ゲスト
(ka0000)
【空蒼】カンダズ庭園にて
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~4人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 3日
- 締切
- 2018/07/04 22:00
- 完成日
- 2018/07/06 18:36
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
大規模宇宙ステーション『ニダヴェリール』の改良案を、ハンターから得たトモネ・ムーンリーフ。
会議が終わったトモネは、早々に世話役兼補佐役のユーキ・ソリアーノへ指示を出した。
すべての案を採用するのは難しい上、実現するにも時間がかかる物もある。
それでも、トモネはハンターが期待した案なのだからと可能な限りの実現を目指している。
そんな――多忙な日常の中。
「ふぅ」
トモネは執務室でため息をついた。
ユーキには分かる。それが、心の底から出たため息である事を。
「総帥、お疲れでしょうか」
「分かるか」
「はい。総帥がお屋敷へお越しになった頃からお世話をさせていただいております」
ユーキが世話役となってから、もう何年経つだろう。
その間、様々な事があった。
先代が引退した時期は、財団の上層部は上へ下への大騒ぎ。そのような中でトモネが遺言に従ってリーダーシップを発揮する時も、ユーキは裏で支援を続けていた。
支え合う――否、その表現では足りない関係の二人だ。
だからこそ、ユーキもトモネの体調が優れない事に気付けた。
「隠しきれぬか。最近、疲れが取れなくてな」
「休憩の時間を削って各セクションの動きをチェックされております。ニダヴェリールの建造が急がれる中ですから、致し方ない点もございましょう」
ユーキが指摘するようにトモネは充分な休養が取れていない。
トモネは若さに満ちあふれているが、それを通り越して幼すぎる。そこへ財団総帥として各方面への指示や統一地球連邦宙軍や統一議会、さらには各国財界との会合や調整も行っている。
ユーキを含め、秘書が様々な対応を行ってはいるが、どうしても総帥として自ら動かなければならない状況もある。ユーキが苦心して対応しているが、最近は仕事が増加傾向にある。
それはユーキもトモネを日々見守る中で常に案じていた。
「総帥。少々休憩しては如何でしょう。インドから最高級の茶葉を取り寄せております」
「良いのか? ……だが、そんな時間は」
「確保してみせます。今は総帥自らがリラックスなさる方が優先です」
小さな拳を作り、自分の胸を軽く叩くユーキ。
ほんの数時間かもしれないが、トモネの緊張を解すよう苦心をしなければ――。
「言葉に甘えさせてもらおう」
「では、カンダズで紅茶の準備を」
カンダズ。
エディンバラの財団敷地内に造園されたイギリス式庭園である。トモネは時間が空けば、ここで茶を飲みながら読書で時間を過ごしている。カンダズのローズガーデンは有名だが、一般公開される事は少ない。
ユーキはいつものようにトモネが休めるように準備に着手する。
しかし、その動きはトモネのある一言で止められる。
「それからハンターも呼べ」
「!?」
突然の一言に驚くユーキ。
心を休める為の休憩のはずが、ここでハンターを呼べば少なからず『仕事』となってしまう。
「総帥」
「分かっている。一緒に茶を楽しむだけだ。
それに緊張せずにお互いが腹を割って話しておくのも良いと思ってな。彼らは異世界で辛い戦いをしてきたとは聞くが、彼らの口からしっかり聞いた事もない。
私は……彼らの事をもっと知るべきだ。これも良い機会だろう」
椅子から立ち上がり、そっと背伸びするトモネ。
ユーキから見ればハンターがいくら優秀でも24時間警護する事はできない。だからこそ、どこまで信用するべきか迷ってしまう。
だが、ここでハンターを呼ばないとなれば心を休めるどころではない。
急に決まった茶会だ。それ程多くのハンターは現れないと思うが――。
「……Yes, My Lord」
ユーキは、踵を返して茶会の準備に入った。
会議が終わったトモネは、早々に世話役兼補佐役のユーキ・ソリアーノへ指示を出した。
すべての案を採用するのは難しい上、実現するにも時間がかかる物もある。
それでも、トモネはハンターが期待した案なのだからと可能な限りの実現を目指している。
