ゲスト
(ka0000)
【CF】ケーキ屋「オフィスの森」の聖夜
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/12/21 09:00
- 完成日
- 2018/12/23 09:44
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●クリスマスが近い今、ケーキ屋は大繁盛
今年もクリスマスの季節がやってきた。
リアルブルーから避難してきた人たちによってパンクしかけていたハンターズソサエティや各国の受け入れ態勢も、初期の混乱からようやく脱し始め、クリムゾンウエスト中が賑やかなお祭りムードに包まれつつある。
ハンターズソサエティのオフィスでは依頼を見繕うハンターたちの中に新米ハンターになったリアルブルー人の姿が増え、彼ら彼女らが季節ごとのイベント盛り上げ役に一役買っている。
クリムゾンウエストにもクリスマスに該当するイベントはあったが、今のクリスマスはリアルブルーのクリスマスの影響を大いに受けている。
赤い服に身を包んだ、赤ら顔に白髭のサンタクロースに、そりを引く赤鼻のトナカイなどはその典型的な例であろう。
そしてクリスマスケーキもまた、クリムゾンウエスト独自のものとリアルブルーから伝わったものが融合を果たした一つの例だった。
●いっぱい客が来る。まだまだ来る。
期間限定でリゼリオに開店している『受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」』では、店長のルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の指揮の下、店員である紡伎 希(kz0174)、クラヴィーア・キルシェ(kz0038)、ジェーン・ドゥ(kz0264)の四名が忙しく接客をしていた。
一番の売れ筋はやはり、今回のイベントのために特別に作られたケーキ「受付嬢といっしょ」だ。
これはルミたち受付嬢たちがたっぷり愛情をこめてこのイベントのために特製で作った、ホールサイズのショートケーキだ。
ジェーンが高品質な食材を謎の伝手を駆使してクリムゾンウエスト中から調達し、ルミの味見によるアドバイスにより、全員で味についてたくさんの試行錯誤を重ねた。
それは惜しみない材料使いに希が目を回すほどで、完成したこのケーキは間違いなく自信作といえるものだ。
飾られたクラヴィーア手製の砂糖菓子は受付嬢四人の姿を模しており、クラヴィーア本人の人形がケーキの上で一際大きな笑顔を浮かべている。
「一人っきりのクリスマスでも私たちが一緒だよ」
まるで、そういわんばかりに。
当然、普通のショートケーキやチョコレートケーキなども並べられており、これらもまたかなりの頻度で売れている。
客数は増える一方で、ルミ、希、クラヴィーア、ジェーンの四名は物凄い忙しさに目を回しかけていた。
●受付嬢たち
「忙し過ぎるよ! 毎日働いても働いてもお客さんが全く減ってる気がしないんだけど!?」
その日の営業を終えて閉店間もない店内に、ルミの困ったような、それでいてどこか嬉しそうな声が響いた。
いわゆる嬉しい悲鳴という奴だ。
ルミはLH044事件に巻き込まれ、クリムゾンウエストへ転移してきた少女だ。
現在は同盟のハンターズソサエティ支部で受付嬢をしている。
自他共に認める美少女で、歌とダンスに加え止まらぬ食欲にはそれなりに自信がある。
今回はその食欲を役立てる味見役として、ケーキの完成に大いに貢献している。
また、持ち前の性格で店長として他の三人を引っ張るムードメーカーでもある。
「ある程度の忙しさは予想していましたが、ちょっとこれは想像以上ですね」
相槌を打ち、苦笑するのは王国のハンターズソサエティ支部で受付嬢として働く希だ。
記憶を失った転移者の受付嬢で、今回のイベントでは調理役を務め、普段自分だけで作る時とは全く違う、潤沢な材料の数々に目を回しながらも無事ケーキを作り上げた。
味見役と調理役という役柄から分かるように、ルミからは国境を越え友人として慕われている。
「四人でも今からお客さんを捌くのが間に合わないとなると、クリスマスイヴはどうなるんでしょうか……」
三人目の受付嬢であるクラヴィーアはおそらく一番のピークになるであろうタイミングの心配をしている。
クラヴィーアは辺境のハンターズソサエティ支部に所属する受付嬢だ。
クリムゾンウェストに転移した後、身の振り方を考えた結果覚醒者となったが、危険よりも安定を重視し受付嬢に転身した経緯を持つ。
今回のイベントではケーキを飾る砂糖菓子を全面的に手掛けており、これらは全て彼女の作品だ。
「大丈夫です。たくさん助っ人を呼べば、忙しいどころかクリスマスパーティをする余裕だってありますよ」
