛きわまりないチューダの様子に、思わず周囲のハンターたちからもくすくすと笑いが溢れる。
●
「チューダ様のぶんもありますけれど、今日はリムネラ様とヘレ様の、おかえりなさいパーティですからね」
そう言いながらもチューダ用のマドレーヌをしっかり用意してきているのはミオレスカ(ka3496)だ。彼女自身も美味しいものを追求する、言ってみれば食の求道者。そんな彼女の特製マドレーヌはふわふわでバターの香りも芳しい、いかにも手作りといった風情のやさしい味わいに出来ている。
「ヘレ様にも、美味しい、を、覚えて貰いたいな、と思ったんです。……もしかしたら、将来は食事を摂る必要がなくなってしまうのかも知れませんが、それでも、今は、楽しい、も、美味しい、も、とても大切ですよね」
リムネラに差しだしたお手製マドレーヌは、リムネラが丁寧に割って、ヘレと仲良く半分ずつ食べる。しっとりしたマドレーヌ生地が口のなかでしっとりと味がしみわたる。リムネラのほころぶような笑みに、ヘレも同意を示すかのように尻尾を振った。
「おいしいであります!」
チューダもチューダで、目を輝かせて口の中にどんどんマドレーヌを放り込んでいく。
「……にしても、リムネラも本当に無事に帰ってこられて良かったな。皆、帰りを待っていたんだぞ」
そう言いながらリムネラの肩をぽんと叩いたのはレイア・アローネ(ka4082)。くつくつと笑いながら話す彼女の言うには、最近の暑さ対策をどうすべきか、彼女やまよいも参加してガーディナ内部で相談しあったりもしたのだとか。
もっとも、提案の一部は採用されているものの、まるきり採用の難しいものも多かったらしいが。
「チューダの毛を刈るというのはありだとは思ったんだがなぁ……」
レイアはそう言いながら、冷ややかな視線をチューダに向ける。何故かチューダに対しては、彼女は塩対応という奴になるらしい。チューダも妙な危機感を覚えて一瞬毛を逆立ててしまうのだから、この関係性は妙に根が深いらしいが、理由というのが不明瞭なため尚更不思議な関係に見えるようだ。
「……で、こっちがヘレか。ヘレには初めましてだな」
レイアはそう言いながらヘレの頭を優しく撫でてやる。その手の温かさから良い人間であるというのもわかるのだろう、ヘレも目を細めて
「あー、あー」
と嬉しそうに鳴いてみせた。
「まだ本当に成長期なんだな。……しかし、これからもなにかと縁があるかも知れない。ヘレはリムネラの傍にいる、白龍なのだしな。もし何かあった時は、よろしく」
そして彼女もにこりと微笑んでみせる。
「無礼な言い方かも知れないが、いかにも成長期と言うこともあって、可愛いな、白龍。どこぞのへんなネズミもどきよりもずっと――」
そう言った瞬間、彼女の視線が度去年に向き、冷ややかにナッタのは気のせいだろうか。リムネラはそう言うことを気にせず、相変わらずにこにこと笑顔を作っているが。
……そういう意味ではリムネラも結構大物ではあるのかも知れない。まあ、ユニオンリーダーという使命を持っていると言うこともあり、一般市民よりもかなりハードモードな人生を送っているのは間違いないのだが。
「お疲れさまです、リムネラさん」
夜桜 奏音(ka5754)も、微笑みながら挨拶してくる。
彼女はヘレが成長をする儀式の時、四つあった要石を守護する作戦依頼に入っていたのだが――一箇所だけ、要石は砕かれた。
その砕かれた要石のあった場所を護っていた班の中に、彼女は所属していたのだ。
だからこそ、彼女は今回のヘレの無事な帰還をひと一倍喜んでいる。大きく表情にだすことは少ないが、それでもその言葉の端々に、喜びが溢れているのが伝わってくる。
「儀式の時は……あの時は私の所は突破されてしまったのですこし心配していましたけれど、リムネラさんたちが無事に戻ってくることが出来て、本当に良かったです」
そう言って、奏音は頭を大きく下げてお辞儀をする。それを見て、ヘレもぴょこんと頭を下げて見せたのに、奏音をはじめとする周りの面々は笑顔を浮かべた。
「ヘレは、マダ知らないことがたくさんデス。ホカのヒトのしぐさのマネッコ、コレも良い情操教育……デスね」
リムネラがそう説明すれば、
「じゃあ、今は色んなことを覚えていく、そう言う大事な時期なんですね……! きっとそう言うこともあって、この間見た時に比べても、いろいろ大きくなってきたんですね」
奏音も納得がいったという顔で、にっこり頷く。
「でもこれで……一息、つけるといいんですけれど」
一瞬頭をよぎったのは、過激派ドラグーンのまがまがしい姿。リムネラもその姿こそ見ていないが、話に聞いているだけでもかなり強硬な手段に出るらしいことが判っている。
青龍以外の龍の存在を否定する彼らにしてみれば、ヘレの存在はまさに目の上のこぶ状態。いつ強襲されても不自然ではない――それでも、とりあえずは今の平穏を護っていきたいと思うのがリムネラという人物である。