そんな――多忙な日常の中。
「ふぅ」
トモネは執務室でため息をついた。
ユーキには分かる。それが、心の底から出たため息である事を。
「総帥、お疲れでしょうか」
「分かるか」
「はい。総帥がお屋敷へお越しになった頃からお世話をさせていただいております」
ユーキが世話役となってから、もう何年経つだろう。
その間、様々な事があった。
先代が引退した時期は、財団の上層部は上へ下への大騒ぎ。そのような中でトモネが遺言に従ってリーダーシップを発揮する時も、ユーキは裏で支援を続けていた。
支え合う――否、その表現では足りない関係の二人だ。
だからこそ、ユーキもトモネの体調が優れない事に気付けた。
「隠しきれぬか。最近、疲れが取れなくてな」
「休憩の時間を削って各セクションの動きをチェックされております。ニダヴェリールの建造が急がれる中ですから、致し方ない点もございましょう」
ユーキが指摘するようにトモネは充分な休養が取れていない。
トモネは若さに満ちあふれているが、それを通り越して幼すぎる。そこへ財団総帥として各方面への指示や統一地球連邦宙軍や統一議会、さらには各国財界との会合や調整も行っている。
ユーキを含め、秘書が様々な対応を行ってはいるが、どうしても総帥として自ら動かなければならない状況もある。ユーキが苦心して対応しているが、最近は仕事が増加傾向にある。
それはユーキもトモネを日々見守る中で常に案じていた。
「総帥。少々休憩しては如何でしょう。インドから最高級の茶葉を取り寄せております」
「良いのか? ……だが、そんな時間は」
「確保してみせます。今は総帥自らがリラックスなさる方が優先です」
小さな拳を作り、自分の胸を軽く叩くユーキ。
ほんの数時間かもしれないが、トモネの緊張を解すよう苦心をしなければ――。
「言葉に甘えさせてもらおう」
「では、カンダズで紅茶の準備を」
カンダズ。
エディンバラの財団敷地内に造園されたイギリス式庭園である。トモネは時間が空けば、ここで茶を飲みながら読書で時間を過ごしている。カンダズのローズガーデンは有名だが、一般公開される事は少ない。
ユーキはいつものようにトモネが休めるように準備に着手する。
しかし、その動きはトモネのある一言で止められる。
「それからハンターも呼べ」
「!?」
突然の一言に驚くユーキ。
心を休める為の休憩のはずが、ここでハンターを呼べば少なからず『仕事』となってしまう。
「総帥」
「分かっている。一緒に茶を楽しむだけだ。
それに緊張せずにお互いが腹を割って話しておくのも良いと思ってな。彼らは異世界で辛い戦いをしてきたとは聞くが、彼らの口からしっかり聞いた事もない。
私は……彼らの事をもっと知るべきだ。これも良い機会だろう」
椅子から立ち上がり、そっと背伸びするトモネ。
ユーキから見ればハンターがいくら優秀でも24時間警護する事はできない。だからこそ、どこまで信用するべきか迷ってしまう。
だが、ここでハンターを呼ばないとなれば心を休めるどころではない。
急に決まった茶会だ。それ程多くのハンターは現れないと思うが――。
「……Yes, My Lord」
ユーキは、踵を返して茶会の準備に入った。
リプレイ本文
「本日はインド産ニルギルをベースに私が特別にブレンドさせていただきました」
陶器の器を温めてテーブルの上に供される紅茶。
ユーキ・ソリアーノがムーンリーフ財団総帥トモネ・ムーンリーフの為に用意した紅茶だ。
今日はこの紅茶を茶会へ同席したハンターと共に楽しむ事となっている。
「わーい、お茶会だ」
イリエスカ(ka6885)は、横から差し出されたティーカップを前にテンションが上がる。
相棒のマリナ アルフェウス(ka6934)と共に参加するお茶会だ。
大きな戦いを終えた後だけに今日はゆっくりとお茶会を過ごすつもりだ。
一方――。
「武官である我々がこのような場所へ入る機会があるとは。貴官には感謝しなければ」
マリアは非常に堅苦しい態度だ。
自身がハンターズソサエティのハンターであり、リアルブルーで言えば軍人と考えている為だ。
両極端な二人を前に、トモネはそっと笑顔で答える。
「今日は楽しむといい。……ユーキ」
「はい。本日は野苺が手に入りましたのでクリームチーズと一緒にタルトに致しました」
ユーキは手製のタルトをハンター達の前に供した。
赤く小さい野苺が、白いクリームチーズと対比が見る者の食欲を掻き立てる。