うさんくさい笑顔で閉店後の後片付けをてきぱきと進めているのは、帝国のハンターズソサエティに勤務する受付嬢ジェーンだ。
ミステリアスな女性だが、それ以上に性格がうさんくさい。
ジョン・スミスという名無しの権兵衛的な名前の女性名を名乗っていることからも既にうさんくさい。
今回のイベントでもうさんくささを発揮し、出所不明の高級食材をどこからか調達してきている。
●ハンターに依頼して人手を確保せよ
受付嬢たちは四人で相談した結果、ハンターに依頼をして人手を派遣してもらうことにした。
ちなみに依頼料はジェーンが上司を相手に謎の交渉術を発揮してハンターズソサエティの経費で落とした。
これなら四人の懐は痛まない。
依頼当日は四人はそれぞれの仕事に専念し、ハンターたちに接客をしてもらう。
一気に人数が増えるので、最初は暇な時間の方が多い人もいるだろう。
忙しくなるまでは、働きつつ皆やりたいことを探す形になる。
クリスマスイブ当日は物凄く忙しくなるだろうが、終われば打ち上げ代わりにクリスマスケーキを用意してあるので頑張って欲しい。
何ならそのままクリスマスパーティに突入しても構わない。
数日後、受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」にて接客してくれるハンターを募集する依頼がリゼリオで公開された。
今年もクリスマスの季節がやってきた。
リアルブルーから避難してきた人たちによってパンクしかけていたハンターズソサエティや各国の受け入れ態勢も、初期の混乱からようやく脱し始め、クリムゾンウエスト中が賑やかなお祭りムードに包まれつつある。
ハンターズソサエティのオフィスでは依頼を見繕うハンターたちの中に新米ハンターになったリアルブルー人の姿が増え、彼ら彼女らが季節ごとのイベント盛り上げ役に一役買っている。
クリムゾンウエストにもクリスマスに該当するイベントはあったが、今のクリスマスはリアルブルーのクリスマスの影響を大いに受けている。
赤い服に身を包んだ、赤ら顔に白髭のサンタクロースに、そりを引く赤鼻のトナカイなどはその典型的な例であろう。
そしてクリスマスケーキもまた、クリムゾンウエスト独自のものとリアルブルーから伝わったものが融合を果たした一つの例だった。
●いっぱい客が来る。まだまだ来る。
期間限定でリゼリオに開店している『受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」』では、店長のルミ・ヘヴンズドア(kz0060)の指揮の下、店員である紡伎 希(kz0174)、クラヴィーア・キルシェ(kz0038)、ジェーン・ドゥ(kz0264)の四名が忙しく接客をしていた。
一番の売れ筋はやはり、今回のイベントのために特別に作られたケーキ「受付嬢といっしょ」だ。
これはルミたち受付嬢たちがたっぷり愛情をこめてこのイベントのために特製で作った、ホールサイズのショートケーキだ。
ジェーンが高品質な食材を謎の伝手を駆使してクリムゾンウエスト中から調達し、ルミの味見によるアドバイスにより、全員で味についてたくさんの試行錯誤を重ねた。
それは惜しみない材料使いに希が目を回すほどで、完成したこのケーキは間違いなく自信作といえるものだ。
飾られたクラヴィーア手製の砂糖菓子は受付嬢四人の姿を模しており、クラヴィーア本人の人形がケーキの上で一際大きな笑顔を浮かべている。
「一人っきりのクリスマスでも私たちが一緒だよ」
まるで、そういわんばかりに。
当然、普通のショートケーキやチョコレートケーキなども並べられており、これらもまたかなりの頻度で売れている。
客数は増える一方で、ルミ、希、クラヴィーア、ジェーンの四名は物凄い忙しさに目を回しかけていた。
●受付嬢たち
「忙し過ぎるよ! 毎日働いても働いてもお客さんが全く減ってる気がしないんだけど!?」
その日の営業を終えて閉店間もない店内に、ルミの困ったような、それでいてどこか嬉しそうな声が響いた。
いわゆる嬉しい悲鳴という奴だ。
ルミはLH044事件に巻き込まれ、クリムゾンウエストへ転移してきた少女だ。
現在は同盟のハンターズソサエティ支部で受付嬢をしている。
自他共に認める美少女で、歌とダンスに加え止まらぬ食欲にはそれなりに自信がある。
今回はその食欲を役立てる味見役として、ケーキの完成に大いに貢献している。
また、持ち前の性格で店長として他の三人を引っ張るムードメーカーでもある。
「ある程度の忙しさは予想していましたが、ちょっとこれは想像以上ですね」
相槌を打ち、苦笑するのは王国のハンターズソサエティ支部で受付嬢として働く希だ。
