• 郷祭1018

【郷祭】パルムさん、なにしてる?

マスター:龍河流

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/12/06 22:00
完成日
2018/12/27 03:55

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 同盟領ジェオルジの郷祭も、もうちょっとでおしまいです。

「あっち~」
「ほんとにいっぱいいるのぉ?」

 おいしいものを食べたり、珍しいものを見たり。
 いろんな出し物もあって、楽しいお祭りでした。
 終わりが近くなって、少しお店なんかが減ってきたのが残念です。

「めずらしーねー」
「本当だろうな。お前らのお守りをしただけとか、やだぞ」
「キノコさん、ちゃんといるもん!」

 そんな今日の夕方のこと。
 あちらこちらから、なんだかお子さまがいっぱい集まってきたのです。
 いったい何があったのかな?

「祭壇、知ってる? 精霊様に色々お供えしてたやつ」
「あそこにパ、パ……えと、なんだっけ。あのキノコさんがいっぱい来てるんだってさ」
「毎日みんなでお参りしてたから、きっと精霊様もいるよ」
「まあ、そんな話になって、みんなで見に行くところです」

 ちょっと大きいお子さま達に訊いてみたら、そんなお話でした。
 キノコさんは、パルムさんの愛称です。
 パルムさんがいっぱいなんて、確かに珍しいかもしれません。

「ハンターさんも、いっしょにくる~?」
「ぼく、いらいにーん。はい、あげる」

 どんぐりをもらってしまいました。
 みんなと一緒に、見に行ってみる?

リプレイ本文

●ぱるむさんはかんがえた!
 よーさんがよーすをみてきなさいっていってたきがするのです。
 でもでもだけど~。
 おなかまがいっぱいでたのしーし、よーすみなくてもいーよね?

「ちょっと待てーっ!」

 ひゃっほーいっ。
 せーれーさんとおどっちゃおー!
 

 ハンターさんのパルムさんが脱走したのは、お月さまの光がキラキラし始めた頃。
 たくさんのパルムさんと、どこから来たのか分からない石のお人形さんと、ハンターさんのパルムさんが、ぴょんこぴょんこ踊りながら、どこかに行こうとしています。
 これは大変。
 一体どうしたらいいのでしょう!?

 というのは、まだまだ先のお話なのです。


●おでかけはゆだんたいてき
 お子さん達が、パルムさんを追い掛けて、お祭り会場の端まで行こうとしています。
 だんだん暗くなってくるのに、それって大丈夫なのでしょうか?
「いやいや、子供だけで行くのは危険だろう」
 見付けたレイア・アローネ(ka4082)さんはとっても心配そうです。ちっちゃいお子さまだけではありませんが、一番年上で十歳くらい。
「よし、私も一緒に行こう。が、ちょっと待ってくれないか」
 レイアさん、お子さま達のいく先に、悪い魔物がいたら大変だと思いました。まあ、パルムさん達がそんな危険なところに行くはずがないので、ちょっと思っただけです。
 そこまで危なくなくても、途中でおなかが空いたりするといけません。近くのお店でお菓子を買って、持って行くつもりだったのですが……
「レイアさーん、置いてっちゃいますよ~」
 お友達のルンルン・リリカル・秋桜(ka5784)さんが、お子さまの一人と手を繋いで先に行っちゃいました。
「待て待てっ、すぐ追い付くから!」
「灯りならあるけど?」
 こちらも小さいお子さまと手を繋いで、八島 陽(ka1442)さんが先を歩いている皆さんを追い掛けながらランタンを見せてくれました。なんて用意がいいのでしょう。
「わたしも水晶球がありますので、祭壇までなら大丈夫だと思いますよ」
 エルフさんのアンネマリー・リースロッド(ka0519)さんも、いいものを持っていました。
 でも、やっぱり心配なので、レイアさんは大急ぎでお菓子を買いに行きました。
「はーやーくー」
 ほら、お子さま達が呼んでいます。早く行かないと、パルムさんが遠くに行ってしまうかも。
「野良パルムさんだからと言ってぇ、素早い訳ではぁなさそうですねぇ」
 のぉんびりと星野 ハナ(ka5852)さんが言う通り。
 パルムさん達も小さいので、レイアさんが走って皆さんに追いついた時にも、向こうを歩いているのが見えていました。
「「「「きゃー」」」」
 あっ、パルムさんの姿を見たお子さま達が何人か、走り出しましたよ!!
「あら大変ですね」
「はいはぁい、待ってねぇ」
 アンネマリーさんとハナさんが、小走りにお子さま達を追い掛けて、すぐに追いつきました。みんなで一緒に行きましょうねと、手を繋いで、他のお子さま達と一緒の列に戻ってきます。
「パルムが驚かないように、こっそりついていこうな」
 陽さんは、内緒話をするように、男の子たちに言っています。こっそりって、楽しそうですよね。
「慌てちゃ駄目なのです。びっくりして逃げたら大変なんだから」
 そーっと観察して、何をしたいのか観察しながら行きましょうと、ルンルンさんもお勧めです。観察、ちょっと年上のお子さま達が、小難しい言葉にワクワクし始めました。
「それに敵が来たら、ばらばらでは大変だろう。あぁもちろん私達が退治するがな」
 パルムさん達がたくさんいる場所に、敵が出るとは思えませんが、レイアさんはばらばらになるのは危ないと教えてあげています。
「そろそろ灯りを付けましょうね。これの近くにいないと、転んでしまいますよ」
 アンネマリーさんが灯火の水晶球を付けたら、お子さま達は興味津々です。周りをうろうろ、水晶球に触りたくてうずうず。
「ほらほら、素敵な思い出は安全第一からですよぅ」
 両手を小さいお子さまとつないだハナさんも、お子さま達に大事なことを言いました。あんぜんだいいちが分からないお子さまも、かーなーりいるようですけれども。
 でも。
「パルムさんも精霊なのでぇ、何か素敵なことがぁ起きるかもしれませんよぅ」
 どんな素敵ことが起きるのか、考えただけでもどきどきしますね!

