ゲスト
(ka0000)
Kind Nap
マスター:風亜智疾

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2019/03/09 19:00
- 完成日
- 2019/10/04 18:15
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
■オフィスにて
「住民が眠りについた村?」
オフィスで馴染みの受付担当、バルトロから会話を聞いたディーノ・オルトリーニ(kz0148)は眉を顰めた。
会話と共に手渡された資料に目を通し首を捻る。
「『先行したハンター3名の内2名が帰還せず』……」
「あぁ。だが、残る1名は何とか帰ってきた。だが、現在昏睡状態で治療中だ」
這うようにして戻ってきたその1名が言うには、どうやら残る2名は該当の村で敵と遭遇し眠りについてしまったらしい。
赤い目を細め、ディーノは思案する。
それ自体は敵の攻撃によるものである可能性が高い。ほぼ100%そうだといって間違いないだろう。
鈍くはない己の感もそう告げている。
「しかしどうして『眠らせる』だけなんだろうなぁ」
バルトロの不思議そうな声に、ディーノは当然のように呟く。
「長期間生かしながら搾取する。簡単に言ってしまえば『贄』のようなものだ」
「すぐに殺さず少しずつ、ってか。残酷なこって」
「同盟内が騒がしいこの時だからこそ、雑魔も活発に動いてるんだろう」
そういえば、とかつて自分が引率を引き受けた依頼を思い出す。
あの時は確か、鳥のような形で幻覚を見せてくる敵だった。何とか逃げ帰り、再び戦場にハンターたちを連れて行ったのは紛れもない自分だったからだ。
「……今回もか」
「悪いな」
つまり、引率を引き受けろと。そういうことなのだろう。
後身を育てるのがディーノの主な活動になりつつあるのは間違いない。
だが、もう今現役第一線で戦っているハンターを育てる、という必要など自分にはない気がしていたのだが。
「……ナビゲート、と最悪の場合引きずって帰る。それが俺の仕事だな?」
「あぁ。頼んだ」
まだこの中年にも、やれることがどうやらあるらしい。
■眠りについた村
山深くにあるその村は、ただただ静かに時を刻んでいた。
生き物全てが眠りにつき、物音ひとつない。
村に入ってすぐの開けた場所に倒れた男が2名。装備からしてハンターだろう。
彼らもまた、ただ昏々と眠りについている。
――その上空で、不気味な球体が3体。一定の間隔で光を発しつつふわふわと浮かんでいた。
「住民が眠りについた村?」
オフィスで馴染みの受付担当、バルトロから会話を聞いたディーノ・オルトリーニ(kz0148)は眉を顰めた。
会話と共に手渡された資料に目を通し首を捻る。
「『先行したハンター3名の内2名が帰還せず』……」
「あぁ。だが、残る1名は何とか帰ってきた。だが、現在昏睡状態で治療中だ」
這うようにして戻ってきたその1名が言うには、どうやら残る2名は該当の村で敵と遭遇し眠りについてしまったらしい。
赤い目を細め、ディーノは思案する。
それ自体は敵の攻撃によるものである可能性が高い。ほぼ100%そうだといって間違いないだろう。
鈍くはない己の感もそう告げている。
「しかしどうして『眠らせる』だけなんだろうなぁ」
バルトロの不思議そうな声に、ディーノは当然のように呟く。
「長期間生かしながら搾取する。簡単に言ってしまえば『贄』のようなものだ」
「すぐに殺さず少しずつ、ってか。残酷なこって」
「同盟内が騒がしいこの時だからこそ、雑魔も活発に動いてるんだろう」
そういえば、とかつて自分が引率を引き受けた依頼を思い出す。
あの時は確か、鳥のような形で幻覚を見せてくる敵だった。何とか逃げ帰り、再び戦場にハンターたちを連れて行ったのは紛れもない自分だったからだ。
「……今回もか」
「悪いな」
つまり、引率を引き受けろと。そういうことなのだろう。