「あ、お呼ばれだけでは悪いと思ってお茶とお菓子を準備してきたんだ」
「そうでしたか。それではこちらでお預かりします」
八島 陽(ka1442)は用意してきた物が入った紙袋をユーキへ預けた。
お茶は後日のリフレッシュにでも使って貰う事を期待して準備したヒカヤ紅茶とハーブティー「リスペルン」だ。
トモネの多忙さは今日で終わりではない。
休憩を取る際には是非、八島が持参したお茶を飲んで欲しい所だ。
「トモネとのお茶会もこれで二回目だったな」
鳳凰院ひりょ(ka3744)は、席についてから過去の記憶を呼び起こしていた。
時々力を抜く時間を作るように、という話をしたのだが、その後の状況から察するに力を抜く時間を作れていないようだ。
無理もない。強化人間失踪事件以降を考えても財団に対する誹謗中傷も集まっている。スタッフの士気低下も懸念されている。幼いながらも財団総帥という地位にいるトモネの気概を考えれば、そうした時間を確保するのも困難だったのだろう。
「うむ。心配させてしまったか?」
「ああ。だから、今日はゆっくり休んで欲しい。その為のお茶会だから」
それはひりょだけではなく、ハンターの誰もが考えていた事だ。
ユーキがお茶会を準備したのもそうした理由なのだろう。
「改めて今日この場に集まってくれた皆に感謝する」
トモネの言葉で始まった茶会の開催。
吹き抜ける風のようにゆっくりと心地良い時間が流れ始める。
●
八島が持参したうなぎゼリーとう巻き。
イギリスでもうなぎを食す文化があると聞いた八島は、トモネに精が付くようにと願って準備してきていた。う巻きの方はトモネの為に甘さを少し強めにしている。
「ふむ。ランチも軽い物であった為、ちょうど良いかもしれぬ」
「ランチをしっかり食べてないのか?」
トモネの一言に八島は引っかかった。
反射的にユーキの方を振り返る。
「総帥はサンドイッチを食しながら仕事を続けられておられます。私からもキチンとした食事を取るように再三申し上げているのですが……」
ユーキの顔を見るだけで心苦しい事が分かる。
聞けば、書記官なども必死にトモネを支えているのだが、各方面から寄せられる報告が処理仕切れていない。特に強化人間に関わる事項は軍とも歩調を合わせる必要がある上、責任者である総帥の出番が増えてしまう。
「今は忙しい時期故、致し方あるまい。
それより、私はハンター達に聞きたい事があったのだ」
「え? なになに?」
「お前達がハンターになった経緯を聞いてみたかったのだ」
トモネからすればハンターは異世界の力を宿した戦士である。
如何なる経緯でハンターとなったのか、トモネは気になっているようだ。
「経緯、ですか。
……私は。自身に与えられた義務を果たしているに過ぎない。こう言ってしまうと堅いだろうか?」
マリナは自身の考えを率直に話した。
オートマトンであるが故、クリムゾンウェストへ来た経緯そのものが不明確なのだ。身につけていたドッグタグから元軍人と判断したに過ぎない。
元軍人であるからこそ、再び戦場へ身を投じるのが自身の義務と考えてハンターへ志願したのだ。
「うーむ。その言葉だけでは少々分かり難いな」
「そうか。では言い換えよう。生きる為だ」
「生きる為にハンターになったのか? 何やら複雑な境遇だな」
トモネは腕を組んで悩んでいる。
確かにオートマトンの存在はリアルブルーの住人であるトモネには分かり難いかもしれない。オートマトンでも様々な思考を持つ者もいるが、マリナはその中でも実直かつ堅い思考を持つようだ。
「軍人であるからこそ、その考え方なのか? 歪虚との戦う際もそうなのか?
」
「歪虚との戦闘は仕事の為。なるべく余計な感情を持ち込まない……はずだったが」
そう言いながら、マリナはそっとイリエスカの方へ視線を送る。
イリエスカや友人達との出会いを経て、その堅さに変化が現れている事もマリナは自覚している。
「任務に私情は挟まない……と言いたいところだが、そう簡単に行かないのも事実である」
「しがらみか。その点は人間と変わらぬな」
「あ。ボクの事も話さないとだね」
空気を察したイリエスカは自身の経緯を話し始める。
落ち着く為か、ユーキの入れてくれた紅茶を軽く一口飲んで喉を湿らせる。
いざ自分の話をするとなって緊張してきたのだろうか。
「実はボクって、一年より前の記憶が全然ないんだよねー。記憶喪失っていう奴かな?」
「記憶喪失?
