ゲスト
(ka0000)
ささやかな新年会
マスター:樹シロカ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~2人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/01/09 22:00
- 完成日
- 2019/01/24 00:59
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●ポルトワール、『金色のカモメ亭』にて
メリンダ・ドナーティ(kz0041)が店の扉を開けると、野太い声が明るく出迎えた。
「いらっしゃ~い! あらメリンダじゃない、早く入んなさいヨ」
「どうも……よいしょっと! はいこれ、頼まれたものよ」
カウンターから勝手に入り込んだ厨房に、メリンダは大きな荷物を置いた。
「あらありがと! 助かるワ、あんたの村のハーブ、使いやすいんだもの」
嬉しそうに荷物を改めるのは、この店『金色のカモメ亭』の主、ジャン=マリア・オネスティ。
三十前のがっしりした体格の男で、派手なフリルのエプロンをつけ、背中まである金髪を1本みつあみにしてカラフルなおリボンを結んでいるのが店でのスタイルだ。
「どういたしまして。……お店、ずいぶんきれいに直ったわね」
メリンダがカウンターに腰かけ、周囲を見回す。
「気持ち悪いわよネー。口止め料ってコトでしょ。まあ軍のせいなのは間違いないんだろうケド?」
「私がその辺の手続きを頑張ったことは、認めてほしいわ」
メリンダの笑顔が張り付いたようなものになる。
少し前、この店は質の悪い客に酷く荒らされてしまった。
その客と同盟軍が無関係ではなかったため、修理費用が補償されたという訳だ。
そしてその陰には、メリンダの涙ぐましい根回しもあったのだ。
「それで、この人が何とか村の村長さんなのネ?」
ジャンがメリンダの連れてきたサイモン・小川(kz0211)に笑顔を向ける。
「初めまして、バチャーレ村の代表をしておりますサイモン・小川と申します。今日はお世話になります」
サイモンは如才ない笑みを浮かべて会釈する。
ジャンが飲み物をふたりの前に置いた。
「今日は楽しんでいってネ。お店がキレイになったお祝いがまだだったから、新年会のついでなのヨ」
「何か手伝うわよ? といってもお皿洗いぐらいだけどね」
メリンダがグラスを手にする。
「そうね、当てにしてるワ。そのうち他のお客サマもくるだろうし」
「あら、貸切じゃなかったのね」
「だいたいは顔見知りヨ。でも、商店会のくじ引きの景品にも出したから、初めてのお客サマもいるかもネ」
そしてジャンは、サイモンに片目をつぶって見せた。
「だから気楽にしていってネ。後でバチャーレ村のお話なんかも聞かせてほしいワ」
街が賑わいに包まれる頃、他のお客も『金色のカモメ亭』に姿を見せる。
メリンダ・ドナーティ(kz0041)が店の扉を開けると、野太い声が明るく出迎えた。
「いらっしゃ~い! あらメリンダじゃない、早く入んなさいヨ」
「どうも……よいしょっと! はいこれ、頼まれたものよ」
カウンターから勝手に入り込んだ厨房に、メリンダは大きな荷物を置いた。
「あらありがと! 助かるワ、あんたの村のハーブ、使いやすいんだもの」
嬉しそうに荷物を改めるのは、この店『金色のカモメ亭』の主、ジャン=マリア・オネスティ。
三十前のがっしりした体格の男で、派手なフリルのエプロンをつけ、背中まである金髪を1本みつあみにしてカラフルなおリボンを結んでいるのが店でのスタイルだ。
「どういたしまして。……お店、ずいぶんきれいに直ったわね」
メリンダがカウンターに腰かけ、周囲を見回す。
「気持ち悪いわよネー。口止め料ってコトでしょ。まあ軍のせいなのは間違いないんだろうケド?」
「私がその辺の手続きを頑張ったことは、認めてほしいわ」
メリンダの笑顔が張り付いたようなものになる。
少し前、この店は質の悪い客に酷く荒らされてしまった。
その客と同盟軍が無関係ではなかったため、修理費用が補償されたという訳だ。
そしてその陰には、メリンダの涙ぐましい根回しもあったのだ。
「それで、この人が何とか村の村長さんなのネ?」
ジャンがメリンダの連れてきたサイモン・小川(kz0211)に笑顔を向ける。
