ゲスト
(ka0000)
ゴミ捨て場になった広場の掃除のお願い
マスター:秋月雅哉

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/02/26 19:00
- 完成日
- 2015/02/28 01:14
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●観光名所に、観光マナーの悪い客が来るとこうなる
「はぁ……今日もか」
「今日もだな。人手が足りないって言うのに」
ボランティアの人々は広場の惨状を見てため息を吐いた。
その広場は帝国の一角にあり、景色がいいことから一種の観光スポットになっていた。
しかし最近マナーの悪い観光客がやってきて、持ち込んだ生ごみや使い捨ての食器を捨てていく自体が多発してる。
ボランティアがゴミ拾いに勤しんで景観を悪くすることを防ごうと頑張ってはいたもののごみの量は日増しに増えていく。
ごみを捨てないでください、と注意したボランティアとマナーの悪い観光客の間でちょっとした諍いが起きたこともあり、広場の管理人はハンターたちにごみを捨てていく観光客への注意とごみ拾いの依頼を出したのだった。
「マナーの悪い観光客っているよねぇ。折角ごみ箱を設置してるのにその辺に捨ててく人とか」
それだけじゃなく家庭ごみを持ち込んで捨てる人まで出てきてさ、とルカ・シュバルツエンド(kz0073)はやれやれ、と肩をすくめた。
「君たちにお願いしたいのは掃除と、もしごみを捨てているマナーの悪い観光客や家庭ごみを持ち込んでる地元の人を見たらそれとなく注意すること。
あんまり上からもの言ってこじれるのも面倒だし相手はマナー悪いとはいえ一般人だから手荒な真似はできるだけ避けてね。
こっちが訴えられるようなことにならないよう注意してほしい。
まぁ、悪いのは向こうなんだけどさ……話の通じない輩っていうのはいつの時代もいるものだから」
僕も手伝いに行くよ、と億劫そうに口を開いて、掃除道具はボランティアの人から借りるけど愛用品があるなら持ち込んでくれる? といって言葉を締めくくったのだった。
「はぁ……今日もか」
「今日もだな。人手が足りないって言うのに」
ボランティアの人々は広場の惨状を見てため息を吐いた。
その広場は帝国の一角にあり、景色がいいことから一種の観光スポットになっていた。
しかし最近マナーの悪い観光客がやってきて、持ち込んだ生ごみや使い捨ての食器を捨てていく自体が多発してる。
ボランティアがゴミ拾いに勤しんで景観を悪くすることを防ごうと頑張ってはいたもののごみの量は日増しに増えていく。
ごみを捨てないでください、と注意したボランティアとマナーの悪い観光客の間でちょっとした諍いが起きたこともあり、広場の管理人はハンターたちにごみを捨てていく観光客への注意とごみ拾いの依頼を出したのだった。
「マナーの悪い観光客っているよねぇ。折角ごみ箱を設置してるのにその辺に捨ててく人とか」
それだけじゃなく家庭ごみを持ち込んで捨てる人まで出てきてさ、とルカ・シュバルツエンド(kz0073)はやれやれ、と肩をすくめた。
「君たちにお願いしたいのは掃除と、もしごみを捨てているマナーの悪い観光客や家庭ごみを持ち込んでる地元の人を見たらそれとなく注意すること。
あんまり上からもの言ってこじれるのも面倒だし相手はマナー悪いとはいえ一般人だから手荒な真似はできるだけ避けてね。
こっちが訴えられるようなことにならないよう注意してほしい。
まぁ、悪いのは向こうなんだけどさ……話の通じない輩っていうのはいつの時代もいるものだから」
僕も手伝いに行くよ、と億劫そうに口を開いて、掃除道具はボランティアの人から借りるけど愛用品があるなら持ち込んでくれる? といって言葉を締めくくったのだった。
リプレイ本文
