我ら乙女防衛隊

マスター:KINUTA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
6日
締切
2019/06/17 22:00
完成日
2019/06/21 23:43

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 ここは深く静かな森。
 人間はほとんど足を踏み入れてません。
 何故かというと危険だからです。
 といって、歪虚が出るのではありません。
 出るのはユニコーンです。
 優雅にして高貴なる幻獣である彼らには、とても困った性質があります。
 乙女が大好きなのです。
 自分好みの清らな乙女を見つけたら最後、地の果てまでも追ってきて守護しようとするのです。
 騎士道精神にあふれていると言えば聞こえはいいですが、その実ストーカーと言って差し支えないでしょう。
 どういうセンサーがあるのか分かりませんが、彼らは一目でその乙女が清らなのか清らでないのか判別します。
 心だけ清らでは失格です。
 身も清らでないといけません。
 何でそんなことが見ただけで分かるの気持ち悪いとか言わないでください。彼らはそういう生き物だからしょうがないのです。
 ともかく以上の条件に当てはまらない乙女は彼らにとって乙女ではありません。無関心あるいは忌避の対象です。
 ちなみに男に関しては、彼らものすごく当たりがきついです。
 どんなに容姿端麗かつ女装していたとしてもすぐ見破ります。そして容赦なく攻撃してきます。
 彼らは武装したグリズリーよりはるかに危険な生き物です。もし一般人が、それも男が森で偶然に遭遇してしまったら――大精霊よ彼を救いたまえ。

 閑話休題。話を戻しましょう。

 とにかくユニコーンは乙女好きです。
 エルフ族の乙女は彼らと生活圏が重なりがちなこともあり、彼らの審美眼に適うこともありで、よく狙われます。
 乙女たちにとって、100%ありがた迷惑でしかありません。
 ですので数年前エルフたちは、対策に乗り出しました。それはユニコーンたちに彼ら好みの乙女人形を作り、与えるというものです。
 そんな子供だましに引っ掛かるのかと最初は効果を疑問視されていましたが、実際やってみたところ大成功でした。
 リアリブルーから来た人形師の腕が卓越していたおかげでしょう。
 そういうわけでその後乙女人形は量産され、頑丈な透明ケースに入れられて、森の各地にひっそり配置されることになりました。
 ユニコーンたちは誘蛾灯に引かれる蛾のごとくその周辺に集まり、乙女の守護につくのです。
 そういうわけで、静かな森はそれ以前にも増して静かになった次第です。
 ――ですが、そこに突然歪虚が襲来してきました。
 歪虚は、フクロウの姿をしていました。こぼれ落ちそうに大きな目玉が、顔の真ん中へ横並びに3つついています。
 森の上を飛んでいたそのとき歪虚は、乙女人形を見つけました。
 それを本物の人間と思い込んだ歪虚は、食べてやろうと地上に舞い降りました。
 そのときです、いきなり後ろからものすごい勢いで何度も刺されました。
 刺したのはもちろんユニコーンです。
 歪虚の血に染まった一本角を振り立ていななき、目を血走らせています。
 歪虚もまた目を血走らせ、反撃に出ました。小癪な幻獣どもをクチバシでつつき、蹴爪で引き裂きこうとします。







「早く早く、こっちです!」

 道案内の女エルフに促されるままハンターたちは、森の奥へとひた走る。

「乙女を守ってもう丸一日、歪虚と争い続けてるようなんです! もっと早く見回りに来ていたらよかったのですが……」

 前方から獣の叫び声が聞こえてきた。
 足を一層早める。
 木々がなぎ倒された空間が見えた。
 羽根をあらかたむしられ一つ目になった血みどろフクロウ歪虚と、同じく血みどろになったユニコーン4匹が死闘を繰り広げている。
 ユニコーンたちのうち2匹の腹が深く裂け、1匹の角が途中から折れていた。
 だが彼らは全く怯む様子がない。怒りに燃え、突撃を繰り返している。
 乙女人形はというと……ケース含め傷ひとつついていない。安らかに眠っておられる。