「初めまして、バチャーレ村の代表をしておりますサイモン・小川と申します。今日はお世話になります」
サイモンは如才ない笑みを浮かべて会釈する。
ジャンが飲み物をふたりの前に置いた。
「今日は楽しんでいってネ。お店がキレイになったお祝いがまだだったから、新年会のついでなのヨ」
「何か手伝うわよ? といってもお皿洗いぐらいだけどね」
メリンダがグラスを手にする。
「そうね、当てにしてるワ。そのうち他のお客サマもくるだろうし」
「あら、貸切じゃなかったのね」
「だいたいは顔見知りヨ。でも、商店会のくじ引きの景品にも出したから、初めてのお客サマもいるかもネ」
そしてジャンは、サイモンに片目をつぶって見せた。
「だから気楽にしていってネ。後でバチャーレ村のお話なんかも聞かせてほしいワ」
街が賑わいに包まれる頃、他のお客も『金色のカモメ亭』に姿を見せる。
リプレイ本文
●
ピカピカの扉を開けると、ジャンの野太い声が出迎える。
「あら、いらっしゃ~い♪ ゆっくりしていってネ!」
マチルダ・スカルラッティ(ka4172)が招待状をちょっと気取って差し出した。
「フェリス・アーニョ~♪」
「新年おめでとう! ささ、どうぞどうぞ!」
椅子を引くジャンに、マチルダはこそっと耳打ちする。
「お店、直ってよかった。私もちょっと暴れさせてもらったからね、綺麗になってよかったよ」
事件を知らない人もいる。マチルダはなるべく小声で囁く。
「暴れたなんて。皆にはホント、助けてもらったのヨ」
ジャンが片目をつぶる。
「それとヴァネッサさん、後で顔を出すって」
「あら、それは嬉しいわネ」
メリンダが紅茶を運んできて、マチルダの隣に座る。
「新年おめでとうございます」
「メリンダさんもお疲れさま。ん、と。ないほうがいいんだけど、また何か妖しい動きがあったら、是非知らせてね」
ここから始まった事件を、きっとメリンダはまだ胸に抱えている。
マチルダはそう思っていた。
「ありがとうございます。そのときには頼らせてくださいね」
メリンダは穏やかに微笑んだ。
扉のベルが鳴り、次のお客が顔を出す。
「折角のご招待だ、遠慮なくお邪魔することにしたよ」
ヴァージル・チェンバレン(ka1989)はお土産の花束をジャンに渡す。
「あら、グロリオサ。ステキ、さっそく飾るわ!」
それから、さりげなく店内を見回すヴァージルに囁いた。
「待ち人? そのうち来るらしいわヨ」
火焔のような花を1つ抜き取り、ヴァージルの胸に飾る。
「ここでは乱闘や、仕事の相談ばかりだったからな。落ち着いて食事するのは初めてかもしれん。楽しませてもらおう」
ヴァージルは伊達男らしい笑みを口元に浮かべた。
マリィア・バルデス(ka5848)は店に入り、物珍しそうに見渡す。
「あら、なかなか素敵なお店じゃない。くじが当たってラッキーだったわ」
「褒めてもらって嬉しいワ」
迎え出たジャンに、マリィアは山盛りのジンジャークッキーが入った籠をプレゼント。
「私の国だと、聖クヌートの日まではクリスマスツリーを飾っているのよね。折角の新年会だし、ペッパカーカが1番かなって思ったのよ」
「可愛いわネ! クリスマスツリー代わりの花の傍に飾って、皆で頂きましょ」
窓際に置いた花の下に、籠も収まった。
「新年おめでとう!」
ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)は、上機嫌でジャンの肩を叩く。
「新年早々くじ引きが当たるとは、今年は運が開けているな! 中には見知った顔もいるようだし、おっ、美女たちも……俺は何てついているんだ!」
仕立ての良いスーツをアクセサリーでスチームパンク風に決めて、華やかな模様のストールをかけている。
しかも銀髪は複雑に盛り上げ、オレンジと緑の飾りをあしらった。……鏡餅インスパイアである。
控えめに言って、歩く『ソウルトーチ』だ。
「今日のお召し、とってもファビュラスでマーベラスなのヨ! ヴァリオスの紳士も羨むプレシャスでエレガントな着こなしだワ~♪」
「そのエプロンも中々にクールだな! 今日は新装開店の祝いなんだってな、いやめでたい」
ふたりは意気投合したらしい。
天王寺茜(ka4080)とパトリシア=K=ポラリス(ka5996)も元気よくご挨拶。
「こんにちはー。商店街で、新年会の招待券を貰ってきましたっ」
「ジャンのお料理を食べに来たダヨ~♪」