記憶を失った転移者の受付嬢で、今回のイベントでは調理役を務め、普段自分だけで作る時とは全く違う、潤沢な材料の数々に目を回しながらも無事ケーキを作り上げた。
味見役と調理役という役柄から分かるように、ルミからは国境を越え友人として慕われている。
「四人でも今からお客さんを捌くのが間に合わないとなると、クリスマスイヴはどうなるんでしょうか……」
三人目の受付嬢であるクラヴィーアはおそらく一番のピークになるであろうタイミングの心配をしている。
クラヴィーアは辺境のハンターズソサエティ支部に所属する受付嬢だ。
クリムゾンウェストに転移した後、身の振り方を考えた結果覚醒者となったが、危険よりも安定を重視し受付嬢に転身した経緯を持つ。
今回のイベントではケーキを飾る砂糖菓子を全面的に手掛けており、これらは全て彼女の作品だ。
「大丈夫です。たくさん助っ人を呼べば、忙しいどころかクリスマスパーティをする余裕だってありますよ」
うさんくさい笑顔で閉店後の後片付けをてきぱきと進めているのは、帝国のハンターズソサエティに勤務する受付嬢ジェーンだ。
ミステリアスな女性だが、それ以上に性格がうさんくさい。
ジョン・スミスという名無しの権兵衛的な名前の女性名を名乗っていることからも既にうさんくさい。
今回のイベントでもうさんくささを発揮し、出所不明の高級食材をどこからか調達してきている。
●ハンターに依頼して人手を確保せよ
受付嬢たちは四人で相談した結果、ハンターに依頼をして人手を派遣してもらうことにした。
ちなみに依頼料はジェーンが上司を相手に謎の交渉術を発揮してハンターズソサエティの経費で落とした。
これなら四人の懐は痛まない。
依頼当日は四人はそれぞれの仕事に専念し、ハンターたちに接客をしてもらう。
一気に人数が増えるので、最初は暇な時間の方が多い人もいるだろう。
忙しくなるまでは、働きつつ皆やりたいことを探す形になる。
クリスマスイブ当日は物凄く忙しくなるだろうが、終われば打ち上げ代わりにクリスマスケーキを用意してあるので頑張って欲しい。
何ならそのままクリスマスパーティに突入しても構わない。
数日後、受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」にて接客してくれるハンターを募集する依頼がリゼリオで公開された。
リプレイ本文
●お店を手伝いに
ケーキの販売をこなして、その後のパーティーを楽しむつもりで参加した夢路 まよい(ka1328)は、ミニスカサンタの格好で、連れてきたトラオムにもサンタ衣装を着せてやってきた。
「クリスマス近くにアルバイトなんて他に一緒に過ごす相手はいないのかって? バイトはクリスマス当日までだからその辺は大丈夫……たぶん!」
レイア・アローネ(ka4082)はショーケースに飾られたクリスマスケーキを眺める。
「ほう、これがお前達の作品……『受付嬢といっしょ』か……」
「皆で作った自信作ですよ」
「……なんていうか……いや、失礼ではあるんだが……浮いてるなあ……お前……」
「ガーン」
ジェーンはコミカルに落ち込んだ。
既に態度がうさんくさい。
雪と一緒に依頼に参加しようと思っていた弓月・小太(ka4679)だったが、諸事情で連れてくることができなかった。
仕方ないので、一人で店内での販売を頑張ることにする。
最近連れて出かけられていなかったので、そういう意味も込めて一緒に参加したかったのだが。
「お出かけはご無沙汰でしたし、残念ですが……まあ、僕だけでも楽しみましょう」
受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」の売り上げを向上させるため、トリプルJ(ka6653)は今回の依頼を受けた。
「俺はとりあえず、毎朝店舗回り周辺を清掃させてもらうぜ。私服でな」
トリプルJとしてはせっかくのクリスマスなのでサンタの格好で清掃することも考えたのだが、何となく子供の夢を壊しそうな気がしたので止めた。
メイド型オートマトンらしく、フィロ(ka6966)はジェーンに向けて優雅に一礼した。
「完売するよう、出来うる限りのお手伝いをさせていただきます」
普段ならガードマン兼用のオートマトンとしても働けるだろうが、現在のフィロは前回の依頼で名誉の負傷状態にあり、あまり荒事はできない。
それでも接客ならば問題なくこなせる。
フレデリカ・ベルゲンハルト(ka7301)は、クリスマスのケーキ屋の忙しさを知っているようだ。
「この時期ともなると繁忙期としか言えませんし……来客の応対に、ケーキのデザインや工程などと、勉強になる部分はありますしお手伝いもいいかもですね」
まだ開店前なので今は静かなものだが、おそらくイヴ当日は凄まじいだろう。
開店準備が終わり、営業が始まる。
さあ、依頼の始まりだ!
