ゲスト
(ka0000)
揺らめく水面に思いをはせて
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 8日
- 締切
- 2018/08/28 12:00
- 完成日
- 2018/08/29 10:19
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●それはまるでオーロラのような
不思議な、不思議な湖があるのだと話を聞いた。通常水の色は透明だ。海や、深度の深い湖は青っぽいこともあるけれどその湖はその定説には従っていないらしい。
なんでもオーロラのように、または虹のように、ゆらりゆらりと水面の色が何色にも移り変わっていくのだとか。
夏の盛り、緑深い森の中で数年に一度だけ見られるというその湖の不思議の『当たり年』が今年で、そろそろその時期なのだという。
「歪虚との戦いも激戦の真っただ中だし……不思議なものは、みんなでで見た方が楽しいよね」
街を歩きながらその湖について少しずつ情報を集めて、僕はオフィスに戻ってさっそく最前線で戦う、僕にとってもっとも頼りになる仲間たちに外出の誘いをかけようと心を躍らせたのだった。
●不思議な湖への招待状
「というわけで、一緒に出掛けないかい?」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)が今回の観光に誘ったのは人々の常識を覆す不思議な湖の見物だった。
「光の屈折でそう見えるとか、周りの色を写して、とかじゃないみたいなんだよねぇ。原因を探るのは野暮だから『不思議だなぁ』の一言で済ませておくとして、だ。数年に一度、一日しか見られない色を絶えず変える湖なんて珍しいだろう? せっかくだからみんなで出かけたいと思ってね」
一説によるとその湖は人の心を写して色を変えるらしい。一説によると世界中の命の想いを写して色を変えるらしい。一説によるとクリムゾンウェストでもリアルブルーでもないどこかの世界につながっているらしい。
いろいろな説はあるけれど理由は後回し。重要なのは珍しく美しいということなのだから。
「夜は森に遮られて灯りが届かないし湖が見られないから今回は朝から夕暮れ時までの外出になるね。せっかくだから湖を見学するのを主にしたいところだけれど……ほかにできることといえば前にも誘ったけど森林浴くらいかな。その湖、生き物はすんでいないらしいから釣りとかはできない。人と誘い合って出かけるのもいいと思うし、一人でふらりと出かけて同じく一人で歩いてる人と言葉を交わすなんて言うのもいいかもね。広義にとらえればハンターをやってる仲間同士なんだしさ。僕も行くから暇な人はぜひ声をかけてよ」
いろいろ遊べるのもいいけれど、腰を据えてじっくり一つのことをみんなで取り組むのも悪くないだろう?
そういってルカは蒼い目を細めて笑ったのだった。
不思議な、不思議な湖があるのだと話を聞いた。通常水の色は透明だ。海や、深度の深い湖は青っぽいこともあるけれどその湖はその定説には従っていないらしい。
なんでもオーロラのように、または虹のように、ゆらりゆらりと水面の色が何色にも移り変わっていくのだとか。
夏の盛り、緑深い森の中で数年に一度だけ見られるというその湖の不思議の『当たり年』が今年で、そろそろその時期なのだという。
「歪虚との戦いも激戦の真っただ中だし……不思議なものは、みんなでで見た方が楽しいよね」
街を歩きながらその湖について少しずつ情報を集めて、僕はオフィスに戻ってさっそく最前線で戦う、僕にとってもっとも頼りになる仲間たちに外出の誘いをかけようと心を躍らせたのだった。
●不思議な湖への招待状
「というわけで、一緒に出掛けないかい?」
ルカ・シュバルツエンド(kz0073)が今回の観光に誘ったのは人々の常識を覆す不思議な湖の見物だった。
「光の屈折でそう見えるとか、周りの色を写して、とかじゃないみたいなんだよねぇ。原因を探るのは野暮だから『不思議だなぁ』の一言で済ませておくとして、だ。数年に一度、一日しか見られない色を絶えず変える湖なんて珍しいだろう? せっかくだからみんなで出かけたいと思ってね」
一説によるとその湖は人の心を写して色を変えるらしい。一説によると世界中の命の想いを写して色を変えるらしい。一説によるとクリムゾンウェストでもリアルブルーでもないどこかの世界につながっているらしい。
いろいろな説はあるけれど理由は後回し。重要なのは珍しく美しいということなのだから。
「夜は森に遮られて灯りが届かないし湖が見られないから今回は朝から夕暮れ時までの外出になるね。せっかくだから湖を見学するのを主にしたいところだけれど……ほかにできることといえば前にも誘ったけど森林浴くらいかな。その湖、生き物はすんでいないらしいから釣りとかはできない。人と誘い合って出かけるのもいいと思うし、一人でふらりと出かけて同じく一人で歩いてる人と言葉を交わすなんて言うのもいいかもね。広義にとらえればハンターをやってる仲間同士なんだしさ。僕も行くから暇な人はぜひ声をかけてよ」
いろいろ遊べるのもいいけれど、腰を据えてじっくり一つのことをみんなで取り組むのも悪くないだろう?
