ゲスト
(ka0000)
【不動】クロウのお手製試作兵器
マスター:植田誠

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~10人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2015/02/28 12:00
- 完成日
- 2015/03/09 07:36
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
接近する怠惰の歪虚……所謂巨人という奴だ。それらの中から2体程こちらに近づいて来ていた。まだかなり距離があるにも関わらずその像ははっきりしており、敵が巨体であることを物語っている。
「あんまり大人数の相手は厳しいかと思ってたが、あれぐらいなら実戦テストには丁度いいな。この……」
クロウは接近する一つ目の巨人から隣に立つ魔導アーマーに目を向けた。その腕には通常つけられている鉄球の類は装備されていない。その代り、アーマーの右腕部分は巨大な砲身、左腕は杭状の装備に換装されていた。
「この、俺が寝る間も惜しんで作り上げた対空砲のな!」
本来魔導アーマーは近接戦の方が得意だし、盾役としての役割を求められている。
「だが、そこに敢えての遠距離攻撃手段だ。選択肢の幅も広がるし、対空砲があれば防空もちっとはましになるって寸法だ」
元々帝国の防空はグリフォン……平たく言えばヒンメルリッターに任せっきりなところが多い。が、彼らも人間だ。今回グリフォンライダーが殆ど戦場に出てきていないのも前回のCAM強奪に関わる被害が補えきれておらずこちらに回す人員が不足しているせいだ。
魔導アーマーが防空もこなせるようになれば彼らの負担は減るだろうし、帝国としても益があるだろう。
「飛んでる敵がいないから対空砲の試験運用としては……まぁ連中図体はでかいから高いところ狙うって点では変わらねぇかな」
とはいえクロウが作ってきたこの対空砲はあくまで試作型だ。そのうえ製作期間が短かったため多数の問題点を抱えている。
「それじゃお前ら。データ取りの為にもしっかり敵を倒してくれよ?」
そう言ってクロウはその場から少し離れて魔導機械を取り出す。ハンターたちの運用データを記録・検証して今後の開発に役立てようという考えだ。
「とは言ったものの……大丈夫かねぇ……」
目を細めて巨人の足元辺りを見てみると、小さな狼の姿がかすかに見えた。歪虚らの影響で発生した雑魔だろう。巨人と比べて足は速そうだ。アーマーが攻撃され損傷……もし試作兵器が壊されでもしたら目も当てられない。もちろん敵が近づいてくるようならクロウも戦闘に参加するつもりではあるが……
「……できれば圧倒してもらいたいところだな。そうすりゃデータ取りも捗るってもんだ」
巨人が試作兵器の射程に入るまでには、今少し時間を要した。
接近する怠惰の歪虚……所謂巨人という奴だ。それらの中から2体程こちらに近づいて来ていた。まだかなり距離があるにも関わらずその像ははっきりしており、敵が巨体であることを物語っている。
「あんまり大人数の相手は厳しいかと思ってたが、あれぐらいなら実戦テストには丁度いいな。この……」
クロウは接近する一つ目の巨人から隣に立つ魔導アーマーに目を向けた。その腕には通常つけられている鉄球の類は装備されていない。その代り、アーマーの右腕部分は巨大な砲身、左腕は杭状の装備に換装されていた。
「この、俺が寝る間も惜しんで作り上げた対空砲のな!」
本来魔導アーマーは近接戦の方が得意だし、盾役としての役割を求められている。
「だが、そこに敢えての遠距離攻撃手段だ。選択肢の幅も広がるし、対空砲があれば防空もちっとはましになるって寸法だ」
元々帝国の防空はグリフォン……平たく言えばヒンメルリッターに任せっきりなところが多い。が、彼らも人間だ。今回グリフォンライダーが殆ど戦場に出てきていないのも前回のCAM強奪に関わる被害が補えきれておらずこちらに回す人員が不足しているせいだ。
魔導アーマーが防空もこなせるようになれば彼らの負担は減るだろうし、帝国としても益があるだろう。
「飛んでる敵がいないから対空砲の試験運用としては……まぁ連中図体はでかいから高いところ狙うって点では変わらねぇかな」
とはいえクロウが作ってきたこの対空砲はあくまで試作型だ。そのうえ製作期間が短かったため多数の問題点を抱えている。
「それじゃお前ら。データ取りの為にもしっかり敵を倒してくれよ?」
そう言ってクロウはその場から少し離れて魔導機械を取り出す。ハンターたちの運用データを記録・検証して今後の開発に役立てようという考えだ。
「とは言ったものの……大丈夫かねぇ……」