●皆でケーキ販売
まよいはトラオムと一緒にケーキの売り子をする。
プレゼントを積んだフライングスレッドのソリを傍に停めて、クリスマスとサンタクロースの雰囲気を演出した。
「あ、ケーキを入れた箱をソリに山積みにしておいて、そこから販売するっていうのもアリかも?」
「実はこんなこともあろうかと、専用ショーケースを用意しております。保冷方法は氷式ですが」
「!?」
思い付きだったので却下されても仕方なかったのだが、ジェーンは謎の手回しの良さを見せた。
まよいとしては驚くばかりである。
ジェーンの友人として、レイアは手伝いに来ている。
「まよい、お前も来ていたのか。ユグディラを連れてきたのか? 私はワイバーンを連れてきたが……」
アウローラはレイアと同じく威風堂々としていた。
「うん、ケーキ屋は向かないかな……」
苦笑するレイアだった。
雪と一緒に販売をするつもりだったが、いないものは仕方ないので、小太は幻獣の愛くるしさを前面に押し出すのは、まよいに任せることにした。
ユグディラと戯れられるケーキ屋さんだ。いや、一応ワイバーンも入るだろうか。
小太は頑張るが、目立つとドキドキしてしまいついつい仲間やトラオムにの背後に隠れてしまう。
(こ、このままユグディラに目立って貰いましょう……)
しかしそれでは仕事にならないので、店の前での呼び込みをすることになった。
トリプルJは、前開け腹筋全開のサンタ服姿で客寄せと売り子を行う。
「らっしゃいらっしゃい! オフィスの森じゃクリスマス用ホールケーキを販売中だ! ハンターオフィスの名物美人受付四人が作った愛情たっぷりホールケーキ、今なら4人の砂糖菓子つきだ! ここまで来たら買わなきゃ損だぜぇ!」
背中に幟を二本差し、何となくちんどん屋を連想させる格好で、店舗前でジャグリングをして客寄せを試みる。
「客寄せするならノーマルサンタより断然こっちだぜ!」
『オフィスの森クリスマスケーキ販売中』『今だけ美人受付の砂糖菓子つき』と書かれた幟が風にはためいていた。
ホールケーキやカット済みケーキを、注文に応じてフィロは次々箱詰めして封緘していく。
「お客様の選んだケーキはこれでよろしいでしょうか。お持ち歩きの予定はどの位ですか?」
一番時間が掛かり、短縮が必要と判断したフィロは、箱詰め作業に集中した。
客から見える場所での作業なので無駄口を叩かず、笑顔を崩さないでおく。
緊張こそしているが、フレデリカはジェーンや手伝いに来た面々の手段を学びつつ自身で応用していく。
「クリスマスケーキは如何ですか? とても美味しいですよ」
温和な対応や話術で客引きを行い、エルフならではの神秘的な印象と裏腹のギャップを武器としてケーキを売り込んだ。
猫的な可愛さで、トラオムが店の外で客引きを行い、リュート「水霊の囁き」を奏で、ユグディラ式の演奏術を披露する。
旋律が午睡を誘うような優しい安らぎをもたらし、客をゆったりとした気持ちにさせた。
「あら、素敵な曲ね。ちょっと入ってみようかしら?」
「心が洗われていくみたいだよ。ちょうどクリスマスだし、買っていこうかな」
ちらほら客が店内に入っていく。
ついでなので、まよいは自分でも歌を披露することにした。
電光楽器「パラレルフォニック」を伴奏に、幻想的な歌を歌い上げ、トラオムとハーモニーを奏でる。
気付けば、店の前に人だかりができていた。
客寄せが成功し過ぎてイヴ当日は地獄になったのだが、ご愛敬である。
元々レイアは料理が得意ではない。
かといって接客はもっと苦手だ。
「私に出来る事……か。そうだ! アウローラに乗ってここまで足を運べない客達にケーキを届けたい! どうだろうか?」
ジェーンは店の奥から何やらごてごてしい謎の魔導機械を持ってきた。
「こんなこともあろうかと、飛行幻獣に乗せる魔導式宅配道具を錬金術師組合と錬魔院に頭を下げて借りてあります」
「!?」
元々リアルブルーから宅配バイクなどの知識は流れ込んでいてもおかしくないので、発想自体はあるだろう。
そして無駄にリアルブルー知識に詳しいジェーンがそれに目を付けないはずがない。
試作品のデータ取りというのが名目であった。
レイアはドリンクサービスのクーポンも配ることにした。
「店の宣伝になり、売上も伸ばせるぞ」
「あ、それならお店のチラシと一緒に作ってあります」
ジェーンが空中で飛び散らないようきっちりと梱包されたチラシの束をレイアに渡した。
「任せてくれ。店には可愛らしいユグディラが出迎えてくれると広めておく」
アウローラに乗り、空中に舞い上がった。
イヴの日は戦場だった。
「確かにこれを受付の皆様だけで行うのは無理がありすぎます。次はどうぞもっと早くからお手伝いをさせていただければと思います」
業務を終え、フィロはジェーンに一礼する。
トリプルJは売上を確認した。
「で、どうだったんだ? 在庫とか売り上げとかよ?」
文句なしの完売だ。
赤面しながらも最後まで頑張って呼び込みをこなした小太は、恥ずかしさで若干ふらふらしながら店に戻った。
