ゲスト
(ka0000)
【陶曲】あいつさえいなければ
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- 締切
- 2018/10/24 22:00
- 完成日
- 2018/10/30 01:35
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
『ラルヴァ様あ、見てくれえ、おらっちのこの雄姿ぃ』
頭上から落ちてくる鈍重な声に、嫉妬王ラルヴァは笑みを浮かべる。
「おお、すごいじゃないかサイゴン。短時間の間にこれほどまで成長するとはたいしたものだ」
『えっへっへ。ラルヴァさまに褒められた。おらっちうれしいなあ』
この分ならもうすぐ、また新しい仕事をさせられるだろう。
思いながら嫉妬王ラルヴァは、一息ついた。
そして、息抜き代わりの小さなゲームをすることにした。舞台と筋書きはもう決めている。後は演者を送り込むだけ。
「さあ、行っておいで。私が今言った場所に、お前のいい遊び相手が待っているよ」
「ワカリマシタノヨ、マスター」
ピクスドールが一礼し、彼の雨から姿を消す。
●
ベレン学院――資産家の子弟子女が通う全寮制商船学校。
中等科1年生のルイ・ラデュロは寮の個室で、昼に配布された定期テストの成績順位表を見ていた。
何度見ても自分の名前のすぐ下に、この夏編入してきたマルコ・ニッティの名がある。
途中から入ってきたくせに、あいつはどんどん順位を上げてきている。
それを思うと彼は、非常に不愉快だった。次はもしかしたら抜かれるかもしれないという焦りと恐れが、相手に対する敵意として形をとる。
マルコの名前を尖った鉛筆で突き刺し、真っ黒に塗りつぶす。あんまり力が入り過ぎたせいで紙が破れた。それでもルイの手は止まらない。
勢い余って、とうとう芯が折れた。
あいつは孤児だ。親もなく家もなくまともな教育も受けてきていないというのに。社会の下層にいるべき存在だというのに、自分を脅かしている。
(あんな奴、そもそもこの学院に入る資格がないはずだ。だのに誰かの後ろ盾を受けて、場違いにも潜りこんできやがった。きっとどこかの金持ちの婆さんにでもうまいこと取り入りやがったんだ。クラスの女子はあいつに総じて甘い。女なんて皆考えなしだ。ちょっとかわいそうだと思うとすぐ同情するんだ)
現実は、彼が考えているほどのことはない。
確かに女子たちは社交辞令としての同情を、男子より多く見せる傾向がある。だが内心は……いかほどのものか。少なくとも単純に『かわいそうに』とだけ思っているということはあるまい。
ルイは開いた教科書もそのまま、復習もそっちのけで、マルコを打ちのめすにはどうしたらいいのか考え始めた。
いつの間にか鉛筆の尻をガリガリ噛んでいたが、本人はそれと気づいていない。
勉強で負かすのは難しい。
かといって暴力に訴えるのは剣呑だ。あいつの後ろ盾には、どうも物騒なコネがあるようだから。
なら、どうすればいいのか。
「ナンダカ、オ悩ミノヨウネ」
かん高い声が急に聞こえてきたので、ルイはびくっとした。
ぎこちない仕草で顔を回してみると、ピクスドールが立っていた。スカートの端をチョンと摘まんで、かわいらしく小首を傾げる。
「人間サン、困ッテルナラ、ワタシ助ケテアゲテモイイノヨ?」
●
ベレン学院中等科の1クラスにおいて最近、問題が持ち上がった。
「キミも?」
「ああ、やられた」
学生の私物がちょいちょい失せるのである。
筆記用具、手帳、装身具、といった細かなものが。
始めのうちは単なる不注意でなくなったのかと思い、誰も騒がなかった。
しかし同じ現象が頻発するとなれば話は別だ。
どうも意図的な盗難らしい。だとすれば誰がやっているのか。
クラス以外に被害が出ていないところからすると、内部の犯行臭い。
ぜひとも犯人を見つけださなくてはならないと被害を受けたものたちは考えた。
失ったものが惜しいからではない。同じものはいくらだって買える。そうではなくてこれはチャンスなのだ。誰かの失点を押さえるチャンス。その誰かを突き止めることが出来れば、この先利用出来る。自分の利益のために。
そんな折も折、問題の盗品が見つかった。クラスメイトの一人である、マルコの寮部屋から。