●敵は雑魔! ではなく凶悪犯罪者! でもなくけれどソレよりある意味たちの悪い一般人(とそびえ立つゴミの山)
観光名所にゴミを捨てる人があまりに多すぎるため、ボランティアによるゴミ広いが追いつかず、ゴミを捨てる人を注意するボランティアの人と観光客がもめたりもする。
ハンターの皆さんにこんなことを頼むのは心苦しいがゴミ拾いの手伝いとゴミを捨てる人への注意、マナーの向上を図って欲しい。そんな依頼が舞い込んで、その依頼を受けたハンターたちは件の観光名所へと足を運んだ。
なお、特にこだわりのある掃除用具で泣ければ駄目、という人以外は基本的に手ぶらだ。
ボランティアのメンバーが使っている道具を借りられる手はずとなっている。
「これは汚いのぉ……臭いまで漂ってるのぉ……」
観光名所というより観光名所だった現ゴミ捨て場状態。想像以上の悲惨さにルーチェ=リュシェール (ka4155)が眉をへの字にして鼻を摘む。
「折角の綺麗な景観……ゴミで汚すのは勿体無い……というか、悲しくもありますね。
皆で綺麗にして、綺麗な景観をより綺麗に。
皆が気持ちよく過ごせる場にしたいですね。
……それにしても凄いゴミ……! 腕がなりますね!」
セシル・ディフィール(ka4073)が腕まくりしながらゴミ広場を見渡す。
「ゴミを放棄するとは……感心しないな」
どうやら家庭ゴミを持ち込んでいる不届き者も少なからずいるようで、その場で飲み食いした食べ物の余りを捨てたものが生ゴミになったと言うにはきつすぎる生ゴミの臭いに眉をひそめながら葛葉 凛(ka4038)が感想を漏らす。
「デートは綺麗な場所にお誘いしなければなりません」
恋人の無事を祈りながらこの場所が綺麗な観光名所としての姿を取り戻したら彼女をデートに誘おうか、と考えているのは屋外(ka3530)だ。
彼の脳内はいつだって恋人のことが優先順位の第一になっている。
離れている時でも片時たりとも存在を忘れる事はなく、一人で赴く依頼地では彼女が一緒だったらと考えながら恋人の無事を祈るのが常だった。
「ここにあったゴミが……この通り、消えてなくなります!」
ハーレキン(ka3214)はそう言ってハンカチを手にかけて消したり、くるっと一度回ると消えていたりと得意の手品をしながらゴミ拾いの重要さを訴えたのだが。
「簡単に消えるなら拾わなくていいじゃん。っていうか消えるなら捨てても問題ないでしょ?」
子供にそう突っ込まれてこの計画は見直すことになった。
普通の人はゴミを簡単には消せないし、ゴミを捨てる人が増えてしまっては今回綺麗に出来ても同じ依頼が舞い込んでしまう。というか依頼が失敗してしまう。
「まったく最近はマナーを知らんやつが多いな。
古いもんでも同じことをしてるかもだし、若いやつが、とは敢えて言わん」
そんなハーレキンと子供のやり取りを見ながらオウル(ka2420)は嘆かわしげに嘆息する。
「比較的小柄な女であることを生かしてみようと思うの」
内田 真奈美(ka1711)はそう言ってゴミを拾い始めた。
ゴミ拾いに身長は関係あるのだろうか、と首を傾げた仲間が見守っている間に早速ゴミを拾っている真奈美の目の前でゴミを捨てる観光客が。
観光客と言うより、家庭ゴミの袋やらを持っている辺り、もうゴミを捨てにきている常習犯と見て良さそうないでたちだ。
「あ、あのぉ~……そこ、やっと綺麗にし終わったところなんです……」
真奈美は涙目で相手を見上げ、相手が悪いのではなくて自分がショックだと言う形で訴えてみる。
弱さをアピールする方針だ。
「……ウゼェ」
ゴミを捨てたほうはと言えば鬱陶しげに、捨てたゴミはそのまま別の場所へ去っていく。あの調子だと他の場所でゴミを捨てそうだ。
ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)はそのやり取りを見てふむ、と腕を組む。
「観光名所にゴミを捨てていくとは不敬な者もいたものだ。とはいえ騒ぎになってしまえば元も子もないな。