後身を育てるのがディーノの主な活動になりつつあるのは間違いない。
だが、もう今現役第一線で戦っているハンターを育てる、という必要など自分にはない気がしていたのだが。
「……ナビゲート、と最悪の場合引きずって帰る。それが俺の仕事だな?」
「あぁ。頼んだ」
まだこの中年にも、やれることがどうやらあるらしい。
■眠りについた村
山深くにあるその村は、ただただ静かに時を刻んでいた。
生き物全てが眠りにつき、物音ひとつない。
村に入ってすぐの開けた場所に倒れた男が2名。装備からしてハンターだろう。
彼らもまた、ただ昏々と眠りについている。
――その上空で、不気味な球体が3体。一定の間隔で光を発しつつふわふわと浮かんでいた。
リプレイ本文
■到着
村に到着したハンターたちは、敵が三体いるということから、体力やバッドステータスの回復を出来る者を中心として三班に分かれて行動する。
さらに眠らされることは避けないとならない。そのスキル自体は遮蔽物なども透過するため、ハンター個人個人の抵抗する力に頼らざるを得ない。それを助けるためのスキルは十分装備していた。
建物は壊さないことは無論のこと。中に誰かがいるか否かだけでなく、村人に迷惑をかける行為であるのだから。
ルカ(ka0962)は前もって【ゴッドブレス】の効果があるかは確認しておいた。しかし、反応が芳しくなかった。そのため、ディーノ・オルトリーニ(kz0148)の言通り、眠らされた人たちがどうなるかは依頼を解決するまでわからないようだった。
「回復と盾役は任せてください」
ルカは聖盾「コギト」をしっかりと持つ一方で、血糊を持っていた。敵が半透明で見えづらいという情報があるからだ。半透明の雑魔に血糊はつける為である。
星野 ハナ(ka5852)はルカとともに行動する。
「今回は【呪詛返し】が大活躍ですぅ……たぶん?」
つぶやき首を傾げる。敵がどのように行動するかなどわからないけれども、話を聞く限りでは重要なスキルだと考えられる。
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)は村の中を覗き込み、それを見つける。一メートルあたりにふわふわ浮かぶそれは視認できる。
「半透明の玉……ジャパニーズスイーツわらび餅みたいだな……とはいえ、食えたもんじゃないだろうし、油断すると痛い目を見せ王だから気を引き締めて行こう」
それには異論は出ない。
ソナ(ka1352)は敵のスキルや眠りに付いている人たちの様子が気になっていた。逃げてこられたということで雑魔の持つ眠りの影響は毒のようなものなのか、眠りに付いている人の期間によっては体調に影響があるのではという心配もある。
「体力も持つかわかりませんし、早く起こして差し上げたいです」
コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)は攻撃の準備をしつつ、状況を一刀する。
「敵の発光は視覚効果ではなく、一種の魔法のようなものだろう。逃げていても状況は変わらん。迷わず攻め込むしか選択肢はない」
遮蔽物も効果がなく屋内にいてもスキルの影響春と言う。
鞍馬 真(ka5819)は共に行動する二人の言葉にうなずく。村全体を眠らせるとなると、結構強力な雑魔なんだろうね。高位の歪虚ではなさそうとはいえ、油断は禁物だね」
真はディーノに向く。
「いざという時は頼むよ」
「そうならない方がいいがな」
ハンターたちは無論そのつもりだが、不測の事態はどこで起こるかわからないのだ。だからこそのディーノという引率者がいるのだ。
ツィスカ・V・アルトホーフェン(ka5835)は情報から行動を慎重に考えていた。
「ミイラ取りがミイラに……なんてのはごめん被りたいですね。ディーノ氏にも、今一度得体のしれぬものを味合わせるわけにはいきませんから」
ツィスカは以前あったことを思い出していたのか、より気を引き締める。