目を細めて巨人の足元辺りを見てみると、小さな狼の姿がかすかに見えた。歪虚らの影響で発生した雑魔だろう。巨人と比べて足は速そうだ。アーマーが攻撃され損傷……もし試作兵器が壊されでもしたら目も当てられない。もちろん敵が近づいてくるようならクロウも戦闘に参加するつもりではあるが……
「……できれば圧倒してもらいたいところだな。そうすりゃデータ取りも捗るってもんだ」
巨人が試作兵器の射程に入るまでには、今少し時間を要した。
リプレイ本文
●
「それじゃ、俺はちっと引いたところからデータ取らせてもらうからよ。しっかり頼むぜ」
クロウがそう言って後方に下がってから、ハンターたちは思い思いに準備を始める。
「……良い感じです」
魔導アーマーA機の操縦席に座っていたヴィーズリーベ・メーベルナッハ(ka0115)は、軍に在籍していたことを思い出しながらそう呟く。
「嘗てCAMに乗っていた時を思い出しますね……そちらはどうですか?」
「こっちも確認は完了してるよ。後は実際撃ってみてからかな……」
右方では同様に砲を動かしているスーズリー・アイアンアックス(ka1687)の姿が見えた。今回は装填手、砲手としての仕事に専念するために常よりも軽量で取り回しの良い装備を用意。手には連絡用の無線機を構えており準備は万端といった様子だ。
(魔導アーマーの性能……僕らがどれだけ上手く扱えるかな……)
もう1体の魔導アーマーB機に乗ったシエル=アマト(ka0424)もそれに倣うように軽く魔導アーマーを動かしてみる。
「シエル君、今回は宜しく」
緊張した面持ちで魔導アーマーを操作するシエルに声をかけたのは、この機の砲手を務めるエスト・ベルフォルマ(ka0627)だ。
「こちらこそ。しっかり合わせていきましょう!」
「ええ。頼りにしてるわ♪」
二人はバンド仲間ということもあり多少気心が知れている仲だ。砲と機体の動きが連動していない分両者の連携が少なからず必要になるが、その点は心配なさそうだ。
『私も、手伝うから、任せて』
二人の持つ無線機からナツキ(ka2481)の声が聞こえる。アーマーの足元を見ると砲弾の装填を丁度完了したようで、こちらを見上げ手を振っていた。
この2体の魔導アーマーが狙うのは一つ目の巨人サイクロプスだ。
「一つ目の巨人か……遠近感を掴んだり、多方向を見るのは苦手だったりするのかな?」
ルア・パーシアーナ(ka0355)は伸びた髪を纏めながらそんな疑問を口にする。
「どうだろうな……」
クローディア(ka3392)は同様にサイクロプスへ目を向けながら、考え込んでいる様子だ。
「その辺は戦ってみれば分かるでしょう。尤も……僕達が戦うのはあちらですが」
天央 観智(ka0896)が言うように、敵はサイクロプスだけではない。多数の狼型雑魔がこちらに近づいて来ていた。
「くく、このポンコツが十二分に実力を発揮できる舞台は整えてやるさ。精々暴れてくれ」
マルク・D・デメテール(ka0219)は背後に並び立つ魔導アーマーに目線を向けながら不敵に笑う。魔導アーマーを軽く見ているような言動……だが、実際のところは魔導アーマーに使われている技術というのはマルクの愛用する武器に使われているものと同じようなものだ。自身の命を預けている武器の技術、本心から疑っているわけではなかった。
「さぁ、お喋りもここまでにしましょう。迎え撃ちますよ!」
覚醒の影響で赤い光に包まれるリアン・カーネイ(ka0267)。その視線はすでに敵の姿を捉えていた。
●
「装填確認……それでは始めましょう」
「了解! 撃てえ!」
ヴィーズリーベの指示から、スーズリーがすぐさま砲撃。魔導アーマー両機から響く巨大な砲音により、戦端は開かれた。
「先に行くよ!」
瞬脚とランアウトにより高めた機動力を活かし、全力で駆けだしていくルア。その後ろから観智、クローディアが続いていく。
「さて、スーズリー様砲弾を……あら」
走るルア達の先、サイクロプスへの着弾を確認したヴィーズリーベは視線を横、スーズリーの座る砲座に向ける。が、そこにはすでにスーズリーの姿は無い。飛び降りて弾を取りに行ったようだ。
「どう、シエル君?」
「当たった! 良し、こっちもどんどん行きましょう!」
もう一体、シエルとエストが乗る魔導アーマーB機。こちらも着弾観測を行いながら次の準備を行う。
「了解よ、シエル君……ナツキさん、どう?」
『待って……オッケー、装填、完了』
無線機から聞こえるナツキの声。目線を下げると砲弾置場へと走るナツキの姿。アーマーの姿をちらちらと見つつ……砲撃に合わせて耳を塞ぐ。
「……っ! やっぱり、デカい、音」
塞いでいてもこの距離だと耳が痛い。それを堪えながら、ナツキはせっせと砲弾を運んでいく。
一方、前線では早くもルアが接敵。狙いは敵集団でも先頭に位置している狼。
(ミカ副長さんが言ってた……何事も……)
「最初が肝心!」