ここは大王たるボクが画期的な解決策を用意してやろう」
ともあれリアルブルーで言う片付いていないお屋敷を揶揄する『汚屋敷』状態の(屋敷ではなかったが汚さではいい勝負。というか広さの分勝っている)この現状をなんとかしなければならない。
ゴミまみれの場所でゴミを捨ててはいけない、と言っても説得力に欠けるから、とディアドラの説も最もであり、ハンターたちは手分けしてゴミ拾いをはじめとする掃除に取り掛かった。
大きなゴミは燃えるものと萌えないものに分別して片付け、小さなゴミは手持ちのゴミ袋にやはり分別して入れていく。
ゴミを捨てようとするマナーの悪い人相手にはゴミ箱のある場所まで出来るだけ穏便に誘導し、家庭ゴミを持ち込む人には丁重にお断り願う。
ゴロツキ相手だとなかなか上手く行かなかった戦法だが「他の人が捨てているから」とつい楽なほうに釣られてしまった人には「綺麗な観光地をみんなで楽しんでもらうためにもゴミはゴミ箱にお願いします」という呼びかけはかなり効果があった。
年少に見えるメンバーが熱心にゴミ拾いをしているのも良心が欠片でも残っている相手にとっては効果的だったのだろう。
真奈美は最初は弱さに訴える戦法だったが数人相手にするころにはメイスがなければ箒を振り上げればいいじゃない、と言う精神状態に陥り、結果的に普通に敬語で事務的にお願いするのが一番能率とバランスがいいと気付いてからはその方法に方向転換する、と言う忙しない変化を見せていた。
ゴミ拾い自体は普通に拾っているがもともとどちらかといえば不真面目なほう、お疲れ様です、と声をかけられればそちらに応じるほうにのめりこんで手が止まったりするのはご愛嬌だ。
それでも仲間のハンターや今日もせっせと頑張るボランティアが意志を持って積極的に地道な努力を続ける姿にいつのまにか感化され、真奈美自身も真面目にゴミ拾いをするようになっていた。
オウルは積極的にゴミを拾い、捨てる相手には注意をする。
自身が隠れて違反をする相手が出るのを待つような真似はせず、むしろ目立つようにゴミ拾いをすることで抑止力となる方針だ。
(……無論、隠れてこそこそ捨てるやつもいるだろう。だがそれでもめげずに正しいと思ったことを躊躇なく実行するまでだ。それが仕事であり、必要なのは目先の悪事の防止そのものというより、人としての正しい姿を見せることだからな。
即効性はないが、地道な積み重ねでゴミを捨てる連中の良心に訴えかけられたならそのうち思いも届くだろうさ)
黙々とゴミを拾うオウルの姿を見て、ゴミを捨てかけてゴミ箱を探す若者が何人か視界の端に写っただけでも今回来た意味はあったのだろう。
「今日の芸は、お題は見てのお帰りでなくて構いません! でもゴミを捨てないでくださいね!」
目立つ格好をしてゴミ拾いをし、柔軟や軽業のような手品でない芸を見せて、演目の中にゴミを捨てないようにメッセージを入れたりと積極的に人目を引く行動にでているのはハーレキン。
ここは清掃される場所なんだな、ということを周知徹底させるのが目的だ。
……時折柄の悪い相手にお願いして喧嘩を売っているのか、と凄まれ、消えろと脅されて布をかぶって手品で消えればそうじゃねぇよと突っ込まれる珍事も発生してはいたが気にする素振りはあまり見せない。
「怖い人に迫力のない人間が注意するのは厳しいですね……それよりも大多数が捨てない空気を作っていきましょう。割れ窓理論っていいますし。
ボクがいたスラムでは特にひどかったですよ」
そんなことを呟きつつせっせとお掃除。小さな子供の声援には笑顔で応えて、居心地のいい環境、ゴミを捨て難い環境を外堀を埋めるように作っていく。
『清掃運動中』というノボリを作って大きなゴミを収集したり集めたゴミ袋を指定の処理場に運ぶ時に使う荷車にセットしようと屋外はルカ・シュバルツエンド(kz0073)と愚痴混じりの話をしながら作成する。