ペイント弾の用意は忘れない。半透明の雑魔が逃げるようならば、目印に打ち込むつもりだった。
ディーナ・フェルミ(ka5843)は星神器「ウゴンバサラ」を抱き締めるように持つ。
「負のマテリアルが継続的に作用しているならフォーティアンで【ピュリフィケーション】が効くかなって思ったの」
それを試すにはまず敵を倒す必要がある。だからこそ、ディーナはウゴンバサラの力を用いるのだ。
■討伐
ハンターたちは村に足を踏み入れる。
雑魔の姿は入り口から視認できる位置にいるが、油断をすると見失いかねない。
村入ってすぐの開けたところに二人の男が倒れている。装備からして先行して入ったハンターだろう。
雑魔に対して用心しつつ、ルカとソナがそれぞれ診る。二人の男は触っても深い眠りの縁にあり、目覚める気配はない。
「ディーノさんに引き渡して保護をお願いしておきますか?」
ルカは尋ねる。
村人も外に倒れている。この人たちを村の外に出すか否かということにも通じる問題だ。
ただ、そういう行動をとれば雑魔たちも気づき、見逃してはくれないだろう。
村への被害を最小限に考えつつ、雑魔討伐を優先させる。
「寝ているだけとはいえ、飲まず食わずじゃ住民も弱ってるだろ。今日中に終わらせないとな」
レイオスも心配なのは眠らされている人たちの安否であり、健康状態だ。
敵のスキルについてはおおよそ聞いている。そのため、眠らされるスキルについては十重二十重に用心はしてきていた。
なによりも、スキルを使わせる前に倒せればいい。
その上で、ソナは自身とルカ、ディーナに【ゴッドブレス】を掛けておく。これにより、一定の時間、敵のステータスへの影響のあるスキルは無効化につながる。
敵は比較的近いところにまとまっているとはいえ、戦闘になった場合、離れない保証はない。
「急ごう。敵が見えているうちに、倒そう」
真が言うが早く、雑魔の一体に向かい走り出す。それに続きコーネリアとソナが続く。回り込むように進むと、コーネリアがヘビーガンドリングを構えた。
ツィスカとディーナが雑魔一体に向かう。色を付けるものを持つ者が限られているため、ツィスカは積極的に攻撃をすることになる。
「ペイント弾での着色……責任重大ですね」
「そうなの。でも、大丈夫、いっくのー」
ディーナがツィスカの背中を押した後、自身は星神器のスキル【トールハンマー】を起動した。そして、間合いを詰める。
ルカは敵を逃がさないことを考え、全力で前に出る。
「これで色を付けます!」
盾の影で血糊をたたきつける準備をする。
レイオスは名状しがたきニオイ玉を使うには仲間の鼻も巻き込みそうだったため、見送り【マーキス・ソング】を開始する。それに続き、直接攻撃をするために距離を詰めるが、ある程度、距離が詰まったところで【アンコール】に載せ【アイデアル・ソング】を用いた。雑魔に対する意識が強化される。
なお、どこに村人が倒れているか意識した。もし、戦いに巻き込んだ場合、かばう必要がある。
「傲慢だろうが、異世界産だろうが、雑魔は雑魔ですぅ、さっさと落ちるですぅ!」
符を握りしめたハナがその横をすり抜けた。スキルの範囲を考えると、ある程度間合を詰めないとならない。
雑魔たちもハンターの存在に気づく。囲まれている状況となっているが、それは意識にはなかった。
マテリアル豊富なハンターを見逃すということは決してありえないと行動を開始する。
眠ってももらうために。
まばゆい光を発する、穏やかに、優しく、動植物にぬくもりを与えるように。
ルカや真など前に出ていた者に緊張が走る。むろん、敵の行動を見越しての準備はしてある。しかし、敵の攻撃がどういうものかわかっていないのだから、必要な緊張だ。
抵抗や、あらかじめかけていたスキルにより事なきを得る。
「我々が無防備でこの村に来ると思っていたか? 貴様らの手口など百も承知だ」
コーネリアは雑魔をあおった。
「同時に発光するということは、連携しているのかな?」
真は目の前で敵の行動を見て分析する。一体でも早く倒すことが重要だ。