ジャンは目をキラキラさせる。
「あっら~、可愛い衣装ね!!」
茜は雪のように輝く白い着物を身につけていた。金糸と紅糸の咲き誇る花々がいかにもおめでたい。
パトリシアも着物姿で、こちらは淡い黄色の地に鮮やかな花が一面に咲き乱れる。
メリンダも興味津々という様子で、ふたりの周りをぐるぐる回る。
「素敵ですね! リボンもとっても豪華だわ」
「これはネ、オビっていうのヨ! アカネが着つけてくれたんダヨ」
茜はそこで目を見張る。
「あれ? ルトガーさん……それにサイモンさんまで!」
「先にお邪魔しています」
サイモンが少し離れたところで手を振った。
「あけましておめでとうございます。今年も良い一年になりますように」
「おめでとうございます。それにしても着物かあ。華やかでいいもんですねえ」
若干おっさん臭い発言に、茜は小さく笑う。
「こっちだと着る機会もないし、ちょっと思い切ってみました」
「よくお似合いですよ。僕も紋付でも着るべきだったかな」
茜はその姿を一瞬想像し、笑い出しそうになるのをどうにか耐えた。
●
「皆、グラスはある? OK? じゃあ乾杯♪」
「「「かんぱーい」」」
賑やかな声と共に、新年会が始まった。
テーブルには、ジャン自慢の魚介の煮込み料理その他のごちそうや飲み物が並ぶ。
ルトガーは料理を口に運び、ジャンに声をかけた。
「美味いな……料理はどこかで修業したのか?」
「近くのお店でネ。顔見知りの料理人に弟子入りしたのヨ。でもネ、そろそろ新しいお料理も仕入れたいわ」
「新しい料理か。ハンターに依頼を出して見たらどうだ? 結構料理の得意な奴もいると思うが」
「うちの部隊は何かにつけパーティやってたのよね。勿論料理は自作持込みで」
マリィアが懐かしそうに微笑む。
「だからRBの有名な季節料理は結構作れるわよ? 後で作る? それともレシピを渡す?」
「レシピをもらえたら試してみたいワ。メモを持ってくるわネ!」
身を翻す動きの機敏さを見て、マリィアは隣のメリンダに確認する。
「店主さんも、もしかして元軍人さんかしら」
「ふふっわかりますか?」
戻ってきたジャンに改めて尋ねる。
「元は軍人さんなんですってね。失礼でなければ、以前どこの軍に所属していたかお伺いしても?」
「ココよ!」
ジャンがメリンダの背中をつつく。つつかれたほうは遠い目。
「私達士官学校の学生たちには、男女とも憧れの先輩だったのよねえ。それが……」
「制服はね。眺めるモノであって、着るモノではなかったのヨ」
どこまで本気かわからないことを語るジャン。ヴァージルが向かいの席でグラスを掲げた。
「そういう考え方は面白いな。確かに軍人にはあまり向いていなかったようだ」
「デショ? 白も青も嫌いじゃないけど、年中同じ色ばっかりで飽きちゃったワ」
「そうか。じゃあ白以外、何か料理に合うワインを見繕ってもらえるか?」
「あら喜んで。これなんかどうかしら?」
ヴァージルのグラスに、ジャンが赤ワインを注ぐ。
マリィアは軽く肩をすくめた。
「それは残念……いえ、ごめんなさい。貴方がRBの軍人さんだったら、ここを在郷軍人会の拠点にしてもらえるんじゃないかと勝手に思ったのよ」
リアルブルー出身のハンターには、元軍人の経歴を持つ者が少なくないが、交流は途絶えがちだ。
「元軍人が気軽に立ち寄れるような場所があったらいいなって。ここは交通の便も悪くないし」
ジャンは面白そうに耳を傾けていた。
「でも軍人って、元の階級にこだわるじゃない? RBの人が集まる場所なら、軍人限定じゃないほうが楽しいわヨ」
「こういう人なんです。だから階級も軍歴もずっと下の私に、呼び捨てのタメ口でないと店に入れないっていうんですよ」
メリンダがくすくす笑う。サイモンが横から口を挟んだ。
「交流なら、うちの村にもどうぞ遊びに来てください。紅も蒼も元軍属も農業のプロも、色々いますよ」
「……バチャーレ村は少々遠いからと思って。でも考えてみようかしら」
「ええ、是非。私も戦闘要員ではないですが、元軍属です」
「そうなの? その頃のお話も聞かせてもらえるかしら」
マリィアはレシピを書きながら、サイモンの話を促す。
茜は風呂敷包みから漆塗りの器を取り出した。
「あの、これ良かったら」
「すごい、栗金団だ! よく材料が揃いましたね」
サイモンの驚いたような声に、ジャンが不思議そうな顔をする。
「クリキントン?」