「まったく、変な依頼ばかり僕に斡旋させる手はずを上が整えるのは止めて欲しいよ。僕は常識人でありたいんだ……」
「そんなこともあります。御苦労も或る線をすぎれば苦にならなく……え? そういう話じゃない? ……と、完成しましたね」
「手作りの感じが印象に残って良いんじゃない? 視覚と心に訴えると思うな」
「ではこれを使って早速ゴミ拾いに参りましょう」
ペットのパルムは子供がまわりに来た時は遊びの相手をお願いし、同じくペットのシェパードには近くでゴミのポイ捨てをキャッチしてくれる事を期待しつつ。
「頼んだぞ、勇者!」
スコップで潰せるゴミは潰して嵩を減らし、細かいゴミはすくい取る屋外。
箒は借りて塵取りはスコップで代用。
「こうしていると道具の可能性を感じますね」
凛はマナーの悪い観光客や地元住民を見つけた時はそれとなく注意してゴミの不法投棄の抑止とマナーの向上を図っていた。
「清潔に保つと同時に心身も鍛えられる……そう思えば悪くない」
と、何でも修行に結び付けて考える天然ボケをいつものように発揮しながら広場の清掃に励む。
セシルはといえばルカに「面倒かもしれないですけど一緒に頑張りましょうね」と声をかけることで適当な場所でばっくれようとしたルカを戦力に加え、植え込みなどの見逃しがちな場所もしっかりチェックしてゴミを回収。
大きなゴミを粗方片付けたら石畳を掃いて小さなゴミを綺麗に。
「全体が綺麗になれば自然とゴミを捨てるのも気が引けるでしょうし、千里の道も一歩からですね」
家庭ゴミを持ち込んだ人に対しては持ち帰りを願い、渋った場合は折角の観光地なのに観光客が減るのは悲しいし、持ち帰るのが大変なら手伝いもするから、と申し出る。
ルカを使ったのは屋外やセシルだけではない。ルーチェもその一人だ。
帝国側でも景観を護るためにゴミの不法投棄に対して対策を練っているところだとルカから聞き出すとボランティアの人たちやルカに、ヒソヒソ話を装って周りに聞こえるように話をしてもらうという頭脳派的な行動だ。
「目に見えて分かりやすいのは……ゴミの不法投棄に対する罰金制度、かな。口頭注意だけだと繰り返す人もでるだろうし。危険を犯してまでゴミを捨てに来る物好きはいないと思いたいよねぇ」
「その対策が実現すればぁ、ボランティアの人も随分楽になるわよねぇ?」
「酷い時は自警団に見回りをしてもらったり、罰金何回で景観を乱した賠償請求とかも検討してもらうように掛け合ってみようかな。今のままじゃキリがないし少し厳しく取り締まってもらわないと」
少し誇張した内容の方が効果があるかもしれない、というルーチェの事前の打ち合わせどおりルカが話題を広げる。
ボランティアの人たちはハンターの人に頼むのは気が引けたけれど、その話の真偽を確かめられたしやはり頼んでよかった、と話をあわせた。
ゴミは粗方片付き、生ゴミが片付いたことと屋外で風通し自体は元々良かったことから立ち込める悪臭も次第に薄れ、それぞれが『ゴミを捨てにくくする環境』を行動で示し、仕上げに『綺麗に利用してくださって有難う御座います』という看板を景観を損なわない程度に設置する。
「これでゴミを捨ててはいけないって書いてるけどみんな捨てていくし大丈夫だろう、という考えを未然に防げればいいのだが」
頭ごなしに注意するのではなく、常日頃から綺麗にしておいてくれることへ感謝を示す、と言う意味でのこの看板なら反感を買いにくい上良心に訴えることもできるだろう。
ハンターたちとボランティアのメンバーが尽力した結果、ゴミだらけだった観光名所は観光名所らしい綺麗な外観を取り戻し、一同はお互いの労を労うために広場で屋外の用意した飲食物で昼食会。
少し肌寒い気候だが動いた後にはその風も心地いい。
食事を終えた一同は恵みに感謝したあと、顔を合わせて合言葉のように異口同音で「ゴミは持ち帰りで!」と言って笑いあったのだった。