「なんだかんだで一緒に来てたらきっと、雪も人気になってましたねぇ。もふもふは正義ですしぃ」
一息ついて、小太は火照った頬を冷ます。
「はふ、予想以上に人がいっぱいでした。後は……パーティーだけでしょうかぁ。こちらは存分に楽しみましょうぉ」
クリスマスパーティの準備が始まった。
●楽しいクリスマスを
最終日の営業を終えれば、後は楽しいクリスマスパーティだ。
レイアがまだ戻っていないが、先に準備を進めることにする。
ジュースの買い出しやグリューワイン作成はフィロが率先して行った。
「此方が私の本分ですので、どうぞ遠慮なくお申し付け下さい」
クラッカーやクリームチーズ、ジャムやサラミやアンチョビを持込み、パーティ開始直前に手早くピンチョスを作成した。
物作りはフレデリカの領分だ。
料理面でも例外ではない。
「フィロさんが摘まめるものを作ってくださっていますが、後はケーキだけというのも何ですし、クリスマスチキンを焼きましょうか」
ジェーンの鶴の一声で、クリスマスチキン作りと相成った。
皆でクリスマスパーティのための、部屋の飾りつけを行う。
クリスマスパーティーの手伝いに際し、料理スキルも備わっているのでフレデリカも勉強を兼ねつつ手伝った。
「我ながらいい焼き上がりです」
チキンが焼き上がると同時に、自作のケーキ作りを試みようとしていたフレデリカに、ジェーンが頼み事をする。
どうやら幻獣用のケーキも一緒に作って欲しいらしい。
勉強も兼ねてフレデリカは引き受け、注文通りケーキを完成させた。
クリームチーズを塗ったクラッカーに、フィロはジャムやサラミやアンチョビを置いてトレイに並べていく。
「甘い物はケーキがあると思いましたので、手早く摘まめるピンチョスを用意させていただきました」
準備が完了し、皆席に着く。
クラッカーが一斉に鳴らされた。
「メリークリスマース! いやあ、お客さんいっぱいで大変だったねえ」
これでも「受付嬢といっしょ」をチケットとたくさん交換して、まよいは応援していたのだ。
「なんといっても、材料集めからジェーンと一緒に頑張ったもんね。まあ、その材料集めでエアハンターをジェーンが幻視してたのはご愛嬌として……。今回は寂しくないくらいは人手が集まってくれたし、良かったじゃない」
「あの時のことは忘れてください……」
ジェーンは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして引きつった笑顔のまま俯いた。
レアな表情である。
本当なら雪を連れて参加して、小太はケーキを取ってあげたり、食べたそうにしてる食事を取ってあげたりしたかったのだが、いないものはいないので諦めてパーティを楽しむことにした。
まよいが一年を思い返す。
「それにしても、この一年は色々あったねえ。クリスマスって年の終わりごろだから、ついつい一年を振り返っちゃうね。思い返せば、芋を食べ、芋を食べ、秋刀魚を食べ……あれ、割と食べてばっかり?」
考え込んで、まよいは気にしないことにしたようだ。
「まあ、そんなことよりもケーキを食べよう!」
ケーキが切り分けられていく。
ようやくレイアが最後の移動販売を終えて戻ってきて、パーティに合流した。
ドラゴンとハンターが運ぶクリスマスケーキということで評判になり、レイアの移動販売は毎日最後まで飛ぶように売れていたのだ。
アウローラを怖がられないように気をつけたが、むしろ子供に大好評だったらしい。
「お疲れ様だ。手伝えなくてすまないな」
「その分何度もケーキの移動販売で飛び回ってくださったので、大丈夫ですよ」
切り分けたケーキを各自の皿に置きながら、ジェーンが微笑む。
「ケーキを食わせてやるのは初めてだが……アウローラも食えるのかな?」
「ああ、フレデリカさんに作ってもらったものがありますよ。トラオムさん、雪さんのもあります」
ジェーンが別のクリスマスケーキを三つ持ってきた。
「材料は幻獣でも食べられる食材なのできっと美味しいはずです」
アウローラ、トラオム、雪の前に、クリスマスケーキが置かれた。
ちなみに体格を考え、アウローラにはワンホールサイズである。
パーティが盛り上がり、その場の勢いで何か芸をすることになった。
「ふ、ふぇ!? げ、芸ですかぁ。え、えと、東方の曲くらいしかできませんが大丈夫でしょうかねぇ」
小太は楽器演奏、その中でも雅楽を選択して披露する。
雅楽は得意なので、これなら即興でもなんとかなるはずだ。
(雪もいれば、横で踊ってもらってみたりしたかったですねぇ)
見事に演奏をこなしながら、残念に思う小太だった。
トリプルJがピニャータを持ってきていた。
「うちの方じゃ十六日から二十四日までにやるお遊びだ。この棘々が七つの大罪を表したくす玉で、中には菓子が詰まってる。これを吊るして目隠しのまま叩き割ってお菓子を分け合うってお遊びさ。皆でやらねえか」
当然、やらないはずがない。
心行くまで皆で楽しんだ。
●メリークリスマス