ハンターたちは分けた班や役割を意識し、雑魔一体一体に攻撃を仕掛ける。
真は【星影の唄】で仲間を鼓舞する。雑魔の眠らせてくるスキルに対して、回復方法がない状況なため、眠らないことに重点を置く必要がある。その上で、【ソウルエッジ】【二刀流】を用いていく。
ソナが【プルガトリオ】を放つ。闇の刃が雑魔を縫い付ける。
コーネリアはヘビーガンドリングの持つ力も引き出し【制圧射撃】を行う。
回避などの行動をとっているが、雑魔の位置を変えなかった。
ツィスカのペイント弾付き【制圧射撃】の後、ディーナが【トールハンマー】で敵をたたく。
「ディーナさん!?」
「なるべくたたくのを優先したいのっ! 一体でも落ちれば楽になるの、たぶん」
ツィスカは慎重さも考えるが、半透明で見失う危険性等も加味すると、ディーナの判断も大切な一つととらえた。ならば、ディーナを補助し、倒すことに注力する。
レイオスは【マーキス・ソング】を開始し、【ソウルエッジ】で強化した闘旋剣で攻撃をする。
ルカは血糊をぶつけておく。もし、雑魔が逃げるならば、目印になるようにと考えていた。
命中したため、敵の動きを注視する。眠らせてくるだけでなく、棘のようなものと出すと事前に報告をもらっていたこともある。仲間をその脅威から守るためにも、前にいる。
ハナは敵の行動を考え、まずは数を減らすこと注力する。そのため【五色光符陣】を放つ。すぐに符を補充することは忘れなかった。
雑魔たちは鋭い棘のようなものを出した。
雑魔たちと接する位置にいたハンターたちは回避もしくは受けを余儀なくされる。しかし、それは大した脅威ではなかった。
むしろ、真やレイオスの【リバースエッジ】が雑魔に叩き込まれる。
雑魔たちの動きはスキルの効果や受けた攻撃により弱っているようだった。
真は敵が逃げるそぶりなど見せないことから、攻撃が効いているということもあり、歌舞を維持したまま二刀により攻撃を重なねる。
ソナは状況から逃がさないことに重点を置き【プルガトリオ】を放つ。
レイオスは歌舞を維持したまま、攻撃を重ねる。村人が近くにいないのならば、早く倒すほうがいい。
ディーナはウゴンバサラを振るう。
ハナの回りで符が舞い、光が散る。
ルカは味方への被害がない状況なため【プルガトリオ】を放った。
「ただの球体の分際で狼藉するのはここまでだ。貴様らこそ永遠の眠りに付くがいい」
コーネリアは【ナイトメアサンダー】を放つ。
ツィスカの【デルタレイ】が残る雑魔を消し去った。
ディーノの推定通り、眠りは解けたようだった。
■治療
ツィスカは敵が非効率な行動をとっていたことを考えていた。
人間を眠らせたいのなら単独行動で眠らせて行ったほうが早いだろう。
「群体だったのでしょうか?」
その解は難しい。浄化が必要か見極める為、村を見回った。
ソナは倒れている人の状況を見ていく。
目を覚ましている人よりも、目が覚めるのが遅い人の方が心配だった。
「雑魔がいなくなったら、と言うわけではないのでしょうか?」
脈を診る。
「深い眠りですね……」
どうやら、後から眠りに付いたほうが、早く目を覚ましている可能性はある。やはり、負のマテリアルの影響からの抜けやすさにあるのかもしれない。【ゴッドブレス】もしくは【ピュアフィケーション】を使うことで、より早く目を覚ますだろうと推測できた。
そのため、そのスキルを持つ者と手分けして負のマテリアル軽減や回復を施す必要はあるかもしれなかった。
ルカは村の被害状況を見る。
目を覚ました人が状況が分からず、慌てていることもあった。
「雑魔は倒しましたから安心してください」
ルカは静かに説明し、安堵させる。屋内の被害状況まではわからないが、助けた村人から状況を聞き、見回りに戻った。
ディーナは村の状況を見て回る。どこから敵が入ってきたのかが気になったのだ。その方向に負のマテリアルが溜まっている所もあるかもしれない。
すぐに目を覚まし、話せる状況の村人に問う。しかし、明確な答えは出てこなかった。