そういってルカは蒼い目を細めて笑ったのだった。
リプレイ本文
●水面は揺らめいて
緑深い森の中、ぽっかりと開いた空間にその湖はあった。ルカ・シュバルツエンド(kz0073)が街できいた噂の通りにオーロラか虹のようにゆらりゆらりと様々な色合いにと湖はその水面の色を変える。
シレークス (ka0752) と同行したサクラ・エルフリード (ka2598)はたまにはのんびりするのもいいかと不思議な湖と森の雰囲気にほぅ、と息をつく。
「こういう静かな雰囲気はいいものですね……シレークスさんがこういうところにくるのは驚きですが」
「あ~……幻想的な光景でやがりますねぇ。なんでやがりますかサクラ。そんな不思議そうに。たまにはのんびりするのもいいっつーからきたんでやがりますから、邪魔にならない、喧嘩を吹っかけてくる相手のいないところに来るに決まってやがります」
普段は剛腕と怪力で鳴らす、口調からしてちょっと不良っぽいシスターであるシレークスにとって喧嘩を売ってくる相手のいない場所というのが大事だったのかもしれない。
普段は豪快に酒を飲むところだがこの日ばかりは完全に骨休め。じっくりのんびり、ただただ不規則に色を変えて移り行く光景を眺めて過ごす。
流浪のエクラ修道女として西へ東へと巡礼の旅を過ごすシレークスと、コンビを組んであちこちを旅しハンターとして歪虚と戦うサクラにとってはなにもしないでぼんやりとすごす、ということは案外贅沢な休日の過ごし方だった。
「いろんな色に変わる湖、不思議なものです……。これを見ているだけでも時間が過ぎていきそうです」
のんびり過ごすのが目的だから時計の類には目をやらない。
「……まぁ、なんすか。こういうのもたまには。……ほんっとうにたまにはわるくねぇですかね」
「そうですね。戦いと旅に明け暮れていると心も荒みますし。良い景色を見せていただけたのではないですか?」
言葉少なげに二人は薄紅に、淡黄に、萌黄に、浅葱にと変わる湖を眺め続けるのだった。
セレスティア (ka2691) とレイア・アローネ (ka4082)は仲のいい女性同士二人で数年に一度しか見られない湖へ観光に来ていた。
「きてくれたのはうれしいが、恋人と来ればよかったのではないか?」
ちょっと申し訳なさそうに友人に尋ねるレイアにセレスティアはほほえんで首を振る。
「たまには友人とのんびり過ごすのも大事な時間ですし……あの人も忙しいですからね。そのぶんは楽しんであとで土産話を聞いてもらうのもいいですから」
気にしないように、と言われてレイアもほっとした様子。
湖を眺めながらぽろりと心中を吐露してしまう。美しい景色に心が緩んでいたのか、聞いてほしくてこの場所に二人で期待と誘ったのかはレイアにも定かではなかった。それくらい、ごく自然に本音が唇から零れ落ちた。
「実は先日星の記憶石を手に入れてな……」
「あら……星の記憶石……おめでとう、というべきなのかしら」
「悩んでる……私が守護者の武器を使うべきか……」
セレスティアは友人に視線を向けず、湖を眺めながら答えはもう決まっているのではないか、と問う。
「……いいですよ。背中を押すのが私の役割なら押してあげます」
「……そうだな。答えは出ているが……弱気になっているのかな。背中、押してくれるか?」
「はい、もちろん」
微笑む友人にところで恋人とはどうなっているのだ、と一転して野次馬根性をみせるレイアだったが聞いちゃいます? と怒涛ののろけを聞かせ始めたセレスティアに幸せに当てられ気味になりながら、それでも投げ出さずに友人の幸せを祝福する。
――君に、あなたに。幸あれと。
青峰 らずり (ka3616)は不思議な湖の色が変わる原因究明……と称した観光旅行に。
「しかし、不思議な湖ですね~。水の色そのものが変わってるのでしょうか? それとも水面を通して見える何かが色を変えているのでしょうか?」