見つけたのは寮の職員。生徒達が登校している間に寮の清掃作業をしていた彼は、作業の途中、マルコの部屋だけ扉が開けっ放しになっているのに気づいた。
不審に思って中を見てみれば、机の引き出しが開きっぱなしだった。
そこを覗いてみたらこれまでなくなっていた品の数々が、溢れんばかりに詰め込まれていたのである。
●
盗難品発見の報告を受け寮に駆けつけた担任教師は、クラスメートを向こうにして自室前に立ちはだかっているマルコの姿を見た。
数人の生徒が彼に言い募っている。
「君、なんで僕たちを入れさせないんだ」
「あの机の中におれの万年筆があるんだろう」
「人のものとっといて、返さないつもりか!」
「俺は何も盗ってない」
「じゃあなんで、全部君の部屋にあるんだ」
「さあ、そこは俺にも分からない」
「なんだそれは」
「だからそれをはっきりさせるために、今は立ち入らないでくれと言ってるんだ。調査員がここに来るまで現場保存しておかないといけないから」
ほかの生徒は様子見といった調子で一歩引き、騒ぎを取り巻いている。
その人垣の中にいたルイは教師に駆け寄り、訴えた。
「先生、マルコ君をなんとかしてください。あの通り、盗品を返そうとしないんです――それだけならまだしも勝手にハンターを呼んだって言うんですよ、それがもうすぐここに来るそうなんです」
「え、何だって……マルコくん、一体どういうことかね、学院に外部の人間をむやみと立ち入らせるなんて、褒められたことではないよ。盗難について異議があるのなら、学院内の調査機関に申し立ててくれれば、それですむことじゃないかね」
ついつい詰るような口調になる教師。
しかしマルコは譲らなかった。
「申し訳ありません。でも、これはハンターじゃなければ始末がつけられない案件なんです。歪虚が絡んでいると思います」
歪虚の二文字を出された教師は、息を飲んだ。
「……何でそう思うんだね?」
マルコは黙って部屋の隅を指さした。
そこにはクローゼットがある。
閉まった扉からほんのわずか、桃色の布がはみ出ていた。そうちょうど、お人形のスカートのような柄と色。
彼は声を潜め、教師だけに言う。
「多分あそこに何かいます。でも、気づかないふりしたほうがいいと思います」
ハンターが現場に到着したのは、そのときであった。
リプレイ本文
●ハンター到着
エアルドフリス(ka1856)が物騒な雰囲気を醸し出し歩いてくる。
「お邪魔しますよ、と」
その後から来るのは、ジュード・エアハート(ka0410)。
生徒達はジュードにのみ声をかけた。この間睨まれた経験から、前者とは距離を取った方がいいと判断したらしい。
「エアハートさん、ハンターでいらしたんですか?」
「そうだよ。商人兼ハンター」
「事業者として成功なさっている上にハンター資格をお持ちなんて、まさに文武両道ですね――あちらのエアルドフリスさんもハンターでいらっしゃるのですよね?」
「もちろんだよ。強いよ彼は。歪虚は当然のこと人にも容赦しないからね」
生徒らはマルカ・アニチキン(ka2542)にもまた声をかけた。
「あなたもハンターなのですか? 確かこの間来られたときは、さる商会の従者だとお聞きしましたが」
「ええ、ハンター資格を持つ従者なのです。さまざまな想定外の出来事に対する対処能力が、我が商会においては強く求められますので」
その間にリュー・グランフェスト(ka2419)は、依頼主に挨拶する。
「俺はリュー。リュー・グランフェストだ。よろしくな」
「俺はマルコ・ニッティです。このたびはよろしくお願いします」
マルコについて彼は、たいしたもんだという感想を抱く。窃盗の疑いをかけられて槍玉にあげられていながら、冷静さを失っていないのだから。
そこで数人の――先程マルコに詰め寄っていた生徒――が言った。
「マルコ君、ハンターは依頼者の都合がいいように話を作ってくれないよ?」
「そうそう、ハンターソサエティは不偏中立なんだから。ですよね、ハンターさん?」
同意を求められたリューは辟易した。居心地悪そうなところだと思いつつドアの前に移動する。クローゼットを見張るため。
フィロ(ka6966)もドアの前に移動する。万一歪虚が飛び出してきても対処可能なように。
天竜寺 舞(ka0377)は妹から聞いた話を目の前の少年に重ね合わせた。
(やっぱり、窃盗なんかするようには見えないな……嵌められたか?)