「はい。RBの、日本っていう国で新年のお祝いに出すもので……黄金色、財宝を表す縁起物で商売繁盛や金運を願って食べるんです」
新装開店のお祝いにぴったりだ。
「嬉しいワ。味見してもいい?」
「ええもちろん!」
甘さとほっくりとした芋の味が、口いっぱいに広がる。
「とっても上品なスイーツだワ! どうやって作るのかしら」
「色付けはクチナシですよね? どこで作ってるんだろう」
ジャンとサイモンが口々に尋ねるので、茜は説明に忙しかった。
●
パトリシアはタスキ姿も勇ましく、店内をくるくると動き回る。
「ルトガ、お酌もしましょネ~♪」
「おおすまん。だが自分もしっかり食べるんだぞ」
「ダイジョブよ。お腹いっぱい、ちょっと減らしてるトコ」
歌うようにそう言うと、今度は小鳥のようにひらりと身を翻す。
食器類を裏に運び、マチルダに声をかけた。
「マチーもちゃんと楽しんでる? ごちそう食べたカナ?」
マチルダは洗い物の手を休め、顔を上げる。
「うん、しっかり食べたよ。ちょっとたまった分を片付けてただけ」
「皆いい子ネ。でも今日はお客様なのヨ」
ジャンは追加の料理を準備していた。
「ジャンさん、そのお魚はどんな味になるのかな。トマト? バジル? それともレモンかな」
「メリンダの村のハーブが届いたから、香草焼きにするワ。いい香りなのヨ。ああそういえば、サイモンの村のレモンもあったわネ」
「じゃあ私、レモンを飾り用に切っておくね。いい?」
「もちろんよ! 助かるワ」
厨房も随分と賑やかだ。
表では、順に余興を披露する段になった。
マチルダは律儀にぺこりと頭を下げる。
「差し入れに、ダンスを踊ります」
披露するのは、故郷の伝統舞踊。
タンバリンを片手にリズミカルに床を踏み鳴らすと、お客たちは喜んで手拍子をあわせた。
「別嬪さんの華やかな衣装にダンス。新年会ってのはいいもんだな」
ルトガーは目を細めて手拍子に加わる。
「そういえば皆元気にしているか?」
サイモン相手に、バチャーレ村の様子を尋ねたのだ。
「ええ。アニタさんの子供たちも元気いっぱいです。お父さんを取り合って大騒ぎですよ」
ルトガーは一瞬、どこか遠くを見るような目をした。
「子供は元気なのが一番だ。何より、旦那が村に溶け込めるならアニタも一安心だろう。マリナはどうだ?」
「頑張っていますよ。元々責任感の強い人ですから」
「聖導士が村にいるのは心強いな」
ルトガーはそれ以上、何も言わなかった。サイモンの心配を、言葉にして確認する必要も感じなかった。
音もなくやってきた人影に、ヴァージルがグラスを上げて見せる。
「遅かったじゃないか」
ヴァネッサはフードの陰で小さく笑う。
「折角の縁だ、仕事の絡まん個人的な付き合いもしてみたいものだね」
新しいグラスにワインを注ぎ入れる。
「例えばどんな酒が好きか。どんな料理が好きか。手始めにそんなところかな」
「人に尋ねるときは自分からって教わらなかったか?」
そこに料理の皿が置かれる。
「お邪魔だったかな。ヴァネッサさん、来てくれてありがとうね」
マチルダの挨拶に、ヴァネッサが隣に座れと示した。
「可愛いお嬢さんのお招きだからね、喜んでお邪魔するよ」
「参ったな。俺のほうがお邪魔虫か? どう思う、メリンダは」
いきなり声をかけられて、メリンダが思わず背筋を伸ばす。
「助けてもらえないか? 形勢不利だ」
軍隊嫌いのヴァネッサに、軍人にも嫌な奴ばかりじゃないことを知ってもらおうという思惑だ。
別にヴァージルは高潔な平和主義ではない。
ただ色々な人間がいれば、何かまた面白いことが起きるかもしれないと期待しているだけだ。
ジャンはその意を知ってか、奥から出てきた。
「そのお魚、メリンダが持ってきてくれた地元のハーブを使ってるの。美味しいわヨ」
ヴァネッサはふっと微笑むと、料理を口に運んだ。
「……いい味だよ」
●
招待客のほとんどが帰り、最後に残ったハンター達は夜食にありついた。
「ジャンの、ポルトのお料理。やっぱり美味しいんダヨ〜♪」
パトリシアは満足そうに料理を頬張る。
「パティ、こっちのお魚おいしいわよ。交換する?」
茜の提案に、パトリシアはすぐに乗った。
「わい。じゃあ、こっちのシチューもあげるヨ。……アカネ、今年もいっぱい、ご一緒できタラいいな」
「うん、お仕事も遊びも、いっぱい一緒にね」
ふたりは嬉しそうに笑いあう。
