素朴な味を召し上がれ

マスター:風亜智疾

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~10人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2014/06/27 19:00
完成日
2014/07/07 12:31

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「……困った」
 ヴァリオスの片隅にある、古びた食堂の店主が、ぼそりと呟いた。
 このままでは店が潰れてしまう。
 そう。潰れてしまう。
 数少ない常連が、注文もせず居座った店内を見て、ガタイのいい体でがっくり肩を落とした。
「いーじゃないかい。いっそ店なんざ畳んじまえば」
「気軽に言ってくれるなよ! 俺の若い頃からの夢だったんだ」
 そう、いつの日か、『ヴァリオスにこの店あり』と呼ばれるほどの、小さいけれど隠れ家的な、そんな有名店に……。
「現実見ろー。あと、酒もう一杯ー」
「うちは居酒屋じゃねぇっつってんだろ! はいおまち!」
 ……そう。
 ここはレストランだったはずなのだ。
 ちょっと小洒落たレストランだったはずなのだ。
 なのに気づけば、常連客はいい年したおやじばかり。
 そして注文されるのは酒とつまみばかり。
「……駄目だ。このままでは、ただの居酒屋になっちまう……!」
「お前居酒屋馬鹿にすんなよ?」
「その前にうちはレストランだって忘れんなよ!?」
 ただの居酒屋どころか。
 こう、コメディアンの集う場所になりかねない。
「……メニューだ。若いやつにも受けて、しかも店の財布に優しくて上手い。そんなメニューが!」
「……お前が作れるのかー?」
「…………」

 そんな会話が繰り広げられた翌日。
 ハンターオフィスに、ひとつの依頼が張り出された。

『募集:
 レストランの目玉になりそうなメニュー。
 食材については、魚介類とパンを基本に。
 低コストであればあるほど、望ましい』

「よし!」
「来るといいなー? メニュー」
「あと若い客もなー!」
「若くなくとも! 歓迎するけどな!」

リプレイ本文

■店主の夢
「それじゃあ、よろしく頼む」
 期待を込めたまなざしで、店主が頭を下げた。
 今回の参加者達は、店主のそれはそれは大きな大きな期待を背負いつつ、キッチンに入っていくのだった。
 幸い、キッチンは広く、参加者が同時に調理することが可能だった。
「小さいレストランの割りに、キッチンは広いんですね……」
 誰かの呟きに、がくりと肩を落とした店主に、思わず全員で苦笑を漏らしながら。
 さて、この店を盛り上げる為の看板メニュー作成、開始である。

■調理人:スピカ・チェリーブロッサム(ka0118)の場合
「食材がこれだけありますから、作りがいがありますね~」
 並んだ食材達を確認して、スピカはほんわりと笑う。
「で、お嬢ちゃんは何を作ってくれるんだ?」
「そうですね~。それじゃあ、鯖サンドなんていかがでしょうか~?」
 既に、様々な調味料が準備されている。
 どうやら本格的に、作って試食させる「だけ」でいいらしい。
「まず、鯖の切り身に下味をつけて、次に小麦粉をまぶします~」
「嬢ちゃん、手際いいな。いい嫁さんになれるぞ」
「……へ、変なこと言わんとってや」
 テキパキ調理していくスピカに、店主が感心したように呟く。
 それに一瞬だけ頬を染めてポソリと言葉を返し、こほん。と小さく咳払いひとつ。
「気を取り直して、あとはこれを揚げて、野菜と一緒にパンに挟めば一品完成ですね~」
 けれど、これだけだと少し物足りないかもしれない。
 そう思っていたスピカは、事前にいくつかのレシピを考案してきていた。
「あとは、新鮮なお魚が手に入るようなので、鯛の塩竃蒸しなども面白いかもですよ~」
 今日は与えられた時間が短いので、作り方のレシピを店主に渡して、最後に簡単な料理を披露することに。
「鱈の切り身とトマトを、こう、重ねるように交互にグラタン皿に入れて……」
 詰めた後、小さな陶器製の容器に、卵と酢を入れて掻き混ぜ、塩コショウで味を調えソースを作る。
 それを、グラタン皿に敷き詰めた鱈とトマトにかけ、オーブンへと入れて。
「あとは焼き上がりを待つだけ、ですね~。これなら、簡単に出来ると思いますよ~」
 ひとまず、スピカの調理は終了である。