先輩上司であるミカのアドバイスに従い、ルアは出鼻を挫くつもりで接近の勢いそのまま、狼に向かって拳による一撃を加える。手応えあり。
「もう一発!」
連続してさらに殴打。十分な手ごたえとともに、最初の狼が崩れ落ちる。だが、敵の勢いが収まる様子は見えない。
「ボスがいるかなと思ったけど……」
どうもそうではなさそうだ。突然発生した雑魔故に、指揮系統等が確立されていないのだろう。
「その分、連携など取れないから御しやすくはあるか」
ルアの横を駆け抜けた狼を振動刀で切って落とすクローディア。敵の能力自体はそう高くは無さそうだ。
「とはいえ、やはり数の差は侮れませんね……ちゃんと寝てくれると良いんですけれど」
観智はスリープクラウドを使用。青白いガスが広がり、晴れた時には数匹の狼が眠りこけていた。
「本当はもう少し纏まった時に使いたかったんですが……」
上手くいったことによる多少ホッとしたものの、思ったよりは巻き込めなかった。この辺りは敵が連携をとらず動きがバラバラだったから仕方がないだろう。
「それに、ばらばらに動くなら各個撃破していけばいいだけの話ってな。さて、俺も動くかねぇ」
その様子を見ながらマルクは自身の取るべき動きを考える。
(先頭に行った3人は比較的固まって動いてる。となれば俺は……やっぱり横を抜けてこうとするのを叩いてくか)
方針を決めたマルクはガントレットの先から刃の爪を出し、戦闘の準備。
「それじゃ、こっちに来た奴は頼むぜ?」
「分かっています。ここから先には通しませんよ」
走りだすマルクの背を見つめながら、リアンは周囲に何かを撒く。
事前に救護所で血塗れの包帯を確保し、それを利用した急造血袋だ。それらを自分たちの定めた最終防衛ライン付近に巻いておき、敵を誘引するつもりだ。
「これにどれほど効果があるかは分かりませんが……何もしないよりはましでしょう。さて……」
準備を終えたリアンは槍を構え直し、敵の接近を待った。
●
「ヴィーズリーベさん、砲弾おまたせえ!」
「ありがとうございます……良し、ではアーマーの方に」
スーズリーとヴィーズリーベは協力して装弾を行うと、すぐにアーマーに乗り込むと機体の操作。ヴィーズリーベは機体をサイクロプスの真正面……よりやや左に移動させる。砲が右腕部と換装される形でついていることから、その分着弾位置もずれるだろうという判断だ。
「……これぐらいかな」
「ええ、そんなものでしょう。それではお願いします」
同時に、左腕部の杭が地面に撃ち込まれ機体が固定される。
「よーし……撃てえ!」
瞬間、スーズリーは砲弾が描く放物線を読みながら、砲の角度を調整。こうして二人は砲撃を確実に命中させている。
「敵も接近してきてます、仰角は下げ気味で」
シエルの方も着弾観測を行いながら機体位置を調整しつつ、砲手であるエストに指示を出していく。
『装填、完了』
「了解、続けていくわ」
ナツキからの連絡を受けると、エストは目視で狙いを定めつつも指示を考慮にいれて角度を調整。
「仰角、下げ……ファイア!」
エストの声と共に周囲へ轟く砲音。砲撃はサイクロプスに吸い込まれるように命中する。
2組とも試作故に精度が低い対空砲を上手く使いこなし、確実にサイクロプスに攻撃を当てていく。ただ、目視で確認する限り、B機が狙うサイクロプスの方がダメージは大きそうだ。やはり装填手であるナツキの存在が大きいようで、砲撃の回転率に差が生じているようだ。
「……良し、着弾!」
やがて、B機が狙うサイクロプスの顔面に砲弾が直撃。そのまま仰け反るように地面に倒れた。
これで残るは1体。2機の魔導アーマーで狙えばすぐに……
「…………あれ?」
「どうしたのシエル君?」
シエルの様子がおかしいことに気付いたエストが問いかける。
「機体の動きが……これは……」
『杭、深く、刺さりすぎ』
下にいたナツキが、無線でその答えを教えてくれた。クロウも指摘していた発生する可能性のある問題点。砲撃時の固定用杭が深く刺さりすぎてしまったようだ。
「まずいな……」
すでにナツキが杭の周りの地面を掘り始めている。ある程度杭を露出させて引っこ抜くつもりだろう。それを手伝おうとエスト、シエルも魔導アーマーを降り……
『すいません、ナツキ様』
そこで、ヴィーズリーベから無線機を通じて連絡が入る。
『少しまずいかもしれません。すぐに再行動させられないようならこちらの装弾をお願いできませんか?』
ヴィーズリーベ、そしてスーズリーも険しい表情を浮かべている。その視線はサイクロプス……ではなく、その足元にいた人影に向けられていた。
●
サイクロプスの片割れが倒れる少し前。
「くっ……しつこいよ!」
最前線で戦い続けるルア。ここまでなんとか攻撃をかわしていたルカ。だが、打撃によるダメージをなんとか耐えた狼の苦し紛れの体当たり。これがカウンター気味に入ってしまい、態勢を崩し倒れる。