半透明で、光の加減では目の錯覚にも見えるだろう相手だ。それが敵か否か、判断する前に攻撃を受けたととらえられる証言だった。
今考えればそれかと思われる物の証言をたどれば、山からだろう。
「よく、わからないの」
ディーナは調べた結果、疑問符を脳裡に浮かべることになった。
コーネリアは敵を滅ぼしたが、雑魔の来た道が気になるハンターもいるため、彼女も見回りをした。
雑魔がさらにいる等の異変はなかった。
ハナは外で倒れている村人を救護する。教会か集会所に運ぼうと考えるが、敵が倒れたことで目を覚ます人もいるし、救護する他のハンターもいる。
雑魔の出所の調査をする。
「歪虚の転移門があるとか、神霊樹の植樹が必要とかそういう事態もあると思うんですぅ。最近、近辺によくわからないオブジェができたとか、近づきがたい場所ができたとかありますぅ?」
贄のように人間を扱っていたということもあり、背後が気になるところだった。
幸いなことに、ハナが想像していたことはなかった。世界が不安定なために、雑魔にも影響があったのかもしれないと推定するだけに留まる。
レイオスはスープを作って配ることにした。
「調査や救援が来るまで時間はかかるだろうし」
眠りに付いていただけとはいえ、それでも体力は消耗していく。胃に優しいものが良いだろうし、滋養やぬくもりもある。
真は見回りに行く。敵を倒したことで目が覚めたのか否かの確認のために。
怪我人への対応や混乱する人がいれば説明が必要だと考えていた。目は覚めても混乱している人はいる。人が眠っていく様を見ていた人は特に混乱するだろう。
「落ち着いて。原因だった雑魔は倒したから」
真の説明により、ハンターがいるということで、その事実を知り村人は安堵したのだった。そういった村人が増え、徐々に安堵から歓喜につながる。
ハンターたちのおかげで、雑魔は討伐された。
ディーノは後進の成長を見て喜ぶべきでもあり、寂しいことでもあるかもしれないと思い、見つめた。
(代筆:狐野径)
村に到着したハンターたちは、敵が三体いるということから、体力やバッドステータスの回復を出来る者を中心として三班に分かれて行動する。
さらに眠らされることは避けないとならない。そのスキル自体は遮蔽物なども透過するため、ハンター個人個人の抵抗する力に頼らざるを得ない。それを助けるためのスキルは十分装備していた。
建物は壊さないことは無論のこと。中に誰かがいるか否かだけでなく、村人に迷惑をかける行為であるのだから。
ルカ(ka0962)は前もって【ゴッドブレス】の効果があるかは確認しておいた。しかし、反応が芳しくなかった。そのため、ディーノ・オルトリーニ(kz0148)の言通り、眠らされた人たちがどうなるかは依頼を解決するまでわからないようだった。
「回復と盾役は任せてください」
ルカは聖盾「コギト」をしっかりと持つ一方で、血糊を持っていた。敵が半透明で見えづらいという情報があるからだ。半透明の雑魔に血糊はつける為である。
星野 ハナ(ka5852)はルカとともに行動する。
「今回は【呪詛返し】が大活躍ですぅ……たぶん?」
つぶやき首を傾げる。敵がどのように行動するかなどわからないけれども、話を聞く限りでは重要なスキルだと考えられる。
レイオス・アクアウォーカー(ka1990)は村の中を覗き込み、それを見つける。一メートルあたりにふわふわ浮かぶそれは視認できる。
「半透明の玉……ジャパニーズスイーツわらび餅みたいだな……とはいえ、食えたもんじゃないだろうし、油断すると痛い目を見せ王だから気を引き締めて行こう」
それには異論は出ない。
ソナ(ka1352)は敵のスキルや眠りに付いている人たちの様子が気になっていた。逃げてこられたということで雑魔の持つ眠りの影響は毒のようなものなのか、眠りに付いている人の期間によっては体調に影響があるのではという心配もある。
「体力も持つかわかりませんし、早く起こして差し上げたいです」