■調理人:ノクティス・アストラ(ka0216)の場合
「さて、お力添えになれるよう、頑張りましょうか」
「兄ちゃんはどんなのを作ってくれるんだ?」
「……いえ、私は兄ちゃんという年齢でも……」
 見た目は三十代でも、ノクティスはエルフだ。実年齢は異なる。
「いーんだよ。見た目が俺より若けりゃ、全員兄ちゃん嬢ちゃんだ」
 案外この店主、その辺りは全く気にしないらしい。
 小さく苦笑をひとつ浮かべて、ノクティスは材料を引き寄せていく。
「鯛のローストです。レストランなら、知人や家族と分け与えつつ食べることもあるでしょう。それを想定してみました」
「確かに。居酒屋は少量一品メニューが基本だもんな。そういうのだと、家族連れが来やすくなりそうだ」
 店主が盲点に気づいて、手を打った。
「まずはムール貝の下処理をして、オーブンを温めておきます。鯛はうろこと内臓を取り除いて、水洗いし……」
「兄ちゃんも手際いいなぁ」
「有難う御座います。そして次に、鯛を水洗いして水分を取り、開いた腹部に塩コショウと塗りこんでから、タイムを2枚挟みます。表面にも塩コショウを振っておきます」
 頷きつつメモを取る店主を確認しつつ、手馴れた様子でノクティスは作業を進める。
「水洗いしたジャガイモと玉ねぎを切り、にんにくは刻みます」
 野菜の下準備を終わらせると、ノクティスはフライパンを取り出し、程よく温めた後鯛を焼き始めた。
 じゅう、といい音を立てながら、鯛が焼けていく。
 香ばしいにおいが漂い、店主の顔が思わず緩んだ。
「うっすらと焼き色がつく程度で構いません。この程度で、耐熱鍋に移します」
 鯛を鍋に移すと、次はフライパンへ野菜を入れて炒め始める。
「野菜も炒め終わったら、耐熱鍋へ。鯛と野菜を入れた耐熱鍋に白ワインを加え、蓋をして5分だけ蒸します」
 5分後、ふんわりといい香りが漂い始めた。
「ここに、ムール貝を入れて、今度はオーブンで5分間ローストします。あとは味をみて調えつつ、パセリを添えて完成、です」
 あとは完成を待つだけになったノクティスは、ぐるりと周囲を確認し始めた。
「……さて、私はフォローが必要そうな人の元へ行きましょうか」

■調理人:ノーマン・コモンズ(ka0251)とマリア・ベルンシュタイン(ka0482)の場合
「僕達が提案するのは、お客さんが選べる具材を挟めるサンドです」
「魚介類をそれぞれ燻製や塩漬けしておけば、保存も効きますし低コストに繋がっていくはずです」
 幼馴染同士で参加した2人は、そう言って。これは燻製こちらは塩漬けと、どんどん食材を仕分けて下ごしらえしていく。
 ノーマンがマリアにやり方を丁寧に教え、マリアはそれに頷きつつ丁寧に調理を進めている。
「ほほう? で、客が選ぶってぇのはどういうのだ?」
 店主の問いかけに、ノーマンがまず答える。
「例えば、鯛とムール貝、レタスを希望されたお客様には、それを挟んだサンドを提供する、といった感じですね」
「居酒屋でなくレストラン、ということなら、ターゲット層は若者でしょうから。テイクアウトが可能な品があると、若者は足を運ぶと思います」
 ノーマンの言葉を引き継いで、マリアが優雅に微笑んだ。
「お嬢様からテイクアウトって言葉が出るとはなぁ」
「柔軟な発想は大切ですよね」
 言いつつも、マリアは事前に下調べしていたカクテルソースとドレッシングを作っていく。
 その隣で、作業を分担していたノーマンが野菜の準備を終えていた。
「実際に、どういったものになるかは、見て頂いた方が早いでしょう」
 そう言うと、ノーマンは海老とレタスを手に取った。
「マリア、カクテルソースはどうかな?」
「出来上がりました」
 人数分それを作成したところで、ノーマンとマリアの調理は完成である。
「ところで、さっきから疑問だったんだが。お嬢様と兄ちゃんは、あれか? こいび」
「「幼馴染です」」