単なる楽観主義という意味ではない。
彼女は一分一秒、どの瞬間も大切にしたいと思っているのだ。だから、この瞬間も、厭なことを思い出すより先に、楽しいことを考える。辛いことを思いだして嘆くより先に、小さな幸せを見出していく。
リムネラという人物は、そんな強さを秘めているのだ。
●
「……ソウ言えば、先頃大きな戦いがあった、と聞いたノデスケド」
リムネラは最近のリゼリオ事情、ハンター事情にちょっと疎くなっている。しばらくこの地を離れ、龍園に逗留していたのだからまあやむを得ないわけだが、そうやって話題を振ってみるとはいと手を上げたのはメイド服姿のフィロ(ka6966)だった。彼女は今回のために冷製茶碗蒸しや牛乳感を手作りして持ち込み、目にも口にも涼やかな料理にリムネラたちも舌鼓を打っていたが、思えば彼女も今回の発端となったアキハバラへの参加者の一人だった。それからも、気にかけてくれてはいたのだろう、だからこそ今日の参加と言うことになっているのだろうから。
フィロは恭しくお辞儀をすると、
「お目覚めおめでとうございます、リムネラさま、ヘレさま。秋葉原に行ってすぐ……でしたから……心配しておりましたが、無事なお帰り、なによりです」
そう言ってから、これまでにあったことを思い出すように話し始める。
最近の出来事でとくに皆の印象に残っているのは、なんと言っても大精霊クリムゾンウェストとの戦いだろう。その話を口に上らせると、その場のハンターたちもこくりと頷いた。
「あの時……ハンターはかなりの方が大精霊さまの説得に向かわれて。私はダモクレスの内部へ向かいました。……邪神の神霊樹を見つけた方々は、その邪神の目的は『世界の記録』ではないか、と考察していらっしゃいましたが……」
魔導カメラで記録していた写真を見せながら、リムネラとヘレに解説する。
「そうそう。大精霊様がまさかナディア総長に降臨するとか、ビックリしちゃった。でも、何とかなったのは、やっぱりハンターの皆の力、なんだと思う」
まよいもそんなことを言いながら、ヘレの頭をそっとなでなで。
と、
「は、は……た?」
ヘレが、突然そう言った。
「ヘレ?」
リムネラも、チューダも、周りの面々も、目を丸くしてヘレを見つめる。
「ハンターの、ことかな……もしかして」
「多分、そうデス……ヘレにコウやって、親しくしてクレタ皆サンや、大精霊様を説得した話……ソンな話を聞いて、ヘレも、ハンターを信頼シテクレテいるんですよ、キット」
リムネラがヘレの気持ちを察したのか、そう説明する。
と、麗美がぽんと手を打った。
「せっかくならメロディをつけて言葉を覚えるのもいいかもしれないわね。つまり、歌を歌ってみようかなって。イスカもいるし、いっしょに歌えば楽しい気分にもなれると思うしね」
そう言うと、麗美とUiscaは二人でリズムを取り合いながら、歌い始めた。もともと親友の二人、歌い出せば美麗なハーモニーが奏でられる。
最初はシンプルだけど覚えやすい曲。
だんだんリズムの激しい曲に変わっていく。
合間に、リムネラが懐かしく感じるような辺境のメロディも交えてみたりして。
「せっかく話せるようになったんなら、いっしょに歌おうよ! みんなで歌えば、きっと、とても幸せな気分になるよ!」
Uiscaはそう言って、にっこり笑う。リムネラも、そして周囲のハンターたちも少しずつ歌い出し、ヘレはと言えば歌になっているのかいないのか、「う-、うー♪」と気持ちよさそうにハミングする。
チューダはその中央で指揮を執るように手を動かすふりをしている。……らしい、といえばらしい。
そしてひとしきり歌が終わると、Uiscaは笑顔で言う。
「私の部族のハレの日のご馳走、雉鍋も用意してありますよ」
彼女の部族で崇める祖霊を食べる。それはヒトによっては様々な理由で好まざる者もいるだろうが、Uiscaは相変わらずニコニコ笑顔のままだ。まあ、それを喜んで食べる者もいるのだから、決して悪いばかりのことではないが。
一息ついたところで、リムネラがすっと立ち上がった。
「今回は、本当にありがとうございマシタ。ヘレも、無事に眼が醒めて、成長をハタシテ……コレから、ドウなるかワカリマセン……けれど、ドウか、よろしくお願いシマス」
そう言って、頭をそっと下げる。
その顔には晴れ晴れとした笑みが浮かんでいた。
そしてそれを見守るハンターたちも、同じような笑みを浮かべていた。
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オカエリナサイパーティー レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/06/03 16:01:43 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/05 17:18:44 |