「それ以上追撃はさせませんよ!」
他の狼がルアに追い打ちをかけようとするのを観智がマジックアローを放つことで牽制。しかし、その一瞬の隙を突くように別の狼が走り抜ける。
「……やはり眠らせたままというわけにはいきませんでしたか」
砲撃音は無論アーマー付近程ではないが響いてくる。それに、戦闘中一切の音を立てないというわけにもいかない。そう時間を待たずして狼たちは起きだし、行動を再開していた。
無論、そういった撃ち漏らしを止めるために、マルクもそこから引いた位置で戦闘を行っていたわけだが……
「面倒臭ぇ。こう広がられちまうと……」
スキルを利用してなんとかカバーしていたが、それにも限界が生じる。
「っ……待ちやがれ!」
倒した矢先にすぐ別の方から抜けていく狼。投げナイフで牽制を行うも運悪くその攻撃は外れ、狼は魔導アーマーへと向かって走る。
「クソッたれ!」
マルクはスキルを使用しその後を追う。追って……
「……! やれやれ、そうだったな」
その追い足を緩める。
「ハァッ!」
狼の一匹がリアンの腕に喰らい付いていた。だが、その行動により狼の動きは止まっていた。
リアンは好機とばかりにその狼を槍で刺し貫き、強引に引きはがす。さらに槍を大きく振り、貫かれたままの狼を他の狼へとぶつけるように投げ飛ばす。
「この先にあるものは、これからの先を作るものだ。それに触らせるわけにはいかない!」
リアンはそう言うと槍を大きく振り回し、接近して来ようとする狼たちを威嚇する。
「さぁ来るなら来い! ここから先を通りたいなら、代価に命を払ってもらう!」
その気迫に押されたか、狼たちの動きに積極性が失われる。
「やれやれ、急いで損しちまったな……さ、後は殲滅するだけってな!」
狼たちの後ろからはマルクが爪を鳴らしながら迫る。挟み撃ちの形になった狼たちに、生き残る術はもはや残されてはいなかった。
「……あっちは何とかなったようですね」
リアンが足止めをしている間に、最前線の狼たちもルアと観智によって殲滅されていた。
「敵の数が多くて大変だったけどね」
「ええ。後はアーマーがサイクロプスを仕留めるだけ……そういえば、クローディアさんは?」
少し前まで近くで戦っていたはずのクローディアがいないことに気が付いた。
二人は周囲を見回し……その姿を見つけた。
「な……なんであんなところに」
驚く二人。何しろその場所とは……サイクロプスの目の前だったからだ。
「くっ……」
ルアと観智は同時にクローディアの援護へ走る。が、それを待たずクローディアはサイクロプスに立ち向かう。
(サイズ差のある敵と戦う際の指標を取りたい)
この作戦に参加したのにはそう言う動機もあった。だからこそ、クローディアは進む。
すでにサイクロプスは数度の砲撃でダメージをかなり蓄積しているように見える。クローディアはその足元まで素早く潜り込むと、そのまま後ろをとり振動刀を上段に構える。
「そこだ!」
クローディアはアキレス腱に当たる部分を狙い渾身撃を放った。
「どうだ……!?」
手応えはあった。サイクロプスは体勢を崩したかのように揺れる……が、倒れない。やはり倒し切るにはダメージが足りない。すぐにその場を移動しようとしたクローディアだったが、サイクロプスの反撃の方が速い。上から拳を叩きつけられクローディアは地面との間に挟まれる。致命傷に近い。
それでも何とか息があったのは、今もクローディアの事を思っていてくれている屋外による加護だろうか。だが、何とか命をつないだクローディアに止めを刺そうとサイクロプスは視線を落とし……
「今です」
そこをヴィーズリーベ、スーズリー組が狙い撃つ。高威力の砲撃に横殴りにされたサイクロプスはもう一体と運命を同じくした。
「危ない……急に屈んだから狙いの修正が間に合わないかと思った」
「まぁ当たったのですから問題はありません」
着弾観測を行っていたスーズリーに、ヴィーズリーベはそう声をかけた。
こうして、ハンターたちはすべての敵を殲滅することに成功した。
●
自身のマテリアルヒーリングで応急処置をすませたクローディア。だが、それでも大怪我には変わらず、先んじて医療班の待つ後方へと運ばれていった。
「まったく、無茶しやがって……まぁ、命に別状はなさそうだし大丈夫だろう」
ホッと息を吐いたクロウ。その言葉で安心したハンターたちは、ざっと周辺の索敵を行い……敵が残っていないことを確認した。全体の戦局も優勢に運んでいるようだ。
「よし、それじゃ一度後退するか」
クロウの指示でハンターたちは後退を開始する。
「ポンコツの割にはそこそこやれてたんじゃねぇか?」
ポンコツと言いつつもその戦果はある程度評価しているような発言をするマルク。とはいえ今回はパイロットたちの技量に助けられた部分が強かったとクロウは考えていた。
「データ取りの、成果は、どう?」