■調理人:ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)の場合
「妙に居酒屋みたいだが、最近のレストランはこういう趣向が流行っているのか?」
「違う! うちはレストランなんだ……! たとえ、昼間っから客が酒を飲んでいようと、注文されるのがつまみ系だろうと、うちはレストランなんだ!」
「分かった分かった。まあ、大王たるボクの素晴らしい料理を特別に教えてやろうではないか!」
 低コストの看板料理、というハードルは意外と高かったが、そこは大王(自称)ディアドラが調理を開始する。
「まずはグラタンだ。これは、冬場に強いぞ」
 海老とブロッコリー、アスパラガスを手に取ると、海老のからを剥き、ブロッコリーを一口大に切る。
 アスパラは筋を取って処理を終わらせると、それぞれ茹でていく。
 それらとパンを耐熱皿に入れると、今度はクリームソースを作り始めた。
「牛乳のコストがどの程度なのか、ボクには分からぬが……しかし、それさえクリア出来れば冬場はもらったようなものだな」
「牛乳のコストか……まぁ、それくらいなら大丈夫だろう」
「なら、冬場はボクの考えたグラタンが、この店一番の人気商品になるぞ」
「嬢ちゃんすげぇ自信だなぁ」
「当然だ。ボクは大王であるからな。まあ、課題としては、これから夏場になるというところだが」
「なぁに。変わり者はいるだろうからな。夏場でも熱いものを食べたいやつくらい居るさ」
 思わず頷いてしまいそうなほど、威厳ある口調でそう言ったディアドラの頭を思わず撫でたくなった店主が、ぐっとこらえる。
「クリームソースをかけて、あとは焼くだけだ。こんがりとな」
 熱したオーブンに入れて、ひとまずこちらは終了だ。
「2品目は、少々コストが高いだろうが米を使った料理にするぞ」
「米かぁ……。牛乳より、ちぃとばかり値が張るな」
「店主よ。まぁ聞け。確かに米は高いのだろうが、レストランが繁盛しても効率よく出来るのだ。利益が上がれば、食材を買う費用とて上がるだろう。ならば、何を恐れる必要がある」
「最初が怖ぇな」
「そこは言うな」
 そう話しつつも、ディアドラは玉ねぎ、パプリカ、トマトを切ってフライパンで炒め、魚介類を加えて米を投入し、コンソメと水を投入すると蓋を閉じた。
「一度に大量に作れるからな、先ほど言ったが、効率がいい料理なのだ」
 こちらもあとは完成を待つばかり。
 ひとまず、ディアドラの調理も完成である。

■調理人:黒銀(ka0358)の場合
「来客される方々によって、お店の雰囲気は変わってしまうものですからねぇ……」
「……そうだな」
 しみじみと頷く店主の肩を思わずぽんと叩いて、黒銀は微笑んだ。
(美味しいのが出来たら、家族にも作ってあげましょうかねぇ)
 家族、と彼が呼ぶのはとある人物。
 その姿を思い出して一瞬笑みを深くした黒銀が、さて、と腕まくりする。
「ボクが提案するのは、魚とホタテのフライと、パンを使ったリゾットです。まずはフライと、付け合せの蒸し野菜から」
 カブやアスパラを手際よく下処理し、蒸す。
 その間にヒラメとホタテを手にすると、それぞれの水分をしっかりと取って。
 小麦粉をまぶして、フライパンに油とバターを入れ、熱する。
 そこにヒラメとホタテを入れて、しっかりと焼き上げていった。
「まぁ、フライというよりはムニエル、でしょうかね。肝心なのは、盛り付け方法です」
 雑に仕上げてしまっては、それこそ居酒屋メニューのフライになってしまう。
 黒銀は白い皿の中央にムニエルをおくと、レモンを横に沿え、蒸しあがった野菜を色味として添えてみせる。
「どうです? ちょっとお洒落な気分がいたしません?」
「おぉ! レストランとかで出てくるヤツみたいだな!」
「店主さん、レストランですよね?」
 思わずツっこんで、黒銀は2品目のリゾットに取り掛かることに。
 トマト、カブ、キャベツ、大根、鯛、ホタテ。
 様々な食材をぶつ切りにし、鍋へ投入するとコトコト煮込む。
「ここで、塩コショウで味をしめ、スープ状になったら硬めのパンを千切って入れますよ」
「硬くねぇとふやけっちまうわけか」
「そうですね。パンの量はお好みで~。パンがスープを吸って美味しくなります」
 出来上がったそれにチーズを入れて、少し溶けたら黒銀の調理は終了である。
「仕上げにパセリを刻んだものを乗せたら、美味しそうに見えますよ」