●よそうしてみよう!
 お子さま達は、きょろきょろ、ちょろちょろ、時々ダッシュ!
 ハナさんが御霊符をばんばん使って、遠くまで行こうとしたお子さまを追い掛けていますが……余計に走ります。楽しそうです!
 みんなで列になって歩いていくだけでも、なんて大変なのでしょう。
 アンネマリーさんは思いました。
「世の親御さんや先生方には、最大の敬意を覚えます」
 思っただけではなくて、つい言ってしまいました。
 陽さんも、ついてきてよかったと思っていました。お子さまだけだったら、今頃迷子さんが量産されていたに違いないのです。
「まーだー?」
「うーん、もうちょっとかな? お供えに行った人は、あとどのくらいか分かるか?」
 一番ちっちゃいお子さまをおんぶした陽さんが、大きいお子様に訊きました。お返事は近かったり遠かったりしていますが、よく聞くとあと十分くらいでしょう。
 パルムさん達は、先の方をよいしょよいしょと歩いていて、お子さま達とハンターさん達に気が付いていません。
「お供えの中に、パルム達が欲しくなる特別なものがあるんでしょうか」
 ルンルンさんが不思議に思って、そう言いました。するとお子さま達もうーんと考えます。
「お供えは、お菓子なんだろう? 他にも何かあるのか?」
「うちはチーズを出したよ。一番おいしい奴」
「あたしの村はね、干し果物入りのパン~」
 レイアさんはお供えはお菓子ばっかりかと思っていましたが、お菓子はお子さま達がもらえる分でした。他にもお供えはたくさんあって、食べ物ではないものもあるそうです。
「キノコさん、なにがすきかなぁ」
「うーん、キノコさんだけに、タケノコ型のお菓子を持ち去ろうとしているとか」
「そのタケノコというのは東方のものじゃないのか」
 ルンルンさんが考えたキノコタケノコ抗争は、ジェオルジには無関係のようでした。
 では、一体何が欲しくて、パルムさんはあんなにいっぱい集まっているの?
「パルムも精霊の子供ですからぁ、精霊が好きなものがあるのかもぉ」
 前を歩いているパルムさんは、ちょっとくらいうるさくしても逃げないので、みんなで何が欲しいのかを予想し始めてみました。
「キノコを集める特別なもの……?」
 ルンルンさんが、何かが特別なのかなと首を傾げてしまいました。お子さま達のお話だと、おいしそうなものはたくさんありますが、特別ではなさそうです。
「パルムも子供みたいなものだから、お菓子を貰いに集まったのではないか?」
 それだと可愛いじゃないかと、レイアさんはにこにこです。でもお子さまによっては、もらえるお菓子が減っちゃうと困り顔。
「もともと精霊さんへのお供えですから、パルムさんの取り分をご領主様が決めてくださいますよ。そういえば、この辺りではどの精霊さんをお祀りしているのですか」
 お子さま達のお菓子は減らないですよと、アンネマリーさんがよしよししてから、祭壇にお祀りしている精霊さんはどなたかしらと不思議に思いました。
 それは、一番年上のお子さまが教えてくれましたよ。
「色んな精霊様に感謝しましょうって。でもお父さんが、大地の精霊様は同盟に居るから、良く拝んでおきなさいって言ってた」
 特別にこの精霊様というより、ジェオルジの各地にいるだろう精霊様をまとめて拝んでいたようです。大地の精霊様というのは、アメンスィ様のことでしょう。
 この説明に、陽さんはこう考えました。
「そうすると、お祈りの力はお供えに集まるのかな。パルムはそれをどうしたいんだろう?」
「たべる!」
 パルムさんは普段はお菓子を食べたりしないのですが、お祈りが籠ったお菓子なら食べるのかもしれません。
 みんなでうーんと考えていたら、ハナさんが、
「うふふ、分かりましたよ!」
 そう言うではありませんか。
 いったいパルムさんは何をするつもりなの?
「パルムから深紅ちゃん、この世界で一番の大精霊クリムゾンウェストさんにお祈りが伝わって、何か素敵なことが起きるのです!」
「「「「「「「おぉー」」」」」」」
 深紅ちゃんのことはお子さま達にはよく分かりませんが、すごい精霊さんが来てくれたら楽しいに決まっています。いっぱい歩いた後だけど、元気が湧いてきましたよ。
「いや、その、深紅ちゃんって」
「流石に、規模が大き過ぎる気がしますね」
「でもお供えにマテリアルが集まっている気はするし」
「キノコ派の陰謀でなければよいのです!」
 そろそろ祭壇ですから、パルムさん達の様子をよく見てみましょう。