それとも水棲生物はいないということだったが肉眼では見られないほど小さな水生生物の影響か。
「いずれにしてもこれは魔法的な何かに違いありません! 魔法といえば魔法少女! この私にこれほどお似合いのスポットはありませんね!」
観光旅行だし誰かに提出する義務はないのだが趣味の一環と原因究明を謳ってここまで来たことだし、と水をガラスの器にくんで観察してみたりと研究もしてみる。
ガラスにくんだ水は透明で、湖の中に戻すと透明だった部分に少しずつ色が混じっていって水に色がついた状態になる。
もう一度ガラスの器にくみとれば水中から引き揚げた段階で透明になる。
不思議で解明できない現象に躍起になるかと思いきや。
「まあ、それでどういう結果が出ても、私のオツムでは細かいことなんてわかるはずもないんですがね!」
不思議なことは世の中にたくさんある、そう片付けて景色を楽しむために湖のほとりに座り込むらずりは天性のマイペースといえるかもしれない。
静玖 (ka5980)は人を探すように湖の周辺を視線を動かしながら歩いていた。探し人はルカ。以前料理の腕に親近感を感じ、試しにフリーマーケットが開催されたときに自分の手料理をふるまってみたら彼は美味しかった、と笑って完食したのが印象に残っていたのだ。
材料も手順もしっかり守っているのになぜかダークマターになる静玖の料理をおいしいといったのは家族以外だとルカが初めてだったのでお礼を言いたかったらしい。
「ルカはん、ご一緒してもえぇやろか??」
「うん、僕でよければ。どうしたんだい?」
そのまま座ると草でシミができるから、と白衣を敷物代わりに広げて隣に座るように促すルカの心遣いに甘えて静玖は腰を下ろす。
「お礼、を言いたぁてな。うちの料理、あれやよって、家族以外で美味しい言うてくれはったんルカはんが初めてでなぁ。それがホンマにうれしゅうて。せやよって、また機会があったら食べてくれはりませんやろか?うちもルカはんの作ったん食べてみたいよって、交換でどやろ?」
「あぁ、じゃあこれでもどうぞ。そろそろ最盛期が過ぎるからレモンを使ったレアチーズケーキなんだけど」
どこをどうみても真っ黒である。レア、生の色合いではないし気のせいかなんだかうごめていませんか。気のせいですかそうですか食べ物ですもんね。
間違いなく同類というよりは危険度でいうと静玖の一歩上をいっていそうなルカの手料理にひるむことなく静玖はおおきに、と笑ってダークマターを一口。
「ん、レモンの酸味とチーズの甘みがアクセントになっとるんねぇ。せや、ルカはん。よかったらうちと友達になってくれへんやろか?」
おそらく一般的な味覚の持ち主にとっては腹痛やらめまいやら吐き気やらを感じる危険な物体を美味しいと評価した静玖にルカは笑ってうなずく。
人々の胃袋に脅威をもたらす友人関係がここに生まれてしまった悲劇を、幸か不幸か誰も知らない。
「えろぉ綺ぇおすなぁ。あれやね、お空の虹を吸い込みはったんやろか。虹が出るたびに色をチィとずつ映して移して……湖いっぱいたまったら……なんてな?」
「ロマンチックな考えだね。無色だから虹の淡くいろんな色に憧れて、吸い取ってしまったのかな」
胃袋に対しては特攻をとれる二人だが交わす言葉はそんな風に穏やかかかつロマンチックで親交を深めるためにレアチーズケーキとは思えないものを片手に談笑するのだった。
「ディは本当に口と料理がうまいのですよ。雲雀は今日も今日とてお菓子に釣られてきてしまったのです」
雲雀 (ka6084)はそんな風にグラディート (ka6433)を評価しながらなんだかデートみたいですねぇ、とつぶやく。
「え、デートでしょ?」
しれっと言ってのけたグラディートに思わず盛大にむせたりなんかして。
(好きあってるわけでもない、と思うのです、が……デート、なのでしょうか……それともディの冗談ですか?)