トモネは、思わず口を付けようとしていたカップをソーサーの上に置いた。
目の前にいるイリエスカを見る限り、そのような境遇には感じられなかったのだ。
「なんでか廃墟の中で倒れてて、ハンターが救助のつもりで拾ってくれたみたいなんだよ。目が醒めた後も全然記憶は戻らなかったけど、まー戻らないのも仕方ないって事で割り切ったんだよね」
「簡単に言っているが、かなり前向きだな」
「そうかな? まあ、そこに至るまで結構悩んだんだけど。
それでちゃんと記憶が戻るまでは、ハンターになってお金もらって頑張って生きてみようって感じかな。ボクの場合は」
その後、イリエスカはマリナと出会う。
ハンターズソサエティで張り出された同じ依頼を確認した際、たまたまは目が合ったのが切っ掛けだ。
「ふむ、いろいろあるのだな。歪虚と戦う際は、何を考えているのだ?」
「そうだなぁ。簡単に言ったら、戦えない人を護ってあげたいかなー。
何も悪い事をしていない人達が一方的に傷つけられるのはおかしい事だと思うから」
イリエスカはそう言い切った。
皆が笑って暮らせる毎日にしたい。
それを実現するには相当の努力が必要となる。
「人の笑顔か。我が財団も人々の安心と安寧を提供する事を常に考えているつもりだ」
「オレも同じだ。『周りの皆には笑顔でいて欲しい』という思いがある。それはハンターになってからも目標にしてきたんだ」
イリエスカやトモネと同じように、ひりょもその思いを抱いていた。
人の笑顔を守る。その思いは昔からあった。
だが、その行為が簡単でない事もひりょは知っていた。
「トモネは凄いな」
「何がだ?」
「オレは鳳凰院家の跡取りとして重圧に耐えかねていた頃にクリムゾンウェストへ転移したんだ。
鳳凰院家という当時の自分には大きな存在だった物だ。その責任がある日自分に負わされると考えただけで、重苦しく感じて。それがクリムゾンウェストへ転移する事で、重圧から逃れられた気になってた。実際は逃げられていなかったが……」
ひりょは、一呼吸を置いた。
一瞬の沈黙にトモネは意識をひりょへ引き寄せられる。
「だけど、トモネは違う。
鳳凰院家よりももっと大きな財団という遙かに大きな重圧を受けながら、必死に総帥であろうとする姿が眩しく思えたんだ」
ひりょは自分の過去を包み隠さず率直に話した。
その過去があったからこそ、ひりょはハンターという財団外部の存在でありながら『力になりたい』と常々考えている。
それが好意と呼べる物なのか――他者への好意を抱いた事のないひりょには分からない。
ただ、トモネにはムーンリーフ財団という大きな重圧がのし掛かっている。
重圧に苦しんだひりょだからこそ、ハンターとして、個人としてトモネを助けたいのだ。
「私一人ではとっくに潰れている。ユーキや助けてくれる者がいたから、ここまで来られたのだ」
「そんな事はありません。総帥は先代にも負けない情熱で財団を牽引されておられます」
空になったテーカップへ紅茶を注ぐユーキ。
傍らでトモネを見守ってきたユーキの動きを、ひりょは無意識に目で追っていた。
「……気になりますか? 私の事が」
「あ、いや」
ひりょは、ユーキがトモネを大切に考えている事は知っていた。
だが、同時にユーキがハンターをそこまで信用していない事も感じ取っていた。無理もない。異世界で歪虚と戦う能力がある存在が急に傍らに現れたのだ。警戒する方が自然だろう。
だから、ひりょはユーキからの信頼を得ようと考えていた。トモネを大事に思う気持ちはひりょも同じだから。
「総帥、聞いてばかりではいけません。総帥の事も少しはハンターの皆さんにお話されてはどうでしょう?」
「そうであったな。どこから話せば良いのだ?」
「そうですね。この屋敷に初めてお越しになられた時など、如何でしょうか」
すべてのカップに紅茶を注ぎ終えたユーキは、テーブルから一歩下がった。
ユーキの一言を聞いた八島は、言葉に隠れた妙な表現に引っかかった。
「ちょっと待って。初めて屋敷に来たって表現はおかしくないか? 先代総帥が父親なら、生まれた時からこの屋敷に居たんじゃないのか?」
「ああ、話していなかったか。父上とは養子の関係だ。血は繋がっておらぬ」
唐突に告げられた告白。
未だ幼いトモネは先代総帥に拾われる形で養子となったのだ。もし、それが真実だとすれば先代総帥が引退した際の騒動は、想像以上の抵抗があったと推測できる。
思わず、ひりょも聞き返した。
「本当か?」
「隠しても仕方在るまい。当時先代に秘書として使えていたユーキは、父上から私の世話役を仰せつかったのだ」
「はい。財団は月面での鉱物採掘で財を成した先代が立ち上げました。財団が軌道に乗った頃、先代が総帥をお連れになりました」
トモネによれば先代は既に引退している。
だが、トモネはトモネなりに父親の意志を継いでいるのだろう。
「懐かしいお話です。
そういえば、総帥は小さい頃は私の膝で良くお眠りになっていました」
「!?」
突然のユーキの告白。
その言葉にトモネは驚きを隠せない。
――嫌な予感がする。
そんなトモネの考えを無視するかのように、イリエスカが素早く反応する。
「へぇ。どんな感じだったの?」
「昼寝の時間になると決まって私の所へいらっしゃいました。子守唄代わりに私に歌を要望されます。私が歌っているうちに、総帥はいつの間にか私の膝の上で……」
「もう良い! 恥ずかしいではないか!