マルカも舞同様の疑念を抱いている。
(マルコくんは、「身に覚えがない架空請求」を押し付けられたのでは……)
レイア・アローネ(ka4082)は教師に言った。声を低めて。
「とりあえず、生徒達を全員ここから離れさせてください。我々の調査が終わるまで――マルコ、お前も離れるんだ」
彼女としては、続けて教師自身にも避難を呼びかけようと思っていた。
しかしマルカがそれを遮った。
「平等で責任ある立場の先生を現場立ち会いお願いします」
教師の顔が引きつる。無理もない。『歪虚がここにいるらしい』と知っているのだから。
マルカは重ねて説得する。
「大丈夫です、私が結界を張りますから。その中にいれば危険はありません」
ディーナ・フェルミ(ka5843)もその後押しをする。
「先生は私たちが守るの。だから同席お願いしますなの」
●鬼さんみっけ
ジュードは窓側に移動した。エアルドフリスもそちらへ行く。
マルカは教師と共にドアの前へ。ディーナは彼女らを庇える位置に陣取る。フィロも。
生徒の誘導を終えたレイアが戻ってきた。リューは彼女と離れた場所に位置する。同じくガウスジェイルの使い手である彼女と手分けし、攻撃引き付けの効果を広範囲に及ぼせるようにしようと思ったのだ。
それはよい案だった。しかし残念ながら彼は今回、そのスキルの装備を忘れていた。
全員揃ったところで舞がドアを閉め、クローゼットに歩み寄る。
「おい、クローゼットの中にいるお前。そこにいんのバレ」
台詞が終わらぬうち人形が飛び出してくる。
舞は短剣モードにしたユナイテッド・ドライブ・ソードを相手の頭部目がけ突き立てた。
かわされる。
目の前にシザーハンズの先端が迫ってくる。
かわす。
すべて一瞬間のやり取り。
「はいはーい、じゃあまずお人形さんにはどーしてココで遊んでるのか教えて貰おっか?」
と言いながらジュードは、牽制射撃を行う。
人形は弾道を擦り抜けた。ケタケタ笑って舌を出す。
「教エナーイ」
嫉妬属性はなべてその傾向が強いが、この歪虚もまた性格が悪そうだ。
煽った方が早いと見た舞は、躊躇なくそうする。
「何このちんちくりん。どうせ脳味噌腐った低級歪虚でしょ。そうじゃないってんならここで何してたくらいは言えるよね。ま、おバカさんには無理でちゅかね」
作戦は大当たりだった。人形が即座に反応する。
「口ノ聞キ方ニ気ヲツケロダワ。ワタシハラルヴァ様ノ召使ナノダワ」
エアルドフリスが黒縄縛を発動した。人形に黒い縄が絡む。重力がその体を圧しひしぎ移動を阻害する。
間髪入れずリューが仕掛けた。攻めの構えからのカウンターアタック。
人形は回避出来なかった。部屋の壁際まで吹き飛ぶ。その衝撃を反動にし、一直線にドア目がけ、跳んだ。
「キャハハハハ!」
結界術は抵抗値を高めるもの。物理攻撃を退けることは出来ない。
マルカの脚を鋼鉄の爪が凪ぐ。しかし被害はそれだけに留まった。ちょうどそこで、ディーナのプルガトリオが命中したのだ。
人形の動きが一瞬止まる。
レイアがガウスジェイルを使い、続けての攻撃を自分に引き寄せる。
魔導剣「カオスウィース」と星神器「天羽羽斬」が唸った。
人形は回避した。
レイアは舌を打つ。
「身体能力はなかなかのようだな。しかし頭の方はさほどで無さそうだ。悪さをするにしても、みみっちいこそ泥しか思いつかんとは」
「ワカッテナイノダワ。コレハワタシニトッテタダノ遊ビ。本気ニナレバ他ニナンダッテヤレルノダワ」
星神器「角力」とパリィグローブで武装したフィロが打ちかかる。
「私達が来るまで隠れるしかできなかった低級雑魔の分際で何ができたと?」
白虎神拳と鎧通しの相乗攻撃。
シザーハンズの攻撃。
互いに回避しあい互いにダメージなし。
舞が再び煽る。
「遊びにしたってこんなしょぼい悪さしか思いつけないなら、やっぱりおバカってことじゃん」
「ハ? コノ遊ビワタシガ考エタンジャネーノダワ。ルイ・ラディロッテ人間ガ考エツイタノダワ。ソイツ、コノ部屋ニイルマルコッテヤツノ足ヒッパリタクテショウガネーノダワ」
教師の顔色が変わる。
それは人形が口にする人物が実在しているという、何よりの証拠だった。
「ソイツノ机ノ中見テミナ、ワタシトノ契約書デテクルノダワ」
「そうか、それだけ知ればもうお前に用はない」
呟いたエアルドフリスは、再度黒縄縛を発動。
しかし今度は人形も、ある程度ハンターたちの手の内が分かっている。回避した。
ディーナがプルガトリオを発動した。
かわされる。鋭いかぎ爪が彼女の腕に当たった――が防備の高さに弾かれて終わる。
ジュードが天裁矢を仕掛けた。
回避。
舞は動き回る人形に追いすがり飛燕を仕掛けた――いいところまで行ったのだがやはり、当たらない。
人形の行く手をリューが塞ぐ。心の刃によって威圧を増した構えに人形が一瞬ひるむ。そこへ左右からの拳の連打。
紙一重でそれをかわした人形だったが、続いて来たフィロの白虎神拳と鎧通しの合わせ技は避け切れなかった。
人形の体の軸がねじ曲がった――回避力が低下した。
リューは散華を仕掛けた。左右別々の角度から叩きつけられた拳は人形の片手片足をあらぬ方向へとねじ曲げる。
レイアの魔導剣と星神器が、頭部を直撃した。
愛くるしい顔にひびが入る。
(いける!)