「あ、ソレから。メリンダとはお酒を飲むのが楽しみ♪ 11月18日を過ぎたらネ? 約束よ?」
「はい、約束ですよ。今から楽しみですね」
「アカネやルトガ、ヴァージルにマリナやサイモン……みんなとも乾杯したいなぁ♪」
パティは祈る。その日にみんなが元気でありますように。楽しく笑えていますように。
いよいよお開きという段になって、マチルダが提案する。
「記念写真を撮ったら面白いかなって」
「いいわネ!」
ジャンがさっそく立ち上がると、メリンダは裏へダッシュ。
「待って、化粧直しさせて!!」
「そんなの一緒ヨ!」
酷い発言である。
「じゃあ撮るよ。あ、もう少し集まって……そうそう」
マチルダがタイマーをセットし、自分も走ってきて収まった。
「皆が嫌じゃなかったら、お店に飾らせてネ。あ、そうそう」
ジャンが小さな封筒をマチルダとパトリシアと茜に配る。
「気持ちだけのオトシダマ! 未成年者に配るって、さっきサイモンに聞いたワ」
ジャンも、ハンターにとって大した金額でないことは承知の上だ。
それでもお互いに、くすぐったいような気持ちで笑いあう。
ヴァージルはヴァネッサを呼び止めた。
「もう遅い。適当なところまで送ろう」
ヴァネッサは目を丸くしている。ポルトワールはヴァネッサの街なのだ。
「悪さをするつもりは無いし、疾影士だから撒こうと思えば撒けるだろう? ただ……」
ヴァージルの顔に、茶目っ気と照れ笑いのようなものが浮かぶ。
「こんな夜は少し紳士を気取ってみたいだけでな。少し付き合ってくれんかね」
「物好きな男だ、全く」
ヴァネッサがヴァージルの胸の花を抜き取り、先に立って歩き始めた。
ヴァージルはすぐに追いつき、並んで歩く。
「皆さんもお気をつけ……」
サイモンが言いかけて、やめた。よく考えれば、一番戦闘力がないのが自分だ。
パトリシアはくすくす笑う。
「サイモンは、今年の目標はなぁに? ……きっと、またいろいろおきて、忙しくなるんダヨ」
「……なるべく平穏に過ごしたいですね」
サイモンが苦笑いで頭を掻き、一同は笑い出す。
「困った事があったら、いつでもお手伝い行くからネ。もちろん、困った事がなくても、遊びに行くネ♪」
「そちらの件は大歓迎です。いつでも遊びに来てください」
新しい年の初めに、交わす約束。
願わくば、優しい約束が守られますように。
冴え冴えと輝く星に願いをかけながら、それぞれの帰途につく。
<了>
ピカピカの扉を開けると、ジャンの野太い声が出迎える。
「あら、いらっしゃ~い♪ ゆっくりしていってネ!」
マチルダ・スカルラッティ(ka4172)が招待状をちょっと気取って差し出した。
「フェリス・アーニョ~♪」
「新年おめでとう! ささ、どうぞどうぞ!」
椅子を引くジャンに、マチルダはこそっと耳打ちする。
「お店、直ってよかった。私もちょっと暴れさせてもらったからね、綺麗になってよかったよ」
事件を知らない人もいる。マチルダはなるべく小声で囁く。
「暴れたなんて。皆にはホント、助けてもらったのヨ」
ジャンが片目をつぶる。
「それとヴァネッサさん、後で顔を出すって」
「あら、それは嬉しいわネ」
メリンダが紅茶を運んできて、マチルダの隣に座る。
「新年おめでとうございます」
「メリンダさんもお疲れさま。ん、と。ないほうがいいんだけど、また何か妖しい動きがあったら、是非知らせてね」
ここから始まった事件を、きっとメリンダはまだ胸に抱えている。
マチルダはそう思っていた。
「ありがとうございます。そのときには頼らせてくださいね」
メリンダは穏やかに微笑んだ。
扉のベルが鳴り、次のお客が顔を出す。
「折角のご招待だ、遠慮なくお邪魔することにしたよ」
ヴァージル・チェンバレン(ka1989)はお土産の花束をジャンに渡す。
「あら、グロリオサ。ステキ、さっそく飾るわ!」
それから、さりげなく店内を見回すヴァージルに囁いた。
「待ち人? そのうち来るらしいわヨ」
火焔のような花を1つ抜き取り、ヴァージルの胸に飾る。
「ここでは乱闘や、仕事の相談ばかりだったからな。落ち着いて食事するのは初めてかもしれん。楽しませてもらおう」
ヴァージルは伊達男らしい笑みを口元に浮かべた。
マリィア・バルデス(ka5848)は店に入り、物珍しそうに見渡す。
「あら、なかなか素敵なお店じゃない。くじが当たってラッキーだったわ」
「褒めてもらって嬉しいワ」