●だれかがいます?
 パルムさん達が祭壇に付いた時、祭壇の上には誰かがいました。
 祭壇に乗っかるのは、お行儀が悪いことですね。
 これは悪いものかもしれないので、陽さんが連れてきたパルムさんに様子を見に行ってもらうことにしました。
 パルムさん、跳ねるように歩いていきましたよ。
 そして、すごいことに陽さんはパルムさんが見ているものが、一緒に見えるのですが……
「深紅ちゃんのぉ可能性は?」
「それが……石の人形がいるんだけど」
 ハナさんが大精霊様がいないかしらと訊いてみたら、見えているのは石のお人形だそうです。それっていったいどんなもの?
「このくらいで」
 ハンターさんで一番小さいアンネマリーさんの、お膝よりちょっと上。
「どう見ても石で、こんな帽子をかぶった人形っぽい」
 陽さんが地面に書いたのは、三角のとんがり帽子です。
「目がまん丸の緑色だけど、鼻や口はなさそうだ」
 丸いお顔にまん丸の緑の目。手や足は棒みたいな感じ。
「あんまり上等な造りではないなぁ」
「でも、パルムが集まるのだから、危険ではないとニンジャの勘が告げるのです」
「精霊様……かもしれませんね」
 お子さま達が、祭壇に一番近い茂みの影で押し合いへし合い、石のお人形さんを見ようとばたばたしている間に、陽さんが教えてくれたお話に、ハンターさん達はうーんと考え込んでしまいました。
 あ、ハナさんだけはちょっと落ち込んでいます?
「ここはぁ深紅ちゃんが出るところですよぉ」
 いやいや石のお人形さんだって、精霊さんかもしれません。精霊さんなら、お供えをどうするのかとパルムさん達が集まった理由を教えてくれるかも。
 まずは陽さんのパルムさんに、もうちょっと近寄ってもらいましょう。
 なんて、ハンターさん達が相談していたら!
「「「「「「わーーっ!!!!」」」」」」
 お子さま達が大きな声を出しました。
 それもそのはず。お人形さんが腕を振ったら、お供えがふわふわ浮かんで、パルムさん達のところに降りていったのです。パルムさん達は、せっせとそれを集めています。
 陽さんのパルムさんも、一緒になってはしゃいでいますよ。
 って、あ……陽さんの言うこと聞かなくなって、行っちゃったー!!!!!