パーティが終わると、恋人未満、友達以上の相手のために、小太は取っておいたケーキを買ってから帰った。
「クリスマスですし一緒に食べられるといいですけどもぉ。あ、そうだ。雪のためにケーキを貰っていきましょう」
小太はジェーンの言葉をしっかり覚えていたので、雪の分のケーキが用意されていたことを知っているのだ。
「ふふ、きっと喜びますよぉ」
どうやらジェーンは小太が言い出すことを予想していたらしく、雪の分のケーキはきちんと箱詰めしてあり、封緘されて、クリスマスプレゼントの包装紙でラッピングまでされていた。
「気に入ってくれるようでしたら、また用意してあげたいですねぇ」
足取り軽く、小太はケーキを手に店を後にして帰宅する。
全員が帰宅し、受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」の店舗から明かりが消える。
こうして、依頼も無事に終わりクリスマスイヴは静かに更けていった。
ケーキの販売をこなして、その後のパーティーを楽しむつもりで参加した夢路 まよい(ka1328)は、ミニスカサンタの格好で、連れてきたトラオムにもサンタ衣装を着せてやってきた。
「クリスマス近くにアルバイトなんて他に一緒に過ごす相手はいないのかって? バイトはクリスマス当日までだからその辺は大丈夫……たぶん!」
レイア・アローネ(ka4082)はショーケースに飾られたクリスマスケーキを眺める。
「ほう、これがお前達の作品……『受付嬢といっしょ』か……」
「皆で作った自信作ですよ」
「……なんていうか……いや、失礼ではあるんだが……浮いてるなあ……お前……」
「ガーン」
ジェーンはコミカルに落ち込んだ。
既に態度がうさんくさい。
雪と一緒に依頼に参加しようと思っていた弓月・小太(ka4679)だったが、諸事情で連れてくることができなかった。
仕方ないので、一人で店内での販売を頑張ることにする。
最近連れて出かけられていなかったので、そういう意味も込めて一緒に参加したかったのだが。
「お出かけはご無沙汰でしたし、残念ですが……まあ、僕だけでも楽しみましょう」
受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」の売り上げを向上させるため、トリプルJ(ka6653)は今回の依頼を受けた。
「俺はとりあえず、毎朝店舗回り周辺を清掃させてもらうぜ。私服でな」
トリプルJとしてはせっかくのクリスマスなのでサンタの格好で清掃することも考えたのだが、何となく子供の夢を壊しそうな気がしたので止めた。
メイド型オートマトンらしく、フィロ(ka6966)はジェーンに向けて優雅に一礼した。
「完売するよう、出来うる限りのお手伝いをさせていただきます」
普段ならガードマン兼用のオートマトンとしても働けるだろうが、現在のフィロは前回の依頼で名誉の負傷状態にあり、あまり荒事はできない。
それでも接客ならば問題なくこなせる。
フレデリカ・ベルゲンハルト(ka7301)は、クリスマスのケーキ屋の忙しさを知っているようだ。
「この時期ともなると繁忙期としか言えませんし……来客の応対に、ケーキのデザインや工程などと、勉強になる部分はありますしお手伝いもいいかもですね」
まだ開店前なので今は静かなものだが、おそらくイヴ当日は凄まじいだろう。
開店準備が終わり、営業が始まる。
さあ、依頼の始まりだ!
●皆でケーキ販売
まよいはトラオムと一緒にケーキの売り子をする。
プレゼントを積んだフライングスレッドのソリを傍に停めて、クリスマスとサンタクロースの雰囲気を演出した。
「あ、ケーキを入れた箱をソリに山積みにしておいて、そこから販売するっていうのもアリかも?」
「実はこんなこともあろうかと、専用ショーケースを用意しております。保冷方法は氷式ですが」
「!?」
思い付きだったので却下されても仕方なかったのだが、ジェーンは謎の手回しの良さを見せた。
まよいとしては驚くばかりである。
ジェーンの友人として、レイアは手伝いに来ている。
「まよい、お前も来ていたのか。ユグディラを連れてきたのか? 私はワイバーンを連れてきたが……」
アウローラはレイアと同じく威風堂々としていた。
「うん、ケーキ屋は向かないかな……」
苦笑するレイアだった。
雪と一緒に販売をするつもりだったが、いないものは仕方ないので、小太は幻獣の愛くるしさを前面に押し出すのは、まよいに任せることにした。
ユグディラと戯れられるケーキ屋さんだ。いや、一応ワイバーンも入るだろうか。
小太は頑張るが、目立つとドキドキしてしまいついつい仲間やトラオムにの背後に隠れてしまう。
(こ、このままユグディラに目立って貰いましょう……)
しかしそれでは仕事にならないので、店の前での呼び込みをすることになった。
トリプルJは、前開け腹筋全開のサンタ服姿で客寄せと売り子を行う。