迎え出たジャンに、マリィアは山盛りのジンジャークッキーが入った籠をプレゼント。
「私の国だと、聖クヌートの日まではクリスマスツリーを飾っているのよね。折角の新年会だし、ペッパカーカが1番かなって思ったのよ」
「可愛いわネ! クリスマスツリー代わりの花の傍に飾って、皆で頂きましょ」
窓際に置いた花の下に、籠も収まった。
「新年おめでとう!」
ルトガー・レイヴンルフト(ka1847)は、上機嫌でジャンの肩を叩く。
「新年早々くじ引きが当たるとは、今年は運が開けているな! 中には見知った顔もいるようだし、おっ、美女たちも……俺は何てついているんだ!」
仕立ての良いスーツをアクセサリーでスチームパンク風に決めて、華やかな模様のストールをかけている。
しかも銀髪は複雑に盛り上げ、オレンジと緑の飾りをあしらった。……鏡餅インスパイアである。
控えめに言って、歩く『ソウルトーチ』だ。
「今日のお召し、とってもファビュラスでマーベラスなのヨ! ヴァリオスの紳士も羨むプレシャスでエレガントな着こなしだワ~♪」
「そのエプロンも中々にクールだな! 今日は新装開店の祝いなんだってな、いやめでたい」
ふたりは意気投合したらしい。
天王寺茜(ka4080)とパトリシア=K=ポラリス(ka5996)も元気よくご挨拶。
「こんにちはー。商店街で、新年会の招待券を貰ってきましたっ」
「ジャンのお料理を食べに来たダヨ~♪」
ジャンは目をキラキラさせる。
「あっら~、可愛い衣装ね!!」
茜は雪のように輝く白い着物を身につけていた。金糸と紅糸の咲き誇る花々がいかにもおめでたい。
パトリシアも着物姿で、こちらは淡い黄色の地に鮮やかな花が一面に咲き乱れる。
メリンダも興味津々という様子で、ふたりの周りをぐるぐる回る。
「素敵ですね! リボンもとっても豪華だわ」
「これはネ、オビっていうのヨ! アカネが着つけてくれたんダヨ」
茜はそこで目を見張る。
「あれ? ルトガーさん……それにサイモンさんまで!」
「先にお邪魔しています」
サイモンが少し離れたところで手を振った。
「あけましておめでとうございます。今年も良い一年になりますように」
「おめでとうございます。それにしても着物かあ。華やかでいいもんですねえ」
若干おっさん臭い発言に、茜は小さく笑う。
「こっちだと着る機会もないし、ちょっと思い切ってみました」
「よくお似合いですよ。僕も紋付でも着るべきだったかな」
茜はその姿を一瞬想像し、笑い出しそうになるのをどうにか耐えた。
●
「皆、グラスはある? OK? じゃあ乾杯♪」
「「「かんぱーい」」」
賑やかな声と共に、新年会が始まった。
テーブルには、ジャン自慢の魚介の煮込み料理その他のごちそうや飲み物が並ぶ。
ルトガーは料理を口に運び、ジャンに声をかけた。
「美味いな……料理はどこかで修業したのか?」
「近くのお店でネ。顔見知りの料理人に弟子入りしたのヨ。でもネ、そろそろ新しいお料理も仕入れたいわ」
「新しい料理か。ハンターに依頼を出して見たらどうだ? 結構料理の得意な奴もいると思うが」
「うちの部隊は何かにつけパーティやってたのよね。勿論料理は自作持込みで」
マリィアが懐かしそうに微笑む。
「だからRBの有名な季節料理は結構作れるわよ? 後で作る? それともレシピを渡す?」
「レシピをもらえたら試してみたいワ。メモを持ってくるわネ!」
身を翻す動きの機敏さを見て、マリィアは隣のメリンダに確認する。
「店主さんも、もしかして元軍人さんかしら」
「ふふっわかりますか?」
戻ってきたジャンに改めて尋ねる。
「元は軍人さんなんですってね。失礼でなければ、以前どこの軍に所属していたかお伺いしても?」
「ココよ!」
ジャンがメリンダの背中をつつく。つつかれたほうは遠い目。
「私達士官学校の学生たちには、男女とも憧れの先輩だったのよねえ。それが……」
「制服はね。眺めるモノであって、着るモノではなかったのヨ」
どこまで本気かわからないことを語るジャン。ヴァージルが向かいの席でグラスを掲げた。
「そういう考え方は面白いな。確かに軍人にはあまり向いていなかったようだ」
「デショ? 白も青も嫌いじゃないけど、年中同じ色ばっかりで飽きちゃったワ」
「そうか。じゃあ白以外、何か料理に合うワインを見繕ってもらえるか?」
「あら喜んで。これなんかどうかしら?」