「おう、そっちも上々だな」
「それにしても、この武器……城塞砲などにも向くんじゃないでしょうか」
「城塞砲? ……ふむ、なるほどねぇ」
ナツキの質問に答えていたクロウだったが、シエルの意見にサッとメモを取りだす。これを皮切りにこの試作兵器に意見を持つ者達が各々意見を述べていく。無論交代で周辺の警戒を行いながらだが。
ヴィーズリーベからは砲塔の真上への移動。加えて……
「若干でも良いので、砲自体の左右旋回を可能に。この2点が必要だと思います」
「確かに、砲手の方でもう少し自由に動かせた方が便利だろうね」
スーズリーもその意見に頷く。機体位置調整の手間も省けるし、やはりこれは必要そうだ。
砲撃を安定させるための杭に関しては、ナツキと観智から。
「今だと、砲撃の反動、機体の右に集中する。機体、ぶれやすい」
「それなら、いっそ腰か背中の辺りにつけるようにした方がいいのでは?」
二人の意見を受けて出されたリアンの更なる意見を述べる。
「そもそも杭だと刺さって抜けなくなるのがまずいですし、衝撃吸収できる強い摩擦面のある補助脚を複数設置するのが良さそうですが」
「確かに、今回実際に杭が抜けなくなりましたし……」
「後は、対空砲だけだと押し込まれた時ちょっと辛いし、そう言う時の備えも必要じゃないかしら」
続けて意見するシエル、エスト。
この他にも弾倉式にして装填を楽にする。単発のものより手数や範囲を重視したほうがいいのではないか等々……
「ふむふむ……色々意見があるみてぇだな」
それらをクロウはしっかりメモしていく。
「でも、パイロットと砲手が別っていうのはある意味ロマンな感じがするね」
ルアの感想に同意するようにうんうんと頷くクロウ。だが、効率的に考えたらやはりパイロットの側で一括管理できるようにした方がいいだろうとも思うわけで……
(まぁこの辺はデータとも照らし合わせて考えてみるかな)
粗方意見が出尽くしたようなので、クロウはそこでメモ帳をしまった。
「出来るだけ意見は反映させてぇとこだが……まぁ俺が動かせる予算も限りがあるからな。後時間も。まぁのんびり続報を待っててくれ」
この試作兵器が今後どうなっていくのか。このまま試作機のみで消えていくのか、それとも他のハンターたちにも扱えるようなものになるか。
それはクロウの頑張りと……あとは時間と製作費次第といったところだろう。
「それじゃ、俺はちっと引いたところからデータ取らせてもらうからよ。しっかり頼むぜ」
クロウがそう言って後方に下がってから、ハンターたちは思い思いに準備を始める。
「……良い感じです」
魔導アーマーA機の操縦席に座っていたヴィーズリーベ・メーベルナッハ(ka0115)は、軍に在籍していたことを思い出しながらそう呟く。
「嘗てCAMに乗っていた時を思い出しますね……そちらはどうですか?」
「こっちも確認は完了してるよ。後は実際撃ってみてからかな……」
右方では同様に砲を動かしているスーズリー・アイアンアックス(ka1687)の姿が見えた。今回は装填手、砲手としての仕事に専念するために常よりも軽量で取り回しの良い装備を用意。手には連絡用の無線機を構えており準備は万端といった様子だ。
(魔導アーマーの性能……僕らがどれだけ上手く扱えるかな……)
もう1体の魔導アーマーB機に乗ったシエル=アマト(ka0424)もそれに倣うように軽く魔導アーマーを動かしてみる。
「シエル君、今回は宜しく」
緊張した面持ちで魔導アーマーを操作するシエルに声をかけたのは、この機の砲手を務めるエスト・ベルフォルマ(ka0627)だ。
「こちらこそ。しっかり合わせていきましょう!」
「ええ。頼りにしてるわ♪」
二人はバンド仲間ということもあり多少気心が知れている仲だ。砲と機体の動きが連動していない分両者の連携が少なからず必要になるが、その点は心配なさそうだ。
『私も、手伝うから、任せて』
二人の持つ無線機からナツキ(ka2481)の声が聞こえる。アーマーの足元を見ると砲弾の装填を丁度完了したようで、こちらを見上げ手を振っていた。
この2体の魔導アーマーが狙うのは一つ目の巨人サイクロプスだ。
「一つ目の巨人か……遠近感を掴んだり、多方向を見るのは苦手だったりするのかな?」
ルア・パーシアーナ(ka0355)は伸びた髪を纏めながらそんな疑問を口にする。
「どうだろうな……」
クローディア(ka3392)は同様にサイクロプスへ目を向けながら、考え込んでいる様子だ。
「その辺は戦ってみれば分かるでしょう。尤も……僕達が戦うのはあちらですが」
天央 観智(ka0896)が言うように、敵はサイクロプスだけではない。多数の狼型雑魔がこちらに近づいて来ていた。
「くく、このポンコツが十二分に実力を発揮できる舞台は整えてやるさ。精々暴れてくれ」