リプレイ本文

 ユニコーンの壮絶な姿にアイラ(ka3941)は眉をひそめた。

「ユニコーンにあんな酷い事を……許せないわね」

 素早く歪虚と彼らの間に移動し、立ち塞がる。連れてきた猫と鼠に話しかける。

「お願いね、私に力を」

 コンバートソウルを発動、ついでシンクロナイズ。引き出された精霊の力を仲間たちにもおすそ分け。戦力の強化に努める。

「大切なものを護るためにそこまで奮闘されますとは……」

 音羽 美沙樹(ka4757)は感嘆しながら、歪虚の間合いに入り込む。
 絡繰刀『三日月』で繰り出すは疾風剣。刃を入れては離れ、離れては入れのヒットアンドアウェイ。相手の注意を引き付ける。ユニコーンたちと、彼らが守る乙女(人形)から可能な限り引き離そうと。
 ディーナ・フェルミ(ka5843)はぎりぎり奥歯を噛んだ。聖導士としての慈愛を無理くり捻り出すために。

「処女厨馬と言えど見捨てるわけにはいかないこの理不尽っ……」

 彼女は以前ユニコーンにからんだ依頼を受けたことがある。そのため知っているのである。この不埒なケダモノの内面性という奴を。正直これは絶滅していい幻獣だと確信している。むしろなぜ絶滅しないのかが本当に謎だ。牡という牡が、かくも奇態な性癖を抱えているというのに。
 ……まあ、しかし、とはいえ、だとしても、いくらなんでもこのまま死なれると寝覚めが悪い。

「これは試練……エクラ様の与えし試練なの!」

 と己を奮いたたせユニコーンの治療に向かう。

「ユニコーンかぁ……すっごい久しぶりだよ~」

 十色 乃梛(ka5902)もその後に続く。
 彼女もまた、ユニコーンがらみの依頼を受けた経験がある。
 確か以前は膝枕で大人しくなってくれたけど、今度はどうだろう。あれから自分もスライム絡みの遍歴など色々重ねた訳だが、まだ乙女として認識してくれるだろうか? と心配しつつ接近。
 ユニコーンは彼女らに好意的反応を示した。

「あっこの、熱い鼻息吹きかけてくるんじゃないのエロ馬!」

「よかった、覚えててくれたんだー」

 その様を見たサクラ・エルフリード(ka2598)は、ユニコーンたちにまだ余力があると判断した。ならば、歪虚討伐を優先させるべきだろうと、時音 ざくろ(ka1250)に耳打ちする。

「下手に回復して、また戦闘に割り込んで来ても大変ですし、大丈夫そうなら先に倒す方向で行きますか……」

 頷いたざくろは、即座に行動へ移った。

「そうだね。まずはフクロウ歪虚をやっつけよう!」

 まずはシールド『クラウンムール』を掲げ攻性防壁を発動。

「吸い込め電磁の渦巻き……超機導パワーオン! 痺れろ」

 電撃をまとう光の障壁。
 歪虚はよろけ巨体を後ずさりさせる。その巨体で周囲の木々をへし折りながら。
 その間ディーナは、腹裂けユニコーン2匹にリザレクション。
 乃梛が残りの2匹にヒール。
 それによってユニコーンたちは重傷状態から軽傷状態にまで立ち戻った。
 途端にいななき走りだす。
 どこに向かって?
 もちろん乙女の敵に向かってだ。
 乙女の敵とは何か?
 それはもちろん歪虚と男だ。
 ところでこの場に歪虚は1匹。
 男は1人。
 というわけで2匹が歪虚、もう2匹が男に向かう。

「……って、こっち向ってきちゃダメぇぇ」

 ざくろは迫り来るユニコーンたちに向け体を反転させた。
 攻性防壁抜きに盾で突撃を押さえ、大汗をかく。

「違う違う、ざくろは味方、味方だからっ!」

 ディーナはざくろに向かって行ったユニコーンたちへ瞬時に追いつき、顎下へ強烈なアッパーを入れ込む。

「こらぁ、治した傍から突撃するななのー!」

 彼女の類稀な近接威力は、彼らを一撃のもとにノックダウンさせた。

「私はナイフ持ってるの、あんまり討伐の邪魔をするならあんた達全員馬刺しにして上げるの。分かったら大人しく人形守ってるの!」

 と白目をむいた2匹に言う。ついで据わった目を残りの2匹に向ける。

「ほら、さっさと戻るの!――何なの馬刺し3号文句があるの」

 かくしてユニコーン軍団、戦場からつつがなく退場。
 襲われた当のざくろは、とても複雑な気分であった。

「ユニコーンってもっと神々しい生き物だと思ってたんだけど……なんていうか乙女に対してストーカーとか、おまけにここの森のは人形フェチらしいし、ざくろの中でのイメージが……正直知りたくなかった」