観光名所にゴミを捨てる人があまりに多すぎるため、ボランティアによるゴミ広いが追いつかず、ゴミを捨てる人を注意するボランティアの人と観光客がもめたりもする。
ハンターの皆さんにこんなことを頼むのは心苦しいがゴミ拾いの手伝いとゴミを捨てる人への注意、マナーの向上を図って欲しい。そんな依頼が舞い込んで、その依頼を受けたハンターたちは件の観光名所へと足を運んだ。
なお、特にこだわりのある掃除用具で泣ければ駄目、という人以外は基本的に手ぶらだ。
ボランティアのメンバーが使っている道具を借りられる手はずとなっている。
「これは汚いのぉ……臭いまで漂ってるのぉ……」
観光名所というより観光名所だった現ゴミ捨て場状態。想像以上の悲惨さにルーチェ=リュシェール (ka4155)が眉をへの字にして鼻を摘む。
「折角の綺麗な景観……ゴミで汚すのは勿体無い……というか、悲しくもありますね。
皆で綺麗にして、綺麗な景観をより綺麗に。
皆が気持ちよく過ごせる場にしたいですね。
……それにしても凄いゴミ……! 腕がなりますね!」
セシル・ディフィール(ka4073)が腕まくりしながらゴミ広場を見渡す。
「ゴミを放棄するとは……感心しないな」
どうやら家庭ゴミを持ち込んでいる不届き者も少なからずいるようで、その場で飲み食いした食べ物の余りを捨てたものが生ゴミになったと言うにはきつすぎる生ゴミの臭いに眉をひそめながら葛葉 凛(ka4038)が感想を漏らす。
「デートは綺麗な場所にお誘いしなければなりません」
恋人の無事を祈りながらこの場所が綺麗な観光名所としての姿を取り戻したら彼女をデートに誘おうか、と考えているのは屋外(ka3530)だ。
彼の脳内はいつだって恋人のことが優先順位の第一になっている。
離れている時でも片時たりとも存在を忘れる事はなく、一人で赴く依頼地では彼女が一緒だったらと考えながら恋人の無事を祈るのが常だった。
「ここにあったゴミが……この通り、消えてなくなります!」
ハーレキン(ka3214)はそう言ってハンカチを手にかけて消したり、くるっと一度回ると消えていたりと得意の手品をしながらゴミ拾いの重要さを訴えたのだが。
「簡単に消えるなら拾わなくていいじゃん。っていうか消えるなら捨てても問題ないでしょ?」
子供にそう突っ込まれてこの計画は見直すことになった。
普通の人はゴミを簡単には消せないし、ゴミを捨てる人が増えてしまっては今回綺麗に出来ても同じ依頼が舞い込んでしまう。というか依頼が失敗してしまう。
「まったく最近はマナーを知らんやつが多いな。
古いもんでも同じことをしてるかもだし、若いやつが、とは敢えて言わん」
そんなハーレキンと子供のやり取りを見ながらオウル(ka2420)は嘆かわしげに嘆息する。
「比較的小柄な女であることを生かしてみようと思うの」
内田 真奈美(ka1711)はそう言ってゴミを拾い始めた。
ゴミ拾いに身長は関係あるのだろうか、と首を傾げた仲間が見守っている間に早速ゴミを拾っている真奈美の目の前でゴミを捨てる観光客が。
観光客と言うより、家庭ゴミの袋やらを持っている辺り、もうゴミを捨てにきている常習犯と見て良さそうないでたちだ。
「あ、あのぉ~……そこ、やっと綺麗にし終わったところなんです……」
真奈美は涙目で相手を見上げ、相手が悪いのではなくて自分がショックだと言う形で訴えてみる。
弱さをアピールする方針だ。
「……ウゼェ」
ゴミを捨てたほうはと言えば鬱陶しげに、捨てたゴミはそのまま別の場所へ去っていく。あの調子だと他の場所でゴミを捨てそうだ。
ディアドラ・ド・デイソルクス(ka0271)はそのやり取りを見てふむ、と腕を組む。
「観光名所にゴミを捨てていくとは不敬な者もいたものだ。とはいえ騒ぎになってしまえば元も子もないな。
ここは大王たるボクが画期的な解決策を用意してやろう」