舞は短剣の刃を相手の後頭部から突き刺そうとする――が、人形はしぶとかった。床にはいつくばり回避。そのまま這うような姿勢で高速移動。彼女の足と、プルガトリオをかけてくるディーナの足を同時にシザーハンズで凪ぐ。
戦力の差を悟った今人形の目標は、逃走一つに絞られた。
凄まじい勢いで窓側へ向かう。シザーハンズを横凪ぎにふるう。
それはジュードに当たった。反射的に飛び込んで来たエアルドフリスにも。レイアのガウスジェイルは効かなかった、何故ならそれが、人ではなく壁そのものを対象とした攻撃だったから。
窓が割れ砕け、壁が裂ける。
だが人形はそこから脱出出来なかった。エアルドフリスの黒縄縛がすんでのところで作用したのだ。ディーナのプルガトリオも。
舞の短剣が人形の頭部を貫いた。
リューの拳が左右から打ち込まれる。
人形の顔の上半分が吹き飛んだ。
残った口の部分が耳障りな笑い声を上げる。
「ワタシヲ壊シタカラッテイイ気ニナルナヨ人間、ラルヴァ様ハ――」
続けての言葉は聞けなかった。フィロが鋼の拳をもって粉砕したので。
「最後までうるさい雑魔でしたこと」
改めて部屋の中を見てみればひどい有り様だ。
ハンターたちはなるべく壊さないようにと留意したのだが……人形側に一切その意識がなかったのだからどうにもならない。
マルカは教師に言った。受けた傷による痛みを堪えつつ。
「あのー、マルコくんの部屋の移動を許可していただけないでしょうか。この一件は学院の防犯対策にも問題があったからではないかと――」
●学院談話室で
「とりあえず生徒に怪我がなくてよかったよー。マルコくんが人払いしてくれたお陰だね」
と言ってジュードは、ルイが隠していた契約書を机の上に置いた。
「これも『遊び』の一環だろうね。自分が契約者を作れるレベルじゃないことを、あの歪虚も分かってただろうから」
それから、苦り切った様子の教師に顔を向ける。
「ルイくんがしたことは深く反省せねばならないことですが、最近はそのような状況なので。これは私見ですが思春期の少年がつけこまれても当人だけの咎とするのは酷だと思いますよ」
ルイは彼の台詞に乗る形で、自己弁護を始める。
「先生、その、僕はあの歪虚に脅されていたんです、こんなもの自分から書くなんてこと――」
リューが口を挟んだ。
「悪いことをしたんだからごめんなさい、だ。そんなん言うのは人として当たり前だろ」
顎をしゃくって彼が示したのは、マルコ。
「この件で一番迷惑被ったのあいつだろ――言えたなら、今回は温情采配してもらえる様に俺も計らってやるよ」
ルイの顔に一瞬、忌ま忌ましげなものが過る。しかしすぐそれを押し隠して、すまなそうに言う。
「マルコくん、今回のことは本当に申し訳――」
マルコはルイの襟首をつかみ上げ、ものも言わずに殴りつける。が、拳は相手に届かなかった。舞が脇から掴んで止めたのだ。
「妹からあんたの事は聞いてるし気持ちは解らなくもない。ルイがした事を庇う気もない。けどね、ルイにも言いたい事はあると思うんだ。この際お互い腹の底から言いたい事を言い合いな。それで殴り合いになるならとことんやり合え。あんたも言いたい事はあるんだろ? ルイ?」
殴られる覚悟で2人の間に飛び出したディーナはほっと息をつき、ルイに言う。
「ルイ君、歪虚は人を破滅させるけど助けないの。今言わなくちゃ、キミの怒りも悲しみも誰も知らないまま終わっちゃうの。言ってごらん、そしてきちんとマルコ君と向き合ってみて」
そこで口を開いたのは、ルイではなくマルコだった。
「言いたいことがあるなら言ってみろよ。ハンターが来なかったら人が死んでいたかもしれないんだぞ。そしたらお前が殺したのと一緒だ。そこ分かってるんだろうな」
挑発に近い語調がルイを刺激する。
メッキが剥げた。
「――はぁ!? 何でお前が偉そうに説教かましてんだよ! 大体な、大体な、お前途中から入ってきた癖して生意気なんだよ! 数カ月でいきなり上級組に食い込んできやがって!」
「何だそれ、そんなことで歪虚と手組んだのかお前!」
「うるせー! とにかくお前がいるのがなにもかもの原因なんだよ! これまで僕がどんだけ努力して苦労して今の順位を維持してきたと思って――」
その後2、3やり取りがあってから、ルイがマルコに手を出した。そして即座に反撃された。
客観的に見てルイの方が劣勢である。明らかに弱い。しかし舞は止めない。せっかく双方が自分をさらけ出しているのだからと。
「やめなさい、君たち、やめなさい!」
教師の声に応じるようにレイアが割って入り、双方を分ける。マルコに言う。