 現実を直視することで彼はまたひとつ大人になる。
 ミグ・ロマイヤー(ka0665)は強制退場させられるユニコーンの方を見ながら呟いた。

「主らも因果な生態よのう」

 人生余生モードまで達し、息子も孫も大勢いる自分は明らかに好かれないだろう。
 そこを理解しながらも彼女は、ユニコーンたちに同情的だ。

「ミグも幼き頃はユニコーンは清らかな乙女を守護する聖獣とか思っていたが、今では生娘厨のエロ河童としか思えんしな。しかしそれはおぬしらの罪ではない。ただ人が勝手に決めつけたこと。まったくもって因果よのう」

 嘆息しガラスケースに眠る愛らしき乙女人形に視線を向ける。ガイド役の女エルフがこの場に到着して以降、安全性を鑑みる以上の距離をユニコーンたちとの間に保っていることを考え合わせながら。

「……エルフの森でも害獣扱いな上に、乙女人形フェチという新属性まで付加されてしまうとは、もう不憫を通り越して哀れでしかないわ……大精霊も、もう少し考えて種族設定をしてくれればよかったに」

 クリムゾンで最も偉大なる存在にしみじみ文句を言った後ミグは、戦闘モードに意識を切り替えた。

「まずは双方の気持ちを落ちつかせんとな」

 慈愛の祈りを発動。
 ユニコーンたちが急激に落ち着きを取り戻していく。
 しかし歪虚の方はそれに比べ、ややかかりが鈍かった。大きなクチバシでユニコーンの頭をついばもうとしてくる。
 サクラはラストテリトリーを使って攻撃を自分に引き寄せた。

「ユニコーンへそれ以上の攻撃は私が許しませんよ……?」

 曲がったクチバシが彼女の頭上へ立て続けに落ちてくる。
 堅い装備によってダメージは免れたが、移動を妨げられその場から動けなくなる。
 今度はざくろがガウスジェイルを使って、サクラに向けられた攻撃を引き受ける。
 そして攻性防壁。
 歪虚が再び押し下げられる。ユニコーンたちから、なるべく遠くへ、遠くへ。
 そこにディーナが突っ込んできた。
 セイクリッドフラッシュを歪虚の正面からぶつける。見捨てたいのに見捨てられないという、板挟み状態の苛立ちを乗せて。

「お前が余計なことしなきゃ処女厨馬と会うこともなかったの、全部お前が悪いのさっさと討伐されちゃえなの」

 強烈な光を浴び、つかの間視覚を失う歪虚。
 その顔面をフォースクラッシュをかけたホーリーメイス『レイパシアー』で思い切り殴る。凹むくらいに。
 痛烈な一撃に歪虚は怒り狂った。
 手羽先状態になっている翼をぶつけディーナを払い落とす。

「負ける気はしないけど、油断はしないようにね!」

 乃梛もディーナと同じくフォースクラッシュでの攻撃を仕掛ける。けれども歪虚も用心したか、クロスウィップをうまく避けた。
 そこでアイラが慈哀槍『フリッカ』を掲げた。
 虹色の翼が彼女の背に広がる。
 まばゆい光線が放たれた――白竜の息吹だ。
 初発はさほどでなかったが、2発目から歪虚の動きがおかしくなってきた。
 あさっての方向に頭を回しもたげる。ほかならぬ自分の足を激しくつつく。明らかな混乱状態だ。
 乃梛はその隙を見計らい、朱金梅に持ち替えてのセイクリッドフラッシュをぶつけた。
 再度食わされた眩しい刺激に歪虚が立ち止まる。矢継ぎ早につついてこようとする。乃梛はその攻撃を全て回避した。
 ざくろが超重練成を使って巨大化させた獣手鎌を、歪虚に向かって投げ付ける。
 鎌はフクロウの片翼に食い込み切り裂いた。翼が腱だけで胴と繋がった状態になった。
 次いで美沙樹が、その翼を完全に切り離す。
 切れ目からねばついたどす黒い体液があふれ出す。
 痛みに似たものを感じているのだろうか、歪虚が暴れ始めた。残った羽と足を力の限りばたつかせ、独楽のように転げ回る。
 危うく下敷きになりかける美沙樹。しかし、ギリギリのところでかわす。
 サクラがラストテリトリーで歪虚の範囲攻撃を引き受け、プルガトリオを発動した。
 歪虚の動きが一瞬止まる。
 そこをディーナが殴る。ガシガシ殴る。頭の形が変わるくらい、気の毒なほど殴る。
 ミグが彼女に呼びかけた。