ともあれリアルブルーで言う片付いていないお屋敷を揶揄する『汚屋敷』状態の(屋敷ではなかったが汚さではいい勝負。というか広さの分勝っている)この現状をなんとかしなければならない。
ゴミまみれの場所でゴミを捨ててはいけない、と言っても説得力に欠けるから、とディアドラの説も最もであり、ハンターたちは手分けしてゴミ拾いをはじめとする掃除に取り掛かった。
大きなゴミは燃えるものと萌えないものに分別して片付け、小さなゴミは手持ちのゴミ袋にやはり分別して入れていく。
ゴミを捨てようとするマナーの悪い人相手にはゴミ箱のある場所まで出来るだけ穏便に誘導し、家庭ゴミを持ち込む人には丁重にお断り願う。
ゴロツキ相手だとなかなか上手く行かなかった戦法だが「他の人が捨てているから」とつい楽なほうに釣られてしまった人には「綺麗な観光地をみんなで楽しんでもらうためにもゴミはゴミ箱にお願いします」という呼びかけはかなり効果があった。
年少に見えるメンバーが熱心にゴミ拾いをしているのも良心が欠片でも残っている相手にとっては効果的だったのだろう。
真奈美は最初は弱さに訴える戦法だったが数人相手にするころにはメイスがなければ箒を振り上げればいいじゃない、と言う精神状態に陥り、結果的に普通に敬語で事務的にお願いするのが一番能率とバランスがいいと気付いてからはその方法に方向転換する、と言う忙しない変化を見せていた。
ゴミ拾い自体は普通に拾っているがもともとどちらかといえば不真面目なほう、お疲れ様です、と声をかけられればそちらに応じるほうにのめりこんで手が止まったりするのはご愛嬌だ。
それでも仲間のハンターや今日もせっせと頑張るボランティアが意志を持って積極的に地道な努力を続ける姿にいつのまにか感化され、真奈美自身も真面目にゴミ拾いをするようになっていた。
オウルは積極的にゴミを拾い、捨てる相手には注意をする。
自身が隠れて違反をする相手が出るのを待つような真似はせず、むしろ目立つようにゴミ拾いをすることで抑止力となる方針だ。
(……無論、隠れてこそこそ捨てるやつもいるだろう。だがそれでもめげずに正しいと思ったことを躊躇なく実行するまでだ。それが仕事であり、必要なのは目先の悪事の防止そのものというより、人としての正しい姿を見せることだからな。
即効性はないが、地道な積み重ねでゴミを捨てる連中の良心に訴えかけられたならそのうち思いも届くだろうさ)
黙々とゴミを拾うオウルの姿を見て、ゴミを捨てかけてゴミ箱を探す若者が何人か視界の端に写っただけでも今回来た意味はあったのだろう。
「今日の芸は、お題は見てのお帰りでなくて構いません! でもゴミを捨てないでくださいね!」
目立つ格好をしてゴミ拾いをし、柔軟や軽業のような手品でない芸を見せて、演目の中にゴミを捨てないようにメッセージを入れたりと積極的に人目を引く行動にでているのはハーレキン。
ここは清掃される場所なんだな、ということを周知徹底させるのが目的だ。
……時折柄の悪い相手にお願いして喧嘩を売っているのか、と凄まれ、消えろと脅されて布をかぶって手品で消えればそうじゃねぇよと突っ込まれる珍事も発生してはいたが気にする素振りはあまり見せない。
「怖い人に迫力のない人間が注意するのは厳しいですね……それよりも大多数が捨てない空気を作っていきましょう。割れ窓理論っていいますし。
ボクがいたスラムでは特にひどかったですよ」
そんなことを呟きつつせっせとお掃除。小さな子供の声援には笑顔で応えて、居心地のいい環境、ゴミを捨て難い環境を外堀を埋めるように作っていく。
『清掃運動中』というノボリを作って大きなゴミを収集したり集めたゴミ袋を指定の処理場に運ぶ時に使う荷車にセットしようと屋外はルカ・シュバルツエンド(kz0073)と愚痴混じりの話をしながら作成する。
「まったく、変な依頼ばかり僕に斡旋させる手はずを上が整えるのは止めて欲しいよ。僕は常識人でありたいんだ……」