マルク・D・デメテール(ka0219)は背後に並び立つ魔導アーマーに目線を向けながら不敵に笑う。魔導アーマーを軽く見ているような言動……だが、実際のところは魔導アーマーに使われている技術というのはマルクの愛用する武器に使われているものと同じようなものだ。自身の命を預けている武器の技術、本心から疑っているわけではなかった。
「さぁ、お喋りもここまでにしましょう。迎え撃ちますよ!」
覚醒の影響で赤い光に包まれるリアン・カーネイ(ka0267)。その視線はすでに敵の姿を捉えていた。
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「装填確認……それでは始めましょう」
「了解! 撃てえ!」
ヴィーズリーベの指示から、スーズリーがすぐさま砲撃。魔導アーマー両機から響く巨大な砲音により、戦端は開かれた。
「先に行くよ!」
瞬脚とランアウトにより高めた機動力を活かし、全力で駆けだしていくルア。その後ろから観智、クローディアが続いていく。
「さて、スーズリー様砲弾を……あら」
走るルア達の先、サイクロプスへの着弾を確認したヴィーズリーベは視線を横、スーズリーの座る砲座に向ける。が、そこにはすでにスーズリーの姿は無い。飛び降りて弾を取りに行ったようだ。
「どう、シエル君?」
「当たった! 良し、こっちもどんどん行きましょう!」
もう一体、シエルとエストが乗る魔導アーマーB機。こちらも着弾観測を行いながら次の準備を行う。
「了解よ、シエル君……ナツキさん、どう?」
『待って……オッケー、装填、完了』
無線機から聞こえるナツキの声。目線を下げると砲弾置場へと走るナツキの姿。アーマーの姿をちらちらと見つつ……砲撃に合わせて耳を塞ぐ。
「……っ! やっぱり、デカい、音」
塞いでいてもこの距離だと耳が痛い。それを堪えながら、ナツキはせっせと砲弾を運んでいく。
一方、前線では早くもルアが接敵。狙いは敵集団でも先頭に位置している狼。
(ミカ副長さんが言ってた……何事も……)
「最初が肝心!」
先輩上司であるミカのアドバイスに従い、ルアは出鼻を挫くつもりで接近の勢いそのまま、狼に向かって拳による一撃を加える。手応えあり。
「もう一発!」
連続してさらに殴打。十分な手ごたえとともに、最初の狼が崩れ落ちる。だが、敵の勢いが収まる様子は見えない。
「ボスがいるかなと思ったけど……」
どうもそうではなさそうだ。突然発生した雑魔故に、指揮系統等が確立されていないのだろう。
「その分、連携など取れないから御しやすくはあるか」
ルアの横を駆け抜けた狼を振動刀で切って落とすクローディア。敵の能力自体はそう高くは無さそうだ。
「とはいえ、やはり数の差は侮れませんね……ちゃんと寝てくれると良いんですけれど」
観智はスリープクラウドを使用。青白いガスが広がり、晴れた時には数匹の狼が眠りこけていた。
「本当はもう少し纏まった時に使いたかったんですが……」
上手くいったことによる多少ホッとしたものの、思ったよりは巻き込めなかった。この辺りは敵が連携をとらず動きがバラバラだったから仕方がないだろう。
「それに、ばらばらに動くなら各個撃破していけばいいだけの話ってな。さて、俺も動くかねぇ」
その様子を見ながらマルクは自身の取るべき動きを考える。
(先頭に行った3人は比較的固まって動いてる。となれば俺は……やっぱり横を抜けてこうとするのを叩いてくか)
方針を決めたマルクはガントレットの先から刃の爪を出し、戦闘の準備。
「それじゃ、こっちに来た奴は頼むぜ?」
「分かっています。ここから先には通しませんよ」
走りだすマルクの背を見つめながら、リアンは周囲に何かを撒く。
事前に救護所で血塗れの包帯を確保し、それを利用した急造血袋だ。それらを自分たちの定めた最終防衛ライン付近に巻いておき、敵を誘引するつもりだ。
「これにどれほど効果があるかは分かりませんが……何もしないよりはましでしょう。さて……」
準備を終えたリアンは槍を構え直し、敵の接近を待った。
●
「ヴィーズリーベさん、砲弾おまたせえ!」
「ありがとうございます……良し、ではアーマーの方に」
スーズリーとヴィーズリーベは協力して装弾を行うと、すぐにアーマーに乗り込むと機体の操作。ヴィーズリーベは機体をサイクロプスの真正面……よりやや左に移動させる。砲が右腕部と換装される形でついていることから、その分着弾位置もずれるだろうという判断だ。
「……これぐらいかな」
「ええ、そんなものでしょう。それではお願いします」
同時に、左腕部の杭が地面に撃ち込まれ機体が固定される。
「よーし……撃てえ!」
瞬間、スーズリーは砲弾が描く放物線を読みながら、砲の角度を調整。こうして二人は砲撃を確実に命中させている。
「敵も接近してきてます、仰角は下げ気味で」
シエルの方も着弾観測を行いながら機体位置を調整しつつ、砲手であるエストに指示を出していく。