■調理人:上泉 澪(ka0518)の場合
「いくつか考えてまいりましたが、サンド系はすでに皆さんが作っていらっしゃいますから」
 そう言って、耐熱容器を見つけた澪が作り始めたのは。
「パイ生地を蓋にした、牛乳をベースにした魚介類スープはいかがですか?」
 まずはパイ生地を作っていく。
 強力粉と薄力粉を混ぜて振るいボウルへ。同じくバターを小さく切ったものも入れると、切るように混ぜる。
「水の量には気をつけてくださいね。べちゃべちゃになってしまいます」
 こねて、生地を1時間程度寝かせる。
 その間に、海老の殻を剥き、背綿を取り、それ以外の魚介類も下ごしらえをしていく。
 それらを鍋に入れると、水とコンソメも同じく投入し煮込む。
 ある程度煮込んだら、牛乳を注いでもう一度煮込み。牛乳の甘いにおいが漂い始めた。
「なかなか手際いいじゃねぇか。嬢ちゃんやるなぁ」
「いえ。滅相もない。これ以外にも、いくつかレシピは考えてきましたので、そちらはお話しても?」
「おぉ、助かる!」
 例えば、と澪が提案していく。
「イカの内臓を取って、野菜を詰めてトマト煮にしたり。魚介類をキャベツで巻いて煮込んだり」
「それならうちでも、コスト低めでいけそうだなぁ」
「採算を度外視していいのなら、米を魚介類で出汁をとったスープで、一緒に炊き上げる、とか」
「米は少し割高だからなぁ」
 それでも、検討はしてみるらしい。
 そんな話をしている間に、1時間が過ぎ、パイ生地が完成する。
「あとは、パイ生地を切って薄く伸ばし、耐熱容器に魚介スープを入れて、パイ生地で蓋をして少し焼く。これで完成です」
 これで、澪の調理は終了だ。

■調理人:藤堂研司(ka0569)の場合
「看板メニューか。とどのつまり、ふらっと食いたくなるような何かか」
 よし、やるか! と腕まくりして、研司は調理場を見回す。
「なぁ、直火を見せながら焼きたいんだが、これ借りていいか?」
 そう言って研司が指さしたのは、おそらく鳥を串に刺して焼くのに使っているのだろう器具だった。
 頷いた店主を確認すると、魚介類を豪快に串刺しにしていく。
「煙に乗って焼き魚の香りがお客さんを呼べれば儲けもんだね」
「匂いで呼ぶか、いい案だな!」
「ただし、提供の仕方は気をつけろよ? そのままドンって出したら、完全に居酒屋だからな」
「お、おぅ」
 それを焼きつつ、ぐるりと材料を見て、研司はに、っと笑った。
「魚介類と野菜がたっぷりあるなら、浜鍋やるか!」
 豪快に様々な食材を手に取ると、その全てをぶつ切りにしていく。
「魚介類ってのは万能だからな。こいつで出汁を取って、野菜やら魚介やらを煮込む! 味噌があれば完璧だが……少し難しいか」
「ミソかぁ。うちには今置いてねぇなぁ。あった方がいいのか?」
「まぁ、なけりゃ今回は塩コショウでしめるから大丈夫だ。それに、一気に作って煮込むから、手間もかからない。こっちも香りで集客する一品だな」
 今まで店主が考えた事もなかった「香り」を使っての集客、というところが、いたく気に入ったらしい店主が、研司の手をがし!っと握った。
「一緒に店やらないか!」
「いや、突然言われても困るんだが」
 ひとまず、研司のツッコミをもって、調理は終了である。