コーネリア・ミラ・スペンサー(ka4561)は攻撃の準備をしつつ、状況を一刀する。
「敵の発光は視覚効果ではなく、一種の魔法のようなものだろう。逃げていても状況は変わらん。迷わず攻め込むしか選択肢はない」
遮蔽物も効果がなく屋内にいてもスキルの影響春と言う。
鞍馬 真(ka5819)は共に行動する二人の言葉にうなずく。村全体を眠らせるとなると、結構強力な雑魔なんだろうね。高位の歪虚ではなさそうとはいえ、油断は禁物だね」
真はディーノに向く。
「いざという時は頼むよ」
「そうならない方がいいがな」
ハンターたちは無論そのつもりだが、不測の事態はどこで起こるかわからないのだ。だからこそのディーノという引率者がいるのだ。
ツィスカ・V・アルトホーフェン(ka5835)は情報から行動を慎重に考えていた。
「ミイラ取りがミイラに……なんてのはごめん被りたいですね。ディーノ氏にも、今一度得体のしれぬものを味合わせるわけにはいきませんから」
ツィスカは以前あったことを思い出していたのか、より気を引き締める。
ペイント弾の用意は忘れない。半透明の雑魔が逃げるようならば、目印に打ち込むつもりだった。
ディーナ・フェルミ(ka5843)は星神器「ウゴンバサラ」を抱き締めるように持つ。
「負のマテリアルが継続的に作用しているならフォーティアンで【ピュリフィケーション】が効くかなって思ったの」
それを試すにはまず敵を倒す必要がある。だからこそ、ディーナはウゴンバサラの力を用いるのだ。
■討伐
ハンターたちは村に足を踏み入れる。
雑魔の姿は入り口から視認できる位置にいるが、油断をすると見失いかねない。
村入ってすぐの開けたところに二人の男が倒れている。装備からして先行して入ったハンターだろう。
雑魔に対して用心しつつ、ルカとソナがそれぞれ診る。二人の男は触っても深い眠りの縁にあり、目覚める気配はない。
「ディーノさんに引き渡して保護をお願いしておきますか?」
ルカは尋ねる。
村人も外に倒れている。この人たちを村の外に出すか否かということにも通じる問題だ。
ただ、そういう行動をとれば雑魔たちも気づき、見逃してはくれないだろう。
村への被害を最小限に考えつつ、雑魔討伐を優先させる。
「寝ているだけとはいえ、飲まず食わずじゃ住民も弱ってるだろ。今日中に終わらせないとな」
レイオスも心配なのは眠らされている人たちの安否であり、健康状態だ。
敵のスキルについてはおおよそ聞いている。そのため、眠らされるスキルについては十重二十重に用心はしてきていた。
なによりも、スキルを使わせる前に倒せればいい。
その上で、ソナは自身とルカ、ディーナに【ゴッドブレス】を掛けておく。これにより、一定の時間、敵のステータスへの影響のあるスキルは無効化につながる。
敵は比較的近いところにまとまっているとはいえ、戦闘になった場合、離れない保証はない。
「急ごう。敵が見えているうちに、倒そう」
真が言うが早く、雑魔の一体に向かい走り出す。それに続きコーネリアとソナが続く。回り込むように進むと、コーネリアがヘビーガンドリングを構えた。
ツィスカとディーナが雑魔一体に向かう。色を付けるものを持つ者が限られているため、ツィスカは積極的に攻撃をすることになる。
「ペイント弾での着色……責任重大ですね」
「そうなの。でも、大丈夫、いっくのー」
ディーナがツィスカの背中を押した後、自身は星神器のスキル【トールハンマー】を起動した。そして、間合いを詰める。
ルカは敵を逃がさないことを考え、全力で前に出る。
「これで色を付けます!」
盾の影で血糊をたたきつける準備をする。
レイオスは名状しがたきニオイ玉を使うには仲間の鼻も巻き込みそうだったため、見送り【マーキス・ソング】を開始する。それに続き、直接攻撃をするために距離を詰めるが、ある程度、距離が詰まったところで【アンコール】に載せ【アイデアル・ソング】を用いた。雑魔に対する意識が強化される。