一日限定の幻の湖を眺めるために道中食べられるものなどを探しつつ、ついでに何か変わったものが落ちていないかなんかも調べてみて。季節が完全に移って秋になればどんぐりなんかも落ち始めるだろうか?
湖面が綺麗に見えるところを探すと敷物をしいて二人で座りながらゆっくりと色が変わる湖を二人で眺める。
「いろんな色に変わる湖の色が映る雲雀ちゃんの目が綺麗だね。瞳の中に虹を閉じ込めてるみたいだ」
そう笑いながら紅茶を渡すグラディートの言葉に雲雀の心臓がはねた。
「え?」
鼓動の音が止まらない。湖から彼に視線を移し、その瞳に移った自分自身と向き合う。
そして瞳の中の自分の瞳を見て、初めて気づいた。
(雲雀は、この人のことが好き……好きになっていたんですね……いつのまに、でしょう? ディは、気づいているのでしょうか)
「雲雀ちゃん? 紅茶、気に入らなかった?」
「な、なんでもないですよ。さて、それで人の心を写すとか、世界の想いを写すとか、ずいぶん大きく出たものですが。思いを写すなら今は誰のどんな思いを写しているのでしょうね?」
焦りながら湖に視線を移してみればちょうど薄紅色。ローズクオーツのように柔らかな色をしていて。まるで恋心を自覚した自分の心を写しとったみたいだ、と雲雀は思わず撃沈。
「冷たく冷やした紅茶も、雲雀ちゃんと食べるお弁当も、いつもながらおいしいね~」
ニコニコと雲雀の心境を知ってか知らずかグラディートは雲雀の恋心に追い打ちをかける。
「もうしばらく見ながらお弁当食べて、少し休んで。なにかこの現象の答えのヒントがないか辺りを散策してみよっか。それでオレンジに変わる光が湖面にどう映るか見てから帰ろうよ」
あんまり暗くなると帰り道が危ないからね、と笑う愛しき人に雲雀は小さくうなずくのだった。
夕暮れ時の湖面は、移り変わる水面全体が淡く橙色を帯びて、昼間とはまた違った美しさをハンターたちに見せてくれたのだった。
緑深い森の中、ぽっかりと開いた空間にその湖はあった。ルカ・シュバルツエンド(kz0073)が街できいた噂の通りにオーロラか虹のようにゆらりゆらりと様々な色合いにと湖はその水面の色を変える。
シレークス (ka0752) と同行したサクラ・エルフリード (ka2598)はたまにはのんびりするのもいいかと不思議な湖と森の雰囲気にほぅ、と息をつく。
「こういう静かな雰囲気はいいものですね……シレークスさんがこういうところにくるのは驚きですが」
「あ~……幻想的な光景でやがりますねぇ。なんでやがりますかサクラ。そんな不思議そうに。たまにはのんびりするのもいいっつーからきたんでやがりますから、邪魔にならない、喧嘩を吹っかけてくる相手のいないところに来るに決まってやがります」
普段は剛腕と怪力で鳴らす、口調からしてちょっと不良っぽいシスターであるシレークスにとって喧嘩を売ってくる相手のいない場所というのが大事だったのかもしれない。
普段は豪快に酒を飲むところだがこの日ばかりは完全に骨休め。じっくりのんびり、ただただ不規則に色を変えて移り行く光景を眺めて過ごす。
流浪のエクラ修道女として西へ東へと巡礼の旅を過ごすシレークスと、コンビを組んであちこちを旅しハンターとして歪虚と戦うサクラにとってはなにもしないでぼんやりとすごす、ということは案外贅沢な休日の過ごし方だった。
「いろんな色に変わる湖、不思議なものです……。これを見ているだけでも時間が過ぎていきそうです」
のんびり過ごすのが目的だから時計の類には目をやらない。
「……まぁ、なんすか。こういうのもたまには。……ほんっとうにたまにはわるくねぇですかね」
「そうですね。戦いと旅に明け暮れていると心も荒みますし。良い景色を見せていただけたのではないですか?」
言葉少なげに二人は薄紅に、淡黄に、萌黄に、浅葱にと変わる湖を眺め続けるのだった。
セレスティア (ka2691) とレイア・アローネ (ka4082)は仲のいい女性同士二人で数年に一度しか見られない湖へ観光に来ていた。