ヴァージルのグラスに、ジャンが赤ワインを注ぐ。
マリィアは軽く肩をすくめた。
「それは残念……いえ、ごめんなさい。貴方がRBの軍人さんだったら、ここを在郷軍人会の拠点にしてもらえるんじゃないかと勝手に思ったのよ」
リアルブルー出身のハンターには、元軍人の経歴を持つ者が少なくないが、交流は途絶えがちだ。
「元軍人が気軽に立ち寄れるような場所があったらいいなって。ここは交通の便も悪くないし」
ジャンは面白そうに耳を傾けていた。
「でも軍人って、元の階級にこだわるじゃない? RBの人が集まる場所なら、軍人限定じゃないほうが楽しいわヨ」
「こういう人なんです。だから階級も軍歴もずっと下の私に、呼び捨てのタメ口でないと店に入れないっていうんですよ」
メリンダがくすくす笑う。サイモンが横から口を挟んだ。
「交流なら、うちの村にもどうぞ遊びに来てください。紅も蒼も元軍属も農業のプロも、色々いますよ」
「……バチャーレ村は少々遠いからと思って。でも考えてみようかしら」
「ええ、是非。私も戦闘要員ではないですが、元軍属です」
「そうなの? その頃のお話も聞かせてもらえるかしら」
マリィアはレシピを書きながら、サイモンの話を促す。
茜は風呂敷包みから漆塗りの器を取り出した。
「あの、これ良かったら」
「すごい、栗金団だ! よく材料が揃いましたね」
サイモンの驚いたような声に、ジャンが不思議そうな顔をする。
「クリキントン?」
「はい。RBの、日本っていう国で新年のお祝いに出すもので……黄金色、財宝を表す縁起物で商売繁盛や金運を願って食べるんです」
新装開店のお祝いにぴったりだ。
「嬉しいワ。味見してもいい?」
「ええもちろん!」
甘さとほっくりとした芋の味が、口いっぱいに広がる。
「とっても上品なスイーツだワ! どうやって作るのかしら」
「色付けはクチナシですよね? どこで作ってるんだろう」
ジャンとサイモンが口々に尋ねるので、茜は説明に忙しかった。
●
パトリシアはタスキ姿も勇ましく、店内をくるくると動き回る。
「ルトガ、お酌もしましょネ~♪」
「おおすまん。だが自分もしっかり食べるんだぞ」
「ダイジョブよ。お腹いっぱい、ちょっと減らしてるトコ」
歌うようにそう言うと、今度は小鳥のようにひらりと身を翻す。
食器類を裏に運び、マチルダに声をかけた。
「マチーもちゃんと楽しんでる? ごちそう食べたカナ?」
マチルダは洗い物の手を休め、顔を上げる。
「うん、しっかり食べたよ。ちょっとたまった分を片付けてただけ」
「皆いい子ネ。でも今日はお客様なのヨ」
ジャンは追加の料理を準備していた。
「ジャンさん、そのお魚はどんな味になるのかな。トマト? バジル? それともレモンかな」
「メリンダの村のハーブが届いたから、香草焼きにするワ。いい香りなのヨ。ああそういえば、サイモンの村のレモンもあったわネ」
「じゃあ私、レモンを飾り用に切っておくね。いい?」
「もちろんよ! 助かるワ」
厨房も随分と賑やかだ。
表では、順に余興を披露する段になった。
マチルダは律儀にぺこりと頭を下げる。
「差し入れに、ダンスを踊ります」
披露するのは、故郷の伝統舞踊。
タンバリンを片手にリズミカルに床を踏み鳴らすと、お客たちは喜んで手拍子をあわせた。
「別嬪さんの華やかな衣装にダンス。新年会ってのはいいもんだな」
ルトガーは目を細めて手拍子に加わる。
「そういえば皆元気にしているか?」
サイモン相手に、バチャーレ村の様子を尋ねたのだ。
「ええ。アニタさんの子供たちも元気いっぱいです。お父さんを取り合って大騒ぎですよ」
ルトガーは一瞬、どこか遠くを見るような目をした。
「子供は元気なのが一番だ。何より、旦那が村に溶け込めるならアニタも一安心だろう。マリナはどうだ?」
「頑張っていますよ。元々責任感の強い人ですから」
「聖導士が村にいるのは心強いな」
ルトガーはそれ以上、何も言わなかった。サイモンの心配を、言葉にして確認する必要も感じなかった。
音もなくやってきた人影に、ヴァージルがグラスを上げて見せる。
「遅かったじゃないか」
ヴァネッサはフードの陰で小さく笑う。
「折角の縁だ、仕事の絡まん個人的な付き合いもしてみたいものだね」
新しいグラスにワインを注ぎ入れる。
「例えばどんな酒が好きか。どんな料理が好きか。手始めにそんなところかな」
「人に尋ねるときは自分からって教わらなかったか?」