なお、どこに村人が倒れているか意識した。もし、戦いに巻き込んだ場合、かばう必要がある。
「傲慢だろうが、異世界産だろうが、雑魔は雑魔ですぅ、さっさと落ちるですぅ!」
符を握りしめたハナがその横をすり抜けた。スキルの範囲を考えると、ある程度間合を詰めないとならない。
雑魔たちもハンターの存在に気づく。囲まれている状況となっているが、それは意識にはなかった。
マテリアル豊富なハンターを見逃すということは決してありえないと行動を開始する。
眠ってももらうために。
まばゆい光を発する、穏やかに、優しく、動植物にぬくもりを与えるように。
ルカや真など前に出ていた者に緊張が走る。むろん、敵の行動を見越しての準備はしてある。しかし、敵の攻撃がどういうものかわかっていないのだから、必要な緊張だ。
抵抗や、あらかじめかけていたスキルにより事なきを得る。
「我々が無防備でこの村に来ると思っていたか? 貴様らの手口など百も承知だ」
コーネリアは雑魔をあおった。
「同時に発光するということは、連携しているのかな?」
真は目の前で敵の行動を見て分析する。一体でも早く倒すことが重要だ。
ハンターたちは分けた班や役割を意識し、雑魔一体一体に攻撃を仕掛ける。
真は【星影の唄】で仲間を鼓舞する。雑魔の眠らせてくるスキルに対して、回復方法がない状況なため、眠らないことに重点を置く必要がある。その上で、【ソウルエッジ】【二刀流】を用いていく。
ソナが【プルガトリオ】を放つ。闇の刃が雑魔を縫い付ける。
コーネリアはヘビーガンドリングの持つ力も引き出し【制圧射撃】を行う。
回避などの行動をとっているが、雑魔の位置を変えなかった。
ツィスカのペイント弾付き【制圧射撃】の後、ディーナが【トールハンマー】で敵をたたく。
「ディーナさん!?」
「なるべくたたくのを優先したいのっ! 一体でも落ちれば楽になるの、たぶん」
ツィスカは慎重さも考えるが、半透明で見失う危険性等も加味すると、ディーナの判断も大切な一つととらえた。ならば、ディーナを補助し、倒すことに注力する。
レイオスは【マーキス・ソング】を開始し、【ソウルエッジ】で強化した闘旋剣で攻撃をする。
ルカは血糊をぶつけておく。もし、雑魔が逃げるならば、目印になるようにと考えていた。
命中したため、敵の動きを注視する。眠らせてくるだけでなく、棘のようなものと出すと事前に報告をもらっていたこともある。仲間をその脅威から守るためにも、前にいる。
ハナは敵の行動を考え、まずは数を減らすこと注力する。そのため【五色光符陣】を放つ。すぐに符を補充することは忘れなかった。
雑魔たちは鋭い棘のようなものを出した。
雑魔たちと接する位置にいたハンターたちは回避もしくは受けを余儀なくされる。しかし、それは大した脅威ではなかった。
むしろ、真やレイオスの【リバースエッジ】が雑魔に叩き込まれる。
雑魔たちの動きはスキルの効果や受けた攻撃により弱っているようだった。
真は敵が逃げるそぶりなど見せないことから、攻撃が効いているということもあり、歌舞を維持したまま二刀により攻撃を重なねる。
ソナは状況から逃がさないことに重点を置き【プルガトリオ】を放つ。
レイオスは歌舞を維持したまま、攻撃を重ねる。村人が近くにいないのならば、早く倒すほうがいい。
ディーナはウゴンバサラを振るう。
ハナの回りで符が舞い、光が散る。
ルカは味方への被害がない状況なため【プルガトリオ】を放った。
「ただの球体の分際で狼藉するのはここまでだ。貴様らこそ永遠の眠りに付くがいい」
コーネリアは【ナイトメアサンダー】を放つ。
ツィスカの【デルタレイ】が残る雑魔を消し去った。
ディーノの推定通り、眠りは解けたようだった。
■治療
ツィスカは敵が非効率な行動をとっていたことを考えていた。
人間を眠らせたいのなら単独行動で眠らせて行ったほうが早いだろう。
「群体だったのでしょうか?」
その解は難しい。浄化が必要か見極める為、村を見回った。
ソナは倒れている人の状況を見ていく。