「きてくれたのはうれしいが、恋人と来ればよかったのではないか?」
ちょっと申し訳なさそうに友人に尋ねるレイアにセレスティアはほほえんで首を振る。
「たまには友人とのんびり過ごすのも大事な時間ですし……あの人も忙しいですからね。そのぶんは楽しんであとで土産話を聞いてもらうのもいいですから」
気にしないように、と言われてレイアもほっとした様子。
湖を眺めながらぽろりと心中を吐露してしまう。美しい景色に心が緩んでいたのか、聞いてほしくてこの場所に二人で期待と誘ったのかはレイアにも定かではなかった。それくらい、ごく自然に本音が唇から零れ落ちた。
「実は先日星の記憶石を手に入れてな……」
「あら……星の記憶石……おめでとう、というべきなのかしら」
「悩んでる……私が守護者の武器を使うべきか……」
セレスティアは友人に視線を向けず、湖を眺めながら答えはもう決まっているのではないか、と問う。
「……いいですよ。背中を押すのが私の役割なら押してあげます」
「……そうだな。答えは出ているが……弱気になっているのかな。背中、押してくれるか?」
「はい、もちろん」
微笑む友人にところで恋人とはどうなっているのだ、と一転して野次馬根性をみせるレイアだったが聞いちゃいます? と怒涛ののろけを聞かせ始めたセレスティアに幸せに当てられ気味になりながら、それでも投げ出さずに友人の幸せを祝福する。
――君に、あなたに。幸あれと。
青峰 らずり (ka3616)は不思議な湖の色が変わる原因究明……と称した観光旅行に。
「しかし、不思議な湖ですね~。水の色そのものが変わってるのでしょうか? それとも水面を通して見える何かが色を変えているのでしょうか?」
それとも水棲生物はいないということだったが肉眼では見られないほど小さな水生生物の影響か。
「いずれにしてもこれは魔法的な何かに違いありません! 魔法といえば魔法少女! この私にこれほどお似合いのスポットはありませんね!」
観光旅行だし誰かに提出する義務はないのだが趣味の一環と原因究明を謳ってここまで来たことだし、と水をガラスの器にくんで観察してみたりと研究もしてみる。
ガラスにくんだ水は透明で、湖の中に戻すと透明だった部分に少しずつ色が混じっていって水に色がついた状態になる。
もう一度ガラスの器にくみとれば水中から引き揚げた段階で透明になる。
不思議で解明できない現象に躍起になるかと思いきや。
「まあ、それでどういう結果が出ても、私のオツムでは細かいことなんてわかるはずもないんですがね!」
不思議なことは世の中にたくさんある、そう片付けて景色を楽しむために湖のほとりに座り込むらずりは天性のマイペースといえるかもしれない。
静玖 (ka5980)は人を探すように湖の周辺を視線を動かしながら歩いていた。探し人はルカ。以前料理の腕に親近感を感じ、試しにフリーマーケットが開催されたときに自分の手料理をふるまってみたら彼は美味しかった、と笑って完食したのが印象に残っていたのだ。
材料も手順もしっかり守っているのになぜかダークマターになる静玖の料理をおいしいといったのは家族以外だとルカが初めてだったのでお礼を言いたかったらしい。
「ルカはん、ご一緒してもえぇやろか??」
「うん、僕でよければ。どうしたんだい?」
そのまま座ると草でシミができるから、と白衣を敷物代わりに広げて隣に座るように促すルカの心遣いに甘えて静玖は腰を下ろす。
「お礼、を言いたぁてな。うちの料理、あれやよって、家族以外で美味しい言うてくれはったんルカはんが初めてでなぁ。それがホンマにうれしゅうて。せやよって、また機会があったら食べてくれはりませんやろか?うちもルカはんの作ったん食べてみたいよって、交換でどやろ?」
「あぁ、じゃあこれでもどうぞ。そろそろ最盛期が過ぎるからレモンを使ったレアチーズケーキなんだけど」
どこをどうみても真っ黒である。レア、生の色合いではないし気のせいかなんだかうごめていませんか。気のせいですかそうですか食べ物ですもんね。