そこに料理の皿が置かれる。
「お邪魔だったかな。ヴァネッサさん、来てくれてありがとうね」
マチルダの挨拶に、ヴァネッサが隣に座れと示した。
「可愛いお嬢さんのお招きだからね、喜んでお邪魔するよ」
「参ったな。俺のほうがお邪魔虫か? どう思う、メリンダは」
いきなり声をかけられて、メリンダが思わず背筋を伸ばす。
「助けてもらえないか? 形勢不利だ」
軍隊嫌いのヴァネッサに、軍人にも嫌な奴ばかりじゃないことを知ってもらおうという思惑だ。
別にヴァージルは高潔な平和主義ではない。
ただ色々な人間がいれば、何かまた面白いことが起きるかもしれないと期待しているだけだ。
ジャンはその意を知ってか、奥から出てきた。
「そのお魚、メリンダが持ってきてくれた地元のハーブを使ってるの。美味しいわヨ」
ヴァネッサはふっと微笑むと、料理を口に運んだ。
「……いい味だよ」
●
招待客のほとんどが帰り、最後に残ったハンター達は夜食にありついた。
「ジャンの、ポルトのお料理。やっぱり美味しいんダヨ〜♪」
パトリシアは満足そうに料理を頬張る。
「パティ、こっちのお魚おいしいわよ。交換する?」
茜の提案に、パトリシアはすぐに乗った。
「わい。じゃあ、こっちのシチューもあげるヨ。……アカネ、今年もいっぱい、ご一緒できタラいいな」
「うん、お仕事も遊びも、いっぱい一緒にね」
ふたりは嬉しそうに笑いあう。
「あ、ソレから。メリンダとはお酒を飲むのが楽しみ♪ 11月18日を過ぎたらネ? 約束よ?」
「はい、約束ですよ。今から楽しみですね」
「アカネやルトガ、ヴァージルにマリナやサイモン……みんなとも乾杯したいなぁ♪」
パティは祈る。その日にみんなが元気でありますように。楽しく笑えていますように。
いよいよお開きという段になって、マチルダが提案する。
「記念写真を撮ったら面白いかなって」
「いいわネ!」
ジャンがさっそく立ち上がると、メリンダは裏へダッシュ。
「待って、化粧直しさせて!!」
「そんなの一緒ヨ!」
酷い発言である。
「じゃあ撮るよ。あ、もう少し集まって……そうそう」
マチルダがタイマーをセットし、自分も走ってきて収まった。
「皆が嫌じゃなかったら、お店に飾らせてネ。あ、そうそう」
ジャンが小さな封筒をマチルダとパトリシアと茜に配る。
「気持ちだけのオトシダマ! 未成年者に配るって、さっきサイモンに聞いたワ」
ジャンも、ハンターにとって大した金額でないことは承知の上だ。
それでもお互いに、くすぐったいような気持ちで笑いあう。
ヴァージルはヴァネッサを呼び止めた。
「もう遅い。適当なところまで送ろう」
ヴァネッサは目を丸くしている。ポルトワールはヴァネッサの街なのだ。
「悪さをするつもりは無いし、疾影士だから撒こうと思えば撒けるだろう? ただ……」
ヴァージルの顔に、茶目っ気と照れ笑いのようなものが浮かぶ。
「こんな夜は少し紳士を気取ってみたいだけでな。少し付き合ってくれんかね」
「物好きな男だ、全く」
ヴァネッサがヴァージルの胸の花を抜き取り、先に立って歩き始めた。
ヴァージルはすぐに追いつき、並んで歩く。
「皆さんもお気をつけ……」
サイモンが言いかけて、やめた。よく考えれば、一番戦闘力がないのが自分だ。
パトリシアはくすくす笑う。
「サイモンは、今年の目標はなぁに? ……きっと、またいろいろおきて、忙しくなるんダヨ」
「……なるべく平穏に過ごしたいですね」
サイモンが苦笑いで頭を掻き、一同は笑い出す。
「困った事があったら、いつでもお手伝い行くからネ。もちろん、困った事がなくても、遊びに行くネ♪」
「そちらの件は大歓迎です。いつでも遊びに来てください」
新しい年の初めに、交わす約束。
願わくば、優しい約束が守られますように。
冴え冴えと輝く星に願いをかけながら、それぞれの帰途につく。
<了>
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相談卓 マチルダ・スカルラッティ(ka4172) 人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2019/01/09 21:39:40 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/01/05 17:00:27 |