目を覚ましている人よりも、目が覚めるのが遅い人の方が心配だった。
「雑魔がいなくなったら、と言うわけではないのでしょうか?」
脈を診る。
「深い眠りですね……」
どうやら、後から眠りに付いたほうが、早く目を覚ましている可能性はある。やはり、負のマテリアルの影響からの抜けやすさにあるのかもしれない。【ゴッドブレス】もしくは【ピュアフィケーション】を使うことで、より早く目を覚ますだろうと推測できた。
そのため、そのスキルを持つ者と手分けして負のマテリアル軽減や回復を施す必要はあるかもしれなかった。
ルカは村の被害状況を見る。
目を覚ました人が状況が分からず、慌てていることもあった。
「雑魔は倒しましたから安心してください」
ルカは静かに説明し、安堵させる。屋内の被害状況まではわからないが、助けた村人から状況を聞き、見回りに戻った。
ディーナは村の状況を見て回る。どこから敵が入ってきたのかが気になったのだ。その方向に負のマテリアルが溜まっている所もあるかもしれない。
すぐに目を覚まし、話せる状況の村人に問う。しかし、明確な答えは出てこなかった。
半透明で、光の加減では目の錯覚にも見えるだろう相手だ。それが敵か否か、判断する前に攻撃を受けたととらえられる証言だった。
今考えればそれかと思われる物の証言をたどれば、山からだろう。
「よく、わからないの」
ディーナは調べた結果、疑問符を脳裡に浮かべることになった。
コーネリアは敵を滅ぼしたが、雑魔の来た道が気になるハンターもいるため、彼女も見回りをした。
雑魔がさらにいる等の異変はなかった。
ハナは外で倒れている村人を救護する。教会か集会所に運ぼうと考えるが、敵が倒れたことで目を覚ます人もいるし、救護する他のハンターもいる。
雑魔の出所の調査をする。
「歪虚の転移門があるとか、神霊樹の植樹が必要とかそういう事態もあると思うんですぅ。最近、近辺によくわからないオブジェができたとか、近づきがたい場所ができたとかありますぅ?」
贄のように人間を扱っていたということもあり、背後が気になるところだった。
幸いなことに、ハナが想像していたことはなかった。世界が不安定なために、雑魔にも影響があったのかもしれないと推定するだけに留まる。
レイオスはスープを作って配ることにした。
「調査や救援が来るまで時間はかかるだろうし」
眠りに付いていただけとはいえ、それでも体力は消耗していく。胃に優しいものが良いだろうし、滋養やぬくもりもある。
真は見回りに行く。敵を倒したことで目が覚めたのか否かの確認のために。
怪我人への対応や混乱する人がいれば説明が必要だと考えていた。目は覚めても混乱している人はいる。人が眠っていく様を見ていた人は特に混乱するだろう。
「落ち着いて。原因だった雑魔は倒したから」
真の説明により、ハンターがいるということで、その事実を知り村人は安堵したのだった。そういった村人が増え、徐々に安堵から歓喜につながる。
ハンターたちのおかげで、雑魔は討伐された。
ディーノは後進の成長を見て喜ぶべきでもあり、寂しいことでもあるかもしれないと思い、見つめた。
(代筆:狐野径)
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相談 ツィスカ・V・A=ブラオラント(ka5835) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2019/03/09 19:03:30 |
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質問卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2019/03/05 23:33:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2019/03/04 21:46:38 |