次だ! 次の者は……八島だったな」
恥ずかしさで顔を紅潮させるトモネは強引にトモネの話を打ち切った。
急に話を振られた八島は、過去を思い出すように語り始めた。
「ああ。オレ、LH044に居たんだよね」
LH044。
かつて歪虚に滅ぼされたコロニーの名だ。
その一言にトモネは一瞬、目を見開いた。
「そうか。ニダヴェリールに対しては微妙な感情だろうな」
「うーん、どうかな。LH044が歪虚が攻めてきたと思ってサルヴァトーレ・ロッソへ逃げ込んだと思ったら、いきなりクリムゾンウェストへ転移してたんだ。軍人じゃないし、ブラブラするのもなんだし、帰る方法を探してみようと思って。
クリムゾンウェスト中を探して歩くならハンターが便利そうって考えて気軽に契約したんだよね。まあ、気付いたら時間限定だけど地球へ来られちゃっているんだよね」
八島は、元々民間人だ。
だから、歪虚との戦いはハンターになってからという事になる。
しかし、そのハンターになった事で見えてきた出会いや真実があった。
「クリムゾンウェストでお世話になった人が亡くなって、その足跡を辿ったな。それに古い遺跡の謎かけを解いていたら、リアルブルーの人が関わった形跡が出てきたり」
「なに? そのような事があったのか。実に興味深いな」
鼻息を粗く前傾姿勢を取るトモネ。
だが、残念ながら一般人のトモネはクリムゾンウェストへ転移する事ができない。
「でも、ショックだったのは星の記憶かな」
「星の記憶?」
「クリムゾンウェストにある神霊樹って大樹には、昔の記憶が眠っているんだ。クリムゾンウェストが一度滅んだ記憶もあった。リアルブルーへ転移して生き残りを図ろうとした彼らが、LH044からの脱出とダブってね」
そう話していた八島の顔は、神妙であった。
八島の記憶にも蘇る。
助かる為に他人を蹴落とす者。
後続を待たずに出発を急かす者。
子供を優先して自分は残る事を決意した者。
八島は、あの光景を『地獄』と表現した。
「あんな地獄は二度と見たくないなぁ……あっ、ごめんね! 辛気臭くて」
先程までの自分を誤魔化すように八島は笑い飛ばした。
だが、八島が語った事も真実。
その地獄を回避する為にも、ハンター達は歪虚と戦い続けなければならない。
●
「改めて同席してくれた者には感謝を述べよう。今日の茶会は良い物となった」
トモネはハンター達へ感謝する。
新たな話が聞けて本当に良かったと感じたようだ。
「会を終える前に教えて欲しい。普段読んでいる本や本の傾向は?」
マリナがトモネへ質問を投げかけた。
トモネは笑顔を浮かべて快く応じる。
「ジャンルは様々なだな。仕事の関係で経済関連もあれば、ファンタジーノベルを読んだりもする。クリムゾンウェストはそのような世界があるのだろう?」
「そうだな。他に趣味は?」
「ハンターからクリムゾンウェストの話を聞く事だ。興味を強く惹かれる」
茶会を通して打ち解けたのか、トモネは楽しそうに話している。
その様子を見守っていたひりょは、少し胸を撫で下ろした。
「リラックス、できたみたいだな」
元気なトモネを前に、ひりょは安心した。
これでまたトモネは仕事に没頭するだろう。でも、新しいリラックス方法を見つけられたなら、きっとまた頑張れるはずだ。
「これはお礼です」
ユーキは、ひりょの前へタルトを一つ差し出した。
先程とは少し違った甘酸っぱさ。
その味はいつまでもひりょの舌に上に残った。
陶器の器を温めてテーブルの上に供される紅茶。
ユーキ・ソリアーノがムーンリーフ財団総帥トモネ・ムーンリーフの為に用意した紅茶だ。
今日はこの紅茶を茶会へ同席したハンターと共に楽しむ事となっている。
「わーい、お茶会だ」
イリエスカ(ka6885)は、横から差し出されたティーカップを前にテンションが上がる。
相棒のマリナ アルフェウス(ka6934)と共に参加するお茶会だ。
大きな戦いを終えた後だけに今日はゆっくりとお茶会を過ごすつもりだ。
一方――。
「武官である我々がこのような場所へ入る機会があるとは。貴官には感謝しなければ」
マリアは非常に堅苦しい態度だ。
自身がハンターズソサエティのハンターであり、リアルブルーで言えば軍人と考えている為だ。
両極端な二人を前に、トモネはそっと笑顔で答える。
「今日は楽しむといい。……ユーキ」
「はい。本日は野苺が手に入りましたのでクリームチーズと一緒にタルトに致しました」
ユーキは手製のタルトをハンター達の前に供した。