「これこれ、大物を始末するときは、力押し一辺倒ではいかんぞ。まず確実に動きを止めてからにせんと、な」

 再び慈愛の祈り。それから慈愛の祈り。更に慈愛の祈り。
 アイラも再び白竜の息吹。続けて白竜の息吹。もひとつ白竜の息吹。
 双方の魔法がもたらす強制的沈静作用によって歪虚は、みるみるその動きを鈍らせた。
 サクラがルーンソード『アクシア』を掲げ、コールジャスティスを発動する。

「一気に片付けましょう……。皆に正義の光を……。コールジャスティス……!」

 頃合いよし。
 ざくろが地を蹴る。歪虚に肉薄する。

「超重剣獣鎌操十斬!」

 巨大化した魔導剣『カオスウィース』が歪虚の体を十文字に斬った。
 歪虚は風船が弾けるように破れる。どばあと体液が吹き出した。出来損ないの内臓器官のみたいなものと一緒に。
 それらの残骸はごそごそ寄り集り、再び形をとろうという動きを見せた。
 ミグはやれやれと零し、過大集積魔導機械『イノーマス』を向ける。

「おぬしにとっても災難じゃったろうが、後は任せておとなしく死んどけ。そして浄化され、正マテリアルに変換されるがよい。そうすれば……次回は本物のフクロウに生まれることが出来るかもしれんでの?」

 ミグの前面に魔法陣が展開された。
 無数の氷柱がそこから出現し、効果範囲にあるすべてのものを凍てつかせ、切り裂く。
 真っ白に凍りつき砕け散り、消えて行く歪虚の残骸。
 歪虚の滅びを確認した美沙樹は、何はさておき場を清めておくことにした。荒らされた森の回復が少しでも早まるように。
 浄化の祈りによって周辺の空気が、拭われるように澄みわたっていく。
 ルーンソードを鞘に収めたサクラは、ユニコーンたちの方を見た。

「さて、後は治療だけですが……」

 かの幻獣は乙女人形の四方を取り囲んでいる。角を外側に向け首を下げ、カツカツ蹄を鳴らしている。
 四対の眼は全てざくろに向いていた。
 それを感じ取ったざくろは、弁明に努める。

「え? え? ち、違うよ? ざくろは敵じゃないよ?」

 その様子に乃梛は、うーんと考え込んだ。

「ナイトという意味では尊敬すべき姿だけれど……いまいちモヤっとしたのが残るわね~」

 サクラもまた考え込む。

「戦闘よりこっちの方が苦労しそうな気がしますね……幸い、聖導士は複数人いますし、回復は十分ですね……。治療させて貰えれば、ですが……」

 そこでアイラがユニコーンたちに近づいた。

「よかった。かわいそうに……怪我もう大丈夫?」

 ユニコーンたちは前傾姿勢を取るのを止め、角を持ち上げる。
 どうやら彼女のことを乙女であると認識したらしい。
 その友好的態度に安堵したアイラは、こう頼んでみた。