 もちろん先頭で踊りながら進んでいくのは、石のお人形さんです。
 パルムさん達は、それについていきます。
「なんと、ここでハーメルンの笛吹男!」
「なんだ、それは?」
「後で説明するですぅ」
「ほら、皆さん、慌てて走ると転びますよ」
「えい、仕方ない。おーい、ちょっと待てー!」
 お子さま達も走り出したので、ハンターさん達も追いかけます。
 小さなお子さまは抱えて、転びそうなお子さまは支えてあげて、大きいお子さまが離れていかないように声を掛けながら。
 石のお人形さんに、待ってーとみんなで言いました。

「なーに?」

 遠くにいたはずのお人形さんが、みんなの目の前の地面から、ぴょこんと飛び出してきましたよ。

●おにんぎょうさんは
 石のお人形さんは、お口がないけどお話は出来るようです。
 お子さまの一人がぶつかってしまったけれど、痛くはなさそうでした。ぶつかったお子さまも、全然平気です。
「えーとぉ、精霊様ですぅ?」
 ハナさんが、小さいお人形さんに合わせて、座って質問をしました。つられて皆も座ります。
 お人形さんも一緒になって座ったので、みんなはぐるりと輪になりました。
 パルムさん達は、ちょっと先でまだ楽しそうに踊っています。
「あめんすぃさまのとこのー」
 幾つか質問をしてみると、お人形さんは大地の精霊さまで、アメンスィ様のために働いていることが分かりました。
 祭壇には、お供えを貰いに来たそうです。
「やっぱりお供えに祈りの力のマテリアルが込められているからかな?」
「?」
 残念、あまり難しいことは分からないようです。
「あれは、どこに持って行くんだ?」
「あめんすぃさま、ひゃー」
 レイアさんとお子さま達が、お人形さんの答えに困っていると、アンネマリーさんが考えてから教えてくれました。
「多分、アメンスィ様に持って行くと喜んでくださるとおっしゃりたいのでは」
 なるほどと感心するレイアさんと陽さんと、お子さま達の半分くらい。
 残ったお子さま達は、パルムさんと一緒に踊ったり、お人形さんをあちこちぺちぺちして喜んでいます。
「そうやって思ってみると、農作物が多いのは、大地の精霊様だからでしょうか」
「えー、うちのチーズも持ってってよ。美味しいよ」
「ほー、おいしー」
 ルンルンさんが、お子さま達の様子を見ながら、パルムさん達のお荷物を確かめていたら、お子さまの一人がチーズを指しました。お人形さんが手を出したので、ハナさんが取って来てあげます。
「どうぞぉ。アメンスィ様にぃ、よろしくお伝えしてくださいねぇ」
 これを見ていたお子さま達が、黙っているはずはありません。
 自分も何かあげるのだと、慌てて服のポッケを逆さにし始めました。
「あ、これを精霊様にあげるといいぞ」
 レイアさんが買っていたお菓子を配ります。
 足りない分は、祭壇からルンルンさんとハナさんが、数がいっぱいあるお供えを貰ってお子さま達にパス。
 アンネマリーさんは、お子さまとパルムさんがわやくちゃに混じっているのを、転ばないように分けるのに大忙し。陽さんもお手伝いしながら、自分ちのパルムさんを探しています。
 そうしているうちに、お人形さんとパルムさん達は、みんなお供えをやまほど持ちました。
「いくーよー」
 お人形さんが、とってもご機嫌な調子で号令を掛けました。
 すると、パルムさん達がお人形さんを先頭に行進していきます。
 それを見ていたら、周りにキラキラするものが飛び始めました。お人形さん達は見えなくなっていきます。
 キラキラはみんなの手の中に入りました。

 精霊様が、お供えの代わりに星の石をくれたみたいです。






依頼結果

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MVP一覧

  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナka5852

重体一覧

参加者一覧

  • 探究せし雪の姫
    アンネマリー・リースロッド(ka0519
    エルフ|13才|女性|聖導士
  • 真実を見通す瞳
    八島 陽(ka1442
    人間(蒼)|20才|男性|機導師
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 忍軍創設者
    ルンルン・リリカル・秋桜(ka5784
    人間(蒼)|17才|女性|符術師
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ぱるむおいかけ隊!
八島 陽(ka1442
人間(リアルブルー)|20才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2018/12/04 22:24:17
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/12/04 22:03:24