『装填、完了』
「了解、続けていくわ」
ナツキからの連絡を受けると、エストは目視で狙いを定めつつも指示を考慮にいれて角度を調整。
「仰角、下げ……ファイア!」
エストの声と共に周囲へ轟く砲音。砲撃はサイクロプスに吸い込まれるように命中する。
2組とも試作故に精度が低い対空砲を上手く使いこなし、確実にサイクロプスに攻撃を当てていく。ただ、目視で確認する限り、B機が狙うサイクロプスの方がダメージは大きそうだ。やはり装填手であるナツキの存在が大きいようで、砲撃の回転率に差が生じているようだ。
「……良し、着弾!」
やがて、B機が狙うサイクロプスの顔面に砲弾が直撃。そのまま仰け反るように地面に倒れた。
これで残るは1体。2機の魔導アーマーで狙えばすぐに……
「…………あれ?」
「どうしたのシエル君?」
シエルの様子がおかしいことに気付いたエストが問いかける。
「機体の動きが……これは……」
『杭、深く、刺さりすぎ』
下にいたナツキが、無線でその答えを教えてくれた。クロウも指摘していた発生する可能性のある問題点。砲撃時の固定用杭が深く刺さりすぎてしまったようだ。
「まずいな……」
すでにナツキが杭の周りの地面を掘り始めている。ある程度杭を露出させて引っこ抜くつもりだろう。それを手伝おうとエスト、シエルも魔導アーマーを降り……
『すいません、ナツキ様』
そこで、ヴィーズリーベから無線機を通じて連絡が入る。
『少しまずいかもしれません。すぐに再行動させられないようならこちらの装弾をお願いできませんか?』
ヴィーズリーベ、そしてスーズリーも険しい表情を浮かべている。その視線はサイクロプス……ではなく、その足元にいた人影に向けられていた。
●
サイクロプスの片割れが倒れる少し前。
「くっ……しつこいよ!」
最前線で戦い続けるルア。ここまでなんとか攻撃をかわしていたルカ。だが、打撃によるダメージをなんとか耐えた狼の苦し紛れの体当たり。これがカウンター気味に入ってしまい、態勢を崩し倒れる。
「それ以上追撃はさせませんよ!」
他の狼がルアに追い打ちをかけようとするのを観智がマジックアローを放つことで牽制。しかし、その一瞬の隙を突くように別の狼が走り抜ける。
「……やはり眠らせたままというわけにはいきませんでしたか」
砲撃音は無論アーマー付近程ではないが響いてくる。それに、戦闘中一切の音を立てないというわけにもいかない。そう時間を待たずして狼たちは起きだし、行動を再開していた。
無論、そういった撃ち漏らしを止めるために、マルクもそこから引いた位置で戦闘を行っていたわけだが……
「面倒臭ぇ。こう広がられちまうと……」
スキルを利用してなんとかカバーしていたが、それにも限界が生じる。
「っ……待ちやがれ!」
倒した矢先にすぐ別の方から抜けていく狼。投げナイフで牽制を行うも運悪くその攻撃は外れ、狼は魔導アーマーへと向かって走る。
「クソッたれ!」
マルクはスキルを使用しその後を追う。追って……
「……! やれやれ、そうだったな」
その追い足を緩める。
「ハァッ!」
狼の一匹がリアンの腕に喰らい付いていた。だが、その行動により狼の動きは止まっていた。
リアンは好機とばかりにその狼を槍で刺し貫き、強引に引きはがす。さらに槍を大きく振り、貫かれたままの狼を他の狼へとぶつけるように投げ飛ばす。
「この先にあるものは、これからの先を作るものだ。それに触らせるわけにはいかない!」
リアンはそう言うと槍を大きく振り回し、接近して来ようとする狼たちを威嚇する。
「さぁ来るなら来い! ここから先を通りたいなら、代価に命を払ってもらう!」
その気迫に押されたか、狼たちの動きに積極性が失われる。
「やれやれ、急いで損しちまったな……さ、後は殲滅するだけってな!」
狼たちの後ろからはマルクが爪を鳴らしながら迫る。挟み撃ちの形になった狼たちに、生き残る術はもはや残されてはいなかった。
「……あっちは何とかなったようですね」
リアンが足止めをしている間に、最前線の狼たちもルアと観智によって殲滅されていた。
「敵の数が多くて大変だったけどね」
「ええ。後はアーマーがサイクロプスを仕留めるだけ……そういえば、クローディアさんは?」
少し前まで近くで戦っていたはずのクローディアがいないことに気が付いた。
二人は周囲を見回し……その姿を見つけた。
「な……なんであんなところに」
驚く二人。何しろその場所とは……サイクロプスの目の前だったからだ。
「くっ……」
ルアと観智は同時にクローディアの援護へ走る。が、それを待たずクローディアはサイクロプスに立ち向かう。
(サイズ差のある敵と戦う際の指標を取りたい)
この作戦に参加したのにはそう言う動機もあった。だからこそ、クローディアは進む。