「らっしゃいらっしゃい! オフィスの森じゃクリスマス用ホールケーキを販売中だ! ハンターオフィスの名物美人受付四人が作った愛情たっぷりホールケーキ、今なら4人の砂糖菓子つきだ! ここまで来たら買わなきゃ損だぜぇ!」
背中に幟を二本差し、何となくちんどん屋を連想させる格好で、店舗前でジャグリングをして客寄せを試みる。
「客寄せするならノーマルサンタより断然こっちだぜ!」
『オフィスの森クリスマスケーキ販売中』『今だけ美人受付の砂糖菓子つき』と書かれた幟が風にはためいていた。
ホールケーキやカット済みケーキを、注文に応じてフィロは次々箱詰めして封緘していく。
「お客様の選んだケーキはこれでよろしいでしょうか。お持ち歩きの予定はどの位ですか?」
一番時間が掛かり、短縮が必要と判断したフィロは、箱詰め作業に集中した。
客から見える場所での作業なので無駄口を叩かず、笑顔を崩さないでおく。
緊張こそしているが、フレデリカはジェーンや手伝いに来た面々の手段を学びつつ自身で応用していく。
「クリスマスケーキは如何ですか? とても美味しいですよ」
温和な対応や話術で客引きを行い、エルフならではの神秘的な印象と裏腹のギャップを武器としてケーキを売り込んだ。
猫的な可愛さで、トラオムが店の外で客引きを行い、リュート「水霊の囁き」を奏で、ユグディラ式の演奏術を披露する。
旋律が午睡を誘うような優しい安らぎをもたらし、客をゆったりとした気持ちにさせた。
「あら、素敵な曲ね。ちょっと入ってみようかしら?」
「心が洗われていくみたいだよ。ちょうどクリスマスだし、買っていこうかな」
ちらほら客が店内に入っていく。
ついでなので、まよいは自分でも歌を披露することにした。
電光楽器「パラレルフォニック」を伴奏に、幻想的な歌を歌い上げ、トラオムとハーモニーを奏でる。
気付けば、店の前に人だかりができていた。
客寄せが成功し過ぎてイヴ当日は地獄になったのだが、ご愛敬である。
元々レイアは料理が得意ではない。
かといって接客はもっと苦手だ。
「私に出来る事……か。そうだ! アウローラに乗ってここまで足を運べない客達にケーキを届けたい! どうだろうか?」
ジェーンは店の奥から何やらごてごてしい謎の魔導機械を持ってきた。
「こんなこともあろうかと、飛行幻獣に乗せる魔導式宅配道具を錬金術師組合と錬魔院に頭を下げて借りてあります」
「!?」
元々リアルブルーから宅配バイクなどの知識は流れ込んでいてもおかしくないので、発想自体はあるだろう。
そして無駄にリアルブルー知識に詳しいジェーンがそれに目を付けないはずがない。
試作品のデータ取りというのが名目であった。
レイアはドリンクサービスのクーポンも配ることにした。
「店の宣伝になり、売上も伸ばせるぞ」
「あ、それならお店のチラシと一緒に作ってあります」
ジェーンが空中で飛び散らないようきっちりと梱包されたチラシの束をレイアに渡した。
「任せてくれ。店には可愛らしいユグディラが出迎えてくれると広めておく」
アウローラに乗り、空中に舞い上がった。
イヴの日は戦場だった。
「確かにこれを受付の皆様だけで行うのは無理がありすぎます。次はどうぞもっと早くからお手伝いをさせていただければと思います」
業務を終え、フィロはジェーンに一礼する。
トリプルJは売上を確認した。
「で、どうだったんだ? 在庫とか売り上げとかよ?」
文句なしの完売だ。
赤面しながらも最後まで頑張って呼び込みをこなした小太は、恥ずかしさで若干ふらふらしながら店に戻った。
「なんだかんだで一緒に来てたらきっと、雪も人気になってましたねぇ。もふもふは正義ですしぃ」
一息ついて、小太は火照った頬を冷ます。
「はふ、予想以上に人がいっぱいでした。後は……パーティーだけでしょうかぁ。こちらは存分に楽しみましょうぉ」
クリスマスパーティの準備が始まった。
●楽しいクリスマスを
最終日の営業を終えれば、後は楽しいクリスマスパーティだ。
レイアがまだ戻っていないが、先に準備を進めることにする。
ジュースの買い出しやグリューワイン作成はフィロが率先して行った。
「此方が私の本分ですので、どうぞ遠慮なくお申し付け下さい」
クラッカーやクリームチーズ、ジャムやサラミやアンチョビを持込み、パーティ開始直前に手早くピンチョスを作成した。
物作りはフレデリカの領分だ。
料理面でも例外ではない。
「フィロさんが摘まめるものを作ってくださっていますが、後はケーキだけというのも何ですし、クリスマスチキンを焼きましょうか」
ジェーンの鶴の一声で、クリスマスチキン作りと相成った。
皆でクリスマスパーティのための、部屋の飾りつけを行う。
クリスマスパーティーの手伝いに際し、料理スキルも備わっているのでフレデリカも勉強を兼ねつつ手伝った。
「我ながらいい焼き上がりです」
チキンが焼き上がると同時に、自作のケーキ作りを試みようとしていたフレデリカに、ジェーンが頼み事をする。
どうやら幻獣用のケーキも一緒に作って欲しいらしい。
勉強も兼ねてフレデリカは引き受け、注文通りケーキを完成させた。