間違いなく同類というよりは危険度でいうと静玖の一歩上をいっていそうなルカの手料理にひるむことなく静玖はおおきに、と笑ってダークマターを一口。
「ん、レモンの酸味とチーズの甘みがアクセントになっとるんねぇ。せや、ルカはん。よかったらうちと友達になってくれへんやろか?」
おそらく一般的な味覚の持ち主にとっては腹痛やらめまいやら吐き気やらを感じる危険な物体を美味しいと評価した静玖にルカは笑ってうなずく。
人々の胃袋に脅威をもたらす友人関係がここに生まれてしまった悲劇を、幸か不幸か誰も知らない。
「えろぉ綺ぇおすなぁ。あれやね、お空の虹を吸い込みはったんやろか。虹が出るたびに色をチィとずつ映して移して……湖いっぱいたまったら……なんてな?」
「ロマンチックな考えだね。無色だから虹の淡くいろんな色に憧れて、吸い取ってしまったのかな」
胃袋に対しては特攻をとれる二人だが交わす言葉はそんな風に穏やかかかつロマンチックで親交を深めるためにレアチーズケーキとは思えないものを片手に談笑するのだった。
「ディは本当に口と料理がうまいのですよ。雲雀は今日も今日とてお菓子に釣られてきてしまったのです」
雲雀 (ka6084)はそんな風にグラディート (ka6433)を評価しながらなんだかデートみたいですねぇ、とつぶやく。
「え、デートでしょ?」
しれっと言ってのけたグラディートに思わず盛大にむせたりなんかして。
(好きあってるわけでもない、と思うのです、が……デート、なのでしょうか……それともディの冗談ですか?)
一日限定の幻の湖を眺めるために道中食べられるものなどを探しつつ、ついでに何か変わったものが落ちていないかなんかも調べてみて。季節が完全に移って秋になればどんぐりなんかも落ち始めるだろうか?
湖面が綺麗に見えるところを探すと敷物をしいて二人で座りながらゆっくりと色が変わる湖を二人で眺める。
「いろんな色に変わる湖の色が映る雲雀ちゃんの目が綺麗だね。瞳の中に虹を閉じ込めてるみたいだ」
そう笑いながら紅茶を渡すグラディートの言葉に雲雀の心臓がはねた。
「え?」
鼓動の音が止まらない。湖から彼に視線を移し、その瞳に移った自分自身と向き合う。
そして瞳の中の自分の瞳を見て、初めて気づいた。
(雲雀は、この人のことが好き……好きになっていたんですね……いつのまに、でしょう? ディは、気づいているのでしょうか)
「雲雀ちゃん? 紅茶、気に入らなかった?」
「な、なんでもないですよ。さて、それで人の心を写すとか、世界の想いを写すとか、ずいぶん大きく出たものですが。思いを写すなら今は誰のどんな思いを写しているのでしょうね?」
焦りながら湖に視線を移してみればちょうど薄紅色。ローズクオーツのように柔らかな色をしていて。まるで恋心を自覚した自分の心を写しとったみたいだ、と雲雀は思わず撃沈。
「冷たく冷やした紅茶も、雲雀ちゃんと食べるお弁当も、いつもながらおいしいね~」
ニコニコと雲雀の心境を知ってか知らずかグラディートは雲雀の恋心に追い打ちをかける。
「もうしばらく見ながらお弁当食べて、少し休んで。なにかこの現象の答えのヒントがないか辺りを散策してみよっか。それでオレンジに変わる光が湖面にどう映るか見てから帰ろうよ」
あんまり暗くなると帰り道が危ないからね、と笑う愛しき人に雲雀は小さくうなずくのだった。
夕暮れ時の湖面は、移り変わる水面全体が淡く橙色を帯びて、昼間とはまた違った美しさをハンターたちに見せてくれたのだった。
依頼結果
依頼成功度 | 大成功 |
---|
面白かった! | 5人 |
---|
ポイントがありませんので、拍手できません
現在のあなたのポイント:-753 ※拍手1回につき1ポイントを消費します。
あなたの拍手がマスターの活力につながります。
このリプレイが面白かったと感じた人は拍手してみましょう!
MVP一覧
重体一覧
参加者一覧
サポート一覧
マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/08/24 12:08:49 |