すでにサイクロプスは数度の砲撃でダメージをかなり蓄積しているように見える。クローディアはその足元まで素早く潜り込むと、そのまま後ろをとり振動刀を上段に構える。
「そこだ!」
クローディアはアキレス腱に当たる部分を狙い渾身撃を放った。
「どうだ……!?」
手応えはあった。サイクロプスは体勢を崩したかのように揺れる……が、倒れない。やはり倒し切るにはダメージが足りない。すぐにその場を移動しようとしたクローディアだったが、サイクロプスの反撃の方が速い。上から拳を叩きつけられクローディアは地面との間に挟まれる。致命傷に近い。
それでも何とか息があったのは、今もクローディアの事を思っていてくれている屋外による加護だろうか。だが、何とか命をつないだクローディアに止めを刺そうとサイクロプスは視線を落とし……
「今です」
そこをヴィーズリーベ、スーズリー組が狙い撃つ。高威力の砲撃に横殴りにされたサイクロプスはもう一体と運命を同じくした。
「危ない……急に屈んだから狙いの修正が間に合わないかと思った」
「まぁ当たったのですから問題はありません」
着弾観測を行っていたスーズリーに、ヴィーズリーベはそう声をかけた。
こうして、ハンターたちはすべての敵を殲滅することに成功した。
●
自身のマテリアルヒーリングで応急処置をすませたクローディア。だが、それでも大怪我には変わらず、先んじて医療班の待つ後方へと運ばれていった。
「まったく、無茶しやがって……まぁ、命に別状はなさそうだし大丈夫だろう」
ホッと息を吐いたクロウ。その言葉で安心したハンターたちは、ざっと周辺の索敵を行い……敵が残っていないことを確認した。全体の戦局も優勢に運んでいるようだ。
「よし、それじゃ一度後退するか」
クロウの指示でハンターたちは後退を開始する。
「ポンコツの割にはそこそこやれてたんじゃねぇか?」
ポンコツと言いつつもその戦果はある程度評価しているような発言をするマルク。とはいえ今回はパイロットたちの技量に助けられた部分が強かったとクロウは考えていた。
「データ取りの、成果は、どう?」
「おう、そっちも上々だな」
「それにしても、この武器……城塞砲などにも向くんじゃないでしょうか」
「城塞砲? ……ふむ、なるほどねぇ」
ナツキの質問に答えていたクロウだったが、シエルの意見にサッとメモを取りだす。これを皮切りにこの試作兵器に意見を持つ者達が各々意見を述べていく。無論交代で周辺の警戒を行いながらだが。
ヴィーズリーベからは砲塔の真上への移動。加えて……
「若干でも良いので、砲自体の左右旋回を可能に。この2点が必要だと思います」
「確かに、砲手の方でもう少し自由に動かせた方が便利だろうね」
スーズリーもその意見に頷く。機体位置調整の手間も省けるし、やはりこれは必要そうだ。
砲撃を安定させるための杭に関しては、ナツキと観智から。
「今だと、砲撃の反動、機体の右に集中する。機体、ぶれやすい」
「それなら、いっそ腰か背中の辺りにつけるようにした方がいいのでは?」
二人の意見を受けて出されたリアンの更なる意見を述べる。
「そもそも杭だと刺さって抜けなくなるのがまずいですし、衝撃吸収できる強い摩擦面のある補助脚を複数設置するのが良さそうですが」
「確かに、今回実際に杭が抜けなくなりましたし……」
「後は、対空砲だけだと押し込まれた時ちょっと辛いし、そう言う時の備えも必要じゃないかしら」
続けて意見するシエル、エスト。
この他にも弾倉式にして装填を楽にする。単発のものより手数や範囲を重視したほうがいいのではないか等々……
「ふむふむ……色々意見があるみてぇだな」
それらをクロウはしっかりメモしていく。
「でも、パイロットと砲手が別っていうのはある意味ロマンな感じがするね」
ルアの感想に同意するようにうんうんと頷くクロウ。だが、効率的に考えたらやはりパイロットの側で一括管理できるようにした方がいいだろうとも思うわけで……
(まぁこの辺はデータとも照らし合わせて考えてみるかな)
粗方意見が出尽くしたようなので、クロウはそこでメモ帳をしまった。
「出来るだけ意見は反映させてぇとこだが……まぁ俺が動かせる予算も限りがあるからな。後時間も。まぁのんびり続報を待っててくれ」
この試作兵器が今後どうなっていくのか。このまま試作機のみで消えていくのか、それとも他のハンターたちにも扱えるようなものになるか。
それはクロウの頑張りと……あとは時間と製作費次第といったところだろう。
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質問卓 シエル=アマト(ka0424) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
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