「そこまでにしとけ。お前がどう考えるかも私達の指図するところではない。しかし、強い男というのは、どれだけ他者を赦せるかというところにもあると思うぞ」
フィロは教師に嘆願する。
「このままルイ様を退学させれば、契約者ルイはベレン学院で歪虚と結ぶ術を学び人類の敵となった、という記録が残りかねません。学院に傷を残さぬためにも、ここでルイ様を矯正すべきと考えます」
それはジュードも望むところだ。
「二人も退学者を出したら、話が大きくなって学院の看板に傷もつきますし」
ディーナもまた頼み込む。
「このままルイ君を放逐すれば歪虚を呼ぶ学校という悪評が残るの。そうならないための手伝いをさせてほしいの」
ルイへ寛大な処置を求めるのはいいが、真相を直に見聞したのは教師だけ。そこが気になっているエアルドフリスは、強く念を押した。
「まさか有耶無耶にしやせんでしょうね? マルコ坊っちゃんの名誉に、相応の配慮を期待しますよ」
「有耶無耶にしたくても出来ませんよ。一から十までこの記録、ハンターオフィスに残るんですから……」
最終的にこの事件は、『歪虚が学院内の不和を煽るため行った工作だった』という形で公式発表された。
心ならずもの協力という断りはついたが、ルイもその責任を問われ、数日謹慎ということになった。
●昨日の敵は
マルコは新しく移った部屋で、ジェントルネクタイを締めていた。贈り主であるマルカの言葉を頭の中で反芻しながら。
『なまじ常識があると、『まさかここまで愚かな人間なんていないだろう』って思い込んでしまいます――でも覚えておいてください。現実にはそういう人間が確実に存在します』
連動して、ジュードの言葉とエアルドフリスの言葉も思い浮かぶ。
『危機を好機に変えてこその商人だよ』
『馴れ合えとは言わん、だがもう少し巧く立ち回り給え。笑顔で挨拶し、誘いにも適当に乗っておくんだ。君の優秀さは明らかだ、それで充分さ……我々をすぐ呼んだのは素晴らしい。またいつでも御用命を』
マルコはタイがほどよく締まっているのを確認し、登校するため部屋を出る。
途中ばったり、謹慎あけのルイに会った。
彼が表情を取り繕う前に朗らかに呼びかける。
「おはようルイ」
「おはよう、マルコくん」
と返しながらもルイは、訝しむような、警戒するような色を拭えない。
それに気づかないふりをしてマルコは、相手の肩に手を置く。若干力が籠もった感じに。
「殴って悪かった。俺も興奮し過ぎたよ。仲良くしような、これからは?」
少年はいくらか、その賢さを増したようである。
エアルドフリス(ka1856)が物騒な雰囲気を醸し出し歩いてくる。
「お邪魔しますよ、と」
その後から来るのは、ジュード・エアハート(ka0410)。
生徒達はジュードにのみ声をかけた。この間睨まれた経験から、前者とは距離を取った方がいいと判断したらしい。
「エアハートさん、ハンターでいらしたんですか?」
「そうだよ。商人兼ハンター」
「事業者として成功なさっている上にハンター資格をお持ちなんて、まさに文武両道ですね――あちらのエアルドフリスさんもハンターでいらっしゃるのですよね?」
「もちろんだよ。強いよ彼は。歪虚は当然のこと人にも容赦しないからね」
生徒らはマルカ・アニチキン(ka2542)にもまた声をかけた。
「あなたもハンターなのですか? 確かこの間来られたときは、さる商会の従者だとお聞きしましたが」
「ええ、ハンター資格を持つ従者なのです。さまざまな想定外の出来事に対する対処能力が、我が商会においては強く求められますので」
その間にリュー・グランフェスト(ka2419)は、依頼主に挨拶する。
「俺はリュー。リュー・グランフェストだ。よろしくな」
「俺はマルコ・ニッティです。このたびはよろしくお願いします」
マルコについて彼は、たいしたもんだという感想を抱く。窃盗の疑いをかけられて槍玉にあげられていながら、冷静さを失っていないのだから。
そこで数人の――先程マルコに詰め寄っていた生徒――が言った。
「マルコ君、ハンターは依頼者の都合がいいように話を作ってくれないよ?」
「そうそう、ハンターソサエティは不偏中立なんだから。ですよね、ハンターさん?」
同意を求められたリューは辟易した。居心地悪そうなところだと思いつつドアの前に移動する。クローゼットを見張るため。
フィロ(ka6966)もドアの前に移動する。万一歪虚が飛び出してきても対処可能なように。
天竜寺 舞(ka0377)は妹から聞いた話を目の前の少年に重ね合わせた。
(やっぱり、窃盗なんかするようには見えないな……嵌められたか?)