赤く小さい野苺が、白いクリームチーズと対比が見る者の食欲を掻き立てる。
「あ、お呼ばれだけでは悪いと思ってお茶とお菓子を準備してきたんだ」
「そうでしたか。それではこちらでお預かりします」
八島 陽(ka1442)は用意してきた物が入った紙袋をユーキへ預けた。
お茶は後日のリフレッシュにでも使って貰う事を期待して準備したヒカヤ紅茶とハーブティー「リスペルン」だ。
トモネの多忙さは今日で終わりではない。
休憩を取る際には是非、八島が持参したお茶を飲んで欲しい所だ。
「トモネとのお茶会もこれで二回目だったな」
鳳凰院ひりょ(ka3744)は、席についてから過去の記憶を呼び起こしていた。
時々力を抜く時間を作るように、という話をしたのだが、その後の状況から察するに力を抜く時間を作れていないようだ。
無理もない。強化人間失踪事件以降を考えても財団に対する誹謗中傷も集まっている。スタッフの士気低下も懸念されている。幼いながらも財団総帥という地位にいるトモネの気概を考えれば、そうした時間を確保するのも困難だったのだろう。
「うむ。心配させてしまったか?」
「ああ。だから、今日はゆっくり休んで欲しい。その為のお茶会だから」
それはひりょだけではなく、ハンターの誰もが考えていた事だ。
ユーキがお茶会を準備したのもそうした理由なのだろう。
「改めて今日この場に集まってくれた皆に感謝する」
トモネの言葉で始まった茶会の開催。
吹き抜ける風のようにゆっくりと心地良い時間が流れ始める。
●
八島が持参したうなぎゼリーとう巻き。
イギリスでもうなぎを食す文化があると聞いた八島は、トモネに精が付くようにと願って準備してきていた。う巻きの方はトモネの為に甘さを少し強めにしている。
「ふむ。ランチも軽い物であった為、ちょうど良いかもしれぬ」
「ランチをしっかり食べてないのか?」
トモネの一言に八島は引っかかった。
反射的にユーキの方を振り返る。
「総帥はサンドイッチを食しながら仕事を続けられておられます。私からもキチンとした食事を取るように再三申し上げているのですが……」
ユーキの顔を見るだけで心苦しい事が分かる。
聞けば、書記官なども必死にトモネを支えているのだが、各方面から寄せられる報告が処理仕切れていない。特に強化人間に関わる事項は軍とも歩調を合わせる必要がある上、責任者である総帥の出番が増えてしまう。
「今は忙しい時期故、致し方あるまい。
それより、私はハンター達に聞きたい事があったのだ」
「え? なになに?」
「お前達がハンターになった経緯を聞いてみたかったのだ」
トモネからすればハンターは異世界の力を宿した戦士である。
如何なる経緯でハンターとなったのか、トモネは気になっているようだ。
「経緯、ですか。
……私は。自身に与えられた義務を果たしているに過ぎない。こう言ってしまうと堅いだろうか?」
マリナは自身の考えを率直に話した。
オートマトンであるが故、クリムゾンウェストへ来た経緯そのものが不明確なのだ。身につけていたドッグタグから元軍人と判断したに過ぎない。
元軍人であるからこそ、再び戦場へ身を投じるのが自身の義務と考えてハンターへ志願したのだ。
「うーむ。その言葉だけでは少々分かり難いな」
「そうか。では言い換えよう。生きる為だ」
「生きる為にハンターになったのか? 何やら複雑な境遇だな」
トモネは腕を組んで悩んでいる。
確かにオートマトンの存在はリアルブルーの住人であるトモネには分かり難いかもしれない。オートマトンでも様々な思考を持つ者もいるが、マリナはその中でも実直かつ堅い思考を持つようだ。
「軍人であるからこそ、その考え方なのか? 歪虚との戦う際もそうなのか?
」
「歪虚との戦闘は仕事の為。なるべく余計な感情を持ち込まない……はずだったが」
そう言いながら、マリナはそっとイリエスカの方へ視線を送る。
イリエスカや友人達との出会いを経て、その堅さに変化が現れている事もマリナは自覚している。
「任務に私情は挟まない……と言いたいところだが、そう簡単に行かないのも事実である」
「しがらみか。その点は人間と変わらぬな」
「あ。ボクの事も話さないとだね」
空気を察したイリエスカは自身の経緯を話し始める。
落ち着く為か、ユーキの入れてくれた紅茶を軽く一口飲んで喉を湿らせる。
いざ自分の話をするとなって緊張してきたのだろうか。
「実はボクって、一年より前の記憶が全然ないんだよねー。記憶喪失っていう奴かな?」
「記憶喪失?