「そんなこともあります。御苦労も或る線をすぎれば苦にならなく……え? そういう話じゃない? ……と、完成しましたね」
「手作りの感じが印象に残って良いんじゃない? 視覚と心に訴えると思うな」
「ではこれを使って早速ゴミ拾いに参りましょう」
ペットのパルムは子供がまわりに来た時は遊びの相手をお願いし、同じくペットのシェパードには近くでゴミのポイ捨てをキャッチしてくれる事を期待しつつ。
「頼んだぞ、勇者!」
スコップで潰せるゴミは潰して嵩を減らし、細かいゴミはすくい取る屋外。
箒は借りて塵取りはスコップで代用。
「こうしていると道具の可能性を感じますね」
凛はマナーの悪い観光客や地元住民を見つけた時はそれとなく注意してゴミの不法投棄の抑止とマナーの向上を図っていた。
「清潔に保つと同時に心身も鍛えられる……そう思えば悪くない」
と、何でも修行に結び付けて考える天然ボケをいつものように発揮しながら広場の清掃に励む。
セシルはといえばルカに「面倒かもしれないですけど一緒に頑張りましょうね」と声をかけることで適当な場所でばっくれようとしたルカを戦力に加え、植え込みなどの見逃しがちな場所もしっかりチェックしてゴミを回収。
大きなゴミを粗方片付けたら石畳を掃いて小さなゴミを綺麗に。
「全体が綺麗になれば自然とゴミを捨てるのも気が引けるでしょうし、千里の道も一歩からですね」
家庭ゴミを持ち込んだ人に対しては持ち帰りを願い、渋った場合は折角の観光地なのに観光客が減るのは悲しいし、持ち帰るのが大変なら手伝いもするから、と申し出る。
ルカを使ったのは屋外やセシルだけではない。ルーチェもその一人だ。
帝国側でも景観を護るためにゴミの不法投棄に対して対策を練っているところだとルカから聞き出すとボランティアの人たちやルカに、ヒソヒソ話を装って周りに聞こえるように話をしてもらうという頭脳派的な行動だ。
「目に見えて分かりやすいのは……ゴミの不法投棄に対する罰金制度、かな。口頭注意だけだと繰り返す人もでるだろうし。危険を犯してまでゴミを捨てに来る物好きはいないと思いたいよねぇ」
「その対策が実現すればぁ、ボランティアの人も随分楽になるわよねぇ?」
「酷い時は自警団に見回りをしてもらったり、罰金何回で景観を乱した賠償請求とかも検討してもらうように掛け合ってみようかな。今のままじゃキリがないし少し厳しく取り締まってもらわないと」
少し誇張した内容の方が効果があるかもしれない、というルーチェの事前の打ち合わせどおりルカが話題を広げる。
ボランティアの人たちはハンターの人に頼むのは気が引けたけれど、その話の真偽を確かめられたしやはり頼んでよかった、と話をあわせた。
ゴミは粗方片付き、生ゴミが片付いたことと屋外で風通し自体は元々良かったことから立ち込める悪臭も次第に薄れ、それぞれが『ゴミを捨てにくくする環境』を行動で示し、仕上げに『綺麗に利用してくださって有難う御座います』という看板を景観を損なわない程度に設置する。
「これでゴミを捨ててはいけないって書いてるけどみんな捨てていくし大丈夫だろう、という考えを未然に防げればいいのだが」
頭ごなしに注意するのではなく、常日頃から綺麗にしておいてくれることへ感謝を示す、と言う意味でのこの看板なら反感を買いにくい上良心に訴えることもできるだろう。
ハンターたちとボランティアのメンバーが尽力した結果、ゴミだらけだった観光名所は観光名所らしい綺麗な外観を取り戻し、一同はお互いの労を労うために広場で屋外の用意した飲食物で昼食会。
少し肌寒い気候だが動いた後にはその風も心地いい。
食事を終えた一同は恵みに感謝したあと、顔を合わせて合言葉のように異口同音で「ゴミは持ち帰りで!」と言って笑いあったのだった。
依頼結果
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/02/23 12:08:40 |