■調理人?:エリアス・トートセシャ(ka0748)の場合
「いろんな香りがしますねー」
 ほんわりと笑いながら、エリアスが取りだしたのは一匹の魚だ。
「嬢ちゃん、それをどうするんだ?」
「はい、こうするんですよー」
 ふ、と棍棒を取りだすと、エリアスは一気に魚に向って振り下ろ――。
「待ったー! すり身か!? すり身にしたいのか!?」
 そうとした棍棒を止めて、店主が冷蔵庫を指さす。
「あるから! すり身ならある!」
「そうなんですねー。すみません、実は私、料理が一番苦手なんですー。残念ながら」
「そうか……それは、未来に期待、だな」
 違う。すごく間違っている。苦手というレベルを超えている。
 と、思わず店主が思ったのも、仕方ない事なのかもしれない。
 気を取り直して、エリアスがどういうものを作りたいのかを聞いた店主が、魚肉ハンバーガーを完成させた。
「まぁ、インパクトに欠けるかもしれませんからー……タワー状に積み上げても面白いかもしれませんー」
「少し違う意味での看板料理だな」
「はい、私の提案はこんな感じでー……あ。美味しそう」
 ふらり、エリアスがその場から離れていく。
「あ、おい嬢ちゃん?」
「私の目的は、むしろ試食なのでー。皆さんの料理を頂いてきますー」
「後でするぞ!?」
「出来上がりのいいにおいー」
「嬢ちゃんー!?」
 他のメンバーの試食を始めたエリアスを見て、魚肉ハンバーガーを手にした店主が思わずツっこんだ。

■調理人:銀 桃花(ka1507)の場合
「僕はリアルブルー出身だから、基準はあっちだけど、どうかな?」
 そう言って桃花は、料理を作り……始めない。
「嬢ちゃん?」
「僕、料理得意じゃないから。提案だけさせてもらう形にするね」
「あぁ、なるほど」
 先ほどのとある人物を思い出して、店主は頷いた。それはもう速攻で。
「グラタンは誰か作ってるみたいだから、僕が提案するのはタルティーユ。スライスしたバゲットに、ワインで火を通したエビ、アサリ、オイルサーディン。あと半熟の茹で卵を刻んだ具を、レタスとか野菜と一緒に盛り付ける、って料理なの」
「それなら、簡単に出来そうだな」
「後は、茹でたエビや焼き魚のほぐし身を、ガーリックやバジルみたいな香味ソースをかけて、薄く焼いたパン生地に包む、ラップサラダ風とか」
 一度作ってみない事には、なんとも言えないが。
 店主は前向きだ。頷いて、作ってみようと約束した。
「それと、これはメニューじゃないんだけど。ひとつ提案が。余裕が出来たら、みんなが考えたメニューを日替わりで出す、みたいなのはどう?」
「日替わりメニューか。ランチタイムとかにはいいかもしれないな」
「うん。そんな感じで。……と、僕の提案はこんな感じ。それじゃ、僕も味見に行ってこよーっと♪」
「嬢ちゃんもか!」
 味見に駆けていった2人目を確認して、店主は思わず苦笑いしか浮かばなくなっていた。

■味見とその後日談
 もちろん、味見は全員で行った。
 この料理のここと、あっちの料理のここを足したらどうだろう。
 その料理はこうしたら、もっと良くなるんじゃないか。
 そんな会話を聞きながら、店主は次々メモを取る。

 そして後日。
 このレストランに、新しく2品メニューが増える事となる。
 鯛のローストと、浜鍋。
 この2品は、注文した客から他の客へと噂として流れ。
 店は、素朴ながらも家族で食べられる美味しい店として、ゆっくりと繁盛し始めたのだった。

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MVP一覧


  • ノクティス・アストラka0216
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司ka0569

重体一覧

参加者一覧

  • 真珠星料理人
    スピカ・チェリーブロッサム(ka0118
    人間(紅)|17才|女性|機導師

  • ノクティス・アストラ(ka0216
    エルフ|32才|男性|魔術師
  • まめしの伝道者
    ノーマン・コモンズ(ka0251
    人間(紅)|24才|男性|疾影士
  • 大王の鉄槌
    ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271
    人間(紅)|12才|女性|闘狩人

  • 黒銀(ka0358
    人間(紅)|41才|男性|霊闘士
  • 《思いやる》心の聖女
    マリア・ベルンシュタイン(ka0482
    人間(紅)|20才|女性|聖導士

  • 上泉 澪(ka0518
    人間(紅)|19才|女性|霊闘士
  • 龍盟の戦士
    藤堂研司(ka0569
    人間(蒼)|26才|男性|猟撃士
  • 未来に期待の料理人
    エリアス・トートセシャ(ka0748
    人間(蒼)|25才|女性|機導師
  • 身も心も温まる
    銀 桃花(ka1507
    人間(蒼)|16才|女性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 新メニューを考えるための相談
ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271
人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2014/06/26 23:00:36
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/06/23 00:47:04