トモネは、思わず口を付けようとしていたカップをソーサーの上に置いた。
目の前にいるイリエスカを見る限り、そのような境遇には感じられなかったのだ。
「なんでか廃墟の中で倒れてて、ハンターが救助のつもりで拾ってくれたみたいなんだよ。目が醒めた後も全然記憶は戻らなかったけど、まー戻らないのも仕方ないって事で割り切ったんだよね」
「簡単に言っているが、かなり前向きだな」
「そうかな? まあ、そこに至るまで結構悩んだんだけど。
それでちゃんと記憶が戻るまでは、ハンターになってお金もらって頑張って生きてみようって感じかな。ボクの場合は」
その後、イリエスカはマリナと出会う。
ハンターズソサエティで張り出された同じ依頼を確認した際、たまたまは目が合ったのが切っ掛けだ。
「ふむ、いろいろあるのだな。歪虚と戦う際は、何を考えているのだ?」
「そうだなぁ。簡単に言ったら、戦えない人を護ってあげたいかなー。
何も悪い事をしていない人達が一方的に傷つけられるのはおかしい事だと思うから」
イリエスカはそう言い切った。
皆が笑って暮らせる毎日にしたい。
それを実現するには相当の努力が必要となる。
「人の笑顔か。我が財団も人々の安心と安寧を提供する事を常に考えているつもりだ」
「オレも同じだ。『周りの皆には笑顔でいて欲しい』という思いがある。それはハンターになってからも目標にしてきたんだ」
イリエスカやトモネと同じように、ひりょもその思いを抱いていた。
人の笑顔を守る。その思いは昔からあった。
だが、その行為が簡単でない事もひりょは知っていた。
「トモネは凄いな」
「何がだ?」
「オレは鳳凰院家の跡取りとして重圧に耐えかねていた頃にクリムゾンウェストへ転移したんだ。
鳳凰院家という当時の自分には大きな存在だった物だ。その責任がある日自分に負わされると考えただけで、重苦しく感じて。それがクリムゾンウェストへ転移する事で、重圧から逃れられた気になってた。実際は逃げられていなかったが……」
ひりょは、一呼吸を置いた。
一瞬の沈黙にトモネは意識をひりょへ引き寄せられる。
「だけど、トモネは違う。
鳳凰院家よりももっと大きな財団という遙かに大きな重圧を受けながら、必死に総帥であろうとする姿が眩しく思えたんだ」
ひりょは自分の過去を包み隠さず率直に話した。
その過去があったからこそ、ひりょはハンターという財団外部の存在でありながら『力になりたい』と常々考えている。
それが好意と呼べる物なのか――他者への好意を抱いた事のないひりょには分からない。
ただ、トモネにはムーンリーフ財団という大きな重圧がのし掛かっている。
重圧に苦しんだひりょだからこそ、ハンターとして、個人としてトモネを助けたいのだ。
「私一人ではとっくに潰れている。ユーキや助けてくれる者がいたから、ここまで来られたのだ」
「そんな事はありません。総帥は先代にも負けない情熱で財団を牽引されておられます」
空になったテーカップへ紅茶を注ぐユーキ。
傍らでトモネを見守ってきたユーキの動きを、ひりょは無意識に目で追っていた。
「……気になりますか? 私の事が」
「あ、いや」
ひりょは、ユーキがトモネを大切に考えている事は知っていた。
だが、同時にユーキがハンターをそこまで信用していない事も感じ取っていた。無理もない。異世界で歪虚と戦う能力がある存在が急に傍らに現れたのだ。警戒する方が自然だろう。
だから、ひりょはユーキからの信頼を得ようと考えていた。トモネを大事に思う気持ちはひりょも同じだから。
「総帥、聞いてばかりではいけません。総帥の事も少しはハンターの皆さんにお話されてはどうでしょう?」
「そうであったな。どこから話せば良いのだ?」
「そうですね。この屋敷に初めてお越しになられた時など、如何でしょうか」
すべてのカップに紅茶を注ぎ終えたユーキは、テーブルから一歩下がった。
ユーキの一言を聞いた八島は、言葉に隠れた妙な表現に引っかかった。
「ちょっと待って。初めて屋敷に来たって表現はおかしくないか? 先代総帥が父親なら、生まれた時からこの屋敷に居たんじゃないのか?」
「ああ、話していなかったか。父上とは養子の関係だ。血は繋がっておらぬ」
唐突に告げられた告白。
未だ幼いトモネは先代総帥に拾われる形で養子となったのだ。もし、それが真実だとすれば先代総帥が引退した際の騒動は、想像以上の抵抗があったと推測できる。
思わず、ひりょも聞き返した。
「本当か?」
「隠しても仕方在るまい。当時先代に秘書として使えていたユーキは、父上から私の世話役を仰せつかったのだ」
「はい。財団は月面での鉱物採掘で財を成した先代が立ち上げました。財団が軌道に乗った頃、先代が総帥をお連れになりました」
トモネによれば先代は既に引退している。
だが、トモネはトモネなりに父親の意志を継いでいるのだろう。
「懐かしいお話です。
そういえば、総帥は小さい頃は私の膝で良くお眠りになっていました」
「!?」
突然のユーキの告白。
その言葉にトモネは驚きを隠せない。
――嫌な予感がする。
そんなトモネの考えを無視するかのように、イリエスカが素早く反応する。
「へぇ。どんな感じだったの?」
「昼寝の時間になると決まって私の所へいらっしゃいました。子守唄代わりに私に歌を要望されます。私が歌っているうちに、総帥はいつの間にか私の膝の上で……」
「もう良い! 恥ずかしいではないか!