マルカも舞同様の疑念を抱いている。
(マルコくんは、「身に覚えがない架空請求」を押し付けられたのでは……)
レイア・アローネ(ka4082)は教師に言った。声を低めて。
「とりあえず、生徒達を全員ここから離れさせてください。我々の調査が終わるまで――マルコ、お前も離れるんだ」
彼女としては、続けて教師自身にも避難を呼びかけようと思っていた。
しかしマルカがそれを遮った。
「平等で責任ある立場の先生を現場立ち会いお願いします」
教師の顔が引きつる。無理もない。『歪虚がここにいるらしい』と知っているのだから。
マルカは重ねて説得する。
「大丈夫です、私が結界を張りますから。その中にいれば危険はありません」
ディーナ・フェルミ(ka5843)もその後押しをする。
「先生は私たちが守るの。だから同席お願いしますなの」
●鬼さんみっけ
ジュードは窓側に移動した。エアルドフリスもそちらへ行く。
マルカは教師と共にドアの前へ。ディーナは彼女らを庇える位置に陣取る。フィロも。
生徒の誘導を終えたレイアが戻ってきた。リューは彼女と離れた場所に位置する。同じくガウスジェイルの使い手である彼女と手分けし、攻撃引き付けの効果を広範囲に及ぼせるようにしようと思ったのだ。
それはよい案だった。しかし残念ながら彼は今回、そのスキルの装備を忘れていた。
全員揃ったところで舞がドアを閉め、クローゼットに歩み寄る。
「おい、クローゼットの中にいるお前。そこにいんのバレ」
台詞が終わらぬうち人形が飛び出してくる。
舞は短剣モードにしたユナイテッド・ドライブ・ソードを相手の頭部目がけ突き立てた。
かわされる。
目の前にシザーハンズの先端が迫ってくる。
かわす。
すべて一瞬間のやり取り。
「はいはーい、じゃあまずお人形さんにはどーしてココで遊んでるのか教えて貰おっか?」
と言いながらジュードは、牽制射撃を行う。
人形は弾道を擦り抜けた。ケタケタ笑って舌を出す。
「教エナーイ」
嫉妬属性はなべてその傾向が強いが、この歪虚もまた性格が悪そうだ。
煽った方が早いと見た舞は、躊躇なくそうする。
「何このちんちくりん。どうせ脳味噌腐った低級歪虚でしょ。そうじゃないってんならここで何してたくらいは言えるよね。ま、おバカさんには無理でちゅかね」
作戦は大当たりだった。人形が即座に反応する。
「口ノ聞キ方ニ気ヲツケロダワ。ワタシハラルヴァ様ノ召使ナノダワ」
エアルドフリスが黒縄縛を発動した。人形に黒い縄が絡む。重力がその体を圧しひしぎ移動を阻害する。
間髪入れずリューが仕掛けた。攻めの構えからのカウンターアタック。
人形は回避出来なかった。部屋の壁際まで吹き飛ぶ。その衝撃を反動にし、一直線にドア目がけ、跳んだ。
「キャハハハハ!」
結界術は抵抗値を高めるもの。物理攻撃を退けることは出来ない。
マルカの脚を鋼鉄の爪が凪ぐ。しかし被害はそれだけに留まった。ちょうどそこで、ディーナのプルガトリオが命中したのだ。
人形の動きが一瞬止まる。
レイアがガウスジェイルを使い、続けての攻撃を自分に引き寄せる。
魔導剣「カオスウィース」と星神器「天羽羽斬」が唸った。
人形は回避した。
レイアは舌を打つ。
「身体能力はなかなかのようだな。しかし頭の方はさほどで無さそうだ。悪さをするにしても、みみっちいこそ泥しか思いつかんとは」
「ワカッテナイノダワ。コレハワタシニトッテタダノ遊ビ。本気ニナレバ他ニナンダッテヤレルノダワ」
星神器「角力」とパリィグローブで武装したフィロが打ちかかる。
「私達が来るまで隠れるしかできなかった低級雑魔の分際で何ができたと?」
白虎神拳と鎧通しの相乗攻撃。
シザーハンズの攻撃。
互いに回避しあい互いにダメージなし。
舞が再び煽る。
「遊びにしたってこんなしょぼい悪さしか思いつけないなら、やっぱりおバカってことじゃん」
「ハ? コノ遊ビワタシガ考エタンジャネーノダワ。ルイ・ラディロッテ人間ガ考エツイタノダワ。ソイツ、コノ部屋ニイルマルコッテヤツノ足ヒッパリタクテショウガネーノダワ」
教師の顔色が変わる。
それは人形が口にする人物が実在しているという、何よりの証拠だった。
「ソイツノ机ノ中見テミナ、ワタシトノ契約書デテクルノダワ」