クリームチーズを塗ったクラッカーに、フィロはジャムやサラミやアンチョビを置いてトレイに並べていく。
「甘い物はケーキがあると思いましたので、手早く摘まめるピンチョスを用意させていただきました」
準備が完了し、皆席に着く。
クラッカーが一斉に鳴らされた。
「メリークリスマース! いやあ、お客さんいっぱいで大変だったねえ」
これでも「受付嬢といっしょ」をチケットとたくさん交換して、まよいは応援していたのだ。
「なんといっても、材料集めからジェーンと一緒に頑張ったもんね。まあ、その材料集めでエアハンターをジェーンが幻視してたのはご愛嬌として……。今回は寂しくないくらいは人手が集まってくれたし、良かったじゃない」
「あの時のことは忘れてください……」
ジェーンは恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして引きつった笑顔のまま俯いた。
レアな表情である。
本当なら雪を連れて参加して、小太はケーキを取ってあげたり、食べたそうにしてる食事を取ってあげたりしたかったのだが、いないものはいないので諦めてパーティを楽しむことにした。
まよいが一年を思い返す。
「それにしても、この一年は色々あったねえ。クリスマスって年の終わりごろだから、ついつい一年を振り返っちゃうね。思い返せば、芋を食べ、芋を食べ、秋刀魚を食べ……あれ、割と食べてばっかり?」
考え込んで、まよいは気にしないことにしたようだ。
「まあ、そんなことよりもケーキを食べよう!」
ケーキが切り分けられていく。
ようやくレイアが最後の移動販売を終えて戻ってきて、パーティに合流した。
ドラゴンとハンターが運ぶクリスマスケーキということで評判になり、レイアの移動販売は毎日最後まで飛ぶように売れていたのだ。
アウローラを怖がられないように気をつけたが、むしろ子供に大好評だったらしい。
「お疲れ様だ。手伝えなくてすまないな」
「その分何度もケーキの移動販売で飛び回ってくださったので、大丈夫ですよ」
切り分けたケーキを各自の皿に置きながら、ジェーンが微笑む。
「ケーキを食わせてやるのは初めてだが……アウローラも食えるのかな?」
「ああ、フレデリカさんに作ってもらったものがありますよ。トラオムさん、雪さんのもあります」
ジェーンが別のクリスマスケーキを三つ持ってきた。
「材料は幻獣でも食べられる食材なのできっと美味しいはずです」
アウローラ、トラオム、雪の前に、クリスマスケーキが置かれた。
ちなみに体格を考え、アウローラにはワンホールサイズである。
パーティが盛り上がり、その場の勢いで何か芸をすることになった。
「ふ、ふぇ!? げ、芸ですかぁ。え、えと、東方の曲くらいしかできませんが大丈夫でしょうかねぇ」
小太は楽器演奏、その中でも雅楽を選択して披露する。
雅楽は得意なので、これなら即興でもなんとかなるはずだ。
(雪もいれば、横で踊ってもらってみたりしたかったですねぇ)
見事に演奏をこなしながら、残念に思う小太だった。
トリプルJがピニャータを持ってきていた。
「うちの方じゃ十六日から二十四日までにやるお遊びだ。この棘々が七つの大罪を表したくす玉で、中には菓子が詰まってる。これを吊るして目隠しのまま叩き割ってお菓子を分け合うってお遊びさ。皆でやらねえか」
当然、やらないはずがない。
心行くまで皆で楽しんだ。
●メリークリスマス
パーティが終わると、恋人未満、友達以上の相手のために、小太は取っておいたケーキを買ってから帰った。
「クリスマスですし一緒に食べられるといいですけどもぉ。あ、そうだ。雪のためにケーキを貰っていきましょう」
小太はジェーンの言葉をしっかり覚えていたので、雪の分のケーキが用意されていたことを知っているのだ。
「ふふ、きっと喜びますよぉ」
どうやらジェーンは小太が言い出すことを予想していたらしく、雪の分のケーキはきちんと箱詰めしてあり、封緘されて、クリスマスプレゼントの包装紙でラッピングまでされていた。
「気に入ってくれるようでしたら、また用意してあげたいですねぇ」
足取り軽く、小太はケーキを手に店を後にして帰宅する。
全員が帰宅し、受付嬢のケーキ屋さん「オフィスの森」の店舗から明かりが消える。
こうして、依頼も無事に終わりクリスマスイヴは静かに更けていった。
依頼結果
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面白かった! | 4人 |
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ケーキ販売 レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/12/21 02:23:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/12/20 20:11:45 |