次だ! 次の者は……八島だったな」
恥ずかしさで顔を紅潮させるトモネは強引にトモネの話を打ち切った。
急に話を振られた八島は、過去を思い出すように語り始めた。
「ああ。オレ、LH044に居たんだよね」
LH044。
かつて歪虚に滅ぼされたコロニーの名だ。
その一言にトモネは一瞬、目を見開いた。
「そうか。ニダヴェリールに対しては微妙な感情だろうな」
「うーん、どうかな。LH044が歪虚が攻めてきたと思ってサルヴァトーレ・ロッソへ逃げ込んだと思ったら、いきなりクリムゾンウェストへ転移してたんだ。軍人じゃないし、ブラブラするのもなんだし、帰る方法を探してみようと思って。
クリムゾンウェスト中を探して歩くならハンターが便利そうって考えて気軽に契約したんだよね。まあ、気付いたら時間限定だけど地球へ来られちゃっているんだよね」
八島は、元々民間人だ。
だから、歪虚との戦いはハンターになってからという事になる。
しかし、そのハンターになった事で見えてきた出会いや真実があった。
「クリムゾンウェストでお世話になった人が亡くなって、その足跡を辿ったな。それに古い遺跡の謎かけを解いていたら、リアルブルーの人が関わった形跡が出てきたり」
「なに? そのような事があったのか。実に興味深いな」
鼻息を粗く前傾姿勢を取るトモネ。
だが、残念ながら一般人のトモネはクリムゾンウェストへ転移する事ができない。
「でも、ショックだったのは星の記憶かな」
「星の記憶?」
「クリムゾンウェストにある神霊樹って大樹には、昔の記憶が眠っているんだ。クリムゾンウェストが一度滅んだ記憶もあった。リアルブルーへ転移して生き残りを図ろうとした彼らが、LH044からの脱出とダブってね」
そう話していた八島の顔は、神妙であった。
八島の記憶にも蘇る。
助かる為に他人を蹴落とす者。
後続を待たずに出発を急かす者。
子供を優先して自分は残る事を決意した者。
八島は、あの光景を『地獄』と表現した。
「あんな地獄は二度と見たくないなぁ……あっ、ごめんね! 辛気臭くて」
先程までの自分を誤魔化すように八島は笑い飛ばした。
だが、八島が語った事も真実。
その地獄を回避する為にも、ハンター達は歪虚と戦い続けなければならない。
●
「改めて同席してくれた者には感謝を述べよう。今日の茶会は良い物となった」
トモネはハンター達へ感謝する。
新たな話が聞けて本当に良かったと感じたようだ。
「会を終える前に教えて欲しい。普段読んでいる本や本の傾向は?」
マリナがトモネへ質問を投げかけた。
トモネは笑顔を浮かべて快く応じる。
「ジャンルは様々なだな。仕事の関係で経済関連もあれば、ファンタジーノベルを読んだりもする。クリムゾンウェストはそのような世界があるのだろう?」
「そうだな。他に趣味は?」
「ハンターからクリムゾンウェストの話を聞く事だ。興味を強く惹かれる」
茶会を通して打ち解けたのか、トモネは楽しそうに話している。
その様子を見守っていたひりょは、少し胸を撫で下ろした。
「リラックス、できたみたいだな」
元気なトモネを前に、ひりょは安心した。
これでまたトモネは仕事に没頭するだろう。でも、新しいリラックス方法を見つけられたなら、きっとまた頑張れるはずだ。
「これはお礼です」
ユーキは、ひりょの前へタルトを一つ差し出した。
先程とは少し違った甘酸っぱさ。
その味はいつまでもひりょの舌に上に残った。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/02 07:04:17 |