「えっと、撫でてみてもいい?」

 どうぞ、とでも言うように首を寄せるユニコーン。
 かつて知ったる気安さで、乃梛もお触りに参加する。

「あなたたち、あのときのユニコーンと同じ子ってことでいいんだよね? 改めてお久しぶりー」

 彼女についてもユニコーンたちは嫌がらなかった。乙女と認めたらしい。
 そこに美沙樹が歩み寄ってきた。近くの泉で濡らしてきた手ぬぐいを手にして。

「失礼致しますわ。ユニコーンさん、汚れを落とさせていただけますかしら?」

 たてがみと同じ色の尾が振られる。いいよ、というように。
 サクラも用心しつつ近寄ってみた。
 ……嫌がる様子はない。双方乙女と認めたらしい。
 美沙樹はユニコーンの体についた血糊を丁寧に拭いてやる。用意してきたブラシで、たてがみも梳いてやる。サクラは念のため、怪我をしていた場所へ包帯を巻いてやる。
 そうやって手入れされたこともあり、代わる代わる追加の回復魔法をかけてもらったこともありで、ユニコーンたちはすっかり元気を取り戻した。
 乙女たちに囲まれていることでこの上ないリラックス状態。草の上に足を折って座り目を細めている。
 その姿、まさに高貴の象徴。
 ディーナだけはしかし、一切近寄ろうとしない。乙女認定をされていても。離れたところでガイド役のエルフ、並びにミグと話し込んでいる。

「幻獣は好きだけど、性別も年齢も差別する処女厨馬は絶滅しちゃっても困らないと思うの」

「ええ、確かに困り者なのですが、あれでも一応幻獣ですから……そう無下にも扱えませんで」

「まあまあ、ディーナ殿。あれらも悪意があってやっているのではないのだ。ただ、そういう性癖を持って生まれてきたというだけのことでな」

「そのこと自体がもう罪って感じするの。いっそ歪虚として生まれていればよかった気がするの。それならかろうじて、歪虚だから仕方ないって思えたの。特に許しはしないけど」

 ところでざくろは、ここまでの時点で散々な拒否反応を示されていたにもかかわらず、ユニコーンに近づいて行こうとしていた。 
 実は彼、今この瞬間に至るまでずっと乃梛を、彼女を彼女の双子の兄と取り違えている。
 だからユニコーンが乃梛にすこぶる好意的な様を見て、自分もあるいはいけるのでは……と思ってしまったのだ。

(さっきまでのアレはきっと、手負いになっていた故の興奮状態だったからなんじゃないかな? 今は気持ちが落ち着いてるから、少しくらい触っても大丈夫なんじゃないかな?)

 などと好意的に解釈し、うかうかユニコーンに接近。
 いくら乃梛と彼女の兄がそっくりな顔をしていると言っても、うっかりではすまないミスであろう。

「あの」

 はたせるかな、彼と最も近い場所にいたユニコーンが電光石火立ち上がり、腹をブスリ。
 ディーナが飛んでくる。

「コラーッ! 何してるの! 全くどこまで恩知らずなのこのケダモノは!」

 再びアッパーカットを食らいノックダウンのユニコーン。
 乃梛もぷんぷん注意する。

「駄目よ、いきなり人を刺しちゃあ。みんながびっくりするでしょ。またやったら、メッ!だからね?」

 ユニコーンは乙女には素直なので、頭を垂れ反省のポーズ。

(同じ男なのにこの扱いの差酷い……)

 この期に及んでもなお勘違いし続けているざくろは、サクラに助けを求めた。

「サクラ……お願い」

 ぎゅっとされたサクラは、それに対して別に怒ることもなく言った。やれやれといった調子で。

「ヒーリングスフィアでいいですか?」

 そのやり取りを見たユニコーンたちは2人の間にあるものを察し、一様に半眼となったのだそうな。



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MVP一覧

  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろka1250
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリードka2598
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミka5843

重体一覧

参加者一覧

  • 伝説の砲撃機乗り
    ミグ・ロマイヤー(ka0665
    ドワーフ|13才|女性|機導師
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 太陽猫の矛
    アイラ(ka3941
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 能力者
    北条・真奈美(ka4064
    人間(蒼)|21才|女性|霊闘士
  • 清冽の剣士
    音羽 美沙樹(ka4757
    人間(紅)|18才|女性|舞刀士
  • 灯光に託す鎮魂歌
    ディーナ・フェルミ(ka5843
    人間(紅)|18才|女性|聖導士
  • 疾風の癒し手
    十色 乃梛(ka5902
    人間(蒼)|14才|女性|聖導士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
北条・真奈美(ka4064
人間(リアルブルー)|21才|女性|霊闘士(ベルセルク)
最終発言
2019/06/16 21:31:59
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2019/06/15 12:24:53