「そうか、それだけ知ればもうお前に用はない」
呟いたエアルドフリスは、再度黒縄縛を発動。
しかし今度は人形も、ある程度ハンターたちの手の内が分かっている。回避した。
ディーナがプルガトリオを発動した。
かわされる。鋭いかぎ爪が彼女の腕に当たった――が防備の高さに弾かれて終わる。
ジュードが天裁矢を仕掛けた。
回避。
舞は動き回る人形に追いすがり飛燕を仕掛けた――いいところまで行ったのだがやはり、当たらない。
人形の行く手をリューが塞ぐ。心の刃によって威圧を増した構えに人形が一瞬ひるむ。そこへ左右からの拳の連打。
紙一重でそれをかわした人形だったが、続いて来たフィロの白虎神拳と鎧通しの合わせ技は避け切れなかった。
人形の体の軸がねじ曲がった――回避力が低下した。
リューは散華を仕掛けた。左右別々の角度から叩きつけられた拳は人形の片手片足をあらぬ方向へとねじ曲げる。
レイアの魔導剣と星神器が、頭部を直撃した。
愛くるしい顔にひびが入る。
(いける!)
舞は短剣の刃を相手の後頭部から突き刺そうとする――が、人形はしぶとかった。床にはいつくばり回避。そのまま這うような姿勢で高速移動。彼女の足と、プルガトリオをかけてくるディーナの足を同時にシザーハンズで凪ぐ。
戦力の差を悟った今人形の目標は、逃走一つに絞られた。
凄まじい勢いで窓側へ向かう。シザーハンズを横凪ぎにふるう。
それはジュードに当たった。反射的に飛び込んで来たエアルドフリスにも。レイアのガウスジェイルは効かなかった、何故ならそれが、人ではなく壁そのものを対象とした攻撃だったから。
窓が割れ砕け、壁が裂ける。
だが人形はそこから脱出出来なかった。エアルドフリスの黒縄縛がすんでのところで作用したのだ。ディーナのプルガトリオも。
舞の短剣が人形の頭部を貫いた。
リューの拳が左右から打ち込まれる。
人形の顔の上半分が吹き飛んだ。
残った口の部分が耳障りな笑い声を上げる。
「ワタシヲ壊シタカラッテイイ気ニナルナヨ人間、ラルヴァ様ハ――」
続けての言葉は聞けなかった。フィロが鋼の拳をもって粉砕したので。
「最後までうるさい雑魔でしたこと」
改めて部屋の中を見てみればひどい有り様だ。
ハンターたちはなるべく壊さないようにと留意したのだが……人形側に一切その意識がなかったのだからどうにもならない。
マルカは教師に言った。受けた傷による痛みを堪えつつ。
「あのー、マルコくんの部屋の移動を許可していただけないでしょうか。この一件は学院の防犯対策にも問題があったからではないかと――」
●学院談話室で
「とりあえず生徒に怪我がなくてよかったよー。マルコくんが人払いしてくれたお陰だね」
と言ってジュードは、ルイが隠していた契約書を机の上に置いた。
「これも『遊び』の一環だろうね。自分が契約者を作れるレベルじゃないことを、あの歪虚も分かってただろうから」
それから、苦り切った様子の教師に顔を向ける。
「ルイくんがしたことは深く反省せねばならないことですが、最近はそのような状況なので。これは私見ですが思春期の少年がつけこまれても当人だけの咎とするのは酷だと思いますよ」
ルイは彼の台詞に乗る形で、自己弁護を始める。
「先生、その、僕はあの歪虚に脅されていたんです、こんなもの自分から書くなんてこと――」
リューが口を挟んだ。
「悪いことをしたんだからごめんなさい、だ。そんなん言うのは人として当たり前だろ」
顎をしゃくって彼が示したのは、マルコ。
「この件で一番迷惑被ったのあいつだろ――言えたなら、今回は温情采配してもらえる様に俺も計らってやるよ」
ルイの顔に一瞬、忌ま忌ましげなものが過る。しかしすぐそれを押し隠して、すまなそうに言う。
「マルコくん、今回のことは本当に申し訳――」
マルコはルイの襟首をつかみ上げ、ものも言わずに殴りつける。が、拳は相手に届かなかった。舞が脇から掴んで止めたのだ。
「妹からあんたの事は聞いてるし気持ちは解らなくもない。ルイがした事を庇う気もない。けどね、ルイにも言いたい事はあると思うんだ。この際お互い腹の底から言いたい事を言い合いな。それで殴り合いになるならとことんやり合え。あんたも言いたい事はあるんだろ? ルイ?」
殴られる覚悟で2人の間に飛び出したディーナはほっと息をつき、ルイに言う。
「ルイ君、歪虚は人を破滅させるけど助けないの。今言わなくちゃ、キミの怒りも悲しみも誰も知らないまま終わっちゃうの。言ってごらん、そしてきちんとマルコ君と向き合ってみて」
そこで口を開いたのは、ルイではなくマルコだった。
「言いたいことがあるなら言ってみろよ。ハンターが来なかったら人が死んでいたかもしれないんだぞ。そしたらお前が殺したのと一緒だ。そこ分かってるんだろうな」
挑発に近い語調がルイを刺激する。
メッキが剥げた。
「――はぁ!? 何でお前が偉そうに説教かましてんだよ! 大体な、大体な、お前途中から入ってきた癖して生意気なんだよ! 数カ月でいきなり上級組に食い込んできやがって!」
「何だそれ、そんなことで歪虚と手組んだのかお前!」
「うるせー! とにかくお前がいるのがなにもかもの原因なんだよ! これまで僕がどんだけ努力して苦労して今の順位を維持してきたと思って――」
その後2、3やり取りがあってから、ルイがマルコに手を出した。そして即座に反撃された。
客観的に見てルイの方が劣勢である。明らかに弱い。しかし舞は止めない。せっかく双方が自分をさらけ出しているのだからと。
「やめなさい、君たち、やめなさい!」
教師の声に応じるようにレイアが割って入り、双方を分ける。マルコに言う。
「そこまでにしとけ。お前がどう考えるかも私達の指図するところではない。しかし、強い男というのは、どれだけ他者を赦せるかというところにもあると思うぞ」
フィロは教師に嘆願する。
「このままルイ様を退学させれば、契約者ルイはベレン学院で歪虚と結ぶ術を学び人類の敵となった、という記録が残りかねません。学院に傷を残さぬためにも、ここでルイ様を矯正すべきと考えます」
それはジュードも望むところだ。
「二人も退学者を出したら、話が大きくなって学院の看板に傷もつきますし」
ディーナもまた頼み込む。
「このままルイ君を放逐すれば歪虚を呼ぶ学校という悪評が残るの。そうならないための手伝いをさせてほしいの」
ルイへ寛大な処置を求めるのはいいが、真相を直に見聞したのは教師だけ。そこが気になっているエアルドフリスは、強く念を押した。
「まさか有耶無耶にしやせんでしょうね? マルコ坊っちゃんの名誉に、相応の配慮を期待しますよ」
「有耶無耶にしたくても出来ませんよ。一から十までこの記録、ハンターオフィスに残るんですから……」
最終的にこの事件は、『歪虚が学院内の不和を煽るため行った工作だった』という形で公式発表された。
心ならずもの協力という断りはついたが、ルイもその責任を問われ、数日謹慎ということになった。
●昨日の敵は
マルコは新しく移った部屋で、ジェントルネクタイを締めていた。贈り主であるマルカの言葉を頭の中で反芻しながら。
『なまじ常識があると、『まさかここまで愚かな人間なんていないだろう』って思い込んでしまいます――でも覚えておいてください。現実にはそういう人間が確実に存在します』
連動して、ジュードの言葉とエアルドフリスの言葉も思い浮かぶ。
『危機を好機に変えてこその商人だよ』
『馴れ合えとは言わん、だがもう少し巧く立ち回り給え。笑顔で挨拶し、誘いにも適当に乗っておくんだ。君の優秀さは明らかだ、それで充分さ……我々をすぐ呼んだのは素晴らしい。またいつでも御用命を』
マルコはタイがほどよく締まっているのを確認し、登校するため部屋を出る。
途中ばったり、謹慎あけのルイに会った。
彼が表情を取り繕う前に朗らかに呼びかける。
「おはようルイ」
「おはよう、マルコくん」
と返しながらもルイは、訝しむような、警戒するような色を拭えない。
それに気づかないふりをしてマルコは、相手の肩に手を置く。若干力が籠もった感じに。
「殴って悪かった。俺も興奮し過ぎたよ。仲良くしような、これからは?」
少年はいくらか、その賢さを増したようである。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/10/22 09:25:05 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/